多幸感

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多幸感(たこうかん、英語:Euphoria)とは、非常に強い幸福感や超越的満足感のことである。脳内で、快楽などを司るA10神経のシナプス間に、幸福感を司る神経伝達物質であるセロトニンが、大量に放出されている状態とされる[要出典]

愛情による至福感や、競技で勝利したときの陶酔感、オーガズムは、多幸感の例である[1]。 また、多幸感は宗教的儀式や瞑想によっても生じうる[2]。 特定の薬物の副作用として生じる場合もあり、また、精神や神経の疾患によって生じる場合もある[3][4]。 高齢者が自然と感じるようになる幸福感も多幸感の一種とされる(老年的超越)[5]

娯楽薬の使用英語版とは、活力や、多幸感 (Euphoria) や喜びを生じさせるという目的での薬物の使用を描写する、医学的でない用語である[6]。すべての薬物が薬物依存症を引き起こすわけではなく、薬物が引き起こす喜びは、急性の作用(ラッシュ)と、続く多幸感から成り立ち、依存へとつながる精神的な動因がもたらされる[6]。多くは乱用薬物として規制されている。

多幸感を起こす薬物[編集]

オピオイドは、モルヒネヘロインコデインなどを含む鎮痛麻薬を指す厳密な用語で[7]、これらは鎮痛作用を超える作用として、鎮静、強い多幸感、呼吸抑制、便秘などの作用がある[8]

テトラヒドロカンナビノール (THC) 大麻に含まれる成分で、多幸感、不安の緩和、鎮静、眠気を生じさせる[9]ドロナビノール(マリノール)やナビキシモルス(サティベックス)のような、大麻をもとにした医薬品は、副作用として(薬として目的とする作用ではないので)多幸感を生じさせる[10]合成カンナビノイドは、大麻の多幸感を模倣する作用を持つ[11]

メチレンジオキシメタンフェタミン (MDMA)の急性作用は、健康な感覚、多幸感、他者への開放性(共感)が増加することである[6]

ケタミンのでは多幸感は急速に生じ、それは量に伴って高くなる[6]。最初のラッシュでの忘我的な多幸感は数分で生じる[6]

γ-ヒドロキシ酪酸 (GHB) の娯楽的使用者は、副作用としてリビドーと多幸感を生じさせる[6]。パーティでの使用は多く多幸感や社交性を求めて使用され、少数では多幸感に加え睡眠の強化や性的な目的で使用し、頻繁な使用者は依存症と関連して睡眠を誘導したり離脱症状を緩和するために使用する[6]

ほか(未詳細)

出典[編集]

  1. ^ Key DSM-IV Mental Status Exam Phrases”. Gateway Psychiatric Services. 2013年11月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年2月17日閲覧。
  2. ^ "Psychophysical Correlates of the Practice of Tantric Yoga Meditation". Corby, Roth, Zarcone, & Kopell. Archives of General Hackett, 1978.
  3. ^ Euphoria”. Wrong Diagnosis. Health Grades Inc.. 2011年6月23日閲覧。
  4. ^ Rhodri Hayward "euphoria" The Oxford Companion to the Body. Ed. Colin Blakemore and Sheila Jennett. Oxford University Press, 2001. Oxford Reference Online. Oxford University Press. 28 July 2011
  5. ^ NHKクローズアップ現代「“百寿者” 知られざる世界~幸せな長生きのすすめ~」(2014年10月15日放送)”. 2014年10月15日閲覧。
  6. ^ a b c d e f g Bearn, Jenny; O'Brien, Matthew (2015). ““Addicted to Euphoria””. Int. Rev. Neurobiol. 120: 205–233. doi:10.1016/bs.irn.2015.02.005. PMID 26070759. 
  7. ^ 世界保健機関 (1994) (pdf). Lexicon of alchol and drug term. World Health Organization. pp. 47, 49. ISBN 92-4-154468-6. http://whqlibdoc.who.int/publications/9241544686.pdf.  (HTML版 introductionが省略されている
  8. ^ Ghelardini, C (2015). “The pharmacological basis of opioids”. Clinical Cases in Mineral and Bone Metabolism (3): 219–21. doi:10.11138/ccmbm/2015.12.3.219. PMC 4708964. PMID 26811699. http://www.pubmedcentral.nih.gov/articlerender.fcgi?tool=pmcentrez&artid=4708964. 
  9. ^ Cannabis drug profile”. 欧州薬物・薬物依存監視センター (EMCDDA) (Update: 08 January 2015). 2016年12月28日閲覧。
  10. ^ H. Valerie Curran; Philip Wiffen; David J. Nutt; Willem Scholten= (pdf). Cannabis and Cannabis Resin Pre-Review Report (Report). DrugScience. p. 28. ISBN 978-1-5272-0260-3. http://www.drugscience.org.uk/assets/WHOcannabisreport.pdf 2016年12月28日閲覧。. 
  11. ^ Debruyne, Daniele; Le Boisselier, Reynald (2015). “Emerging drugs of abuse: current perspectives on synthetic cannabinoids”. Substance Abuse and Rehabilitation: 113. doi:10.2147/SAR.S73586. PMC 4622447. PMID 26543389. https://www.dovepress.com/emerging-drugs-of-abuse-current-perspectives-on-synthetic-cannabinoids-peer-reviewed-fulltext-article-SAR. 

関連項目[編集]