エレクトロン (ロケット)

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エレクトロン
(Electron)
機能 ローンチ・ヴィークル
製造 Rocket Lab
開発国 ニュージーランドの旗ニュージーランド
打ち上げコスト (2017) 490万ドル
大きさ
全高 17 m (56 ft)
直径 1.2 m (3 ft 11 in)
重量 10,500 kg (23,000 lb)
段数 2
積載量
500 km SSO
へのペイロード
150–225kg (330–500lb)
関連するロケット
競合機 イスラエルの旗シャヴィト
中華人民共和国の旗開拓者1号
朝鮮民主主義人民共和国の旗銀河2号
打ち上げ実績
状態 運用中
射場 Rocket Lab LC 1英語版
KSC LC-39C
総打ち上げ回数 1
成功 0
失敗 0
部分的成功 1
初打ち上げ 2017年5月25日
最終打ち上げ 2017年5月25日
1 段目
直径 1.2 m (3 ft 11 in)
エンジン 9 × ラザフォード
推力 162 kN (36,000 lbf)
ピーク時: 192 kN (43,000 lbf)
比推力 303秒
燃料 RP-1/LOX
2 段目
直径 1.2 m (3 ft 11 in)
エンジン 1 × ラザフォード
推力 22 kN (4,900 lbf)
比推力 333秒
燃料 RP-1/LOX

エレクトロン(Electron)はアメリカニュージーランドの企業であるRocket Labが開発中の人工衛星打ち上げ用の小型液体燃料ロケットである。軌道に110kgのペイロードを投入する能力を有し、1回の打ち上げ費用は500万米ドル未満にする予定である[1]

仕様[編集]

軽量化のため、ロケット本体は炭素繊維強化プラスチック(CFRP)で製作されている。基本仕様では低軌道へ400kg、高度500kmの太陽同期軌道へ100kgまでのペイロードを投入する能力を有する[2]

独自技術にも力を入れており、エンジンなどは専用の3Dプリンターで作られている[3]ラザフォードエンジンは電動ポンプサイクルを採用しておりリチウムイオンバッテリーから供給される電力で直流ブラシレスモータを回転してターボポンプを駆動して推進剤であるケロシン液体酸素をエンジンに供給する。

計画[編集]

当初、エレクトロンの最初の打ち上げは2015年末が予定され[4]、商業的な運用は2016年に開始予定とされた[2]。また、Rocket Labはニュージーランドにおけるロケット射場としてカンタベリー地方のBirdling's Flatを選定した。この場所はカンタベリー地方の中心都市クライストチャーチから44kmの位置にある。アメリカ合衆国ではケネディ宇宙センターからの打ち上げが検討されている[2]Rocket Labの本社はフロリダ州にあるが大部分はニュージーランドで製造される。2015年には87回の燃焼試験を実施した。

また、民間の月探査レースGoogle Lunar X Prizeにも利用される予定である[5]

飛行実績[編集]

2017年5月25日にペイロードなしの"It's a Test"と名付けられた試験機の初打ち上げが行われた。ロケットの上段は衛星軌道に乗らず弾道飛行に終わったものの、それ以外の技術的な実証はすべて成功に終わり、今後の進展に向けて充分な結果が得られた[5]。予定された軌道は近地点300km、遠地点500km、軌道傾斜角83°の楕円軌道だった。失敗原因の究明には約2か月が費やされた。発表によれば、高度224 km時点で地上設備のミスによりテレメトリ異常が検出されたため、安全のために飛行を中断したという。これはソフトウエアで容易に修正可能な問題であり、2号機以降に生かされることになった[6]

飛行 打上日時 (UTC) 軌道 形式 ペイロード 積載重量 成否 特記事項
"It's a Test" 2017年5月25日
04:20[7]
低軌道 試験飛行 模擬重量物と機器 -- 部分的失敗 ロケットは成功裏に打ち上げられ、第一段とフェアリングの切り離しを達成したが、意図した軌道には届かず、最大高度およそ155 mi (249 km)に達したのみ[8][9][10][11]

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ NZ to get its own space programme by 2015”. 23 de agosto de 2014閲覧。
  2. ^ a b c Electron”. Gunter's Space Page. 17 de abril de 2015閲覧。
  3. ^ エンジンを3Dプリンターで出力した小型・軽量ロケットの打ち上げ試験に民間ロケット会社「Rocket Lab」が成功” (2017年5月25日). 2017年5月26日閲覧。
  4. ^ Rocket Lab Announces New Small Satellite Launcher”. Parabolic Arc. 23 de agosto de 2014閲覧。
  5. ^ a b 塚本直樹 (2017年5月26日). “ロケットラボ「エレクトロン」初打ち上げ 軌道到達以外は成功 月面探査レースに刺激”. http://sorae.jp/030201/2017_05_25_ele.html 2017年5月26日閲覧。 
  6. ^ エレクトロンロケット初号機の問題は究明される”. 宇宙技術開発株式会社 (2017年8月10日). 2017年8月18日閲覧。
  7. ^ Clark, Stephen (2017年5月25日). “Maiden flight of Rocket Lab’s small satellite launcher reaches space”. Spaceflight Now. https://spaceflightnow.com/2017/05/25/maiden-flight-of-rocket-labs-small-satellite-launcher-reaches-space/ 2017年5月25日閲覧。 
  8. ^ “New Zealand test rocket makes it to space but not into orbit”. Independent.ie. Associated Press. (2017年5月25日). http://www.independent.ie/world-news/new-zealand-test-rocket-makes-it-to-space-but-not-into-orbit-35753899.html 2017年5月25日閲覧。 
  9. ^ Rocket Lab successfully makes it to space”. Rocket Lab (2017年5月25日). 2017年5月27日閲覧。
  10. ^ Foust, Jeff (2017年5月25日). “Rocket Lab reaches space, but not orbit, on first Electron launch”. SpaceNews. http://spacenews.com/rocket-lab-reaches-space-but-not-orbit-on-first-electron-launch/ 2017年5月27日閲覧。 
  11. ^ Masunaga, Samantha (2017年5月25日). “Rocket Lab's Electron rocket reaches space, but not orbit, in first test flight”. Los Angeles Times. http://www.latimes.com/business/la-fi-rocket-lab-test-20170524-story.html 2017年5月26日閲覧。