ファルコン9

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ファルコン9
KSC-20160408-PH KLS0001 0005 (25704320894).jpg
ファルコン9 FT
基本データ
運用国 アメリカ合衆国
開発者 スペースX
使用期間 2010年-2013年 (v1.0)
2013年-2016年 (v1.1)
2015年- (FT)
射場 ケープカナベラル空軍基地
ヴァンデンバーグ空軍基地
打ち上げ数 39(成功37)
打ち上げ費用

全て2011年見積もり LEO (<80% cap.) $49.9M [1]
LEO (>80% cap.) $56.0M [1]
GTO (<3,000 kg) $49.9M [1]

GTO (>3,000 kg) $56.0M [1]
原型 ファルコン1
公式ページ SpaceX - Falcon 9
物理的特徴
段数 2段
ブースター なし
総質量 333,400 kg (v1.0)
505,846 kg (v1.1)
549,054 kg (FT)
全長 54.3 m (v1.0)
68.4m (v1.1)
70 m (FT)
直径 3.66 m
軌道投入能力
低軌道 10,450 kg (v1.0)
13,150 kg (v1.1)
22,800 kg (FT)
静止移行軌道 4,540 kg (v1.0)
4,850 kg (v1.1)
8,300 kg (FT)
テンプレートを表示

ファルコン9Falcon 9)はアメリカ合衆国の民間企業スペースX社により開発され、打ち上げられている2段式の商業用打ち上げロケット低周回軌道に22,800 kgの打ち上げ能力を持つ中型クラスのロケット[2]2010年6月4日に初打ち上げが行われて成功した。

徹底した低コスト化が図られたロケットであり、打ち上げ価格は6,200万ドル(約66億円)[2]と100億円を超える同規模同世代のロケットと比較して遥かに安価で、商業衛星市場において大きなシェアを獲得している[3]

ファルコン9ロケットの名前は、スターウオーズミレニアム・ファルコン号に由来しており、ファルコンロケットシリーズの後ろにつく1と9の数字は1段エンジンの数を表す[4]

設計[編集]

ファルコン1、ファルコン9 Ver1.0、Ver1.1(3タイプ)、FT(3タイプ)、ファルコンヘビー

ファルコン9は大型の貨物や有人宇宙船の打ち上げを想定して設計されており、アメリカ航空宇宙局 (NASA) の商業軌道輸送サービス (COTS) 計画の下で開発したドラゴン補給機を使って国際宇宙ステーション (ISS) への補給を行う商業補給サービス (CRS) の契約をNASAから受注しており、その打上げロケットとしても使われる。

ファルコン9は同社が開発したファルコン1を基に機体を大型化し、液体酸素/RP-1を推進剤としたエンジンを使用する2段式のロケットである。第1段は同社が開発した海面高度での推力556 kN (125,000 lbf) のマーリンエンジンを9基クラスターにして使用し、総離陸推力 5.0 MN (1.1 million lbf) を実現している[5]。第1段の点火剤として自然発火性物質であるトリエチルアルミニウム-トリエチルボラン (TEA-TEB) を使用している[6]

上段には真空中での運転のためにノズルの膨張比を117:1に高めて燃焼時間を345秒に改良したマーリンバキュームロケットエンジンを1基使用している。このエンジンには再着火時の信頼性を高めるため、TEA-TEBを使用した自己発火性点火器を2重冗長構成で備えている[5]

ファルコン9の上段と下段を接続する段間構造はアルミニウムコア炭素繊維複合材を使用している。1・2段の分離には再利用可能な固定器具 (collet) をガス圧で押し出すことで作動するシステムを使用している。ファルコン9のタンク壁とドームはアルミニウム-リチウム合金製である。スペースX社は利用可能な溶接法としては最も信頼性が高く、強度も強い摩擦攪拌接合で全てのタンクを製造している。

ファルコン9の第2段のタンクは単純に第1段のタンクを短縮したもので、大半は同じ工具や材料および製造技術を使用している。これにより、製造経費を削減している[5]

ファルコン9は低コスト化が図られた優秀な使い捨て型ロケットであるが、さらなるコスト削減のためにロケットを再使用することも考慮している[7]。回収を意図した機体は姿勢制御用のフィンや着陸脚を備えており、2017年からは回収した機体が再使用されている[8]

構成と諸元[編集]

ファルコン9には最初の打ち上げ以後、随時改良が加えられており、中でもv1.1, FTと呼ばれるバージョンアップでは別のロケットと呼べるほどの変更が行われている[9]

ファルコン9 v1.0[編集]

ファルコン9 v1.0

ファルコン9 v1.0(Version 1.0)は、初期型のファルコン9である。2010年6月の初打ち上げから2013年3月の5号機まで用いられた。

v1.0ではファルコン1で用いられていたマーリン1Cロケットエンジンが同じく用いられており、また9基あるエンジンは3列×3列の正方形で配置されている。全長は58.3 mで、後のバージョンと比べると短めであった。

v1.0でもパラシュートを装着して機体の回収が試みられたことがあったが、この段階では1度も成功しなかった。

ファルコン9 v1.1[編集]

ファルコン9 v1.1

ファルコン9 v1.1(Version 1.1))は、2013年9月の6号機から2016年1月の21号機まで用いられた改良型のファルコン9である。

v1.1は、v1.0よりも全長が14m長く、エンジンは改良型のマーリン1Dを使用。1段のエンジン配置も変更され、正方形の配置から、Octawebと呼ばれる円形の配置(外周に8基、中央に1基)に変更された(このため射点設備も改修された)ほか、フェアリングも直径約5mの新しいものが開発され、段間分離システムも一新されて接続箇所が12箇所から3箇所に減らされて信頼性が向上した。また1段の回収に備えて耐熱塗装が強化された。

2014年4月からは1段を回収するための4本の着陸脚の装備が開始され[10][11][12]、打ち上げと並行してたびたび着陸試験が繰り返されたが、v1.1ではいずれも失敗に終わった。

ファルコン9 フル・スラスト[編集]

ファルコン9フル・スラスト(Full Thrust)は、2015年12月の20号機以降用いられている改良型のファルコン9である。

フル・スラストでは、エンジン推力の向上や第2段の延長などが図られた結果、打ち上げ能力はさらに33%向上している。着陸脚やスラスターなど、着陸機構の改良も図られており、2015年12月の初打ち上げでは第一段切り離し後にメインエンジンを逆噴射させ、ケープカナベラル内のLZ-1着陸地点への軟着陸を成功させた[9]。その後洋上プラットフォームへの着陸も成功させている。2017年3月にはさらに回収した1段目の再使用にも成功した[8]

ファルコン9 ブロック5[編集]

2017年初頭に生産を開始する予定であるファルコン9の次期バージョンがブロック5(Block 5)である。2017年の第2または第3四半期に初の打ち上げを予定している。

ブロック5では、エンジンの推力を最大限まで増強することと着陸脚の改善が主な改善点。他には、第1段ロケットの再利用に寄与するマイナーな改良も含まれる[13]

「重要な細かい改良が全体的にたくさんあるが、推進力と着陸脚の改善が最も重要」と、2016年10月23日にイーロン・マスクは、ファルコン9ブロック5について説明している[14]。さらに2017年1月21日、ファルコン9ブロック5が「パフォーマンスと可用性を大幅に改善する」ともイーロン・マスクは述べている[15]。ファルコン9ブロック5をファルコン9ロケットの「最終的な」バージョンであるとも彼は言及した。

ファルコンヘビー[編集]

ファルコン9の第1段エンジンをマーリン1Cからマーリン1Dエンジンに換装した上でデルタ IVアトラス V HLVロシアアンガラ・ロケットのように1段目を3本束ねたファルコンヘビーの打ち上げが計画されている。打ち上げ費用は約1億ドル、打ち上げ能力は低軌道で53,000 kg (120,000 lb)、静止トランスファ軌道で21,200 kg (47,000 lb) でありサターンVに次いで、史上2番目の打ち上げ能力を持つ大型ロケットとなる。

2017年3月現在、最初のデモフライトは2017年夏を予定[16]。この最初のデモフライトでは、第2段ロケットの着陸回収も試みられる[17]。将来的には、火星へ探査機や人を送り込むことも考慮しているという。

比較[編集]

バージョン ファルコン9 v1.0
(運用終了)
ファルコン9 v1.1
(運用終了)
ファルコン9 フル・スラスト
(運用中)
ファルコン9 ブロック5
(開発中)
第1段 マーリン1C × 9 マーリン1D × 9 マーリン1D(改良版) × 9[18] マーリン1D(改良版) × 9 [13]
第2段 マーリン1Cバキューム × 1 マーリン1Dバキューム × 1 マーリン1Dバキューム(改良版) × 1[19][18] マーリン1Dバキューム(改良版) × 1 [13]
全高 (m) 53[20] 68.4[21] 70[22][19] 未定
直径 (m) 3.66[23] 3.66[24] 3.66[19] 3.66
離床推力 (kN) 3,807 5,885[21] 6,804[22][19]

7,607[25](2016年後半以降)

未定
質量(トン 318[20] 506[21] 549[22] 未定
フェアリング直径 (m) N/A 5.2 5.2 5.2
低軌道 (LEO)
ペイロード (kg)
8,500–9,000
(ケープカナベラル)[20]
13,150
(ケープカナベラル)[21]
22,800
(使い捨て、ケープカナベラル)[2]
未定
静止トランスファ軌道 (GTO)
ペイロード (kg)
3,400[20] 4,850[21] 8,300[2](使い捨て)
>5,300[26][27](再利用)
未定
成功率 5/5 14/15 17/18 0/0

信頼性[編集]

ファルコン9ロケットの信頼性は打ち上げ回数が大幅に増えないとわからないが、同社は非常に高い信頼性を持つと説明している。同社の信頼性に対する考え方は、シンプルな構成にすることで信頼性と低コストを得るという哲学に基づいている。

ファルコン9の打上げシーケンスは、全てのエンジンに点火して、システムのチェックを行ってから打ち上げることになっている。性能が正常である事が確認されるまでは機体は射点の保持機構で固定されたままとなる。このような方式は、サターンVスペースシャトルでも同様に使われてきた。もし、異常な状態が検知された場合は自動的にシャットダウンが行われ、推進薬の抜き取りが行われる。

サターンVと同様に、ファルコン9でも複数の1段エンジンをクラスター化しているため、飛行中にエンジンの1基が停止してもミッションを継続する事が出来る。ファルコン9は、アポロ計画のサターンロケット以降初めて、このエンジン停止時の対処能力 (engine-out capability) を持つロケットとなった。実際に4回目の打ち上げでは、上昇中にエンジン1基が異常を起こしたために停止されたが、他のエンジンに被害を与える事なく軌道に乗る事に成功した。

ファルコン9は三重冗長の飛行コンピュータと慣性誘導装置を有しており、さらにGPSを組み合わせる事で軌道投入精度をさらに高めている。

2015年6月28日、19号機で初めて打上げを完全に失敗(4号機では部分的失敗)。4号機の部分的失敗を失敗にカウントしなければ、この時点での通算の成功率は94.7%、v1.1としての成功率は92.9%となった。

再使用[編集]

洋上プラットフォームに着陸する1段目

ファルコン9は、スペースシャトル以後では初となる、機体を回収・再使用する衛星打ち上げロケットである。かつてスペースシャトルでは軌道上に到達するオービタと呼ばれる上段部分が再使用されたのに対して、ファルコン9では1段目を再使用する(将来的には2段目やフェアリングの再使用も計画)。1段目の再使用は2017年3月の32号機においてはじめて実施されており、それ以前は全て新造された機体が用いられてきた。再使用の詳細なコストは2017年現在公表されていないが、スペースXは2016年の段階で最大で30%の割引が可能とのコメントを行っている[8]

開発[編集]

ファルコン9の再使用計画は、v1.0の打ち上げが成功した後の2011年9月に初めて明らかにされた。この構想では、第1段・第2段ともにエンジンを逆噴射させて垂直着陸を行い、回収・再使用するという今日の形態が示されていた。発表では再使用が実現すれば、打ち上げコストは従来の100分の1程度になることが謳われた[28]。また同月には、FAAに対してファルコン9の1段目を改造したグラスホッパー (Grasshopper RLV) と呼ばれる垂直離着陸実験機を使う実験飛行を申請し[29]、実際に2012年9月から2013年10月まで8回の飛行試験が行われた。また、2014年4月からは後継機のF9R-Devの試験が開始された。

実験機とは別に、ファルコン9 v1.0においても、一部の機体の1段目にはパラシュートが装備されており、回収を実証して、可能であれば将来の再使用も試みるつもりであったが、これは一度も成功しなかった。この手法では回収のためには機体を耐熱用のアブレーティブ材の層で覆うと共に、パラシュートで降下速度を落とし、海に着水して海水にさらされても腐食しない材料の使用が必要となるなど、再使用への課題が多かった。

洋上着陸のための無人船 Just Read the Instructions

2013年9月に行われたファルコン9 v1.1初号機の打ち上げでは、前述の垂直着陸を模した1段目の回収試験が実際に行われた。1段ロケットを分離した後、3基のエンジンを超音速飛行状態で逆噴射させて減速し、着陸の直前に中央のエンジン1基を噴射して着陸するシーケンスがテストされた。この試験では洋上着水直前のエンジン1基の噴射が機体の回転の影響による遠心力で燃料供給できなくなり早期に燃焼が停止して洋上に激突したが、一部の機器の回収には成功した。このトラブルは、v1.1 4号機に装着する着陸脚を展開すれば回転をスラスタ噴射で制御出来ると考えられた。実際に、2014年4月のv1.1 4号機で洋上着水試験が行われ、着水直前に落下速度がゼロになったことが確認された。ただし、回収域の海は7mの大時化だったため、機体の回収は断念した [30]。その後も試験は継続されたが最終的にv1.1では着陸は成功せず、改良型となるFT初号機の打ち上げで初めての陸上着陸を達成、次いで2号機で洋上着陸を達成した。

コスト[編集]

1段の回収に必要な余分な推進薬は、洋上で回収するのであれば15%程度、着陸地に帰還させる場合はおそらくその倍の30%になるだろう(すなわち打ち上げ可能なペイロード重量が30%失われる)と同社では解析している。しかし、1段目を再使用すれば、ロケットの費用の約3/4が節約できる可能性がある[31]

着陸脚を装備した場合は、打ち上げ可能なペイロードの重量は低下する。スペースX社が公開しているファルコン9 v1.1の打上能力4.850kg/GTOというのは、この性能低下分を含めた値(1段の回収に使うための余分な推進薬や着陸脚の重量分として確保)であり、着陸脚を装備しない場合は、このリザーブ分を利用できることから4,850kg以上の衛星でもGTO軌道に投入できる。このことはSES-9/10衛星(重量5,330kg)を受注した際に明らかになった[32]

1段目着陸の概要[編集]

実験機グラスホッパーの改良型を採用[33]

  1. 2段目を切り離した直後は水平4方向に付けられたスラスターで大まかな姿勢を保ちながら自由落下を開始する。
  2. 大気圏に入ると上部のグリッドフィン英語版を展開して細かな直立を保つ姿勢制御に入る。
  3. 下部に付けられた着陸用の4つの脚を高圧ヘリウムでテレスコピックの支柱を伸ばす方法で展開する。主エンジンを再点火して落下速度を落とす。
  4. 主エンジンのノズルの向きとグリッドフィンの向きとスラスターの相互制御で完璧な直立状態でエンジンの出力を徐々に落としながらゆっくりと着地する。

射場[編集]

ファルコン9の打ち上げ

2017年現在運用中の射場は3箇所。2020年までにもう1箇所を追加することが計画されている。

打上げ記録[編集]

形式
2.5
5
7.5
10
12.5
15
2010
'11
'12
'13
'14
'15
'16
'17
  •   v1.0
  •   v1.1
  •   フル・スラスト
  •   ブロック4
射場
2.5
5
7.5
10
12.5
15
2010
'11
'12
'13
'14
'15
'16
'17
  •   ケープカナベラル
  •   ヴァンデンバーグ
  •   ケネディ
  •   Boca Chica
ミッション成否
2.5
5
7.5
10
12.5
15
2010
'11
'12
'13
'14
'15
'16
'17
  •   失敗
  •   失敗(打ち上げ前)
  •   部分的失敗
  •   成功
着陸成否[注釈 1]
1
2
3
4
5
6
7
8
2010
'11
'12
'13
'14
'15
'16
'17
  •   着水失敗
  •   無人船失敗
  •   陸上失敗
  •   着水成功
  •   無人船成功
  •   陸上成功
  1. ^ 2017年3月現在、1段目の試験的な着陸のみ
機体番号
打上げ日時 (UTC) 形式 射場 搭載物 結果 備考
初号機 2010年6月4日18時45分 v1.0 ケープカナベラル空軍基地 ドラゴン宇宙船の認証モデル(模型) 成功 [38]
2号機 2010年12月8日10時43分 v1.0 ケープカナベラル空軍基地
  • ドラゴン宇宙船 (COTS Demo Flight1)
  • CubeSat 8機
成功 ドラゴンは無人の状態で、地球の軌道を2周回後に大気圏に再突入して、太平洋上に無事着水し回収された。
民間の宇宙船として初めて地球の軌道を周回した後に帰還した。
3号機 2012年5月22日7時44分 v1.0 ケープカナベラル空軍基地 成功 ISSに結合させた後、ドラゴンカプセルを回収するミッション。
当初打ち上げは19日に計画されていたが、第5エンジンの異常燃焼により打ち上げ0.5秒前に中止された[40]。22日の再打ち上げにより打ち上げ成功。
4号機 2012年10月8日12時34分 v1.0 ケープカナベラル空軍基地 ドラゴン宇宙船(スペースX CRS-1、略: SpX-1) 成功 初の商業補給サービス (Commercial Resupply Services, CRS)。打ち上げ中に第一段ロケットのうち1基に圧力低下の異常が発生したため、このエンジンを停止させ、自動制御により残り8基のエンジンと第2段の燃焼時間を長くした。
ドラゴンをISSへ向かう予定通りの軌道に、相乗り衛星のORBCOMM-G2を予定より低い軌道に投入した。ORBCOMM-G2を運用するオーブコム社は軌道を上昇させることを望んだものの、エンジントラブルで推進剤の残量に余裕がなかったことから主ペイロードを所有するNASAが許可しなかった(上昇自体は可能だったが推進剤が十分に残っていなければISSにリスクが及ぶと判断された)[41]

ORBCOMM-G2はオーブコム社の新世代衛星コンステレーションの先行試験機で、4日後に軌道減衰のため大気圏に突入するまでの間に技術的なデータを取得した。

ORBCOMM-G2(通信衛星の試験機)

部分的失敗
5号機 2013年3月1日 v1.0 ケープカナベラル空軍基地 ドラゴン宇宙船(スペースX CRS-2、略: SpX-2) 成功
6号機 2013年9月29日16時00分 v1.1 ヴァンデンバーグ空軍基地 成功 v1.1の初打ち上げであり、かつ西海岸からの初めての打ち上げであり、カナダ宇宙庁からの受注によるドラゴン宇宙船以外の宇宙機のみを搭載した初の商業ミッションでもある。
第1段分離後には、第1段の再使用に向けた回収実験も行われ、着水前に逆噴射が行われたが海面へ激突した[11]
7号機 2013年12月3日22時41分 v1.1 ケープカナベラル空軍基地 SES-8英語版(通信衛星) 成功 GTOへの初打ち上げ[42]
8号機 2014年1月6日22時06分 v1.1 ケープカナベラル空軍基地 Thaicom 6(通信衛星) 成功
9号機 2014年4月18日19時25分 v1.1 ケープカナベラル空軍基地 成功 1段に着陸脚4本を装着して初めて飛行[43]。1段の洋上着水試験に成功するも、機体回収には失敗。オーストラリア南西部上空での第2段の制御再突入も初めて行われて成功した。
10号機 2014年7月14日11時15分 v1.1 ケープカナベラル空軍基地 ORBCOMM-G2(通信衛星)6機 成功 着陸脚を装備。1段の洋上着水試験が行われ、軟着水には成功したが、機体の回収には失敗[44]
11号機 2014年8月5日4時00分 v1.1 ケープカナベラル空軍基地 アジアサット8(通信衛星) 成功 打上げ能力を優先するため、着陸脚は装備せず[45]
12号機 2014年9月7日1時00分 v1.1 ケープカナベラル空軍基地 アジアサット6(通信衛星) 成功 8月26日の打上げ予定を27日に延期、さらに9月7日に再延期して打ち上げられた。着陸脚は装備せず[46]
13号機 2014年9月21日1時52分 v1.1 ケープカナベラル空軍基地 ドラゴン宇宙船(スペースX CRS-4、略: SpX-4) 成功 9月20日の打ち上げ予定を悪天候により1日延期。前回の打上げからわずか14日の準備期間で打ち上げを実施。
当初着陸脚を装備した1段目を使用する予定であったが、装備していなかった12号機の1段と交換して打ち上げられた。このため着陸脚は装備しなかったが、着水前の噴射試験は行われた[47]。NASAはこの超音速逆噴射試験の様子を航空機から撮影したビデオを公開した[48]
14号機 2015年1月10日9時47分 v1.1 ケープカナベラル空軍基地 ドラゴン宇宙船(スペースX CRS-5、略: SpX-5) 成功 1月6日の打上げ予定だったが、第2段目ロケットの不具合により延期された。
第1段機体を大西洋上に浮かべたプラットフォームに降ろす試験は失敗[49]。1段の機体は無人の洋上プラットフォーム上にまで降下させることが出来たが、姿勢制御用グリッドフィンを動かすための駆動流体を使い果たしたため、傾いた状態で落下し爆発した。映像はこちらで公開[50]
15号機 2015年2月11日23時3分 v1.1 ケープカナベラル空軍基地 DSCOVR (Deep Space Climate Observatory) 成功 ファルコン9ロケットによる初の深宇宙探査機の打ち上げ。ロケット1段の洋上回収試験は波が高すぎたため断念したが、機体は予定していた降下ポイントの10m以内に垂直状態で着水させることに成功した[51]
16号機 2015年3月2日3時50分 v1.1 ケープカナベラル空軍基地 成功 ファルコン9ロケットによる初の衛星2機同時打ち上げ。衛星2機搭載による燃料等の重量増のため、回収用の着陸脚は装備されなかった[52]
17号機 2015年4月14日21時10分 v1.1 ケープカナベラル空軍基地 ドラゴン宇宙船(スペースX CRS-6、略: SpX-6) 成功 14号機と同様の着陸回収試験を実施。打ち上げそのものは成功したが、再び着陸に失敗した[53]
18号機 2015年4月28日1時3分 v1.1 ケープカナベラル空軍基地 トルクメンアーレム52E/モナコサット 成功 トルクメンアーレム52E/モナコサットはトルクメニスタン初の通信衛星。打ち上げから約32分後に衛星を分離し、所定の軌道への投入に成功した[54]
19号機 2015年6月28日14時21分 v1.1 ケープカナベラル空軍基地 ドラゴン宇宙船(スペースX CRS-7英語版、略: SpX-7) 失敗 打上げから139秒後に爆発。搭載された物資が全て失われた[55]。3度目の再使用試験に挑戦する予定であったが、打上げ失敗により実施できなかった。
爆発の原因としては、第2段タンクの支柱の強度が規定より弱く飛行中の負荷で破断した、との分析がなされている[56]
20号機 2015年12月22日1時29分 FT ケープカナベラル空軍基地 ORBCOMM-2 成功 改良版となるファルコン9 フル・スラストの初打ち上げ[9]。第一段分離後、第一段はLZ-1着陸地点に軟着陸成功、第二段は搭載していた11機の衛星全ての軌道設置に成功[57]
21号機 2016年1月17日18時42分 v1.1 ヴァンデンバーグ空軍基地 Jason-3 成功 ファルコン9 v1.1の最後の打ち上げ。打ち上げ後、再度洋上への着陸回収試験が試みられるもこちらは着陸後に脚が折れ転倒、失敗に終わった。
22号機 2016年3月4日23時35分 FT ケープカナベラル空軍基地 SES-9 成功 積荷の重量過多のため、着陸試験は部分的な実施に留まった。
23号機 2016年4月8日20時43分 FT ケープカナベラル空軍基地 ドラゴン宇宙船(スペースX CRS-8英語版、略: SpX-8) 成功 フル・スラストでは初となる洋上への着陸回収試験を実施。同じく初となる無人船への軟着陸に成功した。
積荷には、ISSに設置する膨張式モジュール試験機BEAMが搭載された。
24号機 2016年5月6日5時21分 FT ケープカナベラル空軍基地 JCSAT-14 成功 GTOへの打ち上げ。GTOへの打ち上げでは初となる無人船への軟着陸に成功した。再突入の速度が早いため、ブーストバック噴射を行わない代わりに着陸噴射を3基のエンジンで行う手法が取られた(これまでは1基)[58]
25号機 2016年5月27日21時40分 FT ケープカナベラル空軍基地 Thaicom 8 成功 GTOへの打ち上げ。無人船への軟着陸に3回連続での成功。
26号機 2016年6月15日14時29分 FT ケープカナベラル空軍基地 成功 GTOへの打ち上げ。無人船への軟着陸は、エンジン3基中1基の推力が不足し失敗。
27号機 2016年7月18日04時45分 FT ケープカナベラル空軍基地 ドラゴン宇宙船(スペースX CRS-9英語版、略: SpX-9) 成功 ケープカナベラル空軍基地の着陸ゾーン1への着陸に初めて成功した。
28号機 2016年8月14日05時26分 FT ケープカナベラル空軍基地 JCSAT-16 成功 GTOへの打ち上げ。無人船への軟着陸も成功。
N/A 2016年9月1日13時07分 FT ケープカナベラル空軍基地 Amos-6英語版 失敗 打上げ前燃焼試験の準備中に上段液体酸素タンクが爆発し、衛星ともども破壊された[59]。試験は無人で行われていたため人的被害はなかった。
爆発の原因としては、LOXタンク内に搭載されているCOPV (Composite Overwrapped Pressure Vessel) と呼ばれる炭素繊維複合材を用いたヘリウムタンクの隙間に、燃料の液体酸素が浸透または固体酸素となり付着、引火して爆発したとの分析がなされている[60]
29号機 2017年1月14日17時54分 FT ヴァンデンバーグ空軍基地 イリジウムNEXT 10機 成功 2016年の事故後初となる打ち上げ。対策として推進剤やヘリウムの充填手順の変更がなされた。10機の衛星の投入ならびに無人船への軟着陸いずれも成功[61]
30号機 2017年2月19日14時39分 FT ケネディ宇宙センター ドラゴン宇宙船(スペースX CRS-10英語版、略: SpX-10) 成功 2500kgの消耗品や研究用の資材を国際宇宙ステーションへドラゴン宇宙船で輸送したミッション。SpaceXによるケネディ宇宙センターからの初めての打ち上げである。ケープカナベラル空軍基地のスペースXランディングゾーン1(LZ-1)への第1段着陸に成功した[62]
31号機 2017年3月16日6時00分 FT ケネディ宇宙センター EchoStar 23 成功 EchoStar Corp.の放送衛星EchoStar 23の打ち上げ。ペイロードである衛星の重量が大きいため、第1段ロケットの回収は試みられなかった(着陸脚・グリッドフィンともに無し)[63]
32号機 2017年3月30日22時27分 FT ケネディ宇宙センター SES-10英語版 成功 ファルコン9における再利用機体による初の打ち上げ。2016年4月8日打ち上げの23号機で回収された第1段ロケットが再利用された。打ち上げおよび、この第1段ロケットにとって2度目となる回収(ドローン船へ着陸)ともに成功した[64][65]。 また、人工衛星を覆っているロケット先端のフェアリングの回収も試みられた。2つのフェアリングのうち1つの回収に成功している[66]
33号機 2017年5月1日11時15分 FT [67] ケネディ宇宙センター NROL-76英語版 [68] 成功 アメリカ国防総省国家偵察局軍事衛星 NROL-76 の打ち上げ。スペースXのロケットにおけるペイロードとしては初となる軍事衛星の打ち上げとなった [69] 。ペイロードが軍事衛星であるため、YouTubeでのスペースX公式ライブで32号機打ち上げまで表示されていた第2段ロケットのスピードと高度は表示されなかった。その代わり、第1段ロケット搭載カメラと地上のカメラで打ち上げから着陸に至る連続映像をライブする試みが行われた [70] 。第1段は、ケープカナベラル空軍基地のスペースXランディングゾーン1(LZ-1)への着陸に成功している。
34号機 2017年5月15日23時21分 FT [71] ケネディ宇宙センター Inmarsat-5英語版 F4 [72] 成功 今回のペイロードの重量は6,070kg[73]。 このペイロードは当初、ファルコンヘビーで打ち上げ予定だった。ファルコン9の性能向上によりファルコン9で打ち上げられたものである[74]。2017年5月現在、ファルコン9で静止トランスファ軌道へ打ち上げられた最も重いペイロードとなった[75] 。ペイロードの重量ゆえに、第1段ロケットの回収は試みられていない(着陸脚・グリッドフィンともに無し)。
35号機 2017年6月3日21時07分 FT
B1035[76]
ケネディ宇宙センター スペースX CRS-11英語版 成功 地球画像プラットフォームであるMUSES [77] とソーラーアレイROSA [78] とともに、中性子星内装組成探査機(NICER) [79] をISSへ届けたミッション。2014年9月の13号機で打ち上げられたドラゴンカプセル(シリアル番号C106) [76] を改装したドラゴンが再利用されている [80] 。 もともとは6月1日に発射される予定だったが、天候が悪いために6月3日に打ち上げられた [81] 。第1段は、ケープカナベラル空軍基地のスペースXランディングゾーン1(LZ-1)への着陸に成功している。
36号機 2017年6月23日19時10分 FT
B1029.2[75]
ケネディ宇宙センター BulgariaSat-1英語版 [82] 成功 2017年3月30日のB1021に続き、再利用機体による2度めの打ち上げ。 [75] 用いられた機体は2017年1月に打ち上げられたB1029である。半年のインターバルでの再利用となる。ペイロードはブルガリア初の通信衛星であり、ヨーロッパ南東部におけるテレビ放送やその他の通信サービスに利用される予定。 [75] 再利用機体はドローン船に帰還。回収された。
37号機 2017年6月25日20時25分 FT
B1036.1[83]
ヴァンデンバーグ空軍基地 Iridium NEXT 11–20英語版 成功 36号機の翌々日に行われた打ち上げ。グリッドフィンの熱対策としてチタン製のグリッドフィンが採用された最初の飛行である。第1段ロケットはドローン船に帰還。回収された。 [84]
38号機 2017年7月5日23時38分 FT
B1037[85]
ケネディ宇宙センター Intelsat 35e英語版[86] 成功 6,761kgという重い衛星をGTOに打ち上げるという制約のため、第1段ロケットは回収されなかった。 [87]
39号機 2017年8月14日16時31分 ブロック4 ケネディ宇宙センター スペースX CRS-12英語版 成功 ブロック4と呼ばれる改良型の機体の初打ち上げ。打ち上げ並びに陸上への着陸ともに成功。

脚注[編集]

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関連項目[編集]

外部リンク[編集]