コンテンツにスキップ

都市圏 (総務省)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

大都市圏(だいとしけん)および都市圏(としけん)は、自治体の境界を越えて広がる都市地域を規定するため、総務省統計局国勢調査において定義している統計上の地域区分である[1]。中心市への通勤・通学比率が1.5%以上の周辺自治体を圏域とするため、「1.5%都市圏」とも呼ばれる。

同局の定義以外の同様な地域区分については都市圏を参照。

概要

[編集]

国勢調査において集計された従業地および通学地の結果を基に設定されるため、同調査が行われる5年毎に更新される[1]

当初は「大都市圏」のみが設定され、1960年昭和35年)の国勢調査から発表されてきた[1]。ただし、大都市圏の中心市となれる人口基準は変化しており、1960年(昭和35年)は人口60万以上の1965年(昭和40年)は人口100万以上の市および同一都道府県内の人口50万以上の市(あれば)、1970年(昭和45年)は人口50万以上の市となっていた[1]1975年(昭和50年)に現行基準となり、東京都区部および政令指定都市を中心市とし、近接している場合は圏域を統合している[1]

一方の「都市圏」は、「大都市圏」が現行基準となった1975年(昭和50年)から設定された[1]

現行の定義

[編集]

中心市

[編集]
  • 「大都市圏」の中心市は、東京都区部および政令指定都市
  • 「都市圏」の中心市は、大都市圏に含まれない人口50万以上の市。
  • 中心市が互いに近接している場合には、それぞれについて大都市圏を設定せず、その地域を統合して一つの大都市圏とする(関東、京浜葉、近畿、京阪神、北九州・福岡、静岡・浜松の各大都市圏に適用)。

周辺市町村

[編集]
  • 大都市圏および都市圏の中心市への15歳以上通勤・通学者数の割合が当該市町村の常住人口の1.5%以上(編注:分母に通勤者数を用いる通勤通学圏とは異なる方式)であり、かつ中心市と連接している市町村。
  • ただし、中心市への15歳以上通勤・通学者数の割合が1.5%未満の市町村であっても、その周囲が周辺市町村の基準に適合した市町村によって囲まれている場合は、「周辺市町村」とする。

なお、複数の中心市が設定されている大都市圏については、中心市の一つに対し上記の条件に当てはまる市町村はすべて周辺市町村とされるため、他の中心市に対しては通勤・通学者が僅少である場合もある。

一覧

[編集]

2020年(令和2年)

[編集]

大都市圏は太字、かつ、背景を黄色にした。統計局の掲載参照[2][3][4][5][6]

名称 中心市 人口
(人)
面積
(km2)
人口密度
(人/km2)
札幌大都市圏 札幌市 2,641,452 5,130.25 514.9
仙台大都市圏 仙台市 2,228,837 6,504.72 342.6
関東大都市圏 東京都区部横浜市川崎市千葉市さいたま市相模原市 38,034,418 13,560.75 2,804.70
新潟大都市圏 新潟市 1,338,127 5,044.98 265.2
静岡・浜松大都市圏 静岡市浜松市 2,803,708 5,369.41 522.2
中京大都市圏 名古屋市 9,192,193 6,948.07 1,323.00
近畿大都市圏 京都市大阪市神戸市堺市 19,176,439 13,090.58 1,464.90
岡山大都市圏 岡山市 1,622,629 3,637.99 446
広島大都市圏 広島市 2,075,693 5,047.30 411.2
北九州・福岡大都市圏 北九州市福岡市 5,510,405 5,663.31 973
熊本大都市圏 熊本市 1,467,878 4,319.11 339.9
宇都宮都市圏 宇都宮市 1,648,216 5,501.97 299.6
松山都市圏 松山市 693,639 2,272.33 305.3
鹿児島都市圏 鹿児島市 1,098,487 3,457.45 317.7
  • 2015年からの変更点
    • なし(両年の面積値の違いについては不詳)

2015年(平成27年)

[編集]

大都市圏は太字、かつ、背景を黄色にした。統計局の掲載参照[7]

名称 中心市 人口
(人)
面積
(km2)
人口密度
(人/km2)
札幌大都市圏 札幌市 2,636,254 4,514 584
仙台大都市圏 仙台市 2,256,964 5,970 378
関東大都市圏 東京都区部横浜市川崎市千葉市さいたま市相模原市 37,273,866 14,034 2,656
新潟大都市圏 新潟市 1,395,612 5,345 261
静岡・浜松大都市圏 静岡市浜松市 2,842,151 4,982 570
中京大都市圏 名古屋市 9,363,221 7,266 1,289
近畿大都市圏 京都市大阪市神戸市堺市 19,302,746 13,033 1,481
岡山大都市圏 岡山市 1,639,414 3,637 446
広島大都市圏 広島市 2,096,745 5,048 415
北九州・福岡大都市圏 北九州市福岡市 5,538,142 5,731 966
熊本大都市圏 熊本市 1,492,975 4,251 351
宇都宮都市圏 宇都宮市 1,655,673 5,455 304
松山都市圏 松山市 706,883 2,272 311
鹿児島都市圏 鹿児島市 1,126,639 3,458 326
  • 2010年からの変更点
    • 熊本市の政令指定都市移行に伴い、熊本都市圏が大都市圏に昇格。

2010年(平成22年)

[編集]

大都市圏は太字、かつ、背景を黄色にした。統計局の掲載参照[8]

名称 中心市 人口
(人)
面積
(km2)
人口密度
(人/km2)
札幌大都市圏 札幌市 2,584,880 4,514 573
仙台大都市圏 仙台市 2,169,757 5,970 363
関東大都市圏 東京都区部横浜市川崎市千葉市さいたま市相模原市 36,923,193 14,034 2,631
新潟大都市圏 新潟市 1,421,694 5,345 266
静岡・浜松大都市圏 静岡市浜松市 2,741,028 4,982 550
中京大都市圏 名古屋市 9,107,414 7,072 1,288
近畿大都市圏 京都市大阪市神戸市堺市 19,341,976 13,033 1,484
岡山大都市圏 岡山市 1,647,892 3,637 453
広島大都市圏 広島市 2,099,514 5,048 416
北九州・福岡大都市圏 北九州市福岡市 5,515,427 5,731 962
宇都宮都市圏 宇都宮市 1,686,898 5,455 309
松山都市圏 松山市 717,687 2,272 316
熊本都市圏 熊本市 1,476,435 4,251 347
鹿児島都市圏 鹿児島市 731,477 3,458 333
  • 2005年からの変更点
    • 相模原市の政令指定都市移行に伴い、関東大都市圏の中心市として追加。
    • 新潟市と岡山市の政令指定都市移行に伴い、新潟都市圏と岡山都市圏がそれぞれ大都市圏に昇格。
    • 浜松市の政令指定都市移行に伴い、静岡大都市圏から静岡・浜松大都市圏に名称変更し、中心市として追加。
    • 堺市の政令指定都市移行に伴い、京阪神大都市圏から近畿大都市圏に名称変更し、中心市として追加。
    • 宇都宮市の人口50万人突破に伴い、宇都宮都市圏を新設。

※熊本市は大都市圏に匹敵する規模を擁するが、政令指定都市移行が2012年であるため2015年国勢調査に基づき大都市圏に昇格予定。

2005年(平成17年)

[編集]

大都市圏は太字、かつ、背景を黄色にした。統計局の掲載参照[1]

2005年(平成17年)国勢調査に基く大都市圏と都市圏[9]
名称 中心市 人口
(人)
面積
(km2)
人口密度
(人/km2)
札幌大都市圏 札幌市 2,606,214 5,139 507
仙台大都市圏 仙台市 2,289,656 6,376 359
関東大都市圏 東京都区部横浜市川崎市千葉市さいたま市 35,682,460 13,572 2,629
静岡大都市圏 静岡市 1,427,107 2,386 598
中京大都市圏 名古屋市 8,923,445 6,911 1,291
京阪神大都市圏 京都市大阪市神戸市 18,768,395 11,701 1,604
広島大都市圏 広島市 2,064,536 4,423 467
北九州・福岡大都市圏 北九州市福岡市 5,590,378 5,926 943
新潟都市圏 新潟市 1,442,958 4,522 319
浜松都市圏 浜松市 1,304,548 2,346 556
岡山都市圏 岡山市 1,646,757 3,637 453
松山都市圏 松山市 724,048 2,272 319
熊本都市圏 熊本市 1,462,409 4,121 355
鹿児島都市圏 鹿児島市 739,491 2,990 379
  • 2000年からの変更点
    • さいたま市の政令指定都市移行に伴い、京浜葉大都市圏から関東大都市圏に名称変更し、中心市として追加。
    • 静岡市の政令指定都市移行に伴い、静岡大都市圏を新設。
    • 松山市の人口50万人突破に伴い、松山都市圏を新設。

2000年(平成12年)

[編集]

大都市圏は太字、かつ、背景を黄色にした。統計局の掲載参照[10]

2000年(平成12年)国勢調査に基く大都市圏と都市圏[11]
名称 中心市 人口
(人)
面積
(km2)
人口密度
(人/km2)
札幌大都市圏 札幌市 2,509,530 4,188 599
仙台大都市圏 仙台市 2,186,397 5,149 424
京浜葉大都市圏 東京都区部横浜市川崎市千葉市 34,493,466 13,449 2,555
中京大都市圏 名古屋市 8,738,842 6,380 1,370
京阪神大都市圏 京都市大阪市神戸市 18,643,915 11,169 1,669
広島大都市圏 広島市 2,043,788 4,142 493
北九州・福岡大都市圏 北九州市福岡市 5,418,537 4,943 1,096
新潟都市圏 新潟市 1,349,573 3,040 444
浜松都市圏 浜松市 1,226,890 1,830 671
岡山都市圏 岡山市 1,612,756 3,351 481
熊本都市圏 熊本市 1,462,478 3,777 387
鹿児島都市圏 鹿児島市 728,658 2,569 423

脚注

[編集]
  1. ^ a b c d e f g 統計表で用いられる地域区分の解説 - 大都市圏・都市圏とその中心市・周辺市町村(総務省統計局。2005年国勢調査)
  2. ^ 令和2年国勢調査 データベース 統計データを探す 政府統計の総合窓口
  3. ^ 男女別人口-大都市圏”. 国勢調査 令和2年国勢調査 人口等基本集計. 政府統計の総合窓口(e-Stat). 2023年10月4日閲覧。
  4. ^ 2015年(平成27年)の人口(組替),2015年(平成27年)の世帯数(組替),5年間の人口増減数,5年間の人口増減率,5年間の世帯増減数,5年間の世帯増減率,人口性比,面積(参考)及び人口密度-大都市圏”. 国勢調査 令和2年国勢調査 人口等基本集計. 政府統計の総合窓口(e-Stat). 2023年10月4日閲覧。
  5. ^ 男女別人口-都市圏”. 国勢調査 令和2年国勢調査 人口等基本集計. 政府統計の総合窓口(e-Stat). 2023年10月4日閲覧。
  6. ^ 2015年(平成27年)の人口(組替),2015年(平成27年)の世帯数(組替),5年間の人口増減数,5年間の人口増減率,5年間の世帯増減数,5年間の世帯増減率,人口性比,面積(参考)及び人口密度-都市圏”. 国勢調査 令和2年国勢調査 人口等基本集計. 政府統計の総合窓口(e-Stat). 2023年10月4日閲覧。
  7. ^ 平成27年国勢調査 大都市圏・都市圏(市区町村一覧)
  8. ^ 平成22年国勢調査ユーザーズガイド 地域区分に関する用語
  9. ^ 第1部 結果の解説 第2章 人口の地域分布 2-4 大都市圏・都市圏の人口 (PDF) p.24-p.25(総務省統計局平成17年国勢調査 最終報告書「日本の人口」上巻-解説・資料編」)
  10. ^ 統計表で用いられる地域区分の解説 - 大都市圏・都市圏とその中心市・周辺市町村(総務省統計局。2000年国勢調査)
  11. ^ 大都市圏統計表(総務省統計局。2000年国勢調査)

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]