ムルチ

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ムルチは、特撮テレビ番組『帰ってきたウルトラマン』を始めとするウルトラシリーズに登場する架空の怪獣。別名は巨大魚怪獣きょだいぎょかいじゅう[1]。英字表記はMURUCHI[2][3]

直立する魚の怪獣であり、の成魚に顔が酷似し、鼻曲がりになっている。腕、脚、尾に水色の斑点模様がある。

『帰ってきたウルトラマン』に登場するムルチ[ソースを編集]

帰ってきたウルトラマン』第33話「怪獣使いと少年」に登場。

魚類と動物の中間生物である怪獣[2][4][6][7]川崎の河原に出現して暴れていたところ、善良な宇宙人であるメイツ星人の超能力で高速道路付近の地中深くに封印されていたが、公害による大気汚染で衰弱したメイツ星人が宇宙人を恐れる民衆から少年の良を助けようとして警官に射殺されたため、封印が解けて復活する。

武器は口から吐く強力な破壊光線[2][5][3][7][注釈 1]や、ビルを叩き壊せる怪力に長い尻尾。復活後は人間たちを襲い、周囲の工場を壊滅させる。その惨状を自業自得と評して応戦を拒むも最終的には変身した郷秀樹=ウルトラマンジャックとの戦いでは、怪力を活かした張り手などで善戦したものの、最後はウルトラリフターで炎の海の中へ投げ込まれ、スペシウム光線でとどめを刺される。

  • スーツアクターは遠矢孝信と記載されている資料もあるが[9]、遠矢は『スペクトルマン』の九州ロケに参加していたため、当時所属していたジェファーの若手が演じたと証言している[10]
  • デザインは熊谷健[11][7][12]。頭部はサケがモチーフ[11][12]。デザイン画では体表に模様が存在した[11]

『ウルトラマンA』に登場するムルチ(二代目)[ソースを編集]

ウルトラマンA』第7話「怪獣対超獣対宇宙人」、第8話「太陽の命! エースの命!」に登場。英字表記はMURUCHI II[13][8]

体色は、青色だった初代ムルチとは異なり銀色に輝いている。怪力や長い尻尾を武器とし、第7話でドラゴリーメトロン星人Jr. にAが苦戦しているところに突如白煙と共に地中から出現して戦いに加わると、弾き飛ばされたAに体当たりを行ない3体で共にAを追いつめた。だが、第8話の冒頭でAへ突進しようとして誤ってドラゴリーに激突し、逆上したドラゴリーに投げ飛ばされた後、下顎から腹を引き裂かれたうえに左足をもぎ取られ、惨殺された。

  • 初代ムルチと比べて体系は痩せており、シルバー系の体色、目つき、尻尾の先が魚の尾鰭(おびれ)のような形状をしているなどの違いがある。
  • 地中から出現した理由は不明で、妖星ゴランの接近によって目覚めたという説[8]と、ヤプールが目覚めさせたという説[要出典]がある。
  • VCやDVDで発売された『ウルトラ怪獣大百科 ウルトラマンA編』のナレーションの解説では初代ムルチの同族、『続ウルトラマン大百科』(ケイブンシャ・1979年)212頁や『週刊 ウルトラマンオフィシャルデータファイル』No.86-12では鰭が小さいことから初代ムルチの息子と記述されている。
  • 脚本の段階では登場する怪獣はシーゴラスだったが、ムルチに変更された[16]
  • 着ぐるみは、前作の撮影終了後にイベントなど多方面で使用されていた現物を借り受けたもの。しかし八つ裂きにしたことで使用不能となったため、スタッフはイベント担当セクションから大目玉を食ったという[16]
  • 『ウルトラマンメビウス』第25話では、「ムルチ二代目」としてドキュメントTACに記録されており、本作でドラゴリーに惨殺されたことをテッペイが語っている。

巨大魚怪獣 ゾアムルチ[ソースを編集]

『ウルトラマンメビウス』に登場するゾアムルチ[ソースを編集]

ウルトラマンメビウス』第32話「怪獣使いの遺産」に登場。

  • 身長:48メートル[17]
  • 体重:1万トン[17]
  • 出身地:地球[18]

GUYSのドキュメントMATに記録されている怪獣ムルチの別個体を、メイツ星人ビオが改良した[18]。地球にやってくる際には一種の冬眠状態のままで、あくまでも万が一の武力手段として円盤に積まれていた。初代ムルチではただの模様であった青い斑点は、ゾアムルチでは青い結晶のようなものとして下半身や尻尾に埋め込まれている。

ビオの脳波によって操られ、円盤による破壊活動を止めようとしたウルトラマンメビウスに対抗したビオによって覚醒し、青い破壊光線を口から吐きながらメビウスと戦うが、その威力は高くなくメビウスに胸で受け止められる。最後は、園長とリュウの説得に思い留まったビオの願いを受けたメビウスのメビュームシュートを受け、倒される。

  • デザインは酉澤安施が担当[19]。新撮された回想シーンでの初代ムルチにも、同じスーツが用いられている[19]
  • 小説『ウルトラマンメビウス アンデレスホリゾント』ではテレビ版とは異なり、地球人という存在全体を見極める道を選んだビオの手によって地中深く封印されるという結末を辿っている。同作での「ゾア」は、「憎悪」を意味するとされている。

『ウルトラギャラクシー大怪獣バトル』に登場するゾアムルチ[ソースを編集]

ウルトラギャラクシー大怪獣バトル』第9話「ベンドラゴン浮上せず!」に登場。

  • 身長:48メートル[20]
  • 体重:1万トン[20]

惑星ボリスの海底に出現。スペースペンドラゴンに迫るが、レイの放ったエレキングと海中で対決し、エレキングの放電攻撃によって倒される。

  • 着ぐるみは『ウルトラマンメビウス』で使用された物の流用。[要出典]

『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』に登場するゾアムルチ[ソースを編集]

映画『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』に登場。

ウルトラマンベリアルのギガバトルナイザーの力で怪獣墓場から復活し、ベリアル軍団の1体となる[21]。怪獣墓場でウルトラ戦士やレイの怪獣たちを迎え撃つ。ウルトラマンメビウスと戦うが、最後はメビウスのメビュームシュートを受けて倒される。

また、初代ムルチがベリュドラの左腕を構成する怪獣の1体となっている[22]

  • 着ぐるみは『ウルトラギャラクシー大怪獣バトル』までに使用された物の流用。[要出典]

『ウルトラマンギンガ 劇場スペシャル ウルトラ怪獣☆ヒーロー大乱戦!』に登場するゾアムルチ(SDI)[ソースを編集]

映画『ウルトラマンギンガ 劇場スペシャル ウルトラ怪獣☆ヒーロー大乱戦!』に登場。

ライブパッドを使った「ウルトライブシミュレーション」でヒカルがライブし、健太がライブしたドラゴリー(SDI)、友也がライブしたゼットン(SDI)と戦い、ドラゴリーとは互角に戦うも最後は乱入してきた千草がライブしたザムシャー(SDI)にドラゴリー、ゼットン共々倒される。

  • ドラゴリーとの戦いは『A』第8話を再現しているが、勝敗は異なる[23]

『ウルトラマンギンガS』に登場するゾアムルチ(SD)[ソースを編集]

ウルトラマンギンガS』第12話「君に会うために」に登場。

  • 身長:14センチメートル - 48メートル(最大)[24][25]
  • 体重:150グラム - 1万トン(最大)[24][25]

ガッツ星人ボルスト(SD)がかねてから仲が悪く、さらに組織を裏切ったメトロン星人ジェイス(SD)と決着をつけるべくモンスライブする。ボルストの強い怒りを感じ取ったかのように暴れ、ジェイスを助けようとしたウルトラマンギンガウルトラマンビクトリーさえも跳ね除けてジェイスを一方的に痛めつけるが、ジェイスの宇宙ケミカルライトを使ったオタ芸で動きが止まったところを、ウルトラショットとビクトリウムシュートの同時攻撃で倒される。

  • 第12話を監督した田口清隆は、対戦相手であるメトロン星人(ジェイス)ともども想い入れの強いファンがいるキャラクターであるため、反発を受けるのではないかという強迫観念にも囚われたが、田口自身も思い入れがあるため、強い敬意を持って遊んだと述べている[26]
  • 第12話の戦闘シーンは、『ウルトラセブン』第8話の夕景と『帰ってきたウルトラマン』第33話の戦闘シーンの動きを組み合わせた双方へのオマージュとなっている[26]
  • この作品を最後に、着ぐるみは『ウルトラマンオーブ』のマガジャッパへ改造された[27]

その他[ソースを編集]

  • 漫画『かがやけ ウルトラの星』では怪獣軍団の一員として登場。巨大ヤプールに率いられて四国に出現し、ウルトラマンAと戦う。
  • 漫画『ウルトラマンSTORY 0』第5話「失われた光」では普通の食用魚として登場する。

脚注[ソースを編集]

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注釈[ソースを編集]

  1. ^ 『円谷プロ全怪獣図鑑』では熱線と記述している[6]

出典[ソースを編集]

  1. ^ ウルトラ怪獣大全集 1984, pp. 38、50.
  2. ^ a b c d e f 白書 1982, p. 173, 「帰ってきたウルトラマン 怪獣リスト」
  3. ^ a b c d 画報 上巻 2002, p. 107
  4. ^ a b c d ウルトラ怪獣大全集 1984, p. 38, 「帰ってきたウルトラマン 全怪獣」
  5. ^ a b c d e f g 大辞典 2001, pp. 321-322
  6. ^ a b c d e 円谷プロ全怪獣図鑑 2013, p. 51
  7. ^ a b c d e キャラクター大全 2015, pp. 82-83, 「EPISODE-33 怪獣使いと少年」
  8. ^ a b c d e f 画報 上巻 2002, p. 128
  9. ^ 『円谷プロ画報』第1巻、竹書房2013年、213頁。ISBN 978-4-8124-9491-2
  10. ^ 『ピー・プロ70'sヒーロー列伝 (1) スペクトルマン』 ソニー・マガジンズ1999年12月1日、185頁。ISBN 4-7897-1443-8
  11. ^ a b c 『大人のウルトラマン大図鑑 第二期ウルトラマンシリーズ編』 マガジンハウス〈MAGAZINE HOUSE MOOK 大人のウルトラシリーズ〉、2014年1月25日、99頁。ISBN 978-4-8387-8882-8
  12. ^ a b 宇宙船153 2016.
  13. ^ a b c d 白書 1982, p. 176, 「ウルトラマンA 怪獣リスト」
  14. ^ a b c ウルトラ怪獣大全集 1984, p. 50, 「ウルトラマンA 全怪獣」
  15. ^ a b c 円谷プロ全怪獣図鑑 2013, p. 70
  16. ^ a b 『僕らのウルトラマンA』(辰巳出版・2000年)p.49
  17. ^ a b hicbc.com:ウルトラマンメビウス 怪獣図鑑”. CBC. 2017年1月25日閲覧。
  18. ^ a b 円谷プロ全怪獣図鑑 2013, p. 337
  19. ^ a b 『ウルトラマンメビウス アーカイブ・ドキュメント』 宇宙船編集部 編、円谷プロダクション 監修、朝日ソノラマファンタスティックコレクションNo.∞〉、2007年6月30日、61頁。ISBN 978-4-257-03745-3
  20. ^ a b 登場怪獣”. ウルトラギャラクシー大怪獣バトル. 2017年1月29日閲覧。
  21. ^ ウルトラ銀河伝説超全集 2009, p. 56.
  22. ^ ウルトラ銀河伝説超全集 2009, p. 80, 「百体怪獣ベリュドラ完全攻略」.
  23. ^ 『ウルトラマンギンガ劇場スペシャル ウルトラ怪獣☆ヒーロー大乱戦!(パンフレット)』 小学館てれびくん編集部」、松竹株式会社事業部、2014年3月15日
  24. ^ a b 登場キャラクター ウルトラマンギンガS 公式インフォメーション”. 2017年3月5日閲覧。
  25. ^ a b ギンガS超全集 2015, p. 34, 「ウルトラマンギンガS怪獣大図鑑」
  26. ^ a b ギンガS超全集 2015, p. 76, 「撮影ウラ話 監督インタビュー 田口清隆
  27. ^ 特撮は爆発だ! #167 in 大怪獣サロン - YouTube - 1時間32分59秒ごろから。

参考文献[ソースを編集]

関連項目[ソースを編集]