ミダゾラム

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ミダゾラム
Midazolam.svg
Midazolam3d.png
IUPAC命名法による物質名
臨床データ
Drugs.com monograph
MedlinePlus a609003
胎児危険度分類
  • AU: C
  • US: D
法的規制
投与方法 Oral, I.M., I.V., parenteral
薬物動態データ
生物学的利用能 Oral ~36%
I.M. 90%+
血漿タンパク結合 97%
代謝 Liver 3A3, 3A4, 3A5英語版
作用発現 within 5 min (IV), 15 min (IM), 20 min (oral)[2]
半減期 1.8-6.4 hours
作用持続時間 1 to 6 hrs[2]
排泄 Kidney
識別
CAS番号
(MeSH)
59467-70-8
ATCコード N05CD08 (WHO)
PubChem CID: 4192
IUPHAR/BPS 3342
DrugBank APRD00680 チェック
ChemSpider 4047 チェック
UNII R60L0SM5BC チェック
KEGG D00550  チェック
ChEMBL CHEMBL655 チェック
化学的データ
化学式 C18H13ClFN3
分子量 325.77[1]

ミダゾラム(Midazolam)はベンゾジアゼピン (BZP) 系の麻酔導入薬・鎮静薬の一つである。日本での商品名はドルミカム(アステラス製薬製造販売)。静脈内注射後、通常5分以内に効果が発現し、1〜6時間継続する[2]前向性健忘症英語版を誘発する。

WHO必須医薬品モデル・リストに収載されている[3]

禁忌[編集]

高齢者、小児、妊婦、アルコール依存症患者、薬物依存症患者、合併症を有する患者、精神障害を有する患者にベンゾジアゼピンを使用する際には特に注意が必要である[4]。重篤な患者に於いてはミダゾラムとその活性代謝物が蓄積する可能性が有るので充分に注意する事[5]。腎障害又は肝障害を有する患者ではミダゾラムの排泄が遅延し、作用強度・時間が増強される事が有る[6][7]

副作用[編集]

添付文書に記載されている重大な副作用は、依存性、無呼吸、呼吸抑制、舌根沈下(0.1〜5%未満)、アナフィラキシーショック、心停止、心室頻拍、心室性頻脈、悪性症候群である[1]

主な副作用は、努力呼吸低血圧である[2]。活動性の亢進等の奇異反応が、特に小児又は高齢者で見られる事が有る[8]。妊婦に用いた際にリスクが有る事は確認されているが、授乳婦での母子へのリスクは確認されていない[9][10]

作用機序[編集]

ミダゾラムはベンゾジアゼピン系薬剤の一つであり、中枢神経系のベンゾジアゼピン受容体に結合して抑制系のGABA受容体と相互作用し、GABAとGABA受容体の親和性を向上させて神経細胞の興奮性を鎮める事で、鎮静効果と抗痙攣作用を発揮する[2][11]:35

適応症[編集]

日本では、

である[1]

上部消化管内視鏡大腸内視鏡施行時の鎮静に用いられることもあるが、日本では保険適応はなされていない。アメリカ合衆国では一般的に用いられている。日本でも用いる施設が増えつつある[12]。内視鏡検査の苦しみを多くの国々では我慢している。アメリカ合衆国では用いられるのが一般的である[13]
内視鏡検査ではミダゾラムを成人男性では4mgを目処に投与することが多い。女性や小柄な体格である場合は減量して用いる。
2009年6月、小児科領域でも痙攣重積状態に保険適用外で(病院の持ち出しで)使用されている実情があり、小児神経学会からも適応拡大の要請がなされている[14]。2009年9月16日、社会保険診療報酬支払基金より「痙攣重積状態を含む癲癇重積状態」に対して処方した場合、審査上認める通知が行われた。[15]
2011年9月、社会保険診療報酬支払基金は「区域麻酔での鎮静」も審査上認めると発表した[16]

その他[編集]

ミダゾラムは水溶性であり、ジアゼパムのように希釈時に混濁することがなく、静脈注射での投与が容易である。また短時間作用型であり、速やかに覚醒することが特徴である。

関連項目[編集]

グレープフルーツジュース

脚注[編集]

  1. ^ a b c d ドルミカム注射液10mg 添付文書” (2015年6月). 2016年4月3日閲覧。
  2. ^ a b c d e Midazolam Hydrochloride”. The American Society of Health-System Pharmacists. 2015年8月1日閲覧。
  3. ^ WHO Model List of Essential Medicines”. World Health Organization (2013年10月). 2014年4月22日閲覧。
  4. ^ Authier, N.; Balayssac, D.; Sautereau, M.; Zangarelli, A.; Courty, P.; Somogyi, AA.; Vennat, B.; Llorca, PM. et al. (Nov 2009). “Benzodiazepine dependence: focus on withdrawal syndrome”. Ann Pharm Fr 67 (6): 408–13. doi:10.1016/j.pharma.2009.07.001. PMID 19900604. 
  5. ^ Cox, CE.; Reed, SD.; Govert, JA.; Rodgers, JE.; Campbell-Bright, S.; Kress, JP.; Carson, SS. (Mar 2008). “An Economic Evaluation of Propofol and Lorazepam for Critically Ill Patients Undergoing Mechanical Ventilation”. Crit Care Med 36 (3): 706–14. doi:10.1097/CCM.0B013E3181544248. PMC 2763279. PMID 18176312. http://www.pubmedcentral.nih.gov/articlerender.fcgi?tool=pmcentrez&artid=2763279. 
  6. ^ Olkkola, KT.; Ahonen, J. (2008). “Midazolam and other benzodiazepines”. Handb Exp Pharmacol. Handbook of Experimental Pharmacology 182 (182): 335–60. doi:10.1007/978-3-540-74806-9_16. ISBN 978-3-540-72813-9. PMID 18175099. 
  7. ^ Verbeeck, RK. (Dec 2008). “Pharmacokinetics and dosage adjustment in patients with hepatic dysfunction” (PDF). Eur J Clin Pharmacol 64 (12): 1147–61. doi:10.1007/s00228-008-0553-z. PMID 18762933. http://www.springerlink.com/content/t56l04u3w07wj031/fulltext.pdf. 
  8. ^ Riss, J.; Cloyd, J.; Gates, J.; Collins, S. (Aug 2008). “Benzodiazepines in epilepsy: pharmacology and pharmacokinetics.”. Acta Neurol Scand 118 (2): 69–86. doi:10.1111/j.1600-0404.2008.01004.x. PMID 18384456. http://www3.interscience.wiley.com/cgi-bin/fulltext/120119477/HTMLSTART. 
  9. ^ Hamilton, Richart (2015). Tarascon Pocket Pharmacopoeia 2015 Deluxe Lab-Coat Edition. Jones & Bartlett Learning. p. 21. ISBN 9781284057560. 
  10. ^ Midazolam use while Breastfeeding”. 2015年8月29日閲覧。
  11. ^ 麻酔薬及び麻酔関連薬使用ガイドライン 第3版 (PDF)” (2009年12月25日). 2016年4月3日閲覧。
  12. ^ 日本麻酔科学会の質疑応答
  13. ^ Medscape;Esophagogastroduodenoscopy
  14. ^ 大澤真木子 (2009年6月4日). “ミダゾラムのけいれん重積状態への適応の早期承認に関する要望”. 日本小児神経学会. 2010年1月3日閲覧。
  15. ^ 日本医事新報 No.4457, 27
  16. ^ http://www.ssk.or.jp/shinsajoho/teikyojirei/files/jirei194.pdf#page=2