愛するには短すぎる

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

愛するには短すぎる』(あいするにはみじかすぎる)は、宝塚歌劇団ミュージカル作品。原案は小林公平。脚本・演出は正塚晴彦

概要[編集]

2006年に星組で初演。その後も再演されているオリジナル作品。

原案の小林公平は主題歌の作詞も手がけた。

あらすじ[編集]

資産家の養子であるフレッド・ウォーバスクは、英国留学を終え、友人のアンソニー・ランドルフと共にサザンプトンからニューヨークへと向かう大西洋横断豪華客船で帰国の途中だった。ケンブリッジの大学院を卒業したフレッドは、帰国後に養父の事業を継承すること、資産家令嬢のナンシー・ブラウンとの婚約が決まっていた。

航海初日にフレッドは、船のショーチームのメンバーであるバーバラ・オブライエンと出会う。フレッドがバンドマネージャーから言い寄られているバーバラを助ける。お互いの話をしているうち、フレッドとバーバラは、同じ故郷の幼なじみであることに気づく。その偶然が、お互いの気持ちにあるときめきと葛藤を芽生えさせた。そして、フレッドは自ら歩んで来た道とこれから選ぶ道について、色々な葛藤が生まれていくことになる。

フレッドからバーバラを紹介されたアンソニーは、バーバラに一目惚れをしてしまう。バーバラにバンドマネージャーからの借金があることを知ったアンソニーは、彼女の借金の肩代わりをするためにフレッドに借金を申し込む。心中おだやかではないフレッドだった。

4日間の短い航海の中でも、宝石の盗難事件や、若手女優の立てこもりなど、船上にてさまざまな出来事が繰り広げられる。その最中にフレッドとアンソニーの男の友情、フレッドとバーバラの揺れ動く恋心などが織り交ぜられていく。

航海を終えたとき、フレッドとバーバラはどのような結論を出すのだろうか…。

登場人物[編集]

  • フレッド・ウォーバックス - 資産家の養子、元の名前はマイケル・ウェイン
  • バーバラ・オブライエン - 船のショーチームのメンバー、元の名前はクラウディア・ヘニング
  • アンソニー・ランドルフ - フレッドの友人
  • ジェラルド・ウォーバスク - フレッドの養父で資産家
  • ブランドン・オサリバン(アンマリー・オサリバン) - フレッドの執事
  • マーシャル・ウェンズワース - 客船の船長
  • マクニール・オコーナー - 客船の乗客で舞台プロデューサー
  • フランク・ペンドルトン - 船のショーチームのマネージャー
  • ナンシー・ブラウン - フレッドの婚約者
  • ドリー・マコーミック - 新人女優
  • デイブ・キャシディ - ドリーのマネージャー

これまでの公演[編集]

2006年星組・初演
宝塚大劇場(8月11日(金)- 9月18日(月)(新人公演:9月5日(火)))/東京宝塚劇場(10月6日(金)- 11月12日(日)(新人公演:10月17日(火)))でそれぞれ上演。
併演はレヴュー「ネオ・ダンディズム! - 男の美学 -[1]」(作・演出:岡田敬二)。
16場[1]
湖月わたるの退団公演。
2011年星組・中日劇場(2月1日(火)- 2月24日(木))公演
併演はショー「ル・ポァゾン 愛の媚薬II 」(作・演出:岡田敬二)。
この公演をもって、当時の二番手男役スターの凰稀かなめ宙組に組替え。
2012年月組・全国ツアー(10月20日(土)- 11月14日(水))
ブランドン・オサリバン役が、アンマリー・オサリバン役として、男役から女役にリメイクされた。
併演は「Heat on Beat!」(作・演出:三木章雄
公演日程
公演日 公演場所
10月20日(土) さいたま市文化センター埼玉県
10月21日(日)
10月23日(火) アクトシティ浜松静岡県
10月24日(水) 静岡市民文化会館(静岡県)
10月26日(金) 北九州ソレイユホール(旧・九州厚生年金会館)(福岡県
10月27日(土) 福岡市民会館福岡県
10月28日(日) 
10月30日(火) 呉市文化ホール広島県
11月1日(木) 須崎市立市民文化会館高知県
11月3日(土) 倉敷市民会館岡山県
11月4日(日) アルファあなぶきホール(香川県県民ホール)
11月6日(火) 郡山市民文化センター福島県
11月7日(水) 宇都宮市文化会館栃木県
11月8日(木) 桐生市市民文化会館群馬県
11月10日(土) まつもと市民芸術館長野県
11月11日(日) 長野県伊那文化会館
11月13日(火) 梅田芸術劇場・メインホール(大阪府
11月14日(水)
2023年雪組・全国ツアー(8月25日(金)- 9月18日(月))
併演はファッシネイト・レビュー『ジュエル・ド・パリ!!』-パリの宝石たち-(作・演出:藤井大介)
公演日程
公演日 公演場所
8月25日(金) 梅田芸術劇場メインホール(大阪府)
8月26日(土)
8月27日(日)
8月28日(月)
8月31日(木) 神奈川県民ホール
9月1日(金)
9月2日(土) 
9月3日(日)
9月5日(火) 宇都宮市文化会館(栃木県)
9月6日(水) 白河文化交流館 コミネス(福島県)
9月7日(木) けんしん郡山文化センター(福島県)
9月9日(土) あきた芸術劇場 ミルハス(秋田県)
9月11日(月) 北上さくらホール(岩手県)
9月13日(水) 名取市文化会館(宮城県)
9月14日(木)
9月16日(土) 札幌文化芸術劇場 hitaru(北海道)
9月17日(日)
9月18日(月)

スタッフ[編集]

2006年[編集]

宝塚大劇場公演のデータ

配役一覧[編集]

()は新人公演。不明点は空白とする。

公演キャスト
  2006年星組
(劇場:宝塚・東京)
2011年星組
(劇場:中日)
2012年月組
(劇場:全国)
2023年雪組
(劇場:全国)
フレッド・ウォーバスク 湖月わたる[4][5]
和涼華[4][5]
柚希礼音[6] 龍真咲[7] 彩風咲奈[8]
バーバラ・オブライエン 白羽ゆり[4][5]
陽月華[4][5]
夢咲ねね[6] 愛希れいか[7] 夢白あや[8]
アンソニー・ランドルフ 安蘭けい[4][5]
彩海早矢[4][5]
凰稀かなめ[6] 美弥るりか[7] 朝美絢[8]
ジェラルド・ウォーバスク 未沙のえる[4][5]
鶴美舞夕[4][5]
未沙のえる 綾月せり
ブランドン・オサリバン 未沙のえる[4][5][注 1]
(鶴美舞夕[4][5][注 1]
未沙のえる[6] -[7] 凛城きら[8]
アンマリー・オサリバン -[4][5][6] 憧花ゆりの[7]
マーシャル・ウェンズワース 立樹遥[4][5]
水輝涼[4][5]
十碧れいや[6] 星条海斗[7] 叶ゆうり[8]
マクニール・オコーナー 涼紫央[4][5]
夢乃聖夏[4][5]
鶴美舞夕[6] 光月るう[7] 諏訪さき[8]
フランク・ペンドルトン 柚希礼音[4][5]
麻尋しゅん[4][5]
夢乃聖夏[6] 紫門ゆりや[7] 華世京[8]
デイブ・キャシディ 和涼華[4][5]
紅ゆずる[4][5]
麻央侑希[6] 煌月爽矢[7] 紀城ゆりや[8]
エドワード・スノードン 英真なおき[4][5]
一輝慎[4][5]
英真なおき[6] 越乃リュウ[7] 真那春人[8]
ヴィクトリア・スノードン 万里柚美[4][5]
花愛瑞穂[4][5]
万里柚美[6] 玲実くれあ[7] 妃華ゆきの[8]
オレステス・カラマンディス にしき愛[4][5]
天緒圭花[4][5]
美稀千種[6] 響れおな[7] 天月翼[8]
キャサリン・リパートン しのぶ紫[4][5]
華美ゆうか[4][5]
花愛瑞穂[6] 咲希あかね[7] 有栖妃華[8]
マーサ しのぶ紫[4][5][注 2]
純花まりい[4][5]
花愛瑞穂 憧花ゆりの
エレクトラ・カラマンディス 朝峰ひかり[4][5]
初瀬有花[4][5]
毬乃ゆい[6] 妃鳳こころ[7] 沙羅アンナ[8]
ロバート・ストックトン 高央りお[4][5]
七風宇海[4][5]
美城れん[6] 綾月せり[7] 透真かずき[8]
デイビッド 高央りお[4][5][注 3]
(七風宇海[4][5][注 3]
美城れん 貴澄隼人
エリック 美稀千種[4][5]
碧海りま[4][5]
壱城あずさ[6] 瑞羽奏都[7] 麻斗海伶[8]
サンドラ 百花沙里[5][注 4]
(-)
ダイアナ 涼乃かつき[5][注 4]
(-)
リリー 琴まりえ[4][5]
妃咲せあら[4][5]
妃咲せあら[6] 紗那ゆずは[7] 琴羽りり[8]
デイモン 大真みらん[4][5]
壱城あずさ[4][5]
碧海りま[6] 貴澄隼人[7] 紗蘭令愛[8]
ビリー 綺華れい[4][5]
美弥るりか[4][5]
天寿光希[6]
大輝真琴[6][注 5]
星輝つばさ[7] 蒼波黎也[8]
マーガレット 南海まり[4][5]
羽桜しずく[4][5]
夢妃杏瑠[6]
ルイス 天霧真世[4][5]
如月蓮[4][5]
天霧真世[6] 輝城みつる[7] 壮海はるま[8]
ナンシー・ブラウン 陽月華[4][5]
花ののみ[4][5]
早乙女わかば 愛風ゆめ
ドリー・マコーミック 陽月華[4][5][注 6]
音花ゆり[4][5]
早乙女わかば[6] 愛風ゆめ[7] 音彩唯[8]
ロイ 彩海早矢[4][5]
朝都まお[4][5]
スーザン 華美ゆうか[4][5]
成花まりん[4][5]
シェリル 音花ゆり[4][5]
南帆サリ[4][5]
スコット 夢乃聖夏[4][5]
羽鷺つばさ[4][5]
ベル 麻尋しゅん[4][5]
天寿光希[4][5]
ヘンリー 水輝涼[4][5]
真風涼帆[4][5]
ひろ香祐[6] 一禾あお[8]
クラウディア 羽桜しずく[4][5]
南風里名[4][5]
稀鳥まりや[6] 花陽みら[7] 琴峰紗あら[8]
マイケル 如月蓮[4][5]
千寿はる[4][5]
千寿はる[6] 蓮つかさ[7] 絢斗しおん[8]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ a b ジェラルド・ウォーバスクと二役
  2. ^ キャサリン・リパートンと二役
  3. ^ a b ロバート・ストックトンと二役
  4. ^ a b 東京のみ
  5. ^ 天寿光希休演に伴い、代役。期間は2月12日~2月24日。
  6. ^ ナンシー・ブラウンと二役

出典[編集]

  1. ^ a b 100年史(舞台) 2014, p. 191.
  2. ^ a b c d e f 100年史(人物) 2014, p. 212.
  3. ^ a b c d e f g h 100年史(人物) 2014, p. 213.
  4. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab ac ad ae af ag ah ai aj ak al am an ao ap aq ar as at au av aw ax ay az ba bb bc bd be bf bg bh bi bj bk bl bm bn bo 2006年宝塚キャスト(宝塚公式)より(2013年12月8日閲覧)
  5. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab ac ad ae af ag ah ai aj ak al am an ao ap aq ar as at au av aw ax ay az ba bb bc bd be bf bg bh bi bj bk bl bm bn bo bp bq 2006年東京キャスト(宝塚公式)より(2013年12月8日閲覧)
  6. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z 2011年中日キャスト(宝塚公式)より(2013年12月8日閲覧)
  7. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w 2012年全国ツアーキャスト(宝塚公式)より(2013年12月8日閲覧)
  8. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w 2023年全国ツアーキャスト(宝塚公式)より(2023年8月15日閲覧)

参考文献[編集]

  • 監修・著作権者:小林公一『宝塚歌劇100年史 虹の橋 渡りつづけて(舞台編)』阪急コミュニケーションズ、2014年4月1日。ISBN 978-4-484-14600-3 
  • 監修・著作権者:小林公一『宝塚歌劇100年史 虹の橋 渡りつづけて(人物編)』阪急コミュニケーションズ、2014年4月1日。ISBN 978-4-484-14601-0 

外部リンク[編集]