ガボラ

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ガボラは、特撮テレビ番組ウルトラマン』をはじめとするウルトラシリーズに登場する架空の怪獣。別名はウラン怪獣。英字表記はGAVORA[1][2][3][4]

『ウルトラマン』に登場するガボラ[編集]

ウルトラマン』第9話「電光石火作戦」(1966年9月11日放送)に登場。

大きく口が裂けた顔の周囲にある6枚の鰭(ひれ)を閉じて顔面を保護し、尖った頭部で好物のウラン235を求めて地中を掘り進む。皮膚は鋼鉄の5倍の硬度を持つ[6][3][7][8]。武器は口から吐く放射能光線[5][2][8][9][注釈 2]。普段は四足歩行で行動し、ウランを食べる際には周囲に放射能をまき散らすが、戦闘の際には後肢で立ち上がる。

劇中では、台風後に復旧工事中の村を襲う。防衛隊と科学特捜隊の火炎攻撃を経てウランをぶら下げたヘリコプターで誘導され、これを撃墜してウランを食べようとするが、ウルトラマンの飛び蹴りにひるんだところで鰭を2枚もぎ取られ、パンチを浴びて弱ったところで首投げを受けて絶命する。

  • スーツアクター:中島春雄[2][8][11]
  • 劇中では初登場にもかかわらず、名前や嗜好、特徴を復旧作業員や科学特捜隊、キャンプに来ていた少年団などにまで知られている。これは、準備稿から決定稿までの段階では前作『ウルトラQ』の第18話「虹の卵」の後日譚という設定でパゴスが再登場する予定だったのが、最終決定稿で新怪獣に変更されたためである[8][11][注釈 3]。パゴスと同じくウランを好物としているのも、その名残りである。『ウルトラ怪獣列伝』では過去に同種の怪獣が出現していたものと解釈している[7]
  • 台本では、ガボラの最後は富士山の雪崩で生き埋めになると書かれていた[11]
  • 着ぐるみバラゴン→パゴス→ネロンガマグラーからの改造[10][注釈 4]。デザインを担当した成田亨は、頭部を隠すことで別の怪獣であるという印象を与えるとともに、改造箇所が少なく済むよう工夫している[13]。撮影終了後はアトラクション用ネロンガとして活躍した後、東宝映画のゴジラシリーズ第9作『怪獣総進撃』にて再びバラゴンとなった。
  • 着ぐるみは鰭をつけたために重くなっており、頭の上にフックをつけてピアノ線で釣ることで、重量を軽減させていた。劇中にも、フックとピアノ線が映り込んでいる。
  • 第39話ではゼットンに倒されたウルトラマンの走馬灯に登場(映像は第9話の流用)。
  • ウルトラ怪獣大百科』では、着ぐるみの改造元となった怪獣について「進化の過程にあって同じ種族から枝分かれした」という説を取り上げている。
  • 放射能光線は、『ウルトラ怪獣攻げき技大図鑑』で「リュームレーザー」と名づけられた。

『ウルトラマンパワード』に登場するガボラ[編集]

ウルトラマンパワード』第5話「電撃防衛作戦」(米国版サブタイトル:MONSTROUS MELTDOWN)に登場。初代と区別するため、玩具などではパワードガボラの名称が用いられている。

ウランを消化する能力を持つ爬虫類の一種。地中を高速で掘り進むことができるほか、頭部の殻を鳥の嘴のように器用に操ることもできる。初代は4足歩行で殻は6枚だが、こちらは2足歩行で殻は4枚という違いもある。初代との大きな違いとして光線技を持たない、手足の指が初代より1本多く爪が長い、尾が長いなどがある。また、全身がウラン鉱石で覆われており、ミサイルなどで攻撃すると核爆発の危険性を伴うことになる。

ウラン採掘会社の輸送車を運転手ごと飲み込み、同社の社長も踏み潰して殺害する。軍の試作兵器も飲み込んだとされるが、当初は地下をウラン鉱脈が移動する謎の現象と思われていた。放射能や電磁波を発しながら行動するためにレーダーは支障を来たし、ミサイルは照準を合わせられないため、誘爆の危険性が高くなる。通信機も使えなくなるため、W.I.N.R.は影響を受けないマイクロ波通信機を用意する。弱点は殻に覆われた頭部であるが、初代と異なり常にその殻を閉じている。しかし、ウルトラマンパワードとの戦いの最中、ストライクビートルの砲手サンダースがレーダー照準を用いずにミサイルを放つという神業的な技量で、ウラン鉱石の鱗を持たない頭部の殻へ命中させる。その衝撃を受けて殻を開けたところに、メガスペシウム光線で頭部のみを撃ち抜かれ、核爆発を起こす前に蒸発する。

  • 体表の岩状の物体は結晶化したウランであり、日本側脚本では核物質結晶化の技術が発見されるという結末であったとされる。
  • デザインは前田真宏[15]。鰭と胴体の継ぎ目が生物として不自然にならないよう、アレンジされている[15]

その他の作品に登場するガボラ[編集]

関連怪獣[編集]

脚注[編集]

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注釈[編集]

  1. ^ 『ウルトラマン画報 上巻』では「地底→宇浪利町」[3]、『円谷プロ全怪獣図鑑』では「東京近郊」[9]と記述している。
  2. ^ 資料によってはウラン光線と記述している[1][6][3]
  3. ^ 変更された最大の理由は、同時期の脚本「恐怖のネロンガ」が、パゴスを改造する形で制作の第1ブロックに入ることになったためである
  4. ^ 『キャラクター大全ウルトラマン全調査報告』(講談社、2012年)では第8話が制作No.8、第9話が制作No.7とされ、ネロンガからガボラになったあと、マグラーに改造されたとしている[12]が、『ウルトラマン研究読本』(洋泉社、2014年)では第3回撮影会にネロンガのスーツが存在していることからこの説を否定している[11]

出典[編集]

  1. ^ a b c d e 白書 1982, p. 50, 「ウルトラマン 怪獣リスト」
  2. ^ a b c d e f ベストブック 1993, p. 87
  3. ^ a b c d e f 画報 上巻 2002, p. 38
  4. ^ a b c d 画報 下巻 2003, p. 68
  5. ^ a b c d ウルトラ怪獣大全集 1984, p. 14
  6. ^ a b c d e f g h i 大辞典 2001, pp. 91-92
  7. ^ a b c d 怪獣列伝 2008, pp. 48-49, 「開閉可能な首ヒレがトレードマークの迷惑獣 ウラン怪獣ガボラ」
  8. ^ a b c d e f 全調査報告 2012, pp. 50-51, 「CASE FILE9 電光石火作戦」
  9. ^ a b c d 円谷プロ全怪獣図鑑 2013, p. 14
  10. ^ a b c d 研究読本 2014, p. 218, 「ウルトラマン 怪獣・宇宙人大図鑑」
  11. ^ a b c d 研究読本 2014, pp. 68-69, 「エピソードガイド第9話」
  12. ^ 全調査報告 2012, pp. 48-51.
  13. ^ 成田亨 2014, p. 77.
  14. ^ a b c 円谷プロ全怪獣図鑑 2013, p. 218
  15. ^ a b 「ウルトラマンパワード20周年記念特集 パワード怪獣完全図鑑」『語れ!ウルトラ怪獣【永久保存版】』 KKベストセラーズ〈ベストムックシリーズ44〉、2014年4月23日、91-101頁。ISBN 978-4-584-20544-0
  16. ^ ウルトラ銀河伝説超全集 2009, p. 78, 「百体怪獣ベリュドラ完全攻略」.
  17. ^ 『ウルトラマンサーガ』DVD付属 画コンテ集
  18. ^ 「INTERVIEW メイン監督 田口清隆」、『HYPER HOBBY PRESENTS キャラクターランド』vol.2、徳間書店、2015年8月1日、 pp.80-81、 ISBN 978-4-19-730135-5
  19. ^ 「B-club」83 october 1992[要ページ番号]
  20. ^ 「映画秘宝」誌の2013年9月号及び10月号より。[要ページ番号]

参考文献[編集]

関連項目[編集]