ラゴン (ウルトラ怪獣)

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ウルトラQの登場怪獣 > ラゴン (ウルトラ怪獣)

ラゴンは、特撮テレビ番組ウルトラQ』をはじめとする「ウルトラシリーズ」に登場する、架空の怪獣。別名は海底原人かいていげんじん。英字表記はRAGON[1][2][3][4][注釈 1]

『ウルトラQ』に登場するラゴン[編集]

『ウルトラQ』第20話「海底原人ラゴン」に登場。

2億年前に地球を支配していた爬虫類から進化した海底原人。この個体は雌であり、乳房を持っている。卵生で、数年に1度の繁殖期になると中心核がゼリー状に包まれた、20センチメートルほどの卵を産む。卵は数日間かけ、カエルの卵と同じように中心核が胚発生を通じて肉体が形成され、親と同じ姿をした子供が孵化する。性格は基本的におとなしいが、ゾウ並みの怪力を有する。誤って水揚げされた自分の卵を取り返すために岩根島へ上陸し、偶然遭遇した漁師を絞殺したり家屋を破壊するなど暴れ回るが、孵化した子供を返されて共に海底へ戻る。

『ウルトラマン』に登場するラゴン[編集]

ウルトラマン』第4話「大爆発五秒前」に登場。関連書籍では巨大ラゴンとも表記される[18]

太平洋上に墜落した木星開発用原子爆弾の1個が深海で爆発し、その影響で巨大化した固体。左腕に安全装置の外れた原爆をぶら下げている。原爆捜索中の調査船を沈め、神奈川県の葉山マリーナ[26]へ上陸して暴れ回る。放射能の影響で精神状態に異常を来しており、かつて大好きだった音楽にも激しい嫌悪反応を示し、さらに凶暴化する[18]。口から吐く白色光線[10][20][21][注釈 4]でウルトラマンを苦しめるが、最後はスペシウム光線を浴びて深海へ沈む。原爆はウルトラマンの手によって宇宙空間まで運ばれ、爆発する。

『ウルトラゾーン』に登場するラゴン[編集]

ウルトラゾーン』内の短編ドラマ、第7話、第8話、第12話、第14話、第15話、第16話、第17話、第18話、第19話、第21話、第22話、第23話に登場。

  • 身長:2メートル[30]
  • 体重:100キログラム[30]
  • 出身地:海底[30]
第7話「ラゴン登場!」
海岸でビーチバレー中のサークルに参加しようとする。特にメンバーのタカシを気に入っており、深海に引きずり込んだり人工呼吸しようとしたりするが、逆に怖がられる。
第8話「ラゴンのハッピーパーデイ」
ミカという女性の紹介で彼女の友人であるタカシにラブレターを渡そうとしたり、誕生日のバースデイケーキを渡そうとするも失敗する。しかし、タカシからお詫びにペンダントをもらったときは彼の首を掴みながら喜ぶ。
第12話「ラゴンの恩返し」
ある家族の家に座敷童子のように潜む。食事を拝借したりしていた恩返しに息子の博史の家庭教師をするものの宿題は滅茶苦茶にし、今度は整体師として祖父の昭夫[注釈 5]にマッサージをしようとするものの滅多打ちにする。家族から責められるもののレコードを聴いたラゴンは大人しくなり、家族と一緒に踊りだす。
第14話「ラゴン、ダンパに行く」
ダンスパーティー会場に「ラゴちゃん」として登場。着けていたビキニのトップスを引きちぎり、タカシとダンスを踊りたいがためにダンス勝負を挑み、ダンス中にライバルの女性たちの足を踏むが、恋にマナーはないと(字幕で)言い放つ。しかし、そこにディスコティークの女王ケイが現れ、ダンス対決となる。ケイのダンスに押されて負けそうになったラゴは、臭い息を吐いてケイを倒したうえに男部員の1人を殴り倒し、もう1人を失明させる。さらに女性たちを追い払い、タカシに臭い息を吹きかけて気絶させ、連れ去る。
第15話「お笑いに参加」
M1号ケムール人が参加するコントの観客として登場。お笑いには厳しくなかなか笑わないが、M1号とケムール人の激しい突っ込みには笑い転げ、いつの間にか怪獣の本能を呼び起こす。
第16話「ウルトラゾーンファイト」
リンゴを巡ってM1号とケムール人と争いを始める。
第17話「M1号はつらいよ」
M1とケムール人との家族のような同居生活を始めるが、ラゴンちゃんが雄のラゴンさんに恋をする。しかし、雄のラゴンさんは人間のサラリーマンとして生きることを選ぼうとするものの、一転して相思相愛になり恋が実ると、すぐに子供ができる。
第18話「ラゴン一家」
ある売れないアイスキャンディ売りの男が、ラゴン一家にアイスを与えると懐き、一家2人ともアイスキャンディ売りの男の家に棲み込み、奇妙な同居生活を始めるようになる。今まで孤独であった男が、奇妙な生活に愛着を覚えて宝くじも当たった頃、男に結婚を前提に付き合いたいという女性・ケイコが現れる。ラゴン一家はケイコの匂いを嗅ぐと彼女を殴り、怒らせる。男は怒ってラゴン一家に出て行けと言うが、実はケイコは男の宝くじを狙っていた結婚詐欺師であることを自白し、宝くじを投げつけて男のもとから立ち去る。後に男はラゴン一家を追い出したことを後悔するが、かつて出会った土手で再会し、共にアイスキャンディを売り始める。
第19話「ラゴンのお弁当」
子供のラゴンくんが野球友達の大輔の母親に弁当をおごってもらい、彼との練習試合を頼まれる。ラゴンくんとの練習試合中、ママのラゴンちゃん(雌)とパパのラゴン(雄)は心配で邪魔をするが、自分だけで立ち向かいたいと頼む。2人が心配しながら見ている中、ラゴンくんはランニングホームランを達成する。
第19話「さすらいのM1号 情熱編」
子供のラゴンくんがM1号と出逢い、人攫いから助けてくれたM1号を親分と呼ぶようになる。第21話でもラゴンくんはM1号の店を手伝うが、母親ラゴンに怒られて帰る。
第22話・第23話「名探偵M1号」
事件現場の村にいた謎の2人のラゴン婆さんとして登場。名探偵のM1号に惚れるが、実は事件の犯人であった。最後はM1号にノックアウトされる。雌と雄のスーツを使用。
第22話「70年代ドラマが好き!」
ラゴンが1970年代のレコードを聴いていると、ケムール人によるドラマが再現される。
  • しきりに「シャー」という声を出すが、普通に日本語をしゃべることもある。
  • スーツは新造型で[30]、第17話より新たに雄タイプと子供タイプの2体が新造された。
  • アイキャッチにも登場し、第5話では捨てられた段ボール箱の中に人形サイズとして[31]、第17話ではミス岩根島のコンテストに優勝して感涙する姿が描かれている[32]

『ウルトラマンギンガ』に登場するラゴン(SD)[編集]

ウルトラマンギンガ』第4話「アイドルはラゴン」に登場。

  • 身長:14センチメートル - 30メートル[33][34]
  • 体重:150グラム - 2万トン[33][34]

グラビア撮影のモデルとなった美鈴に嫉妬した千草がダークライブする。等身大で現れる、音楽を聴くとおとなしくなるといった、『ウルトラQ』に登場した個体と同じ性質を持つ。

撮影中の美鈴たちに襲いかかり、降星小学校の屋上でヒカルにタックルされて巨大化すると、ヒカルがウルトライブしたキングパンドン(SD)と対決する。口からの白色光線[34]で攻撃するも、正体に気付いたヒカルたちに説得された後、ウルトラマンギンガのギンガコンフォートによってスパークドールズに戻る。

  • 演(千草):雲母(きらら)
  • 着ぐるみは『ウルトラゾーン』の流用だが、顔を改造している[35]
  • 過去作品での設定を踏まえると等身大でも登場できることから、脚本の荒木憲一に選出された。台本ではギンガが巨大化したラゴンと戦うという展開だったが、相手が千草ではヒカルは戦えないであろうという監督の原口智生の意向により、一方的に襲いかかるラゴンをギンガがいなすという展開に変更された。一方、千草=ラゴンという印象を強めすぎないようにとの配慮から、ダークライブ中の千草のセリフは削除されている[36]
  • 本放送時の健太にタックルされるシーンでは、スーツアクターの顔が映り込んでいる。配信版ではそれが判明した後、該当シーンを修正して再配信が行われた。
  • 本編終了後のコーナー「スパークドールズ劇場」では、第4回から登場。性別は女で、上品な性格。初登場時はコーナー終了間際に登場し、恥じらいながら話すというユニークなシーンもあった。怪獣や人間に「さん」付けすることが多い。声の担当は田中晶子
  • 新ウルトラマン列伝』第8話での解説によると、水中戦を想定して送り込まれたが、その機会には恵まれなかったとのことである。第37話の終盤では、強大化してカオスロイドUを倒すという妄想を行う。

『ウルトラマンオーブ』に登場するラゴン[編集]

ウルトラマンオーブ』第8話「都会の半魚人」、第24話「逆襲の超大魔王獣」に登場。

  • 身長:2メートル(親)、1.5メートル(Jr)[37]
  • 体重:100キログラム(親)、50キログラム(Jr)[37]

第8話では、とある魚屋の店主に匿われながら暮らしていた母子のうち、子供の個体(ラゴンJr.[37])は店主から玩具の船などをプレゼントされて喜んでいたが、近海の魚が獲れなくなったために衰弱する。心配した母親の個体が店主に無断で魚を捕りに行くために外出したところ、市民たちに存在が発覚してビートル隊に通報され、騒動となる。その後は廃屋に隠れ、子供がSSPの活躍で元気になったものの、上陸してきたグビラに餌として認識される。一時は子供がグビラに丸呑みにされるも、ウルトラマンオーブの活躍で救出される。最後は母子とも、ガイやSSPの面々と魚屋の店主に見送られ、海へ帰っていく。

なお、ジェッタは騒動以降の一部始終の撮影に成功していたが、人間に危害を加えないうえに仲睦まじい母子の姿に心を打たれ、予定していたインターネットへの公開を思いとどまる。

第24話では、母子共々グビラの背に乗って日本近海から去っていく様子が、SSPによってインターネットで報道されている。

  • スーツアクター:石川真之介(母)、丸田聡美(子)[38]
  • 第8話の内容は、脚本を担当した小林弘利が本作品以前より構想していた「都会の人魚」というストーリーが元になっており、これをウルトラシリーズにあわせる形で人魚をラゴンに置き換えている[39]。小林は執筆時にスーツの都合は考慮せず初代のイメージで親子のプロットを執筆したが、子供のスーツも存在していたためそのまま制作される運びとなった[39]
  • ラストの海へ帰るシーンは、撮影初日であったためスーツを水に入れることはできず、足のみ水に入る形となった[40]
  • ナオミがオーブニカのメロディを知っているという設定は、本話でラゴンに歌を聞かせるという展開とするために追加された[39]

その他[編集]

  • ラゴンの名の由来は、映画『大アマゾンの半魚人』の原題の「The Creature from the Black Lagoon」(黒い入り江の怪物)のLagoon(ラグーン=入り江)からであるという説が、『怪獣もの知り大百科』(勁文社、1984年)P131の「半魚人ギルマン」の項に掲載されている。
  • 1966年6月2日に放送されたドキュメンタリー番組『現代の主役 ウルトラQのおやじ』では、インタビュアーとして登場。M1号と共に円谷英二へのインタビューを行った。
  • 映画『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』では、百体怪獣ベリュドラの胴体を構成する怪獣の1体となっている。
  • 吉岡平の小説作品『シャルロット・ホームズの冒険 踊る人魚』では、「イクシオピテクス・ツブラヤエ」という学名が与えられている。

漫画作品[編集]

  • 漫画『ウルトラマン THE FIRST』では、伊和水力発電所近郊の井戸に通じる地下洞窟内でネロンガと戦う。新型爆弾「ジュピター41」が体に絡まっており、攻撃をすれば爆発しかねないため、科学特捜隊も戦闘を止めるなどの対処ができず、ネロンガの電撃の前に敗れ去る。
  • 漫画『ウルトラマンSTORY 0』では、第5話「失われた光」にラゴンをモデルとした水棲人間が登場する。第32話「エース秘技炸裂!!」でも、イカルス星人が操る怪獣の中にラゴンが紛れている。
  • 漫画『ウルトラ忍法帖』では、悪の組織「朧党」の忍獣「羅諢」として登場する。機械化されたマンたちを直す特効薬を作るために鰭(ひれ)を全部抜かれ、周りから笑われたらしく、後日にはウル忍に復讐をしかける。
  • 漫画『酩酊!怪獣酒場』では、魚屋の店主として登場する。「原爆で巨大化し、ナントカ光線で倒された」とのことから『ウルトラマン』に登場した個体であることが示唆されている。息子のラゴンJr.も登場する。

脚注[編集]

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注釈[編集]

  1. ^ 『ウルトラマン ベストブック』ではSEARAGONと記述している[5]
  2. ^ 資料によっては「30メートル」と記述している[18][25]
  3. ^ 『ウルトラ怪獣大全集』『ウルトラマン ベストブック』では「日本海溝5,000メートルの深海」[18][25]、『ウルトラマン大辞典』では「日本海溝」[10]と記述している。
  4. ^ 『ウルトラマン ベストブック』では放射能光線[25]、『円谷プロ全怪獣図鑑』では怪光線[23]と記述している。
  5. ^ 昭夫を演じたのは初代ラゴンを演じた古谷敏。ラゴンを見るなり「懐かしい」「見たことある」と語っていた。

出典[編集]

  1. ^ 白書 1982, pp. 21、50.
  2. ^ 画報 上巻 2002, pp. 24、35.
  3. ^ a b c d e f g h キャラクター大全 下巻 2011, pp. 42-47, 「第20話 海底原人ラゴン」
  4. ^ a b c d e f g h 総天然色ウルトラQ公式ガイドブック 2012, pp. 42-43
  5. ^ ベストブック 1993, pp. 58、75.
  6. ^ a b c d e BDBOX II 2012, p. 7, 「怪獣図鑑 ラゴン」
  7. ^ a b c 白書 1982, p. 21, 「ウルトラQ 怪獣リスト」
  8. ^ a b c ウルトラ怪獣大全集 1984, p. 118
  9. ^ a b c d ベストブック 1993, p. 58
  10. ^ a b c d e f g h 大辞典 2001, pp. 342-343
  11. ^ a b c 画報 上巻 2002, p. 24
  12. ^ a b c 円谷プロ全怪獣図鑑 2013, p. 10
  13. ^ 白石雅彦 2016, pp. 238-246, 「第三部・大怪獣日本を蹂躙す 日本沈没の原点「海底原人ラゴン」」
  14. ^ 全怪獣怪人』上巻、勁文社1990年3月24日、80頁。C0676。ISBN 4-7669-0962-3
  15. ^ a b 成田亨 2014, p. 44
  16. ^ a b 白書 1982, p. 105, 「高山良策 怪獣造型写真」
  17. ^ a b キャラクター大全 下巻 2011, pp. 108-111, 「その後の『ウルトラQ』」
  18. ^ a b c d e ウルトラ怪獣大全集 1984, p. 12
  19. ^ a b c 白書 1982, p. 50, 「ウルトラマン 怪獣リスト」
  20. ^ a b c d 画報 上巻 2002, p. 35
  21. ^ a b c 怪獣列伝 2008, pp. 26-27, 「海の怒りを体現する異形の巨人 海底原人ラゴン」
  22. ^ a b c d e 全調査報告 2012, pp. 38-39, 「CASE FILE4 大爆発五秒前」
  23. ^ a b c d 円谷プロ全怪獣図鑑 2013, p. 13
  24. ^ a b c 研究読本 2014, p. 212, 「ウルトラマン 怪獣・宇宙人大図鑑」
  25. ^ a b c d e ベストブック 1993, p. 75
  26. ^ 葉山マリーナ公式ホームページ
  27. ^ 研究読本 2014, pp. 58-59, 「エピソードガイド 第4話」.
  28. ^ 全調査報告 2012, pp. 70-71, 「CASE FILE18 遊星から来た兄弟」.
  29. ^ 研究読本 2014, pp. 161、224.
  30. ^ a b c d ウルトラゾーン完全ガイド 2012, p. 22, 「ウルトラゾーンチャンネル」
  31. ^ ウルトラゾーン完全ガイド 2012, p. 40, 「ウルトラゾーンアイキャッチコレクション3」.
  32. ^ ウルトラゾーン完全ガイド 2012, p. 96, 「ウルトラゾーンアイキャッチコレクション7」.
  33. ^ a b 登場キャラクター ウルトラマンギンガ 公式インフォメーション”. 2017年3月5日閲覧。
  34. ^ a b c ギンガS超全集 2015, p. 56, 「ウルトラマンギンガ怪獣大図鑑」
  35. ^ 雑誌『宇宙船』142号のインタビューより。[要ページ番号]
  36. ^ Blu-ray『ウルトラマンギンガ 2』(バンダイビジュアル BCXS-0788)封入 作品解説書 SPARK NOTES Vol.2。
  37. ^ a b c オーブ完全超全集 2017, p. 63, 「ウルトラマンオーブ怪獣大図鑑」
  38. ^ キャラクターランドSP 2017, p. 55, 「『ウルトラマンオーブ』スーツアクターヒーローズリスト」.
  39. ^ a b c オーブBDBOX I 2016, 「EPISODE GUIDE 第8話「都会の半魚人」」
  40. ^ オーブ完全超全集 2017, p. 100, 「ウルトラマンオーブ監督インタビュー 市野龍一」.

参考文献[編集]

関連項目[編集]