ベクター (企業)

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株式会社ベクター
Vector Inc.
種類 株式会社
市場情報
東証JQ 2656
2000年8月11日上場
本社所在地 日本の旗 日本
160-0023
東京都新宿区西新宿8-14-24
西新宿KFビル 5F
設立 1989年平成元年)2月3日
業種 小売業
事業内容 オンラインゲームの提供、運用、及びPC用ソフトウェアの配布・販売、広告事業
代表者 代表取締役社長梶並伸博
資本金 10億672万6千円
(2014年3月31日現在)
売上高 21億4,347万2千円(2014年3月期)
総資産 20億9,125万円(2014年3月期)
従業員数 70名(2014年3月31日現在)
決算期 3月末日
主要株主 ソフトバンクグループジャパン 42.2%
梶並伸博 23.9%
ヤフー株式会社 9.7%[1]
(2014年9月30日現在)
外部リンク http://www.vector.co.jp/
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株式会社ベクターは、オンラインゲームの提供と運営およびオンラインソフトウェアダウンロードシェアウェアダウンロード販売)やパッケージソフトウェアを販売するECサイトVector(ベクター)」を運営する企業。以前はVectorの事業がメインであったが、現在の売上の大半はオンラインゲーム事業によるものである。

2016年(平成28年)4月1日現在、ソフトバンクグループジャパン合同会社、ヤフー株式会社の2社が合計で51.9%のベクターの株式を保有している。

ソフトウェア販売事業[編集]

日本のインターネット黎明期である1995年(平成7年)末よりサイトを開設しており、インプレスが運営する窓の杜と並び、ベクターは老舗のソフトウェアダウンロードサイトである。 膨大な数のソフト(フリーソフト・シェアウェア)が同サイトに登録・公開されており、訪問者は自由にダウンロードができる。また、ソフト更新情報などを提供するメールマガジンや、登録したソフトの更新を確認できる「ソフトウォッチ」も提供している。

ソフト作者向けに、「シェアレジ」「プロレジ」と呼ばれる決済システムを提供しており、販売を同社を通じて行うこともできる。このシステムは、プロバイダなどにも提供されている。

1990年代後半までは、ウェブでのダウンロードと並行してCD-ROMを複数枚パックにした書籍を毎年刊行し、書店やパソコンショップで販売していた。書籍の販売を終了してからは、フリーウェア類のダウンロードサイトと並行し、PCソフトのダウンロードパッケージ版のダウンロード販売や、ECサイトでのパッケージソフト販売を始め、PC本体などの販売も手がけるサイトに変化してきた。

2004年(平成16年)に「窓の杜」のサイトからこの決済システムにリンクが提供されている。また、2009年(平成21年)にはベクターPCショップのアダルトゲーム同人ソフトカテゴリを別サイト「デジガールストア」に分離した(約款・決済はベクターPCショップと共通)。

なお、2010年(平成22年)の時点において、ダウンロード販売を含め、収録されているソフトはWindows向けのものがほとんどである。機種カテゴリとしてアップルMacintosh向けのソフトの収録もあるが、9.xまでのクラシックモード対応の古いものが多く、現行のmacOSに対応のものは少ない。

ウイルス感染事故[編集]

時間はすべて日本時間。

  • 2006年(平成18年)
    • 9月27日 - 12:00頃、ベクター社内のパソコンでコンピュータウイルスが検出される。公開用サーバへの感染の可能性も否定できないため、13:30からダウンロードサイトのすべてのダウンロードサービスを停止。
    • 9月28日 - ウイルススキャンにおいて安全が確認されたソフトから、ダウンロード配布が徐々に再開される。
    • 9月29日 - この日現在で掲載されているソフトのうち3,986タイトルが9月27日1:00から13:30までの間、ファイル感染型ウイルスに感染していたことが公表される。
    • 10月5日 - 感染していた3,986タイトルのうち155タイトルが、最大1,107回ダウンロードされていたことが公表される。

顧客カード情報流出[編集]

2012年3月ベクターは、一部クレジットカード情報を含む、最大で26万件の個人情報を流出させた可能性があることを発表したが[2]、2012年7月、調査結果の最終報告として、流出があったのは463件のクレジットカード情報であること、流出が疑われるのはオンラインゲームポータルサイトのIDとパスワードの一部であることを発表した[3]

オンラインゲーム事業[編集]

VectorGame[編集]

2009年(平成21年)2月株式会社サクセスからベクター社に運営が引き継がれた。 その後2013年3月6日にオンラインゲームポータルの「GAMESPACE24」とブラウザゲーム専門ポータル「ブラゲタイム」を統合し、オンラインゲームポータルサイト「VectorGame」とした[4]

オンラインゲームはインターネットエクスプローラーなどのブラウザのみで動作するものと、クライアントダウンロード型のPC向けゲームを提供しているが、大型タイトル以外のオンラインゲームの業績不振、更には新オンラインゲームの「晴空物語」において2315件ものRMT(リアルマネートレード)などの不正利用者のアカウントを停止するなど、混乱も発生した。[5]RMTはゲームのバランスを大きく崩すため、ベクター社のオンラインゲームは、規約でRMTを全面的に禁止している。RMTはリネージュのように告発するとしているところもあり、取引上様々な問題も起こしている。それに伴い、一部タイトルのオンラインゲームを終了すると2012年(平成24年)1月24日に発表した。GAMESPACE24はアップデートの進捗状況、イベントの情報をメールマガジンとして配信し、2011年3月東日本大震災以降配信を停止していたが、2012年(平成24年)6月1日付けで配信を再開している。

ベクターは2012年6月12日に、全ユーザー向けにパスワードの変更を行うようメールを発信し、パスワードの文字数を増やし、セキュリティの強化を行うとしていたが、2012年7月5日、オンラインゲームの本人認証にワンタイムパスワードを導入していくと発表した[6]

ベクターの2012年3月期のオンラインゲームの売上高は約25億円で、ソフトウェアのダウンロードの売上高は約9億円まで落ち込んでおり、同社の70%の売上はオンラインゲームになり、依存度が増している。ダウンロードゲームは不採算ゲームのサービス終了が相次いだ。ベクターのダウンロードゲームはエターナルアトラス、ミルキーラッシュなどの人気ゲームに運営の注力、アップデートなどが偏りつつある。プラウザゲームでも高画質、高音質のものが提供できるようになり、ダウンロード型のゲームがインストールを必要とし、パソコンのハードディスクを2-4GB占有するのに対して、ブラウザケームはハードディスクを占有しないため気軽に起動できるという利点から、ブラウザゲームへの移行が進んでいる。

童話王国、Wonderland Onlineは開発元は異なるが両社ともに台湾でのサービスは続けている。童話王国での有料アイテムの価格を比較すると、台湾と日本で2、3倍の開きがあり、日本で販売していた有料アイテムは高額であった。ベクターがこの頃からゲームに依存して売上を伸ばしていたことは明確であったが結果的にユーザーに大きな負担をかけてしまい、ユーザー数が減少しサービスの長期化ができない一因になっている。

ダウンロードゲーム[編集]

2015年8月現在、サービス中が4タイトルと大幅に減少し、主要なゲームはブラウザゲームに移行している。サービス終了となったものが13タイトル。

  • GODIUS」(ガディウス)

中世ヨーロッパを舞台としたMMORPG。2002年2月1日正式サービス開始、ベクターのオンラインゲームで10年以上続いているのはこのゲームのみとなっている。次点は童話王国の約8年で、サービスは終了している。

  • 「ミルキーラッシュ〜晴空物語〜 大海原のトリトーン」

3Dの可愛いキャラクターを造り冒険するMMORPG。2011年(平成23年)11月22日正式サービス開始。以前は晴空物語というタイトルだったが、ミルキーラッシュがメインタイトルになり、2014年6月に大海原のトリトーンというサブタイトルを追加。トリトーンは職業の1つを指す。

  • 「幻想神域 -innocent World」

このゲームはベクターのオリジナルではなく、ベクターの会員IDとパスワードを他社ゲームで使用できるようにしたものである。運営会社は X-LEGEND エンターティメントで、全体的にキャラクターは可愛く、幻神という仲間を増やしていく戦闘型MMORPG。ベクターでの利用開始は2014年5月。

  • 「ハンターヒーロー」

可愛いキャラを操りモンスター狩りをするゲーム。2014年(平成26年)10月30日正式サービス開始。

サービスが終了したオンラインゲーム

第二次世界大戦の艦隊戦をテーマとしたオンラインゲーム。Vectorでの提供は2010年(平成22年)6月16日に終了した。 終了告知から終了日までさほど期間が無く有料で購入(課金)したGSコインのNFNでの消費が事実上できず多くの泣き寝入りユーザーが発生した。

  • 「FULL METAL RIDE 〜銀河の騎士〜」(フルメタルライド)

メタルライドと呼ばれるロボットを操作するのが特徴の2DMMORPG。2010年(平成22年)12月22日正式サービス開始。2012年(平成24年)3月30日サービス終了。

  • 「DEMONS CODE」(デーモンズ・コード)

人と悪魔の契約により、魔法を使い大陸を冒険。正式サービスは2011年(平成23年)3月1日2012年(平成24年)3月30日サービス終了。

童話をテーマとした3DMMORPG。正式サービス2010年(平成22年)7月21日開始。2012年(平成24年)4月20日サービス終了。画像は旧童話王国の2Dから3Dにはなったが、ゲームシステムが大幅に異なったため旧ユーザーには受け入れられず、利用者は低迷した。開発元の台湾などでは新旧両方の童話王国が現在も運用されている。公式の掲示板にはユーザーから旧童話王国の復活を望む意見が寄せられていた。

  • 「KNIGHTS of KINGDOM」(ナイツオブキングダム)

7つの世界(界域)があり、その中の一つで王になることを目指すファンタジーMMORPG。正式サービスは2011年6月8日。2013年6月7日サービス終了

  • 「SOULALIVE ONLINE」(ソウルアライブオンライン)

2010年(平成22年)9月からスタートした3Dオンラインゲーム。体術と剣術などを駆使したバトル形式。1930年代の設定。2013年3月27日サービス終了。

古代から現代までが入り混じった破天荒MMORPG。2007年(平成19年)12月7日正式サービス開始。2013年9月24日でサービス終了。サービス終了の発表後に、ユーザーwikiにゲーム継続の希望のメール送るという活動もあったが、ベクターは問い合わせ先のメールを意図的に着信拒否するという事態も発生した。現在一部のゲームの愛好者は台湾の開発元のサーバーで活動している。

  • 「ソード・オブ・リベリオン」

独裁残虐な君主に挑むバトル形式のMMORPG。2011年(平成23年)10月6日正式サービス開始。2013年9月25日でサービス終了。

  • 「三国ヒーローズ」

その名の通り三国志。国取りオンラインゲーム。正式サービス2009年(平成21年)4月17日開始、2014年4月8日サービス終了。

  • 「ぎごょしょくマスター」 

2013年4月23日サービス開始。2014年4月9日サービス終了。ゲーム内容がミルキーラッシュに類似していたため、ユーザーが増えず、サービス期間が1年に達することなく終了した。

戦艦の小隊長に任命されロボットに乗り込んで戦闘するMMORPG。2010年(平成22年)5月27日正式サービス開始。2014年(平成26年)5月27日サービス終了。キャラクターを強く、速くするためにはWonderLand Onlineの数倍の課金を必要としたため、ユーザー離れを加速させた。

  • 「ARK FRONTIER -時空漂流-」

突然異世界に行った主人公が仲間を増やしていく、3Dバトル形式のMMORPG。2012年7月17日正式サービス開始。2014年8月28日サービスが終了している。

  • 「エターナル・アトラス -The Refined FNO-」

以前はFinding Neverland Online-聖境伝説-という名称だったが、2013年6月27日にタイトルを変更した。ファンタジー系オンラインゲーム、魔法とファンタジーの世界。正式サービスは2011年(平成23年)5月19日。(平成27年)2015年7月16日サービス終了。

  • 「BOUNDRA -パンドラ-」

2013年7月24日正式サービス開始。リアルな長身のキャラクターを操り戦闘。2015年6月24日サービス終了。

ブラウザゲーム[編集]

2009年(平成21年)4月14日にブラゲタイムとして発表し、主にPCで遊ぶゲームを提供しているが、1タイトルだけモバイルで提供されているゲームもある。現在はVetorGameに統合されている。

パソコン向け[編集]

  • 創星紀アステルゲート、2013年11月より正式サービスを開始、2015年7月28日にてサービス終了と発表になっている。サービス期間1年8ヶ月と短期であった。
  • ディヴァイン・グリモワール
  • ソラノブァ
  • 神創詩篇ミッドガルド・サーガ
  • ドラゴンクルセイド2
  • アマガル・アーマードガールズ
  • ブラウザ一騎当千
  • 時空覇王伝
  • 三国志WARS
  • WEBナイトカーニバル

モバイル向け[編集]

  • ドラゴンクルセイドモバイル

mixiアプリ(パソコン向け)[編集]

mixiアプリ(パソコン向け)
  • まじかるブラゲ学院 for mixi
  • ファンタジーファーム
  • おしゃべりカフェ

それ以外[編集]

モバイルゲームサービス[編集]

携帯電話(スマートフォン含む)・SNS向けゲームサービス。当初は自社サイト内にてサービスを開始したが、年を追う毎にMobage等の他社プラットフォームへのゲーム供給が増加している。

  • アルカナ・マギア (Android、iPhone)
  • えんむす!ぷらすっ (Mobage、GREEdゲーム
終了したサービス
  • えんむす! (Mobage、ハンゲームニコニコアプリ)
  • 乙女デスク (自社サイト、Mobage、mixiアプリ)
  • 恋する私の王子様 (自社サイト、Mobage、Yahoo!モバゲー、mixiアプリ)
  • 恋する私の剣士様 (Mobage、ixen)
  • サイキック少女大戦!(Mobage)
  • ドラゴンクルセイドMOBILE (Mobage)
  • ナイプリ! (Mobage)
  • あるけみ! (Mobage)
  • こいけん! (Mobage、Yahoo!モバゲー
  • こいけん2!! (Mobage、GREE)
  • アルカナ・マギア(iOSアプリ)
  • らぶでゅえ! (Mobage)
  • きらめき!熱血☆ラ部 (Mobage)
  • おしゃべりカフェ (mixiアプリ)

沿革[編集]

  • 1989年(平成元年)2月3日 - 有限会社ベクターデザイン設立
  • 1995年(平成7年)12月 - ソフト流通サイト「THE COMMON for Software」開設
  • 1996年(平成8年)
    • 10月 - サイト名を「Vector Software PACK」に改称
    • 11月 - 「株式会社ベクター」に改組/改称
  • 1997年(平成9年)9月 - ソフトバンク(現在のソフトバンクグループ)と提携
  • 1998年(平成10年)
    • 3月 - ソフト対象の送金サービス「シェアレジ」開始[7]
    • 10月 - サイト名を「Vector」に改称
  • 1999年(平成11年)7月 - ソフト販売サービス「プロレジ」開始
  • 2000年(平成12年)8月 - 大阪証券取引所ナスダックジャパン(現ジャスダック証券取引所 )に上場
  • 2003年(平成15年)7月 - アダルトゲーム情報サイト「Galge.com」をオープン
  • 2006年(平成18年)
  • 2007年(平成19年)12月 - MMORPGWonderLand Online」の正式サービスを開始
  • 2009年(平成21年)
    • 4月14日 - ブラウザゲーム専用ポータルサイト「ブラゲタイム」サービス開始。
    • 12月 - ベクターPCショップのアダルトゲーム・同人ソフトカテゴリが「デジガールストア」として独立
  • 2010年(平成22年)
  • 2011年(平成23年)
    • 5月19日 - MMORPG「Finding Neverland Online」の正式サービスを開始
    • 6月8日 - MMORPG「KNIGHTS of KINGDOM」の正式サービスを開始

脚注[編集]

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  1. ^ 株主情報
  2. ^ ベクターに不正アクセス、カード情報含む最大26万件の個人情報が流出の可能性
  3. ^ 当社サーバーへの不正アクセスに対する調査結果(最終報告)
  4. ^ 当社運営ポータルサイトの統合に関するご案内
  5. ^ 晴空物語 会員ID停止を含めた対応を公開
  6. ^ ワンタイムパスワード認証のオンラインゲームの本人認証への採用に関するお知らせ
  7. ^ ベクターがシェアウェア送金代行サービスを3月25日から開始”. INTERNET Watch (1998年2月17日). 2012年9月5日閲覧。
  8. ^ LZH形式でファイルをご登録いただいている作者のみなさまへ
  9. ^ 2010.10.1 AndroAppがプレオープンしました。

外部リンク[編集]