ワンウェブ

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ワンウェブ
種類 有限責任会社
市場情報 非上場
本社所在地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
VA 22209
1400 Key Boulevard Arlington
設立 2012年
業種 情報・通信業
事業内容 電気通信
代表者 Greg Wyler:創業者・経営執行役会長
Adrien Steckel:CEO
従業員数 非開示
外部リンク oneweb.world
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ワンウェブ: OneWeb LLC)は、アメリカ合衆国バージニア州アーリントン郡 に本社を置く、低軌道 (LEO) 衛星コンステレーションを用いた衛星通信を行う予定の衛星通信会社である。創業者はグレッグ・ワイラー。当初はワールドビュー・サテライト: WorldVu Satellites Ltd.)として設立されてGoogle傘下に属しており、本部はチャンネル諸島セント・ヘリアに登録されていた。

概要[編集]

低軌道衛星を用いて通信速度下り200Mbps、上り50Mbps、レイテンシ20-30ms程度の衛星通信サービスの提供を計画している[1]。1週間に15基の衛星を製造できるとされている[2]。質量150kgの小型衛星648基と予備250基をエアバス・ディフェンス・アンド・スペースと合弁子会社OneWeb Satellitesにて製造し、145kgの重量と10Gbpsの伝送速度を持つとされる衛星を高度1200kmの18本の軌道に36機ずつ分散して配置することにより、全世界に高速インターネットを提供可能とされている[3][4]

目標[編集]

2018年初頭までにプロトタイプ衛星12基を生産し、アリアンスペースによって10基をクールー宇宙センターバイコヌール宇宙基地から打ち上げ、順調に行けば2年かけて残りを打ち上げる予定。合弁子会社OneWeb Satellitesのフロリダ工場は2017年末に建設完了予定。OneWebのサービスインは2019年を予定し[5]、2022年までにすべての学校をオンライン化し、2027年までにデジタルデバイド問題を解決する目標を建てている[6]。2017年6月22日にはFCCより条件付きで事業計画が認可された。通信に用いる帯域は、Kuバンドの10.7-12.7 GHz(下り・宇宙→地球)、14.0-14.5 GHz(上り・地球→宇宙)、17.8-18.6 GHz(下り・宇宙→地球)、18.8-19.3 GHz(下り・宇宙→地球)、Kaバンドの27.5-29.1 GHz(上り・地球→宇宙)、29.5-30 GHz(上り・地球→宇宙)の6帯域である。

打ち上げ[編集]

前述の通り、アリアンスペースによる最初の10基の打ち上げ予定は2018年初頭とされていたが、同年12月18日から2019年2月19日に延期された。アリアンスペースとは672基を21回のソユーズロケットによる打ち上げ(オプションで5回のソユーズと3回のアリアン6による打ち上げ)契約が交わされている[7]ヴァージン・ギャラクティックとは228基を39回のLauncherOneによる打ち上げが行われる契約が[8]ブルーオリジンとは5回打ち上げる契約が交わされている[9]

EarthNow[編集]

EarthNow社はベンチャーキャピタルIntellectual Venturesからスピンアウトして2017年に設立された衛星画像を手掛けるベンチャー企業。多数の衛星コンステレーションから地球のリアルタイムな観測映像を撮影し、配信するサービスを提供するプロジェクトを推進している。同社のサービスはワンウェブと親和性が高く、グレッグ・ワイラーや大株主のソフトバンク社やエアバス社、そしてビル・ゲイツなどが2018年1月に出資していることがわかった。当初は政府や企業向けにサービス向けにハリケーンや台風の観測・気象予測や違法漁業の摘発、山火事や火山噴火の早期発見、野生動物の観察などに活用する用途を想定しているが、将来的には端末のアプリで数百万の顧客がリアルタイムで地球を見ることができることを目指している。創業者ラッセル・ハニガンCEOは、「地球をライブかつ無修正で見て理解できるようになれば、われわれ皆が唯一の故郷をよりありがたく感じ、大切にするようになるはずだ」とコメントしている。サービスにはエアバス社がOneWeb向けに製造している人工衛星のアップグレード版を打ち上げる計画だが、サービス開始時期は未定[10][11]

沿革[編集]

  • 2012年1月 - グレッグ・ワイラー (Greg Wyler) によりWorldVu Satellites Limitedとして設立される。
  • 2014年5月 - L5 (WorldVu) がかつてSkyBridgeに割り当てられたKuバンド/Kaバンド帯域を確保[12][13]
  • 2014年9月1日 - Googleから離脱[14]
  • 2015年1月15日 - OneWebに社名変更。Qualcomm VenturesとVirgin Groupから資金調達[15][16]。また打ち上げに関してアリアンスペースヴァージン・ギャラクティックと契約[17]
  • 2015年6月15日 - エアバス・ディフェンス・アンド・スペースと合弁でフロリダ州ココアにOneWeb Satellites設立[18][19]
  • 2015年6月25日 - ヴァージン・グループクアルコムエアバスバーティーエンタープライズインテルサットコカコーラから5億ドル調達[20]
  • 2016年12月19日 - ソフトバンクグループが10億ドル出資し筆頭株主になる[21]
  • 2017年2月23日 - グレッグ・ワイラーが当初の衛星を売却し、4倍の2000機による衛星計画を披露。内訳は高度1万~2万kmの中軌道 (MEO) にVバンド衛星1,280基、高度2000kmのLEOにKuバンド衛星720基[22][23]
  • 2017年2月28日 - インテルサットとワンウェブが条件付き合併に合意。ソフトバンクは合併を条件に17億ドル出資し合併後の新会社の39.9%株主となる予定であった[24]
  • 2017年6月1日 - インテルサット債権者との合併交渉決裂[25]
  • 2017年6月22日 - FCCにより米国内での衛星コンステレーションが承認される[26]
  • 2017年6月27日 - エアバスがフランス・トゥールーズ工場で衛星900機の量産開始。フロリダにも生産拠点が置かれる予定[27]
  • 2019年2月28日 - クールー宇宙センターから衛星6機の打ち上げに成功[28]
  • 2019年3月18日 - ソフトバンクより5億500万ドル、Grupo Salinasより3億ドル、Airbusより2億ドル、ルワンダ政府より2,700万ドル、Qualcommより9,800万ドル相当の無線インタフェース支援など合計12億5000万ドルを調達[29]

関連項目[編集]

脚注[編集]

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  1. ^ 「全地球で200Mbpsの通信網」にソフトバンクが惚れたワケ──2019年にも実現、1100億円出資”. engadget (2017年2月9日). 2017年7月6日閲覧。
  2. ^ OneWeb(ワンウェブ)とはいかなる企業か?ソフトバンクが衛星通信事業に出資のワケ”. ビジネス+IT (2017年2月3日). 2017年7月6日閲覧。
  3. ^ ソフトバンクが10億ドル出資する宇宙企業「OneWeb」ってなんだ!?”. ハーバービジネスオンライン (2016年12月24日). 2017年7月6日閲覧。
  4. ^ ネット人口倍増へ、孫正義氏衛星に1400億投資”. 日経ビジネスオンライン (2016年12月22日). 2017年7月6日閲覧。
  5. ^ Bridging the digital divide with OneWeb”. airbus (2017年6月20日). 2017年7月6日閲覧。
  6. ^ 700個の人工衛星によるインターネット「OneWeb」 FCCが認可”. http://sorae.jp+(2017年6月27日).+2017年7月6日閲覧。
  7. ^ OneWeb, Arianespace target December-February for first Soyuz launch”. spacenews (2018年8月27日). 2018年9月8日閲覧。
  8. ^ OneWeb Contract A Milestone For Virgin Galactic’s Smallsat Launch Effort”. spacenews (2015年6月25日). 2018年9月8日閲覧。
  9. ^ Blue Origin signs OneWeb as second customer for New Glenn reusable rocket”. spacenews (2017年3月8日). 2018年9月8日閲覧。
  10. ^ ソフトバンクやビル・ゲイツ氏、リアルタイム地球観測衛星のEarthNowに出資”. ITmedia エンタープライズ (2018年4月23日). 2018年5月1日閲覧。
  11. ^ リアルタイム地球観測のEarthNowにソフトバンクやビル・ゲイツ氏らが出資”. CNET Japan (2018年4月24日). 2018年5月1日閲覧。
  12. ^ Google-backed Global Broadband Venture Secures Spectrum for Satellite Network”. spacenews (2014年5月30日). 2017年7月6日閲覧。
  13. ^ Google Invests in Satellites to Spread Internet Access”. ウォールストリートジャーナル (2014年6月1日). 2017年7月6日閲覧。
  14. ^ Google Satellite Employee Greg Wyler Leaves Company”. ウォールストリートジャーナル (2014年9月2日). 2017年7月6日閲覧。
  15. ^ Greg Wyler’s OneWeb Satellite-Internet Company Secures Funding”. ウォールストリートジャーナル (2015年1月14日). 2017年7月6日閲覧。
  16. ^ Qualcomm, Virgin Group Join OneWeb on Ambitious 648 SmallSat Constellation”. Via Satellite (2014年1月14日). 2017年7月6日閲覧。
  17. ^ OneWeb Wins $500 Million in Backing for Internet Satellite Network”. NBC NEWS (2015年6月25日). 2017年7月6日閲覧。
  18. ^ 900機もの衛星で世界中でインターネットを可能にする計画をエアバスと英ヴァージン系スタートアップ「OneWeb」が実行へ”. Gigazine (2015年6月16日). 2017年7月6日閲覧。
  19. ^ OneWeb Taps Airbus To Build 900 Internet Smallsats”. spacenews (2015年6月15日). 2017年7月6日閲覧。
  20. ^ OneWeb secures $500m from Virgin, Qualcomm, Airbus and Bharti”. フィナンシャルタイムズ (2015年6月25日). 2017年7月6日閲覧。
  21. ^ ソフトバンク、衛星通信のワンウェブに10億ドル出資-筆頭株主に”. ウォールストリートジャーナル (2016年12月19日). 2017年7月6日閲覧。
  22. ^ OneWeb weighing 2,000 more satellites”. spacenews (2017年2月24日). 2017年7月6日閲覧。
  23. ^ 1万機の衛星でインターネットをあまねく世界に! - スペースXが目論む次の一手”. マイナビ (2017年5月13日). 2017年7月6日閲覧。
  24. ^ ソフトバンク:ワンウェブとインテルサット合併へ-17億ドル出資”. Bloomberg (2017年2月28日). 2017年7月6日閲覧。
  25. ^ インテルサット債権者、ワンウェブとの合併計画を拒否-関係者”. Bloomberg (2017年6月1日). 2017年7月6日閲覧。
  26. ^ FCC Grants OneWeb US Access for Broadband Satellite Constellation”. FCC (2017年6月22日). 2017年7月6日閲覧。
  27. ^ まるでパン工場?エアバスが900機の衛星を量産開始”. sorae.jp (2017年6月28日). 2017年7月6日閲覧。
  28. ^ OneWebのインターネット衛星、最初の6機が打ち上げ成功”. techcrunch (2019年3月1日). 2019年5月8日閲覧。
  29. ^ ソフトバンク出資のワンウェブ、12.5億ドル新規調達-衛星通信網構築へ”. bloomberg (2019年3月18日). 2019年5月8日閲覧。

外部リンク[編集]