ストラトローンチ・システムズ

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ストラトローンチ・システムズ
Stratolaunch Systems
種類 Private company
本社所在地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
アラバマ州ハンツビル
設立 2011年
業種 航空宇宙
事業内容 ロケット航空機の開発、打ち上げ
関係する人物 ポール・アレン, バート・ルータン, マイケル・D・グリフィン英語版
外部リンク http://stratolaunchsystems.com/
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ストラトローンチ・システムズ: Stratolaunch Systems)は、空中発射ロケットによる宇宙輸送を業務とするアメリカ合衆国企業である。2011年マイクロソフト共同創業者のポール・アレンスケールド・コンポジッツ創業者のバート・ルータンにより設立された。両者は民間初の有人宇宙飛行を成し遂げたスペースシップワンの開発において共同関係にあった。[1]

ロケットを航空機から空中発射する計画は、2011年12月に発表された。2017年現在、初の試験打上げを早ければ2019年にも行うとしている[2]。同社のCEO兼社長は、元NASAのエンジニアGary Wentzが務める。前NASA長官のマイケル・グリフィンが同社の取締役会メンバーを務める[3]


打ち上げシステム[編集]

打ち上げシステムは主要な3つのコンポーネントからなり、ロケットを運ぶ母機の開発をスケールド・コンポジッツが、空中から発射するロケットの開発をオービタル・サイエンシズが、統合システムの開発をDynetics英語版がそれぞれ担当する。[4][5]

母機の名前は「ロック」(Roc)、空中発射式ロケットの名前は「サンダーボルト」(Thunderbolt)、これらを含めた打上システム全体の名前は「イーグルス・ローンチ・システム」(Eagles Launch System) となった[6]

母機[編集]

ロックと他の巨大航空機の翼幅の比較

空中発射ロケットの母機であるモデル351 ロックは、ロケットを機体中央下部に吊すため、それぞれに独立した尾翼を備えた双胴とし、ロケットの重量に対応するためターボファンエンジンを6基備えている。このため翼幅は117 m (385 ft)[7][8]An-225(88m)を超え世界最大の翼幅を持つ航空機となった。なお全長はAn-225(84m)の方が長いが、双胴機としては世界最大である。機体重量は燃料を満載したロケットの分も含めて540,000 kg (1,200,000 lb)を超える。[8] 航空機の推力は6基の200 kN (46,000 lbf)~296 kN (66,500 lbf)ジェットエンジンより生み出される。エンジン、アビオニクスフライトデッキランディングギアといった部品は、ユナイテッド航空から中古購入した2機の747-400から取り出されたパーツを流用することで開発コストを低減している[9][7]

離陸には3,700 m (12,000 ft)の滑走路が必要となるため、運用できる空港は限られる。

打ち上げミッション時における航続距離は2,200 km (1,200 nmi)を見込んでいる[10][4]

ストラトローンチでは、当初計画では母機の最初のテスト飛行を2015年に、テスト打ち上げを2016年に行いたいとしていたが[11]、計画は遅延。完成した機体は2017年5月31日に初公開された[2]

諸元(予定)[12]

ロケット[編集]

ストラトローンチでは当初空中発射ロケットとして、スペースXが開発するファルコン9派生型の翼を持つ2段式液体燃料ロケットを使用することを計画していた。[10] このロケットは総重量が約220,000 kg (490,000 lb)で、低軌道に6,100 kg (13,500 lb)のペイロードを投入することを目標としていた。[13][14][4]

しかし、2012年11月、ストラトローンチはファルコン9派生型では同社の長期的なビジネスモデルと合致しないとして、スペースXとの契約関係を打ち切ることを発表した。今後は空中発射ロケットペガサスを保有するオービタル・サイエンシズ社が開発を進めるとしている。[5]

2013年8月、オービタル・サイエンシズ社は、ロケットの1, 2段目には、大型の固体ロケットモータの開発実績が豊富なATK社が開発する固体ロケットモータを選んだことを明らかにした[15]

見直し後の低軌道への投入能力は4,500 kg (10,000 lb)。初打ち上げは2019年の予定となっている[2]。 3段には、液体酸素と液体水素を使う[RL-10 C-1エンジン2基を使用することになった [16]

関連項目[編集]

参考文献[編集]

  1. ^ Terdiman, Daniel (2011年12月13日). “Paul Allen's Stratolaunch: Grand plan for next-gen space travel”. CNET (San Francisco). オリジナル2011年12月18日時点によるアーカイブ。. https://www.webcitation.org/640oj6az6?url=http://news.cnet.com/8301-13772_3-57342415-52/paul-allens-stratolaunch-grand-plan-for-next-gen-space-travel/?part=rss 2011年12月17日閲覧。 
  2. ^ a b c 世界最大の航空機公開、ロケットを空中輸送し発射 米”. CNN (2017年6月1日). 2017年6月1日閲覧。
  3. ^ “Private spaceflight gets new contender with Stratolaunch”. Spaceflightnow.com. http://spaceflightnow.com/news/n1112/13stratolaunch/ 2011年12月13日閲覧。 
  4. ^ a b c Mecham, Michael (2011年12月14日). “Stratolaunch Aims to Break Affordability Barrier”. Aviation Week (New York). http://www.aviationweek.com/aw/generic/story_channel.jsp?channel=space&id=news/awx/2011/12/13/awx_12_13_2011_p0-405946.xml&headline=Stratolaunch%20Aims%20to%20Break%20Affordability%20Barrier 2011年12月14日閲覧。 
  5. ^ a b “Stratolaunch and SpaceX part ways”. Flight Global. (2012年11月27日). http://www.flightglobal.com/news/articles/stratolaunch-and-spacex-part-ways-379516/ 2012年12月5日閲覧。 
  6. ^ “Stratolaunch Eagles”. Orbital Sciences Corp.. https://www.orbital.com/AdvancedSystems/Publications/Stratolaunch_factsheet.pdf 2014年5月24日閲覧。 
  7. ^ a b Mecham, Michael; Frank Morring, Jr. (2011年12月20日). “Allen Places Big Bet On Air Launches”. Aviation Week. http://www.aviationweek.com/aw/generic/story.jsp?channel=space&id=news/awst/2011/12/19/AW_12_19_2011_p26-406657.xml&headline=Allen%20Places%20Big%20Bet%20On%20Air%20Launches&prev=10 2011年12月23日閲覧. "Dynetics has been under contract to Vulcan英語版 for almost a year and has some 40 employees on the project so far. SpaceX joined more recently, and the overall team is still working through details of how to progress toward its 2016 first launch." 
  8. ^ a b Paur, Jason (2011年12月13日). “Microsoft Billionaire Paul Allen Launches New Space Venture”. Wired (New York). オリジナル2011年12月14日時点によるアーカイブ。. https://www.webcitation.org/63vo4NRsr?url=http://www.wired.com/autopia/2011/12/rutan-allen-musk-team-up-for-orbit 201-11-14閲覧。 
  9. ^ “Scaled Composites Salvaging 747 for Stratolaunch Mothership”. Spacesafetymagazine.com. http://www.spacesafetymagazine.com/2012/02/21/scaled-composites-salvaging-747-stratolaunch-mothership/ 2012年2月21日閲覧。 
  10. ^ a b Bergin, Chris (2011年12月13日). “Stratolaunch introduce Rutan designed air-launched system for Falcon rockets”. NASAspaceflightnow.com. オリジナル2011年12月14日時点によるアーカイブ。. https://www.webcitation.org/63vjHScLL?url=http://www.nasaspaceflight.com/2011/12/stratolaunch-rutan-designed-air-launched-system-falcon-rockets/ 2011年12月14日閲覧。 
  11. ^ Whittington, Mark (2011年12月13日). “Space Pioneers Announce Stratolaunch Systems to Revolutionize Space Flight”. Yahoo.com. Yahoo!News. 2011年12月13日閲覧。
  12. ^ Stratolaunch Eagles (PDF)”. オービタル・サイエンシズ. 2014年9月14日閲覧。
  13. ^ Stratolaunch video stills 2”. Stratolaunch Press Kit. Stratolaunch Systems (2011年12月13日). 2012年1月24日閲覧。
  14. ^ Paul Allen to unveil Stratolaunch Systems today”. newspacejournal.com. NewSpace Journal (2011年12月13日). 2011年12月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年12月13日閲覧。
  15. ^ “ATK Awarded Contract by Orbital Sciences to Support Stratolaunch System”. ATK. (2013年8月13日). http://atk.mediaroom.com/2013-08-13-ATK-Awarded-Contract-by-Orbital-Sciences-to-Support-Stratolaunch-System# 2013年8月18日閲覧。 
  16. ^ “Aerojet Rocketdyne to Provide Upper-Stage Propulsion for Revolutionary Eagles Launch System”. Aerojet Rocketdyne. (2014年5月19日). https://www.rocket.com/article/aerojet-rocketdyne-provide-upper-stage-propulsion-revolutionary-eagles-launch-system 2014年5月24日閲覧。 

外部リンク[編集]