ゾピクロン

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ゾピクロン
Zopiclone.svg
IUPAC命名法による物質名
臨床データ
胎児危険度分類
  • AU: C
  • US: C
法的規制
投与方法 経口投与
薬物動態データ
生物学的利用能 74.9%
血漿タンパク結合 69.0±3.7%(アルブミン
代謝 肝臓シトクロムP450酵素
3A4, 2C8
半減期 3.66 時間(7.5mg)
3.94 時間(10mg)
排泄 主に尿、一部糞便
識別
CAS番号
43200-80-2
ATCコード N05CF01 (WHO)
PubChem CID: 5735
DrugBank APRD00356
KEGG D01372
化学的データ
化学式 C17H17ClN6O3
分子量 388.808 g/mol

ゾピクロン英語: Zopiclone)は、シクロピロロン系睡眠障害改善剤であり、非ベンゾジアゼピン系の超短時間作用型睡眠薬として知られている。GABA受容体へ影響することでGABA系の抑制機構を増強する点ではベンゾジアゼピン系の薬物と似ている。睡眠への影響では改良されている。日本では1989年からアモバンが販売され、後発医薬品も存在する。鏡像異性体はエスゾピクロン(ルネスタ)である。

連用により依存症、急激な量の減少により離脱症状を生じることがある[1]薬機法習慣性医薬品[2]麻薬及び向精神薬取締法第三種向精神薬に指定されている。

歴史[編集]

フランス国有(当時)の化学・製薬会社、当時のローヌ・プーラン社(Rhône-Poulenc)が創薬した。フランスでは1987年にImovaneの商品名で発売された。

日本では1989年から、アモバンの商品名で発売されている。当時は中外製薬吉富製薬が提携販売。2015年時点では、サノフィ製造・日医工販売。

薬理[編集]

深い眠り(徐波睡眠ステージ3と4)を増加させ、レム睡眠に対する影響は少ない。

ゾピクロンはラセミ混合物R体S体)であり、光学分割して得られたS体の製剤がエスゾピクロン(ルネスタ)である[3]

適応[編集]

副作用[編集]

副作用として、依存性、呼吸抑制、一過性前向性健忘、口渇、めまい、ふらつきなどがある。過剰投与を長期に渡り行った場合、常時服用していないと離脱症状として情緒不安定、耳鳴り、幻聴、嘔吐などを起こす事がある。なお10mg以上(例:30mgまたは40mg)を一度に服用すると、筋弛緩作用により全身の力が入らなくなる症状や、幻覚などが現れることがある。

他の睡眠薬ではほとんど報告されていないが、ゾピクロンは承認時までの臨床試験で約8%の被験者に苦味の副作用が発現している[3]味覚障害の副作用である。代謝産物が苦味を生じるため、錠剤が口の中を通り抜けた後も苦みを感じることがある。

依存性[編集]

日本では2017年3月に「重大な副作用」の項に、連用により依存症を生じることがあるので用量と使用期間に注意し慎重に投与し、急激な量の減少によって離脱症状が生じるため徐々に減量する旨が追加され、厚生労働省よりこのことの周知徹底のため関係機関に通達がなされた[1]医薬品医療機器総合機構からは、必要性を考え漫然とした長期使用を避ける、用量順守と類似薬の重複の確認、また慎重に少しずつ減量する旨の医薬品適正使用のお願いが出されている[4]。調査結果には、日本の診療ガイドライン5つ、日本の学術雑誌8誌による要旨が記載されている[5]

出典[編集]

  1. ^ a b 厚生労働省医薬・生活衛生局安全対策課長, “催眠鎮静薬、抗不安薬及び抗てんかん薬の「使用上の注意」改訂の周知について (薬生安発0321第2号)” (pdf) (プレスリリース), https://www.pmda.go.jp/files/000217230.pdf 2017年3月25日閲覧。 、および、使用上の注意改訂情報(平成29年3月21日指示分)”. 医薬品医療機器総合機構 (2017年3月21日). 2017年3月25日閲覧。
  2. ^ 厚生省, “薬事法第50条第9号の規定に基づき習慣性があるものとして厚生労働大臣の指定する医薬品 通知本文” (プレスリリース), 厚生労働省, http://wwwhourei.mhlw.go.jp/cgi-bin/t_document.cgi?MODE=hourei&DMODE=CONTENTS&SMODE=NORMAL&EFSNO=627&PAGE=1 2014年2月16日閲覧。 
  3. ^ a b 医薬品インタビューフォーム(2014年10月改訂 第7版)アモバン錠 - ゾピクロン (pdf)”. www.info.pmda.go.jp. 医薬品医療機器総合機構(PMDA) (2014年10月). 2016年9月26日閲覧。
  4. ^ 医薬品医療機器総合機構 (2017-03). “ベンゾジアゼピン受容体作動薬の依存性について” (pdf). 医薬品医療機器総合機構PMDAからの医薬品適正使用のお願い (11). https://www.pmda.go.jp/files/000217046.pdf 2017年3月25日閲覧。. 
  5. ^ 医薬品医療機器総合機構 (2017年2月28日), “調査結果報告書” (pdf) (プレスリリース), 医薬品医療機器総合機構, http://www.pmda.go.jp/files/000217061.pdf 2017年3月25日閲覧。 

参考文献[編集]

関連項目[編集]