北九州・福岡大都市圏
福岡・北九州大都市圏 (総務省定義/1.5%都市圏)のデータ | |
---|---|
国 | 日本 |
面積 | 5,741 km2 |
総人口 |
5,538,142人 (1.5%都市圏)(2015年国勢調査) |
人口密度 |
964人/km2 (2015年国勢調査) |
外観 | |
福岡市 | |
北九州市 |
北九州・福岡大都市圏(きたきゅうしゅう・ふくおかだいとしけん)とは、北九州市と福岡市の2つの政令指定都市を中心とした都市圏のこと。両市を合わせて福北(ふくほく)と略称されることもある[1][2]。当都市圏は日本において三大都市圏に次ぐ規模を誇っている[3][4]。
「北九州・福岡大都市圏」という名称は国勢調査における統計上の地域区分を主に指すが、この項においては、名称や定義が異なるものの北九州市と福岡市の二市を中心としている様々な地域区分についても述べる。
概要
[編集]福岡市の都心(天神)と北九州市の都心(小倉)は約 70 km 離れており、それぞれが独自の都市圏を形成してきた。一般的な都市圏設定で用いる 5% 都市圏、10% 都市圏(通勤通学圏)で見ても、福岡市を中心市とする福岡都市圏、および、北九州市を中心市とする北九州都市圏(あるいは北九州市と下関市の2市を中心市とする関門都市圏)の両者の絶対都市圏が重なるのは、両市の間にある宗像市・福津市・宮若市・遠賀郡の一部に限られている。
名称・定義
[編集]当都市圏の定義がはっきりしているのは、国勢調査における統計上の地域区分としての「北九州・福岡大都市圏」に限られる。その他の名称が用いられる時はいずれも定義域が漠然としているが、その多くは単に「福岡都市圏+北九州都市圏」という意味合いで用いられている。
北九州・福岡大都市圏
[編集]総務省統計局が国勢調査において統計上の地域区分として定義されているもの。福岡・北九州の両市を中心市とし、両市への15歳以上の通勤・通学者数の合算が、当該市町村の常住人口の 1.5% 以上を占める地域[5][6] を指す。 定義域ははっきりしているものの、定義の性質上、福岡市または北九州市のうち一方に対しては通勤・通学客が僅少な市町村も含まれるほか、大牟田都市圏など国土交通省が定義した都市圏を分断する線引きとなっている[7]。なお、中心市である福岡市と北九州市もそれぞれの 1.5% 都市圏には含まれない。
年 | 人口 (人) |
面積 (km2) |
人口密度 (人/km2) |
---|---|---|---|
1960年 | 2,724,756 | ||
1965年 | 3,765,891 | 4,242 | 888 |
1970年 | 4,088,610 | 4,529 | 903 |
1975年 | 4,638,907 | 4,969 | 934 |
1980年 | 4,730,261 | 4,850 | 975 |
1985年 | 4,973,770 | 4,905 | 1,014 |
1990年 | 5,285,236 | 5,105 | 1,035 |
1995年 | 5,458,947 | 5,265 | 1,037 |
2000年 | 5,418,537 | 4,943 | 1,096 |
2005年 | 5,590,378 | 5,926 | 943 |
2010年 | 5,515,427 | 5,731 | 962 |
2015年 | 5,538,142 | 5,731 | 966 |
2020年 | 5,510,405 | 5,663 | 973 |
- 範囲
県 | 自治体 (1995年) |
1995年 | 2000年 | 2005年 | 2010年 | 2015年 | 自治体 (現在) |
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大分県 | |||||||
三光村 | - | - | - | - | - | 中津市 | |
本耶馬渓町 | - | - | |||||
耶馬溪町 | - | - | |||||
山国町 | - | - | |||||
中津市 | 北九州・福岡 都市圏 537万1418人 |
- | |||||
福岡県 | 吉富町 | 北九州・福岡 都市圏 | 北九州・福岡 都市圏 559万0378人 |
北九州・福岡 都市圏 551万5427人 |
北九州・福岡 都市圏 553万8142人 |
吉富町 | |
新吉富村 | 上毛町 | ||||||
大平村 | - | ||||||
豊前市 | 北九州・福岡 都市圏 541万8537人 |
豊前市 | |||||
椎田町 | 築上町 | ||||||
築城町 | |||||||
犀川町 | みやこ町 | ||||||
勝山町 | |||||||
豊津町 | |||||||
行橋市 | 行橋市 | ||||||
苅田町 | 苅田町 | ||||||
北九州市 | 北九州市 | ||||||
中間市 | 中間市 | ||||||
水巻町 | 水巻町 | ||||||
芦屋町 | 芦屋町 | ||||||
遠賀町 | 遠賀町 | ||||||
岡垣町 | 岡垣町 | ||||||
直方市 | 直方市 | ||||||
鞍手町 | 鞍手町 | ||||||
宮田町 | 宮若市 | ||||||
若宮町 | |||||||
小竹町 | 小竹町 | ||||||
金田町 | 福智町 | ||||||
赤池町 | |||||||
方城町 | |||||||
香春町 | 香春町 | ||||||
糸田町 | 糸田町 | ||||||
田川市 | 田川市 | ||||||
大任町 | 大任町 | ||||||
赤村 | 赤村 | ||||||
川崎町 | 川崎町 | ||||||
添田町 | 添田町 | ||||||
山田市 | 嘉麻市 | ||||||
稲築町 | |||||||
碓井町 | |||||||
嘉穂町 | |||||||
桂川町 | 桂川町 | ||||||
飯塚市 | 飯塚市 | ||||||
筑穂町 | |||||||
穂波町 | |||||||
庄内町 | |||||||
頴田町 | |||||||
宗像市 | 宗像市 | ||||||
玄海町 | |||||||
大島村 | - | ||||||
福間町 | 北九州・福岡 都市圏 537万1418人 |
福津市 | |||||
津屋崎町 | |||||||
古賀町 | 古賀市 | ||||||
新宮町 | 新宮町 | ||||||
久山町 | 久山町 | ||||||
篠栗町 | 篠栗町 | ||||||
須恵町 | 須恵町 | ||||||
宇美町 | 宇美町 | ||||||
粕屋町 | 粕屋町 | ||||||
志免町 | 志免町 | ||||||
福岡市 | 福岡市 | ||||||
前原市 | 糸島市 | ||||||
二丈町 | |||||||
志摩町 | |||||||
大野城市 | 大野城市 | ||||||
春日市 | 春日市 | ||||||
太宰府市 | 太宰府市 | ||||||
筑紫野市 | 筑紫野市 | ||||||
那珂川町 | 那珂川市 | ||||||
小郡市 | 小郡市 | ||||||
大刀洗町 | 大刀洗町 | ||||||
三輪町 | 筑前町 | ||||||
夜須町 | |||||||
甘木市 | 朝倉市 | ||||||
朝倉町 | |||||||
杷木町 | - | ||||||
宝珠山村 | - | - | - | - | - | 東峰村 | |
小石原村 | - | 北九州・福岡 都市圏 | |||||
八女市 | 北九州・福岡 都市圏 | 北九州・福岡 都市圏 | - | - | 八女市 | ||
上陽町 | - | - | - | ||||
黒木町 | - | - | - | ||||
立花町 | - | - | - | ||||
矢部村 | - | - | - | ||||
星野村 | - | - | - | ||||
吉井町 | - | - | 北九州・福岡 都市圏 559万0378人 |
- | - | うきは市 | |
浮羽町 | 北九州・福岡 都市圏 537万1418人 |
- | |||||
久留米市 | 北九州・福岡 都市圏 541万8537人 |
北九州・福岡 都市圏 551万5427人 |
北九州・福岡 都市圏 553万8142人 |
久留米市 | |||
田主丸町 | |||||||
北野町 | |||||||
城島町 | |||||||
三潴町 | |||||||
広川町 | 広川町 | ||||||
大川市 | 大川市 | ||||||
大木町 | 大木町 | ||||||
筑後市 | 筑後市 | ||||||
柳川市 | 柳川市 | ||||||
大和町 | |||||||
三橋町 | |||||||
瀬高町 | みやま市 | ||||||
山川町 | |||||||
高田町 | |||||||
大牟田市 | 大牟田市 | ||||||
佐賀県 | 唐津市 | 唐津市 | |||||
浜玉町 | |||||||
厳木町 | - | - | |||||
相知町 | - | - | |||||
北波多村 | - | - | |||||
鎮西町 | - | - | |||||
肥前町 | - | - | |||||
呼子町 | - | - | |||||
七山村 | - | - | |||||
千代田町 | - | - | - | - | - | 神埼市 | |
脊振村 | - | - | - | ||||
神埼町 | - | - | 北九州・福岡 都市圏 559万0378人 | ||||
鳥栖市 | 北九州・福岡 都市圏 537万1418人 |
北九州・福岡 都市圏 | 北九州・福岡 都市圏 551万5427人 |
北九州・福岡 都市圏 553万8142人 |
鳥栖市 | ||
基山町 | 基山町 | ||||||
三田川町 | 吉野ヶ里町 | ||||||
東脊振村 | - | ||||||
上峰町 | 北九州・福岡 都市圏 541万8537人 |
上峰町 | |||||
中原町 | みやき町 | ||||||
北茂安町 | |||||||
三根町 | |||||||
山口県 | 下関市 | 下関市 | |||||
豊浦町 | |||||||
菊川町 | - | - | |||||
豊田町 | - | - | |||||
豊北町 | - | - |
その他の呼称
[編集]- 福岡・北九州大都市圏
- 福北大都市圏
名称としての使用例は最も多い。福岡市[14]・北九州市[15]・宗像市[16]・アジアス九州[17] などの公的機関や、公的資料[1][2]、新聞社[18] などで広く用いられている。
- 北部九州大都市圏、北部九州都市圏、北部九州圏
これら3つの名称の使用例[19] を合わせると、「福北大都市圏」と並んで多い。
- 北九州大都市圏
-
福岡市(政令指定都市)
-
北九州市(政令指定都市)
-
久留米市(中核市)
-
下関市(中核市)
交通
[編集]鉄道
[編集]
西日本旅客鉄道(JR西日本) |
九州旅客鉄道(JR九州) |
西日本鉄道(西鉄) |
主な道路
[編集]高速道路
国道
港湾
[編集]-
下関港(本港地区)
-
北九州港(門司港地区)
-
博多港
空港
[編集]-
福岡空港
-
北九州空港
福北連携
[編集]かつて福岡市と北九州市は犬猿の仲とされ、政財界は1995年まで断交状態だった。福北連携は1995年4月、福岡地所の榎本一彦とゼンリンの大迫忍が、「両市の経営者を集めた梅鶯会(ばいおう会)を立ち上げ、経済面での両市の連携を唱えた」(松下政経塾)ことに起こる。
榎本と大迫の主張は「経済のグローバル化の影響を受ける現在、200万人規模の経済圏では太刀打ちできない、福岡と北九州を合わせて香港やシンガポールと同規模の400万 - 500万人規模の経済圏になって初めてアジアの諸都市と競争できる」(同上)。
1999年5月からは福岡・北九州両市長の定期会談が開始された。両市長は、福北連携の理念をまとめ、企画・財政・保健福祉・環境・情報管理・国際交流の7分野で研究会が発足し、1つの都市圏あるいは経済圏と見なして、日本国内のみならずアジアに対しても競争力のある地域となれるよう試みられている。当初、両市長による会談は半年に1回開催されていたが徐々に頻度が減少し、12回目となる2011年を最後に開催されていない[20]。
福北連携によって以下のような事業等が実施された。
- JR筑豊本線と篠栗線を電化して福北ゆたか線へ。
- アビスパ福岡と福岡新都心開発へゼンリンが出資。見返りに九州電力、福岡銀行が北九州都心開発へ出資。
- 北九州市長と福岡市長が定期会談の場を設ける。
- スーパー中枢港湾に関して、関門港と博多港が連携して申請することで合意。
- 北部福岡緊急連絡管事業(福北導水)で合意。
- 北九州空港を拠点に運航を開始したスターフライヤーが福岡空港にも就航。
現状
[編集]- 福岡都市圏と北九州都市圏の重複地域では、福津市、宗像市など福岡寄りが人口増、岡垣町など北九州寄りが人口減に。(2015年国勢調査速報)
- 通勤通学人口の減少。福岡→北九州 微増、北九州→福岡 減少。(2000年国勢調査)
- 転出入人口の減少。福岡→北九州 減少、北九州→福岡(出超) 減少。(2002年 - 2004年調査)
- 生活圏間流動
以下は、福岡あるいは北九州の各生活圏を目的地・旅行先とする流動(年間・全機関)。福岡へ向かう大きな人の流動の中に北九州周辺生活圏が浮かんでいる形となっている。
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脚注
[編集]- ^ a b 第21回福岡県総合計画審議会 会議録[リンク切れ](福岡県)
- ^ a b 第9回 福岡市・北九州市両市長会談資料[リンク切れ](福北交流ホームページ)
- ^ 福岡市博多区について 株式会社トーマスリビング
- ^ 経済センサスと統計地図(大都市圏の売上高) 総務省統計局
- ^ 「人口変動から見たわが国大都市圏の変容過程」 (PDF) (日本政策投資銀行)10ページ目などに北九州福岡大都市圏の地図が記載されている。
- ^ 平成22年国勢調査統計表
- ^ 平成17年国勢調査 従業地・通学地集計による人口その1(40福岡県) 内各表より
- ^ 総務省統計局『大都市圏の人口』日本統計協会〈平成17年国勢調査人口概観シリーズ, no.9〉、2009年、470-475頁。ISBN 9784822335779。
- ^ 2010:“平成22年国勢調査 我が国人口・世帯の概観 - 表1-28 大都市圏・都市圏別人口、面積及び人口密度” (PDF). p. 35. 2018年9月26日閲覧。
- ^ 2015:“平成27年国勢調査 我が国人口・世帯の概観 - 表1-28 人口、面積及び人口密度 - 大都市圏・都市圏” (PDF). p. 32. 2018年9月18日閲覧。
- ^ 2020:“令和2年国勢調査 - 表1-3 男女別人口,世帯の種類別世帯数及び世帯人員並びに2015年(平成27年)の人口(組替),2015年(平成27年)の世帯数(組替),5年間の人口増減数,5年間の人口増減率,5年間の世帯増減数,5年間の世帯増減率,人口性比,面積(参考)及び人口密度-大都市圏” (XLS). 2023年1月4日閲覧。
- ^ 国際化施策計画本文 (PDF) (福岡市)
- ^ 麻生太郎オフィシャルサイト
- ^ 政策目標18 福岡都市圏や九州各地域との広域的連携を強化する - 福岡市新基本計画(2003年) Archived 2013年7月5日, at the Wayback Machine.(福岡市、2012年2月28日閲覧)
- ^ 新基本構想における北九州市の空間的な位置づけ (PDF) (北九州市、2012年2月28日閲覧)
- ^ 企業立地ガイド Archived 2006年11月10日, at the Wayback Machine.(宗像市)
- ^ むなかたリサーチパークの概要 Archived 2009年1月5日, at the Wayback Machine.(アジアス九州)
- ^ 北九州・下関から夢つかむ一歩を踏み出そう Archived 2009年6月7日, at the Wayback Machine.(西日本新聞)
- ^ 第7回福北両市長会談 コメント - 福北交流ホームページ(2002年11月25日時点のアーカイブ)
- ^ “福北トップ会談の開催状況”. 北九州市. 2018年9月5日閲覧。
- ^ 207生活圏間流動データ表(出発地から目的地 - 年間)(全交通機関、平日・休日データ利用、2005年)
- ^ 207生活圏間流動データ表(居住地から旅行先 - 年間)(全交通機関、平日・休日データ利用、2005年)