ピロ亜硫酸ナトリウム

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ピロ亜硫酸ナトリウム
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識別情報
CAS登録番号 7681-57-4 チェック
PubChem 24346
EC番号 231-673-0
E番号 E223 (防腐剤)
RTECS番号 UX8225000
特性
化学式 Na2S2O5, Na-O-(S=O)-O-(S=O)-O-Na
モル質量 190.107 g/mol
外観 白色の粉末
密度 1.48 g/cm3
融点

150℃以上で分解

への溶解度 54 g/100 ml
危険性
安全データシート(外部リンク) ICSC 1461
Mallinckrodt MSDS
EU分類 有害性 (Xn)
刺激性 (Xi)
EU Index 016-063-00-2
NFPA 704
0
2
0
Rフレーズ R22, R31, R41
Sフレーズ (S2), S26, S39, S46
関連する物質
その他の陰イオン 亜硫酸ナトリウム
亜硫酸水素ナトリウム
その他の陽イオン ピロ亜硫酸カリウム
関連物質 亜ジチオン酸ナトリウム
チオ硫酸ナトリウム
硫酸ナトリウム
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

ピロ亜硫酸ナトリウム(ピロありゅうさんナトリウム、: sodium metabisulfite)は、化学式Na2S2O5で表される無機化合物二亜硫酸ナトリウムメタ重亜硫酸ナトリウムとも呼ばれる。還元性があり、食品用漂白剤ワイン酸化防止剤化粧品原料などに使用される[1]。アレルギーを起こすことがある[2]

性質[編集]

亜硫酸水素ナトリウム脱水反応、または亜硫酸ナトリウム二酸化硫黄を加えることにより生成する。

加水分解により亜硫酸水素ナトリウムを生じる。

加熱による分解では亜硫酸ナトリウムと二酸化硫黄を生じる。

用途[編集]

他の亜硫酸塩と同様にかんぴょうコンニャク干しブドウ以外の乾燥果実、煮豆などの漂白に用いられる。ワインには酸化防止剤として添加される。食品用途以外ではヘアカラーリング剤の酸化防止剤、サリチル酸製剤等の変色防止剤、各種化粧品原料として使用される[1]

アナフィラキシーをきたした場合の治療薬である、すべてのアドレナリン製剤(エピペンなど)にも含まれているが、ピロ亜硫酸ナトリウムによるアナフィラキシー時の使用は、利益の方が上回ると考えられる[3]

安全性[編集]

ラットに経口投与した場合の半数致死量(LD50)は1131~2480mg/kgのデータがある[1]。皮膚や目、呼吸器に対する刺激性があり、摂取により喘息やアレルギー反応を起こすことがある[1]。水生生物に対する毒性がある[4]還元剤であり、酸化剤強酸と反応する。

接触アレルギーでは、183名の5.5%の人にピロ亜硫酸ナトリウムの陽性反応があり、ほとんどの場合、亜硫酸ナトリウムにも反応を示すため、アレルギーが判明した場合これらを含めた亜硫酸ナトリウム全体を避けることを医師は告げる必要がある[2]

出典[編集]

  1. ^ a b c d 製品安全データシート(安全衛生情報センター)
  2. ^ a b Oliphant T, Mitra A, Wilkinson M. (2012-3). “Contact allergy to sodium sulfite and its relationship to sodium metabisulfite”. Contact dermatitis 66 (3): 128–130. doi:10.1111/j.1600-0536.2011.02029.x. PMID 22320666. 
  3. ^ Vally H, Misso NL. (2012). “Adverse reactions to the sulphite additives”. Gastroenterology and hepatology from bed to bench 5 (1): 16–23. PMC 4017440. PMID 24834193. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4017440/. 
  4. ^ 国際化学物質安全性カード 二亜硫酸ナトリウム ICSC番号:1461 (日本語版), 国立医薬品食品衛生研究所, http://www.ilo.org/dyn/icsc/showcard.display?p_card_id=1461&p_version=2&p_lang=ja 

関連項目[編集]

外部リンク[編集]