日本学士院

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索
日本の旗 日本の行政官庁
日本学士院
にっぽんがくしいん
Go-shichi no kiri crest.svg
役職
院長 杉村隆
幹事 塩野宏
組織
上部組織 文部科学省
概要
所在地 東京都台東区上野公園7-32
北緯35度42分58秒
東経139度46分38秒
座標: 北緯35度42分58秒 東経139度46分38秒
年間予算 6億2651万7000円(2007年度)
設置 1947年12月
前身 帝国学士院
ウェブサイト
日本学士院
テンプレートを表示

日本学士院(にっぽんがくしいん、英語The Japan Academy)は、日本官公庁の一つ。日本学士院法(以下「法」)に基づいて設置されている、文部科学省特別の機関である。

概要[編集]

日本学士院が所在する上野恩賜公園の航空写真。国土交通省 国土画像情報(カラー空中写真)を基に作成

法第1条でその目的を「学術上功績顕著な科学者を優遇するための機関とし、学術の発達に寄与するため必要な事業を行う」と定めている。文部科学省の特別な機関として位置づけられており、東京都台東区上野公園上野恩賜公園内に立地する。

外国のアカデミーは研究活動も行っているが、日本学士院では内部に「今更、研究をするのはいかがなものか」という考えが多く、研究機関としての面は他国に比べ薄い「殿堂」的機関と化している[1]。しかしながら、毎月定例の研究会を開催し、そこで研究発表が行われ、また研究成果は『日本学士院紀要』として公刊されている。また、恩賜賞日本学士院賞エジンバラ公賞日本学士院学術奨励賞の授賞も行っている。エジンバラ公は日本学士院の名誉会員である[2]

学士院会員は終身であり(3条2項)、定員は150名である(2条2項)。死亡により欠員が生じた分科ごとに各部分科会員の投票により毎年12月に新会員が選定される(常に全欠員が補充されるわけではない)。文化功労者より低い年金(250万円)が授与されるが(9条)、これは特別職の非常勤国家公務員(3条3項)としての給与名目で支給されており課税対象になる。また、検察官適格審査会令1条2項の規定により、日本学士院会員から互選で一名が検察官適格審査会の委員になっている。

1879年東京学士会院として発足した。その後、帝国学士院に改組された。太平洋戦争後に日本学士院となり現在に至る。


沿革[編集]

  • 1873年 - 明六社発足
  • 1879年 - 東京学士会院創設(会員定員40名)。
  • 1890年 - 東京学士会院規程公布。
  • 1906年 - 帝国学士院規程公布(会員定員60名)。
  • 1911年 - 恩賜賞創設。
  • 1911年 - 帝国学士院賞創設。
  • 1919年 - 国際学士院連合(UAI)加盟
  • 1925年 - 貴族院に帝国学士院会員議員が設置される(1部・2部から各2名ずつ計4名、任期7年)
  • 1947年 - 日本学士院と改称。貴族院廃止とともに帝国学士院会員議員も廃止される。
  • 1949年 - 日本学術会議の附置機関となる(会員定員150名)。
  • 1956年 - 日本学士院法公布、日本学術会議から独立。
  • 1987年 - エジンバラ公賞創設。
  • 2004年 - 日本学士院学術奨励賞創設。

会員の構成[編集]

事業(8条)[編集]

歴代院長[編集]

初代会長/福澤諭吉

東京学士会院(会長)[編集]

氏名 在任時期 所属大学・出身大学 専門分野
初代 福澤諭吉 1879年01月 - 1879年6月 慶應義塾
第2代 西周 1879年06月 - 1880年12月 養老館 法学哲学
第3代 加藤弘之 1880年12月 - 1882年6月 東京大学 政治学
第4代 西周 1882年06月 - 1886年6月 養老館 法学哲学
第5代 加藤弘之 1886年06月 - 1895年12月 東京大学 政治学
第6代 細川潤次郎 1895年12月 - 1897年12月 文武館(土佐藩藩校) 法学
第7代 加藤弘之 1897年12月 - 1906年6月 東京大学 政治学

帝国学士院(院長)[編集]

氏名 在任時期 所属大学・出身大学 専門分野
第8代 加藤弘之 1906年07月 - 1909年6月 東京大学 政治学
第9代 菊池大麓 1909年07月 - 1917年8月 蕃書調所(東京大学) 数学
第10代 穂積陳重 1917年10月 - 1925年10月 東京帝国大学 法学
第11代 岡野敬次郎 1925年11月 - 1925年12月 東京帝国大学 商法
第12代 桜井錠二 1926年02月 - 1939年1月 開成学校(東京大学) 化学
第13代 長岡半太郎 1939年03月 - 1948年6月 東京帝国大学 物理学

日本学士院(院長)[編集]

氏名 在任時期 所属大学・出身大学 専門分野
第14代 山田三良 1948年06月 - 1961年11月 東京帝国大学 国際私法
第15代 柴田雄次 1961年01月 - 1970年11月 東京帝国大学 無機化学
第16代 南原繁 1970年11月 - 1974年5月 東京帝国大学 政治学
第17代 和達清夫 1974年10月 - 1980年10月 東京帝国大学 地球物理学
第18代 有沢広巳 1980年10月 - 1986年10月 東京帝国大学 経済学統計学
第19代 黒川利雄 1986年12月 - 1988年2月 東北帝国大学 内科学
第20代 脇村義太郎 1988年06月 - 1994年3月 東京帝国大学 経済学
第21代 藤田良雄 1994年04月 - 2000年4月 東京帝国大学 天文学
第22代 市古貞次 2000年04月 - 2001年10月 東京帝国大学 日本文学
第23代 長倉三郎 2001年10月 - 2007年10月 東京帝国大学 物理化学
第24代 久保正彰 2007年10月 - 2013年10月 東京大学 西洋古典学
第25代 杉村隆 2013年10月 - 現職 東京大学 生化学腫瘍学

現在の会員[編集]

2014年3月29日現在[3][4][5][6]

分科
定員
氏名 年齢 専門分野 選出年 備考
第1部
人文科学部門
第1分科
文学史学哲学
30名
久保正彰 83歳 西洋古典学 1992年 前院長
中根千枝 87歳 文化人類学 1995年
中川久定 83歳 フランス文学
岩崎英二郎 92歳 ドイツ語学 2000年
秋山虔 90歳 日本文学
原實 83歳 インド古典学
田仲一成 81歳 中国文学
源了圓 94歳 日本思想史 2001年
荒井献 84歳 新約聖書学
伊藤貞夫 80歳 西洋史学古典古代史 2002年
武田恒夫 88歳 日本絵画史 2003年
上田閑照 88歳 哲学宗教哲学
斯波義信 83歳 中国史
久保田淳 81歳 日本文学 2005年
吉川忠夫 77歳 中国史 2006年
御牧克己 67歳 インド・チベット仏教学
難波精一郎 82歳 心理学 2007年
玉泉八州男 78歳 英文学
青柳正規 69歳 美術史学古典考古学
川本皓嗣 74歳 比較文学比較文化 2009年
佐藤彰一 69歳 西洋中世史
塩川徹也 68歳 フランス文学
富永健一 83歳 社会学 2010年
東野治之 67歳 日本史
薗田坦 77歳 西洋近世哲学史宗教哲学 2011年
苧阪直行 67歳 認知心理学認知科学 2012年
小林道夫 68歳 西洋近世哲学科学哲学 2013年
空席
空席
空席
第2分科
法律学政治学
23名
小田滋 89歳 国際法 1994年
河本一郎 91歳 商法証券取引法 1995年
京極純一 90歳 政治学政治過程論 1997年
中野貞一郎 89歳 民事手続法 1998年
塩野宏 83歳 行政法 1999年 幹事
三宅一郎 83歳 政治学政治行動論
樋口陽一 79歳 憲法学 2000年 第1部部長
村上淳一 81歳 ドイツ法 2001年
石本泰雄 89歳 国際法 2002年
三谷太一郎 77歳 日本政治外交史
奥田昌道 81歳 民法 2004年
松尾浩也 86歳 刑事法 2005年
西尾勝 75歳 行政学 2007年
竹下守夫 82歳 民事訴訟法 2008年
龍田節 80歳 商法
菅野和夫 71歳 労働法
石井紫郎 79歳 日本法制史 2009年
小山貞夫 78歳 西洋法制史 2010年
佐々木毅 72歳 政治学史政治学 2011年
佐藤幸治 77歳 憲法学 2012年
鈴木茂嗣 77歳 刑事法 2013年
藤田宙靖 74歳 行政法
空席
空席
第3分科
経済学商学
16名
宇澤弘文 86歳 経済学 1989年
小宮隆太郎 85歳 経済学 1990年
水田洋 94歳 社会思想史 1998年
根岸隆 81歳 経済理論経済学史
速水融 84歳 日本経済史歴史人口学 2001年
伊藤誠 78歳 経済理論現状分析 2003年
貝塚啓明 80歳 財政学金融論 2006年
新開陽一 82歳 経済学 2008年
石井寛治 76歳 日本経済史 2009年
藤田昌久 71歳 都市・地域経済学空間経済学 2010年
鈴村興太郎 70歳 厚生経済学社会選択理論 2011年
竹内啓 80歳 統計学経済学 2012年
西村和雄 67歳 複雑系経済学経済変動理論
空席
空席
空席
第2部
自然科学部門
第4分科
理学
31名
江崎玲於奈 89歳 物理学 1975年
広中平祐 83歳 数学 1976年
古在由秀 86歳 天文学 1980年 第2部部長
長倉三郎 93歳 物理化学 1984年
富澤純一 90歳 分子生物学 1990年
久城育夫 80歳 岩石学 1993年
向山光昭 87歳 有機合成化学 1994年
大澤文夫 91歳 生物物理学 1995年
横山泉 90歳 火山物理学
上田誠也 84歳 地球物理学 1996年
近藤淳 84歳 物理学 1997年
森重文 63歳 数学 1998年
竹市雅俊 70歳 発生生物学細胞生物学 2000年
大村智 79歳 天然物有機化学 2001年
小柴昌俊 87歳 物理学 2002年
山崎敏光 79歳 原子核物理学 2005年
松野太郎 79歳 気象学地球物理学
柏原正樹 67歳 数学 2007年
西田篤弘 78歳 宇宙空間物理学 2008年
深谷賢治 55歳 数学 2009年
益川敏英 74歳 物理学 2010年
黒岩常祥 72歳 生物科学
小林誠 70歳 物理学
長田重一 65歳 分子生物学
鈴木章 83歳 合成化学 2011年
田中靖郎 83歳 天文学
深尾良夫 70歳 地震学
佐藤勝彦 68歳 宇宙物理学 2013年
空席
空席
空席
第5分科
工学
17名
荒田吉明 90歳 高温工学溶接工学 1988年
西澤潤一 87歳 電子工学通信工学 1995年
横堀武夫 96歳 材料工学機械工学 1996年
野崎一 92歳 有機合成化学有機金属化学 1999年
白川英樹 77歳 物質科学高分子化学 2001年
野依良治 75歳 有機化学 2002年
岩崎俊一 87歳 電子通信工学磁気工学 2003年
井上明久 66歳 金属材料学 2006年
田中耕一 54歳 質量分析
堀川清司 86歳 土木工学海岸工学 2007年
霜田光一 93歳 物理学 2010年
内田祥哉 89歳 建築学
飯島澄男 75歳 物質科学
堀幸夫 86歳 機械工学 2011年
空席
空席
空席
第6分科
農学
12名
田村三郎 97歳 生物有機化学 1989年
沢田敏男 95歳 農業農村工学
山田康之 82歳 植物分子細胞生物学 1995年
入谷明 85歳 家畜繁殖学 2000年
和田光史 85歳 土壌学
四方英四郎 87歳 植物病理学ウイルス学 2001年
稲上正 83歳 分子細胞生理学
別府輝彦 80歳 応用微生物学 2004年
常脇恒一郎 83歳 植物遺伝学 2005年
佐々木惠彦 78歳 森林資源科学樹木生理学 2006年
喜田宏 70歳 獣医微生物学 2007年
空席
第7分科
医学薬学歯学
20名
早石修 94歳 生化学医化学 1974年
杉村隆 88歳 生化学腫瘍学 1982年 2013年より院長
山川民夫 92歳 生化学 1987年
伊藤正男 85歳 生理学神経科学 1989年
柴田承二 98歳 天然物化学生薬学 1993年
豊島久真男 83歳 ウイルス学腫瘍学
井村裕夫 83歳 内科学 1994年
大塚正徳 85歳 薬理学 1995年
岸本忠三 75歳 免疫学
濱清 91歳 解剖学 1996年
石坂公成 88歳 免疫学 1997年
廣川信隆 68歳 分子細胞生物学 2004年
関谷剛男 74歳 薬学核酸有機化学 2005年
本庶佑 72歳 医化学分子免疫学
須田立雄 79歳 基礎歯科医学 2007年
鈴木邦彦 81歳 神経化学神経内科遺伝性神経疾患 2008年
中西重忠 72歳 分子神経科学 2009年
山中伸弥 51歳 細胞生物学 2013年 最年少会員
空席
空席

過去の主な会員[編集]

創立会員(21名)[編集]

明治期任命[編集]

大正期任命[編集]

昭和戦前期(1927年 - 1944年)任命[編集]

昭和戦後期(1945年 - 1970年)選出[編集]

昭和後期(1971年 - 1988年)選出[編集]

平成期選出[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 水田洋「学士院会員 水田 洋君の話を聞く」『十二月クラブ通信』第103号 平成11年12月号
  2. ^ 日本学士院ウェブサイト「名誉会員・客員一覧」参照。
  3. ^ 会員一覧(日本学士院、2011年12月13日閲覧)
  4. ^ 新会員の選定について(2011年12月12日)(日本学士院、2011年12月13日閲覧)
  5. ^ 新会員の選定について(2012年12月12日)(日本学士院、2013年1月1日閲覧)
  6. ^ 新会員の選定について(2013年12月12日)(日本学士院、2013年12月12日閲覧)

参照文献[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]