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京王閣競輪場

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オフト京王閣から転送)
京王閣競輪場
(東京オーヴァル京王閣)

京王閣競輪場
TOKYOミリオンナイトレース
地図
基本情報
所在地 東京都調布市多摩川4-31-1
座標 北緯35度38分34.6秒 東経139度32分1.4秒 / 北緯35.642944度 東経139.533722度 / 35.642944; 139.533722座標: 北緯35度38分34.6秒 東経139度32分1.4秒 / 北緯35.642944度 東経139.533722度 / 35.642944; 139.533722
電話投票 27#
開設 1949年(昭和24年)9月24日
所有者 株式会社京王閣
施行者 東京都十一市競輪事業組合
走路 400m
重勝式投票 Kドリームス
マスコット マスコットキャラクター参照
公式サイト 京王閣競輪ホームページ
実況
担当 岩井憲一
ナイター競走
愛称 TOKYOミリオンナイトレース
開催期間 通年 (原則記念競輪または特別競輪のみ昼間開催)
記念競輪
名称 ゴールドカップレース
開催月 10月

2024年6月24日 更新
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京王閣競輪場(けいおうかくけいりんじょう)は東京都調布市にある競輪場。通称は東京オーヴァル京王閣TOKYO OVAL KEIOKAKU)。施設所有は株式会社京王閣。主催は東京都十一市競輪事業組合[1]。競技実施はJKA東日本地区本部関東支部。レース実況は多摩川電気で担当は岩井憲一。

本項では2014年3月30日より場内に開設される地方競馬場外勝馬投票券発売所であるofft京王閣(オフトけいおうかく)についても記述する。

歴史[編集]

京王閣競輪場は1949年9月24日に開設された。もともと敷地は、旧京王電気軌道(のち京王帝都電鉄、現京王電鉄)が開設した遊園地「京王閣」であったが、終戦直後に当時の東京急行電鉄(1944年に京王電気軌道は東京急行電鉄に合併)が京王閣の敷地の一部を売却し、競輪場が開設された。この経緯により、かつて記念競輪の優勝者には当時の京王帝都電鉄よりトロフィーが贈呈されていた。

1953年6月16日第9競争にて、一着に入った選手を走路妨害で失格処分としたところ、不満を感じた観客約400人が走路へなだれ込み審判長に対し殴る蹴るの暴行に及び、駆け付けた警察の介入により観客4人が暴行、器物損壊の疑いで逮捕された[2]

開設から、かつての後楽園競輪場に次ぐ都心からの利便性があったことから常にファンで活況を呈していたが、 1970年に主催していた東京都が美濃部亮吉都知事の方針により公営ギャンブルから撤退し[3]1971年からは主催が東京都十一市競輪事業組合に切り替わった。1972年1月3日には、1日の入場者数としては史上最高の72,657人を記録した[4][注 1]

近年まで入場者数の多さにもかかわらず、施設面では前時代的な雰囲気を漂わせていたことで知られていたが、21世紀に入り場内スタンドの大規模な改修が行われ、その直後の2001年(平成13年)にGIIの共同通信社杯競輪が開催された。その後は2003年2006年2009年2012年2015年KEIRINグランプリが、2013年オールスター競輪が、2015年2017年2021年[注 2][5]には日本選手権競輪がそれぞれ開催された。他にも、2015年には日韓対抗戦競輪を開催している。

記念競輪 (GIII) の名称は「ゴールドカップレース」で、2018年までの開催2日目のシード優秀競走は競輪場の通称にちなんで「東京オーヴァル賞」の名称で行われていた。毎年10月に開催されるのが通例となっている。なお、2009年は6月2010年7月に時期を移動して開催されていたが2011年は再び10月に戻っての開催となり、2012年度は2013年1月、2015年度は11月から12月、2018年度は5月の開催となった。また、2023年はナイター開催として行われた。

2002年10月29日からはナイター競走を「TOKYOミリオンナイトレース」として実施している。そして2004年7月からはA級ツイントーナメントを前半が「イレブンカップ」後半が「オーヴァルカップ」の名称で実施していたが2005年6月24日を以て終了した。また、2022年10月15日より全国30場目となるミッドナイト競輪を開始した[6][7]

トータリゼータシステム富士通フロンテックを採用している。1991年9月に全国の競輪場で始めてマークシート方式を導入した[8]。なお2009年11月16日より重勝式投票にあたるKドリームスの発売を開始したが、この時にセガサミーホールディングスの子会社であるサミーネットワークスが『競輪TOWN』という独自の投票サイトを立ち上げている。

CS中継の制作は、多摩川電気が担当している。現在のメインMCは中田まみが主に担当しているが、中田が担当出来ない場合は江藤みき津田三七子が担当している。解説は、恩田繁雄山口健治後閑信一が担当する事が多い。CS放送は、YouTube Liveでサイマル配信を行っている。また2021年6月からは、CS中継とは別にYouTube Liveで独自配信を開始した[9](それまでも、グレードレースの場合は独自で配信を行っていた)。

マスコットキャラクター[編集]

かつてマスコットキャラクターとして怪獣をモチーフとした「ジャン太」がいたが[10][11]、現在は使われていない。 2023年現在は公式にマスコットとしては定められていないものの、アニメーション制作"innocenceTV"の「キャップ」「三本松」「五本松」が登場するWeb CM「やってみるか!ケイリン」が2017年より制作されており、2020年以降の記念競輪では彼らがポスターモデルとなっており、マスコットキャラクターに準ずる扱いとなっている。

バンクの特徴[編集]

1周400m。緩和曲線はマッコーネル(マッコンネル)[12]。クセがなく直線の長さも標準的なバンクだが、カントが若干緩く全速で外側に膨れる傾向があり、併走時にはイン側有利。

バックスタンド裏は道路を挟んで多摩川の河川敷となっているため、風が強い時は場内へ吹き込む影響がある。ただし地理的に内陸部のため、常に風が吹くようなことはない。

大画面映像装置は1センターに設置されている。なお、以前は500型相当のスクリーンが使用されていたが、2015年10月19日の開催から完全デジタル化に伴い、約32:9の1100型スクリーン(競輪界最大)が使用開始された[13][14][15]

場外車券売場[編集]

歴代記念競輪優勝者[編集]

※1節4日間制開催となった、2002年4月以降の歴代記念競輪優勝者を列記。
優勝者 登録地
2002年 伏見俊昭 福島
2003年
2004年 岡部芳幸
2005年 吉岡稔真 福岡
2006年 山崎芳仁 福島
2007年 後閑信一 東京
2008年 石丸寛之 岡山
2009年 後閑信一 東京[16]
2010年
2011年
2013年 志智俊夫 岐阜
2015年 松坂英司 神奈川
2016年 岡田征陽 東京
2018年 平原康多 埼玉
2019年 和田健太郎 千葉
2020年 平原康多 埼玉
2022年 宿口陽一
2023年 新田祐大 福島
2024年
  • ナイターGIII(シン東京ミリオンナイトレース)
優勝者 登録地
2023 田尾駿介 高知

offt京王閣[編集]

offt京王閣
基本情報
開設日 2014年3月30日
施設設置者 株式会社京王閣
管理施行者 特別区競馬組合大井競馬場
発売窓口 自動発売機9台・有人窓口1窓
発売単位賭式100以上100円単位
最寄駅 京王多摩川駅
最寄IC 調布IC
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2014年3月30日よりバックスタンド3階を改装し、地方競馬の会員制場外勝馬投票券発売所『offt京王閣』を開設した。発売されるレースは大井競馬場を中心とした南関東公営競馬4場と、その他の地方競馬の一部レースが対象となる。競輪場内に競馬の場外馬券売場が設置されるのは国内初[17]。なお、施設は会員制となり、入場には入会金1000円と登録が必要となる。年会費は無料で無期限有効。

offt京王閣が開設されて以降、競輪開催時にバックスタンドが使われているのは特別競輪開催時のみになっている。

アクセス[編集]

関連項目[編集]

  • 京王閣 - 戦前に京王電気軌道(現・京王電鉄)が経営していたレジャー施設。
  • 京王遊園 - 戦前の京王閣の近隣にかつて存在した遊園地。跡地の東側部分は京王テニスクラブとなっている。
  • 京王フローラルガーデンANGE - かつての京王百花苑。
京王遊園・京王百花苑ともに戦後、京王閣競輪場と同時期に開設されている。

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ これは馬インフルエンザの流行で近隣の東京競馬場が開催中止となり、その客が流れ込んできた影響も含まれている。
  2. ^ 当初は事前に抽選を行った上で入場制限を行って開催される予定だったが、緊急事態宣言が再発令された事もあり無観客での開催に変更された。

出典[編集]

  1. ^ 昭島市青梅市小金井市国分寺市小平市調布市八王子市東村山市日野市町田市武蔵野市による一部事務組合
  2. ^ 「京王閣競輪場で騒ぐ」『日本経済新聞』昭和28年6月17日11面
  3. ^ 感謝金めぐり難航 京王閣競輪の廃止『朝日新聞』1970年(昭和45年)10月1日朝刊 12版、3面
  4. ^ 1日当たりの入場者数記録 2014年版 競輪年間記録集 p.64
  5. ^ 【競輪】京王閣ダービーは無観客開催決定 - 東スポWEB、2021年4月26日
  6. ^ 京王閣競輪におけるミッドナイト競輪の開催について”. KEIRIN.JP (2022年8月5日). 2022年8月5日閲覧。
  7. ^ “京王閣で初のミッドナイト開催 東京支部長の市川健太は「まずは無事に終われば」/京王閣ミッド”. 日刊スポーツ (日刊スポーツ新聞社). (2022年10月14日). https://www.nikkansports.com/public_race/keirin/mid_cal/news/202210140000885.html 2022年10月14日閲覧。 
  8. ^ 門司競輪の歴史 - 小倉けいりん
  9. ^ YouTube「TOKYO KEIOKAKU LIVE放送」開催! 東京オーヴァル京王閣
  10. ^ 熊本競輪場(87#)オフィシャルサイト 〜KEIRINライブラリー / 関東エリア〜
  11. ^ 中部競輪Note-book
  12. ^ バンクガイド 東京オーヴァル京王閣
  13. ^ 東スポWeb 2015年10月20日
  14. ^ スポーツ報知 2015年10月19日14面「京王閣に1100型スクリーン」
  15. ^ 競輪場最大規模!大型映像装置が新しくなりました
  16. ^ 競輪打鐘読本、72頁。
  17. ^ ~競輪場と競馬が日本初のコラボ!!~ オフト京王閣の開設について - 2014年2月25日・東京シティ競馬
  18. ^ つげ義春を散歩する(調布編) 公式サイト”. 2020年2月19日閲覧。

外部リンク[編集]