プロポフォール

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プロポフォール
プロポフォールの構造式
IUPAC命名法による物質名
2,6-ジイソプロピルフェノール
臨床データ
胎児危険度分類 B (U.S.), C (Au)
法的規制 ℞-only (U.S.)
識別
CAS登録番号 2078-54-8
ATCコード N01AX10
KEGG D00549
化学的データ
化学式 C12H18O 
分子量 178.271

プロポフォール (propofol) 、化学名2,6-ジイソプロピルフェノール (2,6-diisopropylphenol) は鎮静作用のある化学物質である。分子式C12H18O、分子量178.27。CAS登録番号は2078-54-8。

アストラゼネカからディプリバンという商品名で発売されている。

化学的性質・作用機序[編集]

無色~微黄色透明の液体で脂溶性であり、エタノールジエチルエーテルヘキサンなど有機溶媒にはよく溶けるが、にはほとんど溶けない。

基本的にはGABAA受容体作動薬と考えられている。GABAA受容体作動薬にはこの他にバルビツール酸系ベンゾジアゼピンがある。

医薬品としての利用[編集]

日本国内で販売されているプロポフォール製剤の例

プロポフォールの主な用途は医療分野における鎮静薬としての使用である。プロポフォールの持つ中枢神経抑制作用を利用し全身麻酔の導入、維持に用いられる。また、集中治療における人工呼吸時の鎮静にも頻用される。プロポフォール自体は上記のように水に溶けづらいので販売されているプロポフォール製剤は脂肪製剤を乳化剤としたエマルションの形を取っている。投与経路は点滴からの静脈内注入である。投与開始後速やかに作用が発現し、投与された患者は数十秒で意識を失う。また、投与を中止した場合、それまでの投与速度、投与時間にもよるが通常10分前後で患者の意識が回復し刺激に応じて開眼する。

副作用・注意すべき点[編集]

心臓および血管系に対して抑制効果を有するため過剰に投与した場合心拍数、血圧の低下を招く。呼吸抑制作用があり呼吸が不十分に、あるいは停止することがあり、十分な監視下で使用されなければならない。注入時の血管痛が報告されている。注入に伴い注入部位周辺に疼痛を覚えることがある。

小児に対する使用法は確立していない。胎盤移行性があり、妊婦には使用してはいけない。母乳移行性があり、授乳婦へ投与する場合は授乳を中止する必要がある。プラスチック製品中の化学物質の溶出が指摘されている。三方活栓や点滴の器具にはプロポフォールに対応した物を使用する。脂肪製剤は栄養価が高く細菌が繁殖しやすいため、保存する際は冷蔵保存するなど製剤の汚染には十分注意しなければならない。

関連項目[編集]