ノンマルト

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索

ノンマルト特撮テレビ番組ウルトラセブン』をはじめとする「ウルトラシリーズ」に登場する架空の存在。別名は地球原人[注釈 1]。英字表記はNONMALT[2][3][4]

『ウルトラセブン』に登場するノンマルト[編集]

ウルトラセブン』第42話「ノンマルトの使者」に登場。

現代の人類の登場以前に地球で栄えていたが、彼らの侵略により海底へ住処を追われた知的生命体。性格は好戦的でなく戦闘能力も高くないが、レーザー銃を武器にしている。海底で平和に暮らしていたノンマルトは、海底にまで人類の魔の手(開発)が伸びてきたことを悟り、海底開発中だったシーホース号を爆破すると、イギリス原子力潜水艦グローリア号を奪取して地上を攻撃し、さらに怪獣ガイロスを使って船舶を襲わせる。ノンマルトの「地球人は侵略者」という言い分と人類側の海洋開発とは相容れず、ガイロスをウルトラセブンに倒されたのちウルトラ警備隊の反撃に遭い、グローリア号とノンマルトの海底都市は破壊される。

ウルトラセブンの故郷であるM78星雲では、地球人のことを「ノンマルト」と呼ぶ。ただし、これが文字通り「ノンマルト」のことを指すのか「現代の人類」のことを指すのかは、劇中では謎のまま終わる。

劇中、ダンやアンヌに真市という少年がノンマルトの動向を幾度か警告するが、真市は2年前に海で事故死しており、2人の前に現れたのが何者であったのかは明確にされていない[注釈 3]

  • ノンマルトの語源は、戦いの神マルスに、否定形のノンを付け加えたもの[12]。監督を務めた満田かずほは「『ノンマルト』の語源は、金城が以前読んだSF小説にある。その中で地球のことを『ノンマルス』(“マルス”はマーズ(火星))と言っており、『火星ではない星』という意味らしいが、そのままでは使えないから『ノンマルト』にした。金城の造語である」と説明している[13]。『ウルトラセブンイズム』では、軍神マルスを否定することで好戦的でない民族を意味したネーミングであると解説している[12]
  • 脚本を担当した金城哲夫は沖縄出身であり、ノンマルトに仮託して沖縄に対する本土(大和民族)の「加害への無自覚」や、当時沖縄を占領していた米国との関係を作中に忍ばせたのではないかとする見解が長く語られていた[14][15]が、当時の関係者はこれを否定しており、このエピソードはむしろ『ウルトラQ』の企画時タイトルとしても用いられた「アンバランス」の世界を表現したかったと言及している[16][17][18]。金城自身はノンマルトが何かの比喩であるかといったことを特に書き残していない[15]
  • 着ぐるみは高山良策により頭部のみが3体分造られ、胴体には既存のタイツを使用している[19]</ref>。

『ウルトラセブン1999最終章6部作』に登場するノンマルト[編集]

特撮ビデオ作品『ウルトラセブン1999最終章6部作』第6話「わたしは地球人」に登場。

自らを地球の先住民族と称する女性として登場。ノンマルトは現在の地球人によって滅ぼされたと主張し、セブンにその事実を宇宙に告発せよと迫る。そして地球防衛軍の保管するノンマルト攻撃の情報が納められているオメガファイルの公開を求めて怪獣ザバンギを出現させる。しかし、いざオメガファイルが公開されたとなると「今更滅ぼされた同胞は帰ってこない」と態度を一変、ザバンギにより電波研究所を破壊して地球人がオメガファイルを開示した証拠を消そうとする。ザバンギがセブンに倒されるや否や、セブンに対して「いまや宇宙の全ての知的生命体がお前の敵になった」と辛辣な言葉を浴びせて消える。

  • 出演:渡辺典子
  • 劇中では最後まで人間体のままで、『ウルトラセブン』登場時の姿になることはない。
  • 小説版『ウルトラセブン EPISODE:0』ではダン(セブン)の記憶から若い頃のアンヌの姿をとって彼に接触するが、姿だけ真似たはずのアンヌの意識に取り込まれ、地球人に対する恨みと、自分を置いて去ったダンへの女としての愛憎の入り混じった情念が混じり合い暴走する。最終的には女としての情念が勝り、激昂してザバンギに「美しい物を全て破壊しろ」と命令するが、主人の命令を忠実に遂行したザバンギに攻撃を受け、その身を焼かれて死亡する。

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 『ウルトラ怪獣大全集』では海底人と記述している[1]
  2. ^ 『ウルトラ怪獣大全集』では「不明」[1]、『ウルトラマン大辞典』では「海底都市」[5]、『ウルトラセブン研究読本』では「海底」[9]と記述している。
  3. ^ ナレーションでは疑問形で語られているが、脚本では真市の霊がノンマルトの使者として現れていたと断定するダンの台詞が存在した[11]

出典[編集]

  1. ^ a b c d ウルトラ怪獣大全集 1984, p. 28
  2. ^ a b c d 白書 1982, p. 55, 「ウルトラセブン 怪獣リスト」
  3. ^ a b c d ベストブック 1993, p. 83
  4. ^ a b c d 画報 上巻 2002, p. 76
  5. ^ a b c 大辞典 2001, p. 248
  6. ^ a b c d ウルトラセブンイズム 2002, p. 109, 「ウルトラセブン宇宙人・怪獣大図鑑」
  7. ^ a b ウルトラ怪獣列伝 2008, pp. 290-291, 「地球の先住者を自認する謎の海の民」
  8. ^ a b キャラクター大全ウルトラセブン 2012, pp. 114-115, 「第42話 ノンマルトの使者」
  9. ^ a b c ウルトラセブン研究読本 2012, p. 226, 「ウルトラセブン 宇宙人・怪獣大図鑑」
  10. ^ a b c 円谷プロ全怪獣図鑑 2013, p. 32
  11. ^ ウルトラセブン研究読本 2012, pp. 192 - 193, 「エピソードガイド第42話」.
  12. ^ a b ウルトラセブンイズム 2002, p. 80.
  13. ^ 報知新聞2012年6月27日刊『ウルトラセブン45周年・ウルトラセブンを創った人たち』より。
  14. ^ 『NHK週刊お宝TV』2006年5月29日放送分での押井守の見解。[出典無効]
  15. ^ a b 歴史秘話ヒストリア2010年9月15日放送分における金城哲夫の特集。[出典無効]
  16. ^ 2011年1月1日にBSで放送された『徹底検証! ぼくらのウルトラマン伝説 〜昭和のヒーロー「ウルトラQ」、「ウルトラマン」、「ウルトラセブン」誕生秘話〜』に出演したひし美ゆり子上原正三満田かずほらの発言。[出典無効]
  17. ^ 『ウルトラマンと「正義」の話をしよう』 ISBN 9784023309586 [要ページ番号]
  18. ^ ウルトラセブン研究読本 2012, pp. 10 - 11、192 - 193.
  19. ^ 白書 1982, p. 106, 「高山良策怪獣造型写真集」.
  20. ^ a b c 円谷プロ全怪獣図鑑 2013, p. 223

参考文献[編集]

関連項目[編集]