文部科学省

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。HIDECCHI001 (会話 | 投稿記録) による 2016年4月1日 (金) 18:50個人設定で未設定ならUTC)時点の版であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

日本の旗 日本行政機関
文部科学省
文部科学省が入居する霞が関コモンゲート東館 (中央合同庁舎第7号館)
文部科学省が入居する霞が関コモンゲート東館
(中央合同庁舎第7号館)
役職
大臣 馳浩
副大臣 義家弘介
冨岡勉
政務官 堂故茂
豊田真由子復興大臣政務官内閣府大臣政務官
事務次官 土屋定之
組織
内部部局 大臣官房生涯学習政策局初等中等教育局高等教育局科学技術・学術政策局研究振興局研究開発局
審議会等 科学技術・学術審議会、国立大学法人評価委員会中央教育審議会、教科用図書検定調査審議会、大学設置・学校法人審議会、国立研究開発法人審議会
施設等機関 国立教育政策研究所、科学技術・学術政策研究所
特別の機関 日本学士院地震調査研究推進本部日本ユネスコ国内委員会
外局 スポーツ庁文化庁
概要
法人番号 7000012060001 ウィキデータを編集
所在地 100-8959
東京都千代田区霞が関三丁目2番2号
北緯35度40分17秒 東経139度44分55秒 / 北緯35.671306度 東経139.748598度 / 35.671306; 139.748598座標: 北緯35度40分17秒 東経139度44分55秒 / 北緯35.671306度 東経139.748598度 / 35.671306; 139.748598
定員 2204人[1]
本省1968人、文化庁236人[2]
年間予算 5兆4127億5300万円[3](2012年度)
設置 2001年(平成13年)1月6日
前身 文部省科学技術庁
ウェブサイト
文部科学省
テンプレートを表示

文部科学省(もんぶかがくしょう、英語: Ministry of Education, Culture, Sports, Science and Technology, 略称:MEXT文科省)は、日本の行政機関の一つ。

教育の振興および生涯学習の推進を中核とした豊かな人間性を備えた創造的な人材の育成、学術スポーツおよび文化の振興並びに科学技術の総合的な振興を図るとともに、宗教に関する行政事務を適切に行うことを任務とする(文部科学省設置法3条)。

中央合同庁舎第7号館東館に所在している。2004年(平成16年)1月から2008年(平成20年)1月までの期間、新庁舎への建替えのため丸の内の旧三菱重工ビルを仮庁舎とした(現在はみずほフィナンシャルグループの本社として使用されている)。

概要

旧文部省庁舎
現在も改装され文化庁として使用されている。

上記の文部科学省設置法第3条に示された任務を達成するため、文部科学省は、教育科学技術学術文化、および健常者スポーツ障害者スポーツは厚生労働省の管轄)の振興に関する事項をつかさどる。

2001年(平成13年)1月6日中央省庁再編に伴い、学術・教育・学校等に関する行政機関だった旧文部省と、科学技術行政を総合的に推進する行政機関で旧総理府外局だった旧科学技術庁とが統合されて誕生した。(歴代の文部大臣歴代の科学技術庁長官を参照。)

政府機関に於けるという名称の機関は、特別の機関として位置づけられる警察検察などを除けば、主務省(府)を超えて各省(府)横断的な行政機関として機能し、他省(府)庁からの出向者も多い。また、他省(府)庁の各専門機関の予算調整等の役割を担うことがある。文部科学省はそうした庁ととが統合された異例の再編であった。

旧科学技術庁の調整機能は内閣府に移管されたが、原子力行政に代表されるように、特定の行政機能がこの統合・再編で各省(府)庁にいびつに分散、または文部科学省に集中した。分散の代表が原子力行政であるとすれば、集中の代表は独立行政法人研究機関であると言える[4]

沿革

所掌事務

文部科学省設置法第4条は計97号に及ぶ所掌事務をつかさどると規定している。具体的には以下に関することなどがある。

組織

文部科学省の内部組織は一般的に、法律の文部科学省設置法、政令の文部科学省組織令および省令の文部科学省組織規則が重層的に規定している。

幹部

内部部局

  • 大臣官房(政令第2条第1項) - 人事課(政令第16条第1項)、総務課、会計課、政策課、国際課、文教施設企画部(政令第2条第2項)
    • 文教施設企画部 - 施設企画課(政令第16条第2項)、施設助成課、計画課、参事官
  • 生涯学習政策局 - 政策課(政令第26条)、調査企画課、生涯学習推進課、社会教育課、男女共同参画学習課、参事官
  • 初等中等教育局 - 初等中等教育企画課(政令第33条)、財務課、教育課程課、児童生徒課、幼児教育課、特別支援教育課、国際教育課、教科書課、教職員課、参事官
  • 高等教育局 - 高等教育企画課(政令第44条第1項)、大学振興課、専門教育課、医学教育課、学生・留学生課、国立大学法人支援課、私学部(政令第2条第2項)
    • 私学部 - 私学行政課(政令第44条第2項)、私学助成課、参事官
  • 科学技術・学術政策局 - 政策課(政令第54条)、企画評価課、人材政策課、研究開発基盤課、産業連携・地域支援課
  • 研究振興局 - 振興企画課(政令第61条)、基礎研究振興課、学術機関課、学術研究助成課、ライフサイエンス課
  • 研究開発局 - 開発企画課(政令第70条)、地震・防災研究課、海洋地球課、環境エネルギー課、宇宙開発利用課、原子力課、参事官(2人)
  • 国際統括官

審議会等

施設等機関

特別の機関

地方支分部局

文部科学省は他省の「○○地方~局」に相当する、全国を分割網羅する地方支分部局を持たない。かつて、地方にある大学や地方教育委員会の施設整備に関する補助金交付事務を行う「○○地方工事事務所」が国立大学の敷地内に存在したが、国立大学の法人化に伴い廃止された。補助金交付事務は本部で行えば足り、教育行政は完全地方分権であるため必要がないというのが廃止理由である。水戸原子力事務所が唯一の地方支分部局であったが原子力規制委員会設置法(平成24年法律第47号)により平成25年3月31日に廃止された。

外局

  • スポーツ庁(国家行政組織法、法律第13条) - 政策課(政令第85条)、健康スポーツ課、競技スポーツ課、国際課、オリンピック・パラリンピック課、スポーツ審議会(政令第92条第1項)
  • 文化庁(国家行政組織法、法律第13条) - 長官官房(政令第94条)、文化部、文化財部、文化審議会(法律第20条第1項)、宗教法人審議会(法律第20条第2項)、日本芸術院(法律第23条)

所管法人

文部科学省が主管する独立行政法人は2015年4月1日現在、国立特別支援教育総合研究所大学入試センター国立青少年教育振興機構国立女性教育会館国立科学博物館物質・材料研究機構防災科学技術研究所放射線医学総合研究所国立美術館国立文化財機構教員研修センター科学技術振興機構日本学術振興会理化学研究所宇宙航空研究開発機構日本スポーツ振興センター日本芸術文化振興会日本学生支援機構海洋研究開発機構国立高等専門学校機構大学評価・学位授与機構国立大学財務・経営センターおよび日本原子力研究開発機構の23法人である[5]。ほかに国立大学法人として全国86法人および、大学共同利用機関法人として人間文化研究機構自然科学研究機構高エネルギー加速器研究機構および情報・システム研究機構の4法人を主管している。

主管する特殊法人は2015年4月1日現在、日本私立学校振興・共済事業団および放送大学学園の2法人である[6]。放送大学学園は総務省が共管している。特別の法律により設立される民間法人特別の法律により設立される法人および認可法人は所管しない。

財政

2012年度(平成24年度)一般会計当初予算における文部科学省所管予算は5兆4127億5300万円である[3]。組織別の内訳は文部科学本省が5兆3045億200万円と全体の約98%を占め、以下、文部科学本省所轄機関が50億5000万円、文化庁が1032億円と続く。本省予算のうち義務教育費国庫負担金の1兆5575億2800万円(対本省比29.4%)および国立大学法人運営費の1兆1366億1200万円(21.4%)が大きな比重をしめる。本省所轄機関とは国立教育政策研究所、科学技術・学術政策研究所、日本学士院等をさす。

また一般会計とは別に、特別会計として東日本大震災復興特別会計を復興庁などと共管し、エネルギー対策特別会計の電源開発促進勘定を経済産業省と共管している。

職員

一般職の在職者数は2011年1月15日現在、文部科学省全体で2247人(うち、女性447人)である[7]。機関別内訳は本省が2002人(388人)、文化庁245人(59人)となっている。行政機関職員定員令に定められた文部科学省の定員は特別職1人を含めて2204人である[1]。本省および各外局別の定員は省令の文部科学省定員規則が、本省1968人、文化庁236人と規定する[2]

文部科学省職員は一般職の国家公務員なので、労働基本権のうち争議権と団体協約締結権は国家公務員法により認められていない。団結権は認められており、職員は労働組合として国公法の規定する「職員団体」を結成し、若しくは結成せず、又はこれに加入し、若しくは加入しないことができる(国公法第108条の2第3項)。2011年3月31日現在、人事院に登録された職員団体は存在しない[8]。2005年度以降、組織率が数パーセントの状況が続き、2011年度にはついに0%となった。かつては国公労連加盟の文部省職員労働組合が活動していたが、2011年3月31日をもって解散した[9]

広報

丸の内の文部科学省仮庁舎(2005年12月
改装工事中の旧文部省庁舎(2007年4月

文部科学省が編集する白書には「文部科学白書」および「科学技術白書」があり、後者は科学技術基本法の規定により、政府が毎年国会に提出する「政府が科学技術の振興に関して講じた施策に関する報告書」(年次報告書、同法第8条)を収録している。

文部科学省が発行ないし編集する広報誌としては、本省の『文部科学広報』(月刊)、文化庁の『文化庁月報』(月刊)および『月刊文化財』、日本学士院の『日本学士院ニュースレター - 明六社だより』(年2回刊)、地震調査研究推進本部の『地震本部ニュース』(月刊)、などがある。『月刊文化財』の発行主体は第一法規株式会社で、文化庁は監修に携わっている。かつては、ぎょうせい発行の『文部科学時報』(月刊)があったが、2012年3月10日号をもって終刊となった。

ウェブサイトURLドメイン名は「www.mext.go.jp」。他に文化庁は「www.bunka.go.jp」、日本学士院は「www.japan-acad.go.jp」、地震調査研究推進本部は「www.jishin.go.jp」、国立教育政策研究所は「www.nier.go.jp」、科学技術・学術政策研究所は「www.nistep.go.jp」等と一部の機関は独自のドメイン名を持つ。

歴代事務次官

氏名 出身 前職 在任期間 退任後の役職
1 小野元之 文部省 文部省大臣官房長 2001年1月6日-
2003年1月10日
日本学術振興会理事長、教育再生会議委員。京大法卒
2 御手洗康 文部省 文部科学審議官 2003年1月10日-
2005年1月11日
放送大学学園理事長。東大法卒
3 結城章夫 科学技術庁 文部科学審議官 2005年1月11日-
2007年7月6日
山形大学学長。東大工卒
4 銭谷真美 文部省 初等中等教育局長 2007年7月6日-
2009年7月14日
東京国立博物館館長。東北大教育卒
5 坂田東一 科学技術庁 文部科学審議官 2009年7月14日-
2010年7月30日
ウクライナ大使
一般社団法人日本原子力産業協会特任フェロー
東大大学院工学系研究科修士課程修了
6 清水潔 文部省 文部科学審議官 2010年7月30日-
2012年1月6日
明治大学研究・知財戦略機構特任教授
早稲田大学大学院教職研究科客員教授
京都工芸繊維大学顧問
弁護士(みのり総合法律事務所)
東大法卒
7 森口泰孝 科学技術庁 文部科学審議官 2012年1月6日-
2013年7月8日
東京理科大学特命教授を経て副学長
東大大学院工学系研究科修了
8 山中伸一 文部省 文部科学審議官 2013年7月8日-
2015年8月4日
東大法卒
9 土屋定之 科学技術庁 文部科学審議官 2015年8月4日-
北大大学院環境科学研究科修了

文部科学省出身の著名人

前身の文部省・科学技術庁出身者を含む

脚注

  1. ^ a b 行政機関職員定員令」(最終改正:平成24年4月6日政令第120号)
  2. ^ a b 文部科学省定員規則」(最終改正:平成24年4月6日文部科学省令第19号)
  3. ^ a b 単位:100万円。2012年度(平成24年度)当初予算 - 一般会計(内閣 「平成24年度予算書関連財務省)。
  4. ^ 研究機関の名称からは、どの省庁の所管か分からないものが多い; 科学技術・学術(独立行政法人) - 文部科学省ホームページ。
  5. ^ 独立行政法人一覧(平成27年4月1日現在)
  6. ^ 所管府省別特殊法人一覧(平成27年4月1日現在)
  7. ^ 人事院 「参考資料;6 - 一般職国家公務員府省別在職者数」『公務員白書 - 平成24年版』 日経印刷、2011年6月、p.244。2011年1月15日現在。[リンク切れ]
  8. ^ 人事院 「第1編第3部第6章:職員団体 - 資料6-2;職員団体の登録状況」『公務員白書 - 平成24年版』 日経印刷、2011年6月、p.185。2012年3月31日現在。
  9. ^ 大原社会問題研究所 「主要な労働組合の現状」『日本労働年鑑. 第80集(2010年版)』 旬報社、2010年6月、p.438。2010年3月末現在。

関連項目

外部リンク