ソーラー・プローブ・プラス

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パーカー・ソーラー・プローブ
Solar Probe.jpg
NASAのパーカー・ソーラー・プローブの想像図
所属 NASA / 応用物理学研究所英語版
任務 離心率の大きい軌道により極端に対象に接近する軌道をとる、周回探査
接近通過 金星 (V7)
周回対象 太陽
打上げ日時 2018年
任務期間 10年以内
公式サイト solarprobe.jhuapl.edu
軌道要素
軌道傾斜角 3.4°
高度 ~5900000km
遠点高度 0.73 AU
近点高度 9.5 RS
軌道周期 88 日
脚注: [1]

パーカー・ソーラー・プローブ(Parker Solar Probe)は太陽の外部コロナの観測を計画している宇宙探査機[2]。太陽表面から8.5太陽半径(0.04天文単位、590万km)への到達が計画されている[2]。この計画は2009年度財政予算案で始まった新しい計画として公表された。2008年5月1日、ジョンズ・ホプキンス大学応用物理研究所は2015年の打ち上げを目指して本機の設計と製造をおこなうと公表[3]。その後、打上げ目標は2018年に延期された。デルタ IV ヘビーによる10番目の打上げのペイロードとして打ち上げられる。

軌道と計画[編集]

ソーラープローブミッションと呼ばれていた初期の概念設計では木星を使った減速スイングバイが使われる計画だったが、よりシンプルな軌道変更方法を採用することになり、パーカー・ソーラー・プローブでは金星で複数回の減速スイングバイを行うことで、軌道の近点を減少させていき、ほぼ8.5太陽直径の軌道(600万km)で複数回の接近が行えるように設計された[4]

本機は、太陽にかなり接近して激しい環境に曝されるが、その苛酷な環境で生存しなければならない。太陽光の入射強度は地球軌道のおおよそ520倍強く、防護のため耐熱シールドを備えている。この炭素繊維強化炭素複合材料製の耐熱シールドは探査機の正面に設置され、摂氏約1400度(訳注: NASAの原文の表現では、華氏2500度(摂氏1377度)とあるが、このような場合の摂氏側の1度刻みの表現は間違いである)に耐えられる。探査機のシステムと観測機器には太陽光が直接入射しないように耐熱シールドの影になる箇所に設置される。電源には二組一対の太陽電池アレイが使われる。第1太陽電池アレイは太陽から0.25 AU以遠で使われ、太陽に近づいている間は耐熱シールドの後ろに格納される、近接時はより小さな第2アレイが電力を提供する。この第2アレイには運用温度を維持するためにポンプで冷却用の流体が流される[5]

探査機が太陽に最接近する際には速度は200km/sに達することになる、これは人類の作った最速の物体となり、このときの速さは現在記録を持っているヘリオス2号の約3倍早くなる[6]

科学的目標[編集]

  • 太陽風の元となる磁場の構造と変遷の測定
  • コロナを熱するエネルギーの流れと太陽風の加速の追跡
  • エネルギー性粒子の加速と運搬の仕組みの測定
  • 太陽周辺の多粒子プラズマ、その太陽風への影響、活発な粒子形成の探査

[編集]

  1. ^ Applied Physics Laboratory (19 November 2008) (.PDF). Feasible Mission Designs for Solar Probe Plus to Launch in 2015, 2016, 2017, or 2018. Johns Hopkins University. オリジナルの2016年4月18日時点によるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20160418160052/http://solarprobe.jhuapl.edu/common/content/SolarProbePlusFactSheet.pdf 2010年2月27日閲覧。. 
  2. ^ a b Tony Phillips. “NASA Plans to Visit the Sun”. NASA. 2010年9月30日閲覧。
  3. ^ M. Buckley (2008年5月1日). “NASA Calls on APL to Send a Probe to the Sun”. Johns Hopkins University Applied Physics Laboratory. 2010年9月30日閲覧。
  4. ^ Solar Probe Plus: A NASA Mission to Touch the Sun:”. JHU/APL (2010年9月4日). 2010年9月30日閲覧。
  5. ^ G.A. Landis, P. C. Schmitz, J. Kinnison, M. Fraeman, L. Fourbert, S. Vernon and M. Wirzburger, "Solar Power System Design for the Solar Probe Mission," AIAA Paper-2008-5712, International Energy Conversion Engineering Conference, Cleveland OH, 28-30 July 2008.
  6. ^ Kerri Beisser (2011年2月10日). “Solar Probe Plus: Mission Overview”. JHU/APL. 2011年2月10日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]