神田松之丞

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神田 松之丞かんだ まつのじょう
本名 古舘 克彦(ふるたち かつひこ)
生年月日 (1983-06-04) 1983年6月4日(35歳)
出身地 日本の旗 日本東京都豊島区
師匠 3代目神田松鯉
名跡 1. 神田松之丞(2007年 - )
活動期間 2007年 -
活動内容 講談師
所属 日本講談協会
落語芸術協会
受賞歴
2015年 読売杯争奪 激突!二ツ目バトル 優勝
2016年 花形演芸大賞 銀賞
2018年 第35回浅草芸能大賞 新人賞

神田 松之丞(かんだ まつのじょう、本名:古舘 克彦(ふるたち かつひこ)、1983年6月4日- [1])は、日本の講談[2][3]日本講談協会および落語芸術協会所属[3]。2017年時点で二ツ目でありながら、独演会では定員数百人の会場を満員にするなど、新進気鋭の講談師として注目を浴びている[4]

2020年2月に真打昇進とともに6代目神田伯山を襲名することとなった[5]

来歴[編集]

東京都豊島区池袋出身[6][7]血液型A型[3]豊島区立池袋第三小学校豊島区立道和中学校聖学院高等学校を経て[8][7]、2007年に武蔵大学経済学経営学科を卒業[9][10]

2007年11月、3代目神田松鯉に入門[2][3][7]

2012年、二ツ目昇進[11][2][3]

2015年10月、浅草演芸ホールで行われた「読売杯争奪 激突!二ツ目バトル」で優勝[12][3]

2016年、新宿末廣亭席亭の推薦で、真打への昇進が落語芸術協会の理事会の議題に挙がったが、否決された[4]

2017年、平成28年度花形演芸大賞銀賞受賞[2][3]

2018年、第35回浅草芸能大賞新人賞受賞[13]。同年12月に行われた落語芸術協会の理事会において、2020年2月中席より真打に昇進することが承認された[14]。芸協の香盤においては落語家を9人追い抜いての抜擢昇進となるが、芸協は、落語と講談の香盤は別物と判断した[14]。芸協では長らく会長であった桂歌丸が抜擢真打に否定的な考えを持っており、その意志に従って、講談師としては順番を守る形での昇進となる[14]。芸協での真打抜擢昇進は春風亭昇太以来27年ぶりとなる[15]

2019年、平成30年度花形演芸大賞金賞受賞[16][17]

人物・エピソード[編集]

芸に関すること[編集]

  • 高校2年生のときにラジオで偶然、6代目三遊亭圓生御神酒徳利を聞き、感銘を受ける[18][19]
  • 高校卒業後の浪人生時代に所沢市で行われた立川談志独演会の高座を見て、立川談志のファンになる[20][21]。以降、談志の追っかけとなり、のちに講談師になることにした[21]
  • 大学時代、6代目神田伯龍の『村井長庵・雨夜の裏田圃』を聞き[22]、衝撃を受ける[23]
  • 神田松鯉に入門を認めて貰えるよう、大師匠である2代目神田山陽の命日の10月30日に入門志願をした[24][10][25]
  • 入門した2007年11月に末廣亭で「神田松之丞」と命名された[26]
  • 最初に師匠を付けてもらったネタは『三方ヶ原軍記』[27]。覚えるのに2か月ほどかかったが、次に教わった『鉢の木』は寝食も忘れ没頭し、1週間で覚えた[28]。その際、師匠の松鯉から「お前は将来名人になる」と言われたという[28][23]
  • 師匠方の着物が畳めないなど、前座仕事には向いていなかったという[29][25]
  • 一話完結の「端物」と呼ばれる読み物よりも、連続物を重視している[30]。これは師匠の神田松鯉の考え方を受け継いだものであるという[30][31]
  • 「事務所に入っていいことなんて一つもない」という考えから特定の芸能事務所には所属しておらず、自らがスケジュール管理を行っている[32]
  • 落語芸術協会の二つ目11人で結成されたユニット「成金」に所属している[33][34]
  • プロレスを好む[35]。プロレスを扱った新作講談『グレーゾーン』を創作し、演じていた[35][36]
  • 趣味は落語を聞くこと[3]

人物[編集]

ラジオに関すること[編集]

持ちネタ[編集]

主な持ちネタは以下の通り。

  • 寛永宮本武蔵伝 全17話
  • 畔倉重四郎 全19話
  • 天保水滸伝 全7話
  • 村井長庵 全12話
  • 天明白浪伝 全10話
  • 慶安太平記 全19話
  • 徳川天一坊
  • 寛政力士伝より「雷電の初土俵」「谷風の情け相撲」
  • 源平盛衰記より「扇の的」
  • 三家三勇士より「和田平助」
  • 赤穂義士銘々伝
  • 真景累ケ淵より「宗悦殺し」
  • 幡随院長兵衛より「芝居の喧嘩」
  • 浪速侠客伝より「違袖の音吉」
  • 乳房榎
  • 淀五郎
  • 中村仲蔵
  • 小猿七之助
  • 鼓ヶ滝
  • 「桑原さん」(新作)
  • 「トメ」(新作)
  • 「しゅうまい」(新作)
  • 「グレーゾーン」(新作)
  • 「腹話術」(新作)

作品[編集]

書籍[編集]

  • 神田松之丞/聞き手 杉江松恋『絶滅危惧職、講談師を生きる』新潮社、2017年10月。ISBN 978-4103512912
  • 神田松之丞『神田松之丞 講談入門』河出書房新社、2018年7月。ISBN 978-4309279589
  • Pen+【完全保存版】 1冊まるごと、神田松之丞 CCCメディアハウス 、2018年10月。

CD[編集]

  1. 荒川十太夫 2016年10月14日 渋谷らくご収録
  2. 天明白浪伝~金棒お鉄 2017年2月11日 渋谷らくご収録
  3. 天明白浪伝~首無し事件 2016年10月16日 渋谷らくご収録
  4. 松之丞ひとり語り 2017年5月15日 ソニーミュージック乃木坂スタジオ収録
  • 『松之丞ひとり〜名演集〜』(SPACE SHOWER MUSIC、2017年9月6日発売) - B073DMTMMJ
  1. 慶安太平記・宇津谷峠 2016年9月20日 東京芸術劇場シアターウエスト収録
  2. 松之丞CD解説 2017年5月26日 なかのZERO小ホール 本公演前に収録
  3. 慶安太平記・箱根の惨劇 2016年9月20日 東京芸術劇場シアターウエスト収録
  4. 村井長庵・雨夜の裏田圃 2017年3月2日 日本橋社会教育会館収録

DVD[編集]

  • 『新世紀講談大全 神田松之丞』(クエスト、2015年4月) - 収録演目:違袖の音吉、鹿島の棒祭り、グレーゾーン

出演[編集]

テレビ[編集]

ラジオ[編集]

ポッドキャスト[編集]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ a b 声の出演。

出典[編集]

  1. ^ 神田・杉江 2017, p. 14, 33.
  2. ^ a b c d 神田松之丞 - 協会員プロフィール|落語芸術協会”. 公益社団法人 落語芸術協会. 2018年4月6日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g h Biography - 神田松之丞 オフィシャルサイト - 講談師 / かんだ まつのじょう”. 神田松之丞. 2018年4月6日閲覧。
  4. ^ a b 生島淳 (2017年2月21日). “チケットが取れない! 天才講談師・神田松之丞を知っていますか?”. 文藝春秋(文春オンライン). 2018年4月6日閲覧。
  5. ^ 六代神田伯山襲名のご報告 神田松之丞公式サイト、2019年4月29日
  6. ^ 神田・杉江 2017, p. 14.
  7. ^ a b c かぐらざか あかぎ寄席: 講談・神田松之丞”. 2015年12月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年11月8日閲覧。
  8. ^ 神田・杉江 2017, pp. 36-38.
  9. ^ 神田・杉江 2017, p. 64.
  10. ^ a b 武蔵な人 若手3落語家・講談師座談会 1頁|武蔵大学同窓会 しらきじWeb”. 武蔵大学同窓会. 2018年4月6日閲覧。
  11. ^ 神田・杉江 2017, p. 126.
  12. ^ 『東京かわら版』2015年12月号、東京かわら版編集部、36頁。
  13. ^ 第35回浅草芸能大賞 受賞者決定のお知らせ!”. 公益財団法人 台東区芸術文化財団. 2018年12月28日閲覧。
  14. ^ a b c “柳亭小痴楽、神田松之丞の真打ち昇進が決定 小痴楽は来年9月、15年ぶり単独昇進 松之丞は20年2月”. スポーツ報知. 報知新聞社. (2018年12月28日). https://www.hochi.co.jp/entertainment/20181228-OHT1T50055.html 2018年12月28日閲覧。 
  15. ^ “講談師の神田松之丞さん、抜てきで真打ち昇進へ”. 読売新聞. 読売新聞社. (2018年12月28日). https://www.yomiuri.co.jp/culture/20181228-OYT1T50046.html 2018年12月28日閲覧。 
  16. ^ 平成30年度花形演芸大賞決定のお知らせ日本芸術文化振興会ホームページ
  17. ^ 「平成30年度花形演芸大賞」金賞を受賞いたしました
  18. ^ 神田・杉江 2017, pp. 36-37.
  19. ^ 初めて講談を聞いて頂く手引”. 神田松之丞 (2012年12月27日). 2018年4月6日閲覧。
  20. ^ 神田・杉江 2017, pp. 40-43.
  21. ^ a b 講談師になった理由2|神田松之丞ブログ”. 神田松之丞 (2013年1月6日). 2018年4月6日閲覧。
  22. ^ 神田・杉江 2017, p. 54.
  23. ^ a b 『yomyom』43号、新潮社、2017年2月1日。[要ページ番号]
  24. ^ 神田・杉江 2017, p. 66.
  25. ^ a b 第一回 生意気な〈新弟子〉|神田松之丞“絶滅危惧職”講談師を生きる!|新潮社yom yom編集部|cakes(ケイクス)”. 株式会社ピースオブケイク (2017年7月19日). 2018年4月6日閲覧。
  26. ^ 神田・杉江 2017, pp. 78-79.
  27. ^ 神田・杉江 2017, p. 79.
  28. ^ a b 神田・杉江 2017, pp. 82-83.
  29. ^ 神田・杉江 2017, p. 70.
  30. ^ a b 神田・杉江 2017, pp. 131-132.
  31. ^ 神田・杉江 2017, p. 141, 153.
  32. ^ 【成金の正体】講談界の風雲児・神田松之丞の原点「原動力はすべて“怒り”なんです」(1)”. スポーツ報知 (2018年10月2日). 2018年11月18日閲覧。
  33. ^ 成金とは? | 日めくり成金”. 日めくり成金. 2018年4月6日閲覧。
  34. ^ 神田 松之丞 | メンバー | 日めくり成金”. 日めくり成金. 2018年4月6日閲覧。
  35. ^ a b 「渋谷らくご」 神田松之丞が普通にトリをとる会|初心者でも楽しめる「渋谷らくご」”. EUROSPACE. 2018年4月6日閲覧。
  36. ^ 神田・杉江 2017, p. 27, 152.
  37. ^ 講談師・神田松之丞(かんだ まつのじょう)のラジオ『神田松之丞 問わず語りの松之丞』(2018年9月16日放送分)”. 2018年10月2日閲覧。
  38. ^ 「POPEYE」2017年9月号、マガジンハウス。[要文献特定詳細情報]
  39. ^ a b c “講談界の風雲児”神田松之丞って? 冠ラジオ番組が話題、爆笑太田など業界人らも熱視線”. オリコンニュース (2018年11月18日). 2018年11月19日閲覧。
  40. ^ “講談界の風雲児。33歳の若き講釈師の初CDが登場。神田松之丞『松之丞 講談 -シブラク名演集-』が6月28日発売決定!”. ソニーミュージックダイレクト. (2017年6月1日). http://www.110107.com/s/oto/news/detail/RA00165?ima=1656 2017年6月13日閲覧。 
  41. ^ “ひそねとまそたん:テレビアニメの新ビジュアル公開”. MANTAN WEB(まんたんウェブ). (2018年3月10日). https://mantan-web.jp/article/20180309dog00m200031000c.html 2018年3月10日閲覧。 
  42. ^ 鳴門秘帖”. 2018年4月20日閲覧。
  43. ^ “【告知】講談界の風雲児・神田松之丞(かんだ まつのじょう)が初のラジオパーソナリティーに挑戦!”. TBSラジオ. (2017年3月14日). http://www.tbsradio.jp/128616 2017年3月29日閲覧。 
  44. ^ UR LIFESTYLE COLLEGE backnumber 2018.08.12
  45. ^ 『神田松之丞がいざなう忠臣蔵の世界』番組HP

参考文献[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]