血圧

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血圧(けつあつ、英語: Blood pressure)とは、血管内の血液の有する圧力のことである。一般には動脈の血圧のことで、心臓の収縮期と拡張期の血圧をいい、それぞれ収縮期血圧(または最高血圧、: Systolic blood pressure)、拡張期血圧(または最低血圧、: Diastolic blood pressure)と呼ぶ。単位は永年の慣行からSI単位パスカルPa)ではなく、水銀柱ミリメートルmmHg)を使用することがほとんどである。

なお、血圧の単位について、一定の猶予期間後に水銀柱ミリメートルmmHg)からパスカルPa)への移行が企図されているかのような誤解があり、医療現場から用途を限定する非SI単位としてmmHgの存続を望むという、頓珍漢な意見が多く出されている[1]実態がある。

正しくは計量単位令別表第6 項番12[2] にあるとおり、「血圧の計量」については、水銀柱ミリメートル(mmHg)を恒久的に使用することができる。2013年9月30日までの猶予措置がなされているのは、「生体内の圧力」の方であり、この「生体内の圧力」は、例えば、頭蓋内圧力、眼圧気道内圧、膀胱内圧力のことであり、「血圧」はここでいう「生体内の圧力」ではない[3]。生体内圧力の計量に使われている mmHg は、2013年10月1日以降は、トルのみが使えることになる。

ヒトの血圧[編集]

左心室から大動脈弁を出た直後の大動脈内圧である。人間での正常範囲は、収縮期血圧で130mmHg未満、拡張期血圧で85mmHg未満とされている。血圧が上昇した場合、血圧反射機能により、自律神経を介した反射性の制御が行われ、心拍数が減少し、血管が拡張し、血圧は正常な範囲に戻る。

健康人においても、加齢によって正常血圧は上昇する。また、この正常範囲は21世紀初頭のものであり、以前から何回か改定されており、今後も改訂の可能性がある。

正常範囲を超えた血圧が維持されている状態は高血圧症と呼ばれ、生活習慣病のひとつである。また、正常範囲より低い状態は低血圧症と呼ばれる。低血圧症は、疲れが取れにくい・慢性的に体がだるい重い・耳鳴りがする・動悸や息切れがする・脳貧血で意識を失いやすいなどの症状は出るが、必ずしも早起きが苦手だとは言えない。この事に関しては医学的に根拠がない。

心臓の収縮力低下、アナフィラキシーショックなど血管の異常な拡張、血液の喪失などによって重要臓器への血流が保てないほど血圧が低下した状態はショック(末梢循環不全)と呼ばれる。この場合、中心静脈圧(静脈血圧)の低下も同時にみられる。

他に、医学的に重要な、特殊な血圧として、肺動脈楔入圧が挙げられる。

ヒトの血圧はさまざまな影響を受けて変動する。

  • 体位 - 臥位から座位、立位への変換によって一過的に低下し、その後、圧受容体反射などで回復する。(これにより立ちくらみが起こる)
  • 体格 - 肥満の人は、やせたひとよりも高い傾向がある。
  • 性別 - 女性は男性よりも 5 - 10mmHg 低い傾向がある。
  • 時刻 - 一般に夜間、睡眠中が最低で、午後は午前よりやや高い。夜間は低くなり、起床とともに高くなる。
  • 摂食 - 食後は上昇し、1時間ほどで元に戻る
  • 運動 - 運動後は一般に上昇する。
  • 入浴 - 適温であればわずかに低下する。熱い風呂は上昇させる。
  • アルコール摂取 - 適度の飲酒は血圧を低下させる。過度の飲酒は上昇させる。
  • 喫煙 - 喫煙は一般に上昇させる。
  • 薬剤 - 一部の薬剤や物質にはカフェインなどのように血圧を一時的に上昇させるもの、麻酔など逆に低下させるものがある。
  • 気温 - 温暖時は低下し、寒冷時は上昇する。
  • 心理的要素 - 緊張や感情の動揺、ストレスは血圧を上昇させる。逆にリラックスすると血圧はやや低下する。医療機関で測定した値と家庭や職場で測定した値とで血圧血が大きく異なる場合など(白衣高血圧仮面高血圧も参照)。
  • 恐怖感情 - 著しい恐怖などの感情を覚えると、ノルエピネフリンが分泌され脈拍と同時に一時的に急上昇する。
  • 性行為 - 性行為を行うと内分泌系の作用により血圧は一時的に上昇し、その後は降下する。
  • 電解質 - 食塩中のナトリウムは血圧を上昇させる。

血圧は一拍ごとに異なるため、治療方針を決定するためには血圧は4回または5回測定することが好ましい[4]

脚注[編集]

  1. ^ 「計量法附則第4条の計量単位等を定める政令の一部を改正する政令案」に対する意見募集の結果についてより、ご意見の概要及びご意見に対する考え方の番号2の項
  2. ^ 計量単位令 別表第6 項番12[1]
  3. ^ [2] 生体内圧力の計量単位について(周知) 2011年12月 経済産業省 計量行政室
  4. ^ Ann Intern Med 2011 Jun 21; 154: 781.

関連項目[編集]