デルタ IV ヘビー

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デルタ IV ヘビー
ヴァンデンバーグ空軍基地からのデルタ IV ヘビーの打ち上げ
ヴァンデンバーグ空軍基地からのデルタ IV ヘビーの打ち上げ
機能 人工衛星打上げ機
製造 ユナイテッド・ローンチ・アライアンス
開発国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
打ち上げコスト (2014年) $375百万ドル[1]
大きさ
全高 72 m (236 ft)
直径 5 m (16 ft)
質量 733,000 kg (1,620,000 lb)
段数 2段式
積載量
低軌道への
ペイロード
28,790 kg (63,500 lb)
GTOへの
ペイロード
14,220 kg (31,300 lb)
関連するロケット
シリーズ デルタIV
打ち上げ実績
状態 現役
射場 SLC-37B, ケープカナベラル

SLC-6 ヴァンデンバーグ AFB

総打ち上げ回数 10
成功 9
部分的成功 1
初打ち上げ 2004年12月21日

デルタ IV ヘビー (デルタ9250H) はデルタIVシリーズの最大の型式の使い捨てロケットである。2004年に初めて打ち上げられた[2]2018年ファルコンヘビーが打ち上げられるまでは、その打ち上げ能力は運用中のロケットとしては世界最大であった[3]

概要[編集]

デルタIVヘビーは、補助ロケットとしてデルタIVミディアム+で使用されるGEM-60固体燃料ロケットの代わりに2基の液体水素を燃料とするコモン・ブースター・コアを使用する。離床時には3基全てのコアは最大推力で運転され、44秒後にブースターの分離まで推進剤を温存するためにコアの推力を55%まで下げる。ブースターは打ち上げ後242秒後に燃焼終了し、続いてコア・ブースターの推力を最大にした後分離される。コアはその86秒後に燃焼終了・分離され、ペイロードは第2段で目標の軌道に投入される[4]

デルタIVヘビーの初打ち上げは2004年で、ボイラープレート英語版を積載して打ち上げられたが部分的に失敗した。液体酸素系のキャビテーションが原因で両方のブースターが予定よりも8秒早く停止し、コアエンジンは9秒早く停止した。この結果、速度が不足し第2段でも補いきれなかったため、ペイロードは予定よりも低い軌道で分離された[5]。最初の実用ペイロードはDSP-23衛星で2007年に打ち上げに成功した。2013年までに5機の国家偵察局の画像と電子偵察衛星の打ち上げに使用された。[要出典]

2014年12月、デルタIVヘビーは無人のオリオン多目的宇宙船の試験打ち上げ (EFT-1) に使用された。当初の打ち上げ予定の12月4日から1日遅れて[6]、12月5日に打ち上げられ、成功した[7]

2018年8月現在の最新の打ち上げは、2018年8月12日の太陽探査機パーカー・ソーラー・プローブである。同機は近日点が極端に太陽に近い軌道に投入されるため、人類が作ったものの中で史上最も加速された物体(約200km毎秒に達する見込み)となる。

諸元[編集]

デルタIVヘビーの打ち上げ能力:

デルタIVヘビー仕様の打ち上げ総重量はおよそ733,000 kg (1,620,000 lb)である。

打ち上げ結果[編集]

日付 ペイロード[11] 射場 結果[11]
2004年12月21日 DemoSat, Sparkie / 3CS-1 and Ralphie / 3CS-2 ケープカナベラルA 部分的失敗C
2007年11月11日 DSP-23 ケープカナベラルA 成功
2009年1月18日 Orion 6 / Mentor 4 (USA-202 / NROL-26) ケープカナベラルA 成功
2010年11月21日 Orion 7 / Mentor 5 (USA-223 / NROL-32) ケープカナベラルA 成功
2011年1月20日 KH-11 Kennen 15 (USA-224 / NROL-49) ヴァンデンバーグB 成功
2012年6月29日 Orion 8 / Mentor 6 (USA-237 / NROL-15) ケープカナベラルA 成功
2013年8月28日 KH-11 Kennen 16 (USA-245 / NROL-65) ヴァンデンバーグB 成功
2014年12月5日 オリオンカプセル EFT-1 ケープカナベラルA 成功
2016年6月11日 Orion 9 / Mentor 7 (USA-268 / NROL-37) ケープカナベラルA 成功
2018年8月12日 パーカー・ソーラー・プローブ ケープカナベラルA 成功

^Aケープカナベラル空軍基地 SLC-37Bから打ち上げ
^Bヴァンデンバーグ空軍基地 SLC-6から打ち上げ
^C CBCが予定より早く燃焼停止したため計画より低い軌道に投入

打ち上げ予定[編集]

以下に挙げるのはNASAおよびアメリカ国家偵察局が公表しているミッションである[12]

日付 ペイロード 発注者[11] 射場
2018年 NROL-71 NRO ヴァンデンバーグ SLC-6
2019年 NROL-44 NRO ケープカナベラル SLC-37B
2020年 NROL-82 NRO ヴァンデンバーグ SLC-6
2021年 NROL-68 NRO ケープカナベラル SLC-37B
2022年 NROL-70 NRO ケープカナベラル SLC-37B
2023年 NROL-91 NRO ヴァンデンバーグ SLC-6

競合する打上げ機[編集]

出典[編集]

  1. ^ Solar Probe Plus, NASA’s ‘Mission to the Fires of Hell,’ Trading Atlas 5 for Bigger Launch Vehicle”. Space Now. 2014年7月26日閲覧。
  2. ^ "Boeing Delta IV Heavy Achieves Major Test Objectives in First Flight" Archived 2012年4月19日, at the Wayback Machine., Boeing, 2004, accessed March 22, 2012
  3. ^ Mission Status Center”. SpaceflightNow. 2014年7月閲覧。 “"ULA デルタ 4-ヘビーは現在、世界最大のロケットで私達の国の国家安全保障のペイロードを東と西海岸の両方から打ち上げる事を実現する。"”
  4. ^ Delta IV Payload Planner's Guide, June 2013”. United Launch Alliance. 2014年7月閲覧。
  5. ^ Delta 4-Heavy investigation identifies rocket's problem”. Spaceflight Now. 2014年7月閲覧。
  6. ^ Bergin, Chris (2012年1月18日). “EFT-1 set to receive Spring, 2014 launch date after contract negotiations”. NASASpaceFlight.com. 2012年7月21日閲覧。
  7. ^ Second Stage Ignites as First Stage Falls Away”. 2014年12月5日閲覧。
  8. ^ a b c Delta IV Launch Services User's Guide”. ユナイテッド・ローンチ・アライアンス. pp. 2–10,5-3 (2013年6月). 2013年10月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年1月閲覧。
  9. ^ Delta IV Data Sheet”. Space Launch Report. 2014年7月閲覧。
  10. ^ Ray, Justin (2004年12月7日). “The Heavy: Triple-sized Delta 4 rocket to debut”. Spaceflight Now. 2004年12月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年5月13日閲覧。
  11. ^ a b c Delta-4”. Gunter's Space Page. 2018年3月15日閲覧。
  12. ^ Ray, Justin (2016年6月7日). “Surveillance satellite launching Thursday atop Delta 4-Heavy rocket”. Spaceflight Now. http://spaceflightnow.com/2016/06/07/surveillance-satellite-launching-thursday-atop-delta-4-heavy-rocket/ 

外部リンク[編集]