再使用型宇宙往還機

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最もRLVに近い宇宙船スペースシャトル

再使用型宇宙往還機(さいしようがたうちゅうおうかんき、英語: Reusable launch vehicle; RLV)とは、宇宙に繰り返し打ち上げることのできる打ち上げ機使い捨て型ロケット (ELV) と対となる用語である。なお、単段式のRLVはSSTOとも呼ばれる。

概要[編集]

1960年代後半以降、各国で盛んに研究が行われたものの、2013年現在、軌道上まで到達できるRLVは存在しない。RLVに最も近い例はスペースシャトルである。そのオービターとメインエンジン、それに固体燃料ロケットブースタ (SRB) は、数ヶ月のメンテナンスの末、再利用される。外部燃料タンクは廃棄される。その他、軌道には届かないものの、宇宙空間には到達できるRLVとしてスペースシップワンがある。

RLVの実現により、1回の打ち上げごとに機体の製造費がかかる使い捨てロケットのコストモデルから、飛行機のような減価償却が可能なコストモデルへと転換が図れ、低コストで信頼性の高い宇宙へのアクセスが提供されると期待されている。しかし、スペースシャトルのように莫大な整備費は避けられないという見方もあり、実際にコストや信頼性がどうなるのかについては、まだはっきりと判っていない。

なお、英語のReusable launch vehicleは文字通り「再利用可能なローンチ・ヴィークル(打ち上げ機)」であるが、日本語訳として用いられる「再使用型宇宙往還機」[1]の場合、HOPEX-37といったそれ自体は打ち上げ能力を持たない再使用が可能な宇宙往還機、についても含まれてしまう場合がある。

主なRLV[編集]

低軌道以上への到達能力を持つRLV。ローンチ・ヴィークルとしての能力を持たない機体は除外する。

開発元 名称 画像 初出 初打ち上げ 再利用 状態 備考
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 スペースシャトル STS-95 landing.jpg 1969年 1981年
4月12日
部分的 退役
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 サターン・シャトル Saturn-Shuttle model at Udvar-Hazy Center.jpg 部分的 中止
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 DC-3英語版 1960年代 完全 中止
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 シャトル-C Shuttle-c launch painting.jpg 1984年 部分的 中止 無人機
イギリスの旗 イギリス HOTOL HOTOL.JPG 1985年 完全 中止 構想のみ
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 X-30 X-30 futuristic nasa.jpg 1986年 完全 中止
ソビエト連邦の旗 ソビエト連邦 MAKS・スペースプレーン Многоцелевая авиационно-космическая система -9А-10485- (МАКС).gif 1988年 部分的 中止
ソビエト連邦の旗 ソビエト連邦 ザーリャ 1980年代 中止 計画された再使用型VTVL
日本の旗 日本 ヤマト 1980年代 部分的 中止 10tクラスの日本版スペースシャトル構想[2]
中華人民共和国の旗 中国 921-3計画英語版 1992年 開発中 中国版スペースシャトルの開発計画
日本の旗 日本ロケット協会 観光丸 1993年 完全 構想
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 ベンチャースター Venturestar1.jpg 1996年 完全 中止
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 X-37 X-37B prelaunch.jpg 1996年 部分的 運用中 2010年4月22日にケープカナベラル空軍基地から打ち上げられ、打ち上げから約7ヶ月を経た同年12月3日に帰還した。
インドの旗 インド Avatar英語版 AvatarTD.JPG 1998年 開発中 宇宙往還機 2016年5月23日午前7時にサティシュ・ダワン宇宙センターから全長6m程度の無人の試験機の打ち上げに成功した。高度65000mに到達後、インド洋の沖合に着水した[3]
アメリカ合衆国の旗 スペースX ファルコン1 SpaceX falcon Washington DC.jpg 2006年
5月24日
部分的 中止 打ち上げは成功したが、2012年現在再利用を実現しないまま運用停止
アメリカ合衆国の旗 スペースX ファルコン9 Falcon 9 COTS Demo F1 Launch.jpg 2007年 2010年
6月4日
完全 開発中 2012年現在は使い捨てロケットとして運用中
将来的に再利用を実現する計画
2015年12月22日、1段目の軟着陸に成功した[4]
イギリスの旗 リアクション・エンジンズ英語版 スカイロン Skylon.svg 2000年代 完全 開発中 エアブリージングエンジンを用いる単段式スペースプレーン
ウクライナの旗 ウクライナ スーラ 完全 構想 計画段階の無人二段式宇宙輸送機
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 XS-1 2013年 部分的 開発中 1段目のみを再使用

主な準軌道RLV[編集]

準軌道(弾道飛行)の能力を持つRLV。Ansari X Prize参加機を始め、民間企業・団体によりこの他にも数多くのRLVが試みられている。

開発元 名称 画像 初出 初打ち上げ 状態 備考
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 X-15 X-15 in flight.jpg 1954年 1959年
9月17日
退役
日本の旗 日本 HIMES 1982年 中止
日本の旗 日本ロケット協会 宇宙丸 1993年 構想
アメリカ合衆国の旗 スケールド・コンポジッツ スペースシップワン Spaceship One at Smithsonian.jpg 2003年
12月17日
退役 Ansari X Prize 受賞機
アメリカ合衆国の旗 スペースシップ・カンパニー英語版 スペースシップツー SS2 and VMS Eve.jpg 2006年 2013年
4月29日
開発中
アメリカ合衆国の旗 ブルーオリジン ブルーオリジン・ニューシェパード 2015年
4月29日
開発中
日本の旗 日本 再使用観測ロケット 2008年 開発中
アメリカ合衆国の旗 XCORエアロスペース英語版 Lynx 開発中

脚注[編集]

  1. ^ 再使用型宇宙輸送システムに関する米国の動向”. NASDA (2001年3月21日). 2013年8月29日閲覧。 “X-33計画は、1996年に、再使用型宇宙往還機(RLV)プログラムの一部として開始され”
  2. ^ 日本宇宙開拓史 第9章 日本製スペースシャトル” (2001年5月8日). 2011年7月23日閲覧。
  3. ^ インド版スペースシャトル 試験打ち上げに成功
  4. ^ SpaceX、大型Falcon 9ロケットの着陸に初めて成功

関連項目[編集]

外部リンク[編集]