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ニューグレン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ニューグレン
基本データ
運用国 アメリカ合衆国
開発者 ブルーオリジン
運用機関 ブルーオリジン
使用期間 2025年 - (現役)
射場 ケープカナベラル空軍基地LC-36英語版
打ち上げ数 2回(成功2回)
公式ページ New Glenn
物理的特徴
段数 2段
全長 98 m
直径 7 m
軌道投入能力
低軌道 45,000 kg (99,000 lb)[1][2]
静止移行軌道 13,000 kg (29,000 lb)[1][2]
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ニューグレンNew Glenn)は、アメリカ合衆国宇宙企業ブルーオリジン民間資本により開発・運用している大型ロケット

概要

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ニューグレン2号機の打ち上げ

ニューグレンは、直径7mの2段式のロケットである。1段目には同社が開発するBE-4エンジンが7基、2段目にはBE-3Uエンジンが2基搭載される。同社が開発したサブオービタルニューシェパード同様に、1段目の再使用が計画されている。

ロケットの設計は2012年から開始されており、機体の詳細は2016年9月の公式発表により初めて明らかにされた[3]。初打ち上げは当初2019年頃とされていたが、その後の開発遅延繰り返しにより、ようやく2025年1月に実施され成功した[4]。2回目の打ち上げでブースターの回収にも成功した[5]

ニューグレンの名称は、アメリカで初めて地球周回軌道を飛行したジョン・グレン宇宙飛行士に由来する[6]

エンジン数を増やし大型化したニューグレン9x4を開発、1段目エンジンを9基、2段目エンジンを4基にする新たな計画がある[7]。ニューグレン9x4では直径8.7mもの大きなフェアリングが使用される[7]。打上能力としてはSLSに匹敵し、サターンVロケットよりも全長が大きい[8]

仕様

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ニューグレンは、直径7mの2段式ロケットで、1段目のブースターの再使用を行う。

1段目には、同社が開発したBE-4メタン/LOXエンジンを7基搭載する。1段目は地上に垂直着陸させて再利用を行う計画で、この方式は先行するニューシェパードにおいて2015年から2016年にかけてテストされた[3]

2段目は1段目と直径は同じだが、搭載するエンジンは真空環境に最適化された2基のBE-3Uエンジンとなる[9]。推進剤としてはLH2/LOXを用いる。BE-3Uも同じくブルーオリジンが開発したエンジンで、こちらは既にニューシェパードにおいて大気下に最適化されたバージョンが使用されている[3]。当初は1基のBE-4U(BE-4の真空環境に最適化されたバージョン)を用いるとされていたが、開発の遅れから2018年に変更された[9]

ニューグレンの1段目のブースターは最低でも25回のミッションに耐えられるようデザインされている[10]

ニューグレンの打ち上げには、ブルーオリジンが2015年にリースしたケープカナベラル空軍基地LC-36英語版が使用されている[11][3]

2025年11月にはニューグレンの将来のアップグレード計画が発表された。第3機目のNG-3から段階的にBE-4, BE-3U両エンジンの出力を向上させる他、再利用可能なフェアリングや熱防護システムの搭載に、燃料タンクの改良が行われる。さらに将来的には、1段目エンジンを9基、2段目エンジンを4基に増やしたニューグレン9x4と呼ばれる派生型を開発することも発表された。ニューグレン9x4では、打ち上げ能力は低軌道 (LEO) に70トン以上、静止軌道 (GEO) に14トン以上、月遷移軌道 (TLI) に20トン以上に達する予定である[7]

打ち上げ履歴

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No 打ち上げ日時
UTC
ブースター 射場 積荷 積荷の
重量

(kg)

軌道 荷主 打上
結果
着陸
結果
1 2025年1月16日
07:03
GS1-SN001 KSC LC-36英語版 ブルーリング英語版 不明 MEO ブルーオリジン 成功 失敗
ニューグレンの初飛行。同社が開発する輸送プラットフォームブルーリング英語版の実証機が搭載された。2段目は軌道に到達し打ち上げに成功した。一方で同時に試みられた1段目の回収は失敗した[4]
2 2025年11月13日

20:55

GS1-SN002-1 KSC LC-36英語版 ESCAPADE (探査機)英語版

Viasat英語版の技術実証ペイロード

1070 太陽-地球L2から火星周回軌道 NASA 成功 成功
ニューグレンの2回目の飛行。火星の磁気圏について調査を行うNASAの低コストSIMPLEx英語版プログラムの一環・火星探査機ESCAPADE (探査機)英語版と、Viasat英語版の技術実証ペイロードが搭載された。

NASAは打ち上げのためにブルーオリジンに約2000万ドルを支払った[12]。本来は当機の打ち上げがニューグレンの初飛行となる予定で、2024年10月13日の打ち上げが既に延期されていた[13]。2025年11月9日に打ち上げを試みたが、気象条件により再延期された。

再び打ち上げが11月12日に予定されたが[14]、磁気嵐のためにさらに1日遅延することとなった[15]。2段目が軌道に到達し、2回目の打ち上げに成功すると共に、1段目の着陸と回収についても初めて成功した。

脚注

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  1. ^ a b Berger, Eric (2017年3月7日). “Blue Origin releases details of its monster orbital rocket”. Ars Technica. https://arstechnica.com/science/2017/03/blue-origin-releases-details-of-its-monster-orbital-rocket 2017年3月8日閲覧。 
  2. ^ a b Foust, Jeff (2017年3月7日). “Eutelsat first customer for Blue Origin's New Glenn”. SpaceNews. https://spacenews.com/eutelsat-first-customer-for-blue-origins-new-glenn/ 
  3. ^ a b c d Bergin, Chris (2016年9月12日). “Blue Origin introduce the New Glenn orbital LV”. NASASpaceFlight.com. https://www.nasaspaceflight.com/2016/09/blue-origin-new-glenn-orbital-lv/ 2016年9月13日閲覧。 
  4. ^ a b ブルー・オリジン、新型ロケット「ニューグレン」の初打ち上げを実施”. Sorae (2025年1月16日). 2025年1月20日閲覧。
  5. ^ ブルー・オリジンが「ニューグレン」2号機を打ち上げ NASA探査機の軌道投入とブースター海上着陸に成功”. sorae 宇宙へのポータルサイト (2025年11月14日). 2025年11月23日閲覧。
  6. ^ 鳥嶋真也 (2016年9月20日). “Amazon設立者ベゾスの宇宙企業、超大型ロケット「ニュー・グレン」を発表”. マイナビ. 2016年9月24日閲覧。
  7. ^ a b c New Glenn Update - Upgraded Engines and Subcooled Components Drive Enhanced Performance” (英語). BLUE ORIIGIN (2025年11月20日). 2025年11月21日閲覧。
  8. ^ Because you asked…” (英語). Dave Limp. X (2025年11月21日). 2025年11月21日閲覧。
  9. ^ a b Blue Origin switches engines for New Glenn second stage”. SpaceNews (2018年3月29日). 2020年8月10日閲覧。
  10. ^ Berger, Eric (2016年9月12日). “Why Bezos’ rocket is unprecedented—and worth taking seriously”. Ars Technica. http://arstechnica.com/science/2016/09/did-the-fourth-richest-human-just-tease-plans-to-colonize-the-moon/ 2016年9月20日閲覧。 
  11. ^ Boyle, Alan (2016年3月5日). “Jeff Bezos lifts curtain on Blue Origin rocket factory, lays out grand plan for space travel that spans hundreds of years”. GeekWire. http://www.geekwire.com/2016/jeff-bezos-lifts-curtain-blue-origin-rocket-factory-vision-space/ 2016年3月9日閲覧。 
  12. ^ Foust, Jeff (2024年4月25日). “NASA planning September launch of Mars smallsat mission on first New Glenn”. SpaceNews. https://spacenews.com/nasa-planning-september-launch-of-mars-smallsat-mission-on-first-new-glenn/ 2024年4月26日閲覧。 
  13. ^ Foust, Jeff (2024年9月6日). “NASA removes ESCAPADE from inaugural New Glenn launch” (英語). SpaceNews. https://spacenews.com/nasa-removes-escapade-from-inaugural-new-glenn-launch/ 2025年11月15日閲覧。 
  14. ^ Warren, Haygen (2025年11月9日). “Blue Origin scrubs launch of ESCAPADE on second New Glenn mission”. https://www.nasaspaceflight.com/2025/11/ng-2-escapade-launch/ 2025年11月9日閲覧。 
  15. ^ NASA scrubs ESCAPADE launch due to ‘highly elevated solar activity’ – Spaceflight Now” (英語) (2025年11月12日). 2025年11月12日閲覧。

関連項目

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