大神 (ゲーム)

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大神
ジャンル ネイチャーアドベンチャー
対応機種 プレイステーション2
Wii
開発元 [PS2] クローバースタジオ
[Wii] レディアットドーン
発売元 カプコン
人数 1人
メディア [PS2] DVD-ROM
発売日 プレイステーション2
日本の旗 2006年4月20日
アメリカ合衆国の旗 2006年9月19日
欧州連合の旗 2007年2月9日
オーストラリアの旗 2007年2月14日
Wii
アメリカ合衆国の旗 2008年4月15日
欧州連合の旗 2008年6月12日
オーストラリアの旗 2008年6月13日
日本の旗 2009年10月15日
対象年齢 CERO: A(全年齢対象)
ESRB: Teen
PEGI: 12+
OFLC(豪): M
売上本数

プレイステーション2
通常版: 日本の旗約14万本(2006年12月時点)[1]
廉価版: 日本の旗約14万本(2009年12月時点)[2]
Wii
通常版: 日本の旗約4万本(2010年12月時点)[3]

廉価版: 日本の旗約1万本(2010年12月時点)[3]
テンプレートを表示

大神』(おおかみ)は、クローバースタジオ企画・開発、日本で2006年4月20日カプコンより発売された、プレイステーション2ゲームソフト。キャッチコピーは「この世の命が、蘇る」。2008年から2009年にかけてWiiに移植された。続編にあたるDS用『大神伝 〜小さき太陽〜』の日本版は2010年9月30日に発売された。

概要

古代日本的な世界を舞台とするゲームで、日本画風の3DCGが特徴。ディレクターは神谷英樹。地名や人名は神谷の故郷である信州の地名を元にしたものが多い。

平原綾香が歌うテーマソング「Reset」は本作のための書き下ろし。日本的な楽器として琴が使用されており、ところどころ『大神』をイメージさせる歌詞が含まれている。また、歌詞中の「Reset」という言葉は平原綾香本人が付加したもの。なお「Reset」は、2006年3月22日に発売された平原綾香のアルバム『4つのL』に収録されている。

タイトルの「大神」には主人公が「天照大神」であり「」であることと、「筆調べ」によって自然を操ることを世界を筆調べを実行するための「大きな紙」になぞらえて「大紙」と言う三つの意味がある。

本作は開発初期、「荒廃した世界を回復させる」というコンセプトを基に製作が進んでおり、「和風タッチ」や「古代日本」という設定は存在せず、恐竜などが登場する予定だった。また主人公のアマテラスは企画初期、居る場所によって姿が変わるという設定があり、「水に入ることでイルカに姿を変える」ものと「崖や丘から飛び出すことでに姿を変える」という2種類が存在しており、デザイン画もほぼ内定していたが、開発の過程で断念された。

難易度は低く設定され、難易度設定も存在しない[4]

平成18年度(第10回)文化庁メディア芸術祭のエンターテインメント部門大賞、2007年度日本ゲーム大賞優秀賞を受賞。日本国外では、アメリカのゲーム情報ウェブサイトであるIGNが主宰するThe Best of 2006でOverall Game of the Year(最優秀賞)を獲得した[5]

あらすじ

100年前、英雄イザナギによって封印された怪物ヤマタノオロチ。その戦いの際に、イザナギをさまざまな神秘の力で手助けをした白狼・白野威(しらぬい)は、神木村にある神木の袂に像が作られ、村の守り神として祀られていた。

しかしそれから百年が経ち、オロチを封じていた宝剣「月呼」が何者かに引き抜かれ、オロチは復活する。だが、木精サクヤ姫の力で大神(狼)アマテラスも神木村にある白野威像に宿り復活。ヤマタノオロチを倒し、ナカツクニの安寧を取り戻すために、絵師のイッスンと共に旅に出る。


注意:以降の記述には物語・作品・登場人物に関するネタバレが含まれます。免責事項もお読みください。


システム

筆しらべ

左スティックを使い特定の模様を描くことにより、アマテラスの様々な力を使うことが出来るシステム。アマテラスは元々13の筆しらべの全てを使えたが、ヤマタノオロチに肉体を破壊されたため筆しらべを司る分神が現世(うつしよ)に散り、復活した時には全ての筆しらべを失っていた。だが、現世に散っている分神と出会うことにより、力を取り戻す。取り戻す際にはそれぞれのムービーがある。
なお、それぞれの筆しらべを司る動物は、十二支と猫であり(ベトナムタイなどの十二支では猫が卯にあたる)、全てアマテラスと同じように白い体に赤い隈取りが施されている。また、各分神は器物を所持している。
断神(たちがみ)・一閃【いっせん】(
全ての物を切り裂く力を持つ筆しらべ。再生や自然現象の操作を主とする筆しらべの中では、純粋に物体の破壊のみに特化した異質の存在である。空間に直線を描くことで発動し、大木や巨岩を一刀両断のもとに切り裂く威力を持つ。発動時に時間の流れを止める筆しらべの特性上、攻撃までのタイムラグは実質0だが、特定の妖怪には無効だったり防がれたりする。戦闘以外では主にマップにある障害物を壊すことやダンジョンの仕掛けを解くために使われる。戦闘時にも探索時にも使用するため全筆しらべ中もっとも使用頻度が高いといっても過言ではない。あるイベントをおこなうと「三式」まで強化することが可能で、鉄やダイヤモンドをも切り裂くことが出来る。また、百鬼絵巻に使用すると一定時間動けなくすることもできる。一閃を司る断神はの姿をしており、巨大なを所持している。イザナギ窟の剣を掲げるイザナギの石像に宿っていた。
凍神(いてがみ)・吹雪【ふぶき】(
冷気を操ることが可能な筆しらべ。氷などから冷気を移して様々なものを凍らせることが可能になる。「*」を描くと隠し筆しらべである「氷嵐」を発動する。また、八尺瓊勾玉を装備すれば武器を元として対象を凍らせることも可能である。吹雪を司る凍神は牛の姿をしており、ホラガイを所持している。凍神が宿っているホラガイは双魔神に吹雪の発生装置に利用されてしまっていた。
撃神(げきがみ)・迅雷【じんらい】(
電気を操ることが可能な筆しらべ。雷などの電源から別の場所へ放電することが出来る。筆しらべを強化すると「雷光」を発動出来るようになり、自由に雷を落とし大ダメージを与えることが可能となる。また、天叢雲剱を装備すれば剣自体が電源となり如何なる場所でも発動することが出来る。迅雷を司る撃神は弓矢を背負った虎の姿をしている。雷神は日本において、寅の皮でできた服を身に着けている肖像が、一般にある。
弓神(ゆみがみ)・月光【げっこう】(
月を操り夜と昼を入れ替える筆しらべ。マップの攻略にはあまり使いどころはないがイベントでの使用率はかなり高い。弓神(月)とアマテラス(太陽)は逆の立場であるため、お互いライバル意識を持っている。月光を司る弓神はを持ったウサギの姿をしている。古来は、月を見て「餅を搗いているウサギ」を想像した。また、弦月を弓張月という。沼の水面に映る月に宿っていたが、沼の主である畳頭(じょうず)に喰われてしまっていた。
蘇神(よみがみ)・画龍【がりょう】(
失われたものを蘇らせることができる筆しらべ。主に壊れた道などを直し、通れなかった場所に行けるようにしたり、川の流れを呼び戻したり、マップ攻略やミニゲーム(魚釣り)に用いたりする。画龍を司る蘇神は巻物を提げた龍の姿をしている。
濡神(ぬれがみ)・水郷【すいきょう】(
水を操ることが可能な筆しらべ。水場を使い火を消したり、水柱を吹き上がらせて高い場所に登れる。筆しらべを強化すると、人魚の泉を消費アイテムなしで使用可能な「水飛」や、雨を降らせて画面内の敵全てにダメージを与えることが可能な「恵雨」を使用可能。水郷を司る濡神は水瓶の中に入った蛇の姿をしている。巳(ミ)は水の「ミ」に通じ、実際にヘビは泳ぎも得意な種も多く、マムシなどの一部の蛇は夏の暑い日など、体温を下げるために、水中に身を沈めることもある。
風神(かぜがみ)・疾風【しっぷう】(
風を操ることが可能な筆しらべ。火を消したり、物を吹き飛ばしたり、飛ぶ敵を墜落させたり、「桜花・水蓮」と組み合わせて水の上を遠くまで移動したり出来る。筆しらべを強化すると「竜巻」を発動できるようになり、旋風をまとって敵に大ダメージを与えることが可能となる。疾風を司る風神は団扇を背負った馬の姿をしている。風神宮で神風を吹かせて人々に繁栄をもたらしていたが、赤カブトが吹かせた風により力を失っていた。
幽神(かすがみ)・霧隠【きりがくれ】(
霧を生み出しまわりの動きを遅くする(時間を惑わす)ことが出来る筆しらべ。速い敵の動きを遅くしたり気付かれないうちに移動するために使われる。あるアイテムを入手すると「霧飛」を発動出来るようになり、大鏡同士を行き来することが可能となる。霧隠を司る幽神は瓢箪を背負った羊の姿をしている。エキビョウの手により妖器「霧禁びょうたん」に封印されてしまっていた。
桜花三神・桜花【おうか】(
桜花の3つの能力はそれぞれ別で取得する。
咲之花神(さきのはながみ)・花咲
枯れた木に花を咲かせる力を持つ筆しらべ。枯れた木に花を咲かせることでアマテラスの力を強化する幸玉が手に入る。地面などに花を咲かせるのも可能で小さなタタリ場を浄化することも出来る。土の上に巨大な樹木を生やすのも可能で、戦闘中に敵を攻撃もしくは敵の攻撃を防御出来る。花咲を司る咲之花神はを持った猿の姿をしている。
蓮之花神(はすのはながみ)・水蓮
水の上に足場を作ることが出来る筆しらべ。泳いでは渡れない場所に行くために使われる。複数の蓮を生み出して跳び移ったり、「疾風」で蓮を運んだりもできる。ある道具を手に入れるとほとんど使用しなくなるが、特定の敵に対して効果を発揮したりもする。水蓮を司る蓮之花神は横笛を持った猿の姿をしている。
蔦之花神(つたのはながみ)・蔦巻
頑丈な蔦を作り出す筆しらべ。桃コノハナと呼ばれる花から蔦を伸ばして自身に引っ掛け、ジャンプでは行けない場所に移動するために使用する。また一部の敵や仕掛けに蔦を引っ掛けることも出来る。蔦巻を司る蔦之花神はシンバルを持った猿の姿をしている。
燃神(もえがみ)・紅蓮【ぐれん】(
炎を操ることが可能な筆しらべ。最初は火を燃え移らせることしか出来ないが、筆しらべを強化すると「爆炎」を発動することが可能になり、巨大な炎で敵に大ダメージを与えることが可能となる。八咫鏡を装備すると武器を火種として紅蓮を発動できる。紅蓮を司る燃神は煙管を咥えた鳥の姿をしている。
大神(おおかみ)・光明【こうみょう】(
太陽を出現させ、夜を昼にかえることができる筆しらべ。太陽神であるアマテラスが死しても失うことなく持っていた能力。昼よりも夜の方が利点が多い(ならず者妖怪退治や一部のイベントは夜でなければ進まないなど)ため使用する機会はかなり少ないが、最終戦では倒すための最大の鍵となる。
爆神(ばくがみ)・輝玉【てかだま】(
好きな場所に巨大な花火玉を出現させることが可能な筆しらべ。その破壊力は絶大で妖怪にも大ダメージを与えることが可能なほか、ひびの入った壁などを壊すことも出来る。筆しらべを強化すると花火玉を一度に3つ出せるようになり爆風も大きくなる。輝玉を司る爆神は花火玉に乗った猪の姿をしており、松明を持ったウリ坊を数匹従えている。
壁神(かべがみ)・壁足【かべたり】(
各所に存在する壁神の像の力を借りて垂直な壁でも張り付き登ることが可能となる筆しらべ。この壁足の力を入手するために登る塔は、天辺に登ったきり降りられなくなってしまった猫がいるとされており、その鳴き声のような音が聞こえることから「猫鳴りの塔」と呼ばれている。壁足を司る壁神は衝立に張り付いた猫の姿をしている。

三種の神器

アマテラスが妖怪との戦いに使用する武器。勾玉に分かれておりそれぞれ性質は違う。メイン装備(表神器)とサブ装備(裏神器)が可能でそれぞれ攻撃方法が異なる。とあるアイテムを使うことで1度だけ強化が可能である。
なお、武器のそれぞれの名前は、実際の三種の神器(剣、鏡に関しては同一のもので別の名称が複数ある)や十種神宝から来ている。

表装備時には打撃攻撃。裏装備時には鏡を使い敵の攻撃を受け止め、そのまま敵を咥えて上昇し地面に叩き付けるカウンター技(天(アマ)落とし)が使える。ちなみに、天落としという名称はゲーム中には一切出てこないが、プレイヤーからの質問を受けて神谷により命名された[6]。ただし、公式ガイドブックでは『百舌落し』となっている。
真経津鏡(まふつのかがみ)
攻撃力とスピードが中程度のバランスが取れた神器。サクヤ姫から授かった。ムービーでは常にこの鏡を身につけている。
神獣鏡(しんじゅうきょう)
かつてある遺跡に祭られていた神聖な鏡。神獣の印が刻まれている。「画点」の筆しらべを使用することが可能で、筆で点を描くとその点が弾丸となって敵を貫く。
沖津鏡(おきつかがみ)
ある商人が扱っている巨大な鏡。輪廻転生の理が刻まれていて、悪しき者に等しく裁きを与えると言われる。高い攻撃力を持った聖なる鏡だが値段も高く、ゲーム初盤では手が届かない。
辺津鏡(へつかがみ)
ある商人が目玉商品として扱っている最強クラスの鏡。知識・力・信仰の三位一体を表す。攻守を極め、悪しき者を蹂躙する。因みに、表装備と裏装備では色が一部違う。
八咫鏡(やたのかがみ)
神々しき日輪を纏いし聖鏡。煌々と燃え盛る炎を宿す。アマテラスが全ての筆しらべを取り戻した証として手に入る。の属性を宿し紅蓮の火種にもなる。白野威(全盛期)は常に身につけている。

勾玉

表装備時は勾玉を連ねて鞭のように振り回す。裏装備時は勾玉を弾丸のように高速発射する。
足玉(たるたま)
スピードに特化した神器。神通力が宿っている。攻撃力は低いが圧倒的なスピードと手数で攻撃を加える。
生玉(いくたま)
足玉よりも高性能な勾玉。生命の輝きが奉ぜられている。裏装備時の勾玉発射が連射ではなく散弾式になっている。
道返玉(ちがえしのたま)
美しい緑色をした勾玉。清廉なる光を宿し、浄化の力を持って敵を誅する。裏装備時の勾玉の最大連射数が二倍になっている強力な勾玉である。
死返玉(まかるがえしのたま)
生玉を強化したような性能の武器。道を違えた悪しき魂を黄泉へと送り、死を司る。裏装備で広範囲に攻撃できる。
八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)
終盤のとある店に売っている最強の勾玉。裏装備時の連射攻撃はまるでレーザーのような威力。
荒れ狂う吹雪の力が宿っており、の力を持つ。「吹雪」の元になる。

攻撃スピードは他の神器と比べるとやや劣るが力を溜めることで溜め攻撃が使用可能で圧倒的な威力を誇る。メイン装備時は剣を振り回しての攻撃。サブ装備時には剣を背負っての突進と剣に乗っての滑空攻撃を行う。ちなみにメインとサブで別々に溜められる。
都牟刈大刀(つむがりのたち)
攻撃力に特化した神器。ヤマタノオロチが飲み込んでいた宝剣「月呼」が変化したもので、その尾より現れる。
七支刀(ななつさやのたち)
都で売られている七叉に分かれた剣。「画点」の筆業を使うことが可能で、攻撃力も都牟刈大刀よりも高い。
草薙剣(くさなぎのつるぎ)
魔を滅ぼす力を備えた新緑の刃を持つ聖剣。キュウビの九支刀が変化する。
八握剣(やつかのつるぎ)
八手の戦神の振るった神剣。「画点」の筆業を使うことが可能で、その攻撃力は最強クラスである。
天叢雲剱(あめのむらくものつるぎ)
全盛期のヤマタノオロチの尾から出た最強の剣。空に閃く雷光を纏いし聖剣で、他の剣とは比較にならない攻撃力を有し、刀身にはの力を秘めているので「迅雷」の元ともなる。

幸玉と能力強化

アマテラスは人々の信仰心、神への感謝の気持ちを得ることで能力を強化する。具体的には困っている人を筆調べで助けたり、動物に餌をやることで「幸玉」を得ることができる。幸玉はRPGにおける経験値のようなもので、これを使って各能力値を伸ばすことができる。

用語

筆しらべ
アマテラスが持つ十三の力。自然を操り、生き物を癒すことも妖怪を滅することも出来る、いわば神通力。詳しくは上述
天道太子
神の旅に同行し、神の姿や戦いを絵に写し取り、人々に信仰心を説いて回るコロポックルの絵師「神仰伝道師」の最高の称号。人々の信仰心が薄れると神の力が弱まるため、神とも人とも交信できる精霊コロポックルがその一族の中から天道太子を選び出し、両者の橋渡しとなっている。コロポックル一族の中でも、最も絵の技量に優れる者のみがなれるらしい。コロポックルの一族の若者は幼い頃より絵画の技術習得を義務づけられており、それに嫌気をさしてコロポックルの里より抜け出す者もいる。
百年前のアマテラス(白野威)の旅に同行した天道太子はイッスンの祖父であるイッシャク。そのイッシャク以上の才能を持つ故にイッスンは厳しく仕込まれたらしく、それが元でコロポックルの里から逃げ出したが、アマテラスの筆しらべに惹かれて旅に同行するようになる。
天道絵巻物
天道太子が描いた資料。物語補完から戦闘技術の紹介など幅広い。
大神降ろし
妖気で汚染されたタタリ場を完全に浄化すること。各地にある賽の芽を開花させることで可能。また、ワンランク下の「神降ろし」もある。
はぐれ珠
ナカツクニ各地に隠された宝玉。いわゆる隠しアイテム。百個すべて回収すると、次周目で「究極のご褒美」を入手できる。
陰陽師特捜隊
通称「陰特隊(おんとくたい)」。西安京を本拠地とする特殊部隊。ヒミコの命で西安京や十六夜の祠の警備を行っている。200年以上の歴史を持つ部隊だが、現隊長であるウシワカより前の代の隊長の記録が全くないという大きな謎がある。
オイナ族
カムイに住まう一族。一族全員が各々の動物の仮面を被っている(自らの守護神/動物)。また半獣半人であり、狼に変化できる。エゾフジを神聖視している。文化や言語などはアイヌ民族ネイティブ・アメリカンがモデルになっている。なお、当初は仮面をつける、という設定が無かったため、オキクルミやカイポクなどといったキャラクタの素顔がデザインされていた。因みに、「オイナ」とは、アイヌ語で「語り継がれるもの、聖伝」という意味である。
スズメ組
笹部郷でスズメのお宿という温泉宿を営んでいるスズメ達。宿の名物は温泉だが、今は枯れ果てている。
チュンジャクがいなくなったせいで現在休業中だが、元々笹部郷自体に訪れる人が少ないため、営業しても赤字続きである。

地名

ナカツクニ
本作の主な舞台となる国。豊緑な大地が広がっている。地形は本州を模したものである。また、「ナカツクニ(中津国)」とは日本神話上での日本の異称である。
神木村
長老ミカン爺を長とする小さな村。100年前まで、年に一度の神木村祭りの日に生け贄を捧げる悲しい風習があった。実際の日本地図と位置を対比すると、男鹿半島にある。サクヤ姫が宿るご神木「コノハナ様」がある。
イザナギ窟
神木村近郊にある洞窟。イザナギの功績を讃えた巨大な石像があるが、長い間放置されてきたため剣は折れ、苔で覆われている。洞窟自体は天岩戸がモデル。
天の川
「コノハナ様」内部から入れる神聖な空間。ゲーム初期ではチュートリアルの場所として使用された。ステージは巨石信仰をモチーフにしている。
花咲谷
桜の咲き誇る美しい谷。「瀧桜」というご神木が立っている。
神州平原
ナカツクニでもっとも美しいと言われる平原。東にハラミ湖、南にアガタの森があり、中央に塞の芽がある。100年前とかなり地形が変わっている。位置は、岩手県南部、秋田県南西部、宮城県北部の三県に跨っている。
ハラミ湖
神州平原の東にある湖。イザナギ神話の舞台にもなった「十六夜の祠」がある。
十六夜の祠(いざよいのほこら)
ハラミ湖の中央にある祠。かつてイザナギが振るい、ヤマタノオロチを封じたとされる宝剣「月呼」が納められている。内部は迷宮から厨房まで揃っており、多数の天邪鬼が働いている。外見からは警備が厳重そうだが実際はそうでもない。
アガタの森
木が生い茂り、奈落井川(ならいがわ)が流れている森。塞の芽がある。地理的には宮城県と山形県の県境付近。
ディレクター神谷英樹の出身地長野県松本市に、「県(あがた)の森公園」が存在。
ツタ巻遺跡
遥か昔の遺跡。中央に大きな遮光器土偶が立っている。最深部には女郎蜘蛛が待ち構えている。
高宮平(たかみやだいら)
アガタの森を抜けた先にある平原。関所、クサナギ村、笹部郷へ行くことが出来る。「風桜」というご神木があり、風神宮がある神路岳から吹き降ろす神風は妖怪をも寄せ付けない。位置は、関東平野
クサナギ村
風神宮がある村。赤カブトにより神風が止まり、妖気が満ちていた。神路岳(かみじだけ)という山の山腹にあり、高低差が激しい。位置は、神奈川県
風神宮(かぜじんぐう)
代々里見家の人間が守ってきた神社。大風車から吹く神風は妖怪すら寄せ付けない。
笹部郷(ささべきょう)
心の清らかなものしか入ることの出来ない秘境。スズメ組が宿を開いている。位置は、長野県
関所
高宮平と両島原をつなぐ場所。深い谷に巨大な跳ね橋が架かっている。地理的には、静岡県フォッサマグナ
両島原(りょうしまばら)
西安京近くの海を臨む一帯。「島桜」という塞の芽がある。東側に餡刻寺(あんこくじ)があり、沖には難破船が座礁している。地理的には、三重県沿岸部。
西安京(せいあんきょう)
女王ヒミコの治める都。以前は宝帝が、現在はヒミコに代わって摂政のツヅラオが治めている。南の庶民街と北の貴族街と分かれており、中央には美輪湖がある。位置は、和歌山県北部、奈良県南部。開発中には、舞台をヨーロッパまで広げる構想があったため出島が存在したが、和の世界観で統一するため削除された。
龍宮
オトヒメを長とする龍神族たちの城。両島原北の海底にある。天望岬の天鳴門からのみ通路が開く。龍宮の旧デザインは2種類あり、旧デザイン内では繁華街や亀の潜水艇等が存在した。
鬼ヶ島
キュウビの本拠地。日没とともに消失し、日の出で再び別な場所に現れるという島。ヒミコはこれを探し続けていたが、神出鬼没であるために時間がかかった。両島原北の沖に突如として現れる。島の周囲には強力な防壁が張り巡らされており、過去にヒミコが兵を送ったことがあったが、島に入れず制圧に失敗した。
カムイ
ナカツクニの北にある極寒の地。アイヌ語では、一般的に「神」という意味に訳されている。地形や気候は蝦夷地をモデルにしている。
ウエペケレ
オイナ族の住む村。アイヌ語では「物語」という意味。坂が多く、丘陵になっている。
ヨシペタイ
複雑に入り組んだ森。森の木から出される花粉は獣を惑わす力があり、奥にポンコタンがある。アイヌ語で「胃袋の森」という意味。
ポンコタン
ヨシペタイの奥にあるコロポックルの里。アイヌ語で「小さな集落」(「ポン」は小さな、「コタン」は村や集落)の意。
幽門扉(ゆうもんぴ)
ヨシペタイの最も奥にある遺跡。扉を開くと、違う時代の違う場所へ行けると言われているが、同時に災厄が降りかかると言われている。開くにはコロポックルの長の一族が持つ刀が必要で、イッスンの電光丸により開放すると100年前の神木村へと移動した。移動先にも帰りのための扉が出現する。
100年前のアマテラス(白野威)もイッシャクと共に幽門扉を開放して100年後(現在)のイリワク神殿に移動していた。白野威が100年前に帰る際にも、イッシャクが刀で幽門を開いているのが確認できる。
ラヨチ湖
箱舟ヤマトが沈む湖。妖怪はここから生まれ、ナカツクニ中に広まったとされる。
「ラヨチ」とは、アイヌ語で「虹」という意味。アイヌ文化においては虹は邪悪で不吉なものとされている。
イリワク神殿
大昔、オイナ族の勇者が倒した双魔神の像が奉られていた神殿。
「イリワク」とは、アイヌ語で「兄弟」という意味。
エゾフジ
カムイの中央に位置する巨峰。山麓にはイリワク神殿の門がある。プレイ中に探索するのは山麓だけなので山頂などには、行くことはできない。地図上でよく見ると、アフンパラ山と連山であることがわかる。意図的に火山活動が停止していた。
因みに「エゾフジ(蝦夷富士)」という名前は、北海道の羊蹄山の別名である。

登場キャラクター

多くの登場人物の名前や設定は、日本神話や日本の昔話から取られている。キャラクターボイスは、加工された短い音声を繋ぎ合わせた特殊な言語で、意味は字幕で表される。

プレイヤーキャラクター

アマテラス
本作の主人公である白狼。百年前のオロチとの戦いで体が傷つき肉体を失ったと言われており、ナカツクニの危機を感じたサクヤの力で、神木村の白野威像に宿り、復活する。だが元々持っていた13の筆しらべの力の全てを失い、また人々の信仰心が薄れたために現在の力は昔に比べはるかに劣っている。それでもアマテラスが歩いた場所には一時的ではあるが花が咲く。
また三種の神器(鏡、勾玉、剣)を使用した戦闘能力は並の妖怪や人間の比ではない。特に全盛期(オロチと刺し違えた時代)の頃は凄まじい力を誇る。ヤマタノオロチを倒し世界を再生するため、人々の願いをかなえ失われた筆しらべの力を集める旅に出る。
イッスンからよく「ポアッとしてる(ボーっとしてる)」と言われ、一般人とのやり取りだけでなく、敵と相対した時も、人をなめたようなとぼけた態度を取る。
だが、実際は思慮深く、イッスンの知らないところで、ある妖怪を倒すため、ひそかにヒミコと密約を交わしているなど、ある意味、人知の及ぶ存在ではない。
神器を背負い身体に紅い隈どりをしているが、これは神としての姿で、ヒミコやウシワカといった霊力の強い者、ツバキのような信仰心の強い者にはその姿は見えるが、普通の人間には何の変哲もない白狼にしか見えない。
正体を知らない人々も多く、「白毛布」や「わんこ」、「シロちゃん」、果ては「白狼斎」等、様々な呼ばれ方をする。
元となった天照大神は女神であり、また物語中で「慈母」と言われ、ヤツフサは「美しい女性」と称している。一方で、木精サクヤや尼僧ツヅラオの胸に見惚れるなど雄のような仕草もする。
「桜餅が好物」、食い意地が張っているなど言われるが、実際は体力が尽きた時に使われる異袋に取りこんでいるだけで、本当に食している訳ではなく、そのため、本来の意味での排泄もしない(無礼や無礼講などは習わない限り習得できない)。
イッスン
アマテラスの旅に同行する小さな妖精コロポックル。その祖父は神々の姿を描き写し、人々に信仰を広めた「第6代天道太子」。
べらんめえ口調でよく喋り、威勢のいい江戸っ子のような性格。北国の出身で、美人の頼みに弱く、義侠心溢るる男で情に流されやすい。
旅絵師であり、その腕前は超一流。また腰に差した宝刀「電光丸」の刀捌きも見事である。アマテラス程強力ではないが筆しらべを使うことが出来る。
アマテラスの筆しらべに魅了され、その技を盗むべく、旅に同行し、良きサポート役となる。
一寸法師がモチーフとなっているが、玉虫のような兜をかぶっているため、物語の中では、玉虫や金玉虫とも呼ばれる。
タマムシは高級工芸品の装飾にも使われ、コガネムシに類する甲虫ハナムグリカナブン)も日本では縁起物とされ、イッスンのモチーフとなっている。
「さすらいの旅絵師」と名乗っているが、超一流の腕前ゆえに厳しく指導され、どんなに上手い絵を描いても祖父に褒めてもらえず、ついに大喧嘩をし、家を飛び出した。
ある道具を装備した状態でイッスンと敵を結ぶと、敵から道具をランダムに盗みダメージも与えるが、ダメージは使う毎に微量ながら上がり続け、最終的にはアマテラスの攻撃力をはるかに超える。

重要人物

アマテラスの前にたびたび現れる人物や、一時的に行動を共にする人物。
木精サクヤ
高い力を持った精霊。アマテラスを復活させる。神木村の御神木「コノハナ様」の精霊でヤマタノオロチの邪気をも遮断する力を持っている。しかし現在は各地で勢いを増した妖怪によって、現国各地にある分身「賽の芽」の力を抑えられ、霊力の大半を失っている。御神木は桜がモチーフになっている。
衣装は桃を象って胸と尻の部分が切り取られている。衣装は二段階あり、二段階目の方が露出が多い。ゲーム内で使われることはなかったが、設定としては第三段階まであったらしく、設定資料集にはほぼ裸の姿が載っている。
大剣士スサノオ
伝説の英雄イサナギの子孫。怠け者で、すぐに見栄を張り根拠のない大口を叩く。ヤマタノオロチを封印していた宝剣「月呼」を抜いた張本人である。潜在能力はかなりのものがあったらしく、最後には自らの生まれと向き合い、自らの意思でもってヤマタノオロチと対峙。アマテラスの力を借りながらも最後は自力でこれを退治することに成功する。彼の愛剣である木刀「闘片撲(とうへんぼく)」は後にヤマタノオロチ退治の際に月の光を宿して金色になったことで霊剣「凄乃桜(すさのお)」と銘を改めた。後に最初からアマテラスの本当の姿が見えていることが語られ、一方的にアマテラスと兄弟の契りを交わす。最終決戦でも筆しらべによってその姿が浮かび上がり助力する。
酒職人クシナダ
酒造りの名手。世間知らずだが優しく、芯の強い性格の持ち主で、アマテラスにも優しく接する。かなりの美人でスサノオも彼女に思いを寄せている。彼女の雷撃酒にもイザナミの酒同様に、ヤマタノオロチを酔わせる程の力がある。クシナダは水田を持っており、日本神話のクシナダヒメも稲穂の神である。
ウシワカ
アマテラスの前に度々姿を現す陰陽師。アマテラスに不思議な予言を残したり戦いを挑んでくる。英語混じりの口調が特徴。「ピロウトーク」という笛を持っていて笛から光の刃が伸びて武器にもなり、二刀流で戦う。ちなみにピロウトークとは「寝物語」のこと。西安京に本部を置く「陰陽師特捜隊」の隊長で、神州平原にある十六夜の祠の警備をしていたが、自分の不在中に月呼を抜いた犯人を捜すことになる。
その正体は月の民。かつてタカマガハラにオロチが襲来した際、アマテラスと共に共闘した。彼が箱舟ヤマトを高天原に持ち込んだことが一連の事件の引き金となっている。アマテラスが戦い続けてる間に箱舟ヤマトでタカマガハラの戦乱から天神族を避難させることになったが、天神族は船底から湧き出し続ける妖怪によって滅亡することになり、地獄と化したヤマトの船内でただ一人生き残る。常闇ノ皇との最終戦では共闘し、最後は共にタカマガハラへ旅立つ。
ツヅラオ
餡刻寺の住職で、強大な法力を持つ妖艶な尼僧。ヒミコの代わりに摂政として西安京を治めている。
実はアマテラスが会ったツヅラオはキュウビが成り代わった偽者で、本物のツヅラオは何年も前にキュウビに殺されていた(餡刻寺裏手の井戸に未だ遺体が残っている)。その後本物のツヅラオは亡霊となってヒミコの危機を知って西安京へ急ぐアマテラスの前に現れ、アマテラスをヒミコの元へ導く。八百比丘尼がモデル。本名は「九十九尾比丘尼(つづらおのびくに)」である。
また、本物のツヅラオと偽のツヅラオの見分け方は、本物のツヅラオの首の飾りの数珠は水色だが、キュウビが成り代わって化けた方のツヅラオの首の数珠は朱色である。
女王ヒミコ
ヤマタイ一族の人間であり、西安京の女王。政治からは身を引いて宝帝に一任している。西安京の混乱を治めるため、日夜祈祷をささげている。強い神通力と類まれなる美貌を併せ持つ。
千里水晶という水晶玉を使って鬼ヶ島の出現位置を予言しようとしていたが、キュウビに殺されてしまい千里水晶も飲み込まれてしまう。しかし実は鬼ヶ島の位置を掴むために自らの死すらも計算づくの行いであった。死して魂を千里水晶に移し、キュウビの体内で妖力を吸収することで予言を成功させるが、その直後に千里水晶ともども力を使い果たし消滅した。最終決戦でも筆しらべによってその姿が浮かび上がり助力する。
オキクルミ
カムイのウエペケレに住む青年。双魔神復活によるカムイ存続の危機に際し、宝剣「クトネシリカ」を持ち出し村の外で妖怪を狩り続けている。
出会い頭は剣を交えるものの、後に共闘することとなる。人間の状態でも狼の状態でもかなり強く、氷で出来た矢の様な飛び道具や分身を作り出して攻撃をする。イッスンの素性を知っており、イッシャクの元から逃げ出した件も知っている。最終決戦でも筆しらべによってその姿が浮かび上がり助力する。
ちなみに、「オキクルミ」とはアイヌ語で「輝く皮衣を着る者」という意味であり、アイヌ神話に登場する英雄アイヌラックルの別名でもある。彼が持つ宝剣「クトネシリカ」はアイヌユーカラ(神謡)に登場する宝剣の名前である。
ピリカ
カイポクの妹。オイナ族の幼い少女。ケムシリ爺を凌ぐほどの霊力を持つがためエゾフジの「山興し」に欠かせないが、双魔神が暴れ始めたのと同時期に行方不明になっている。実は夢に現れたフクロウに導かれるままに幽門扉を通って100年前の世界に行き、ヤマタノオロチに心を呪縛されていた。ちなみに「ピリカ」とはアイヌ語で「美しい、可愛い」の意。
英雄イザナギ
百年前、白野威と共にヤマタノオロチを封印した英雄であり、スサノオの先祖。スサノオと同様、精神統一と称した居眠りや自信過剰癖がある。だがその実力は本物であり、剣術以外にも刀を操って飛ばしてきたりと、多少ならば妖術も使用可能である。その持ち前のタフネスさは尋常ではない。愛剣である木刀「撲燃刃(ぼくねんじん)」はヤマタノオロチ退治の際に月の光を宿して金色になり、ヤマタノオロチを封印して宝剣「月呼(つくよみ)」と呼ばれるようになった。
白野威(しらぬい)
毎年、神木祭の満月の夜が近づくと神木村に現れていた白い狼。ヤマタノオロチの使いとして、生贄を品定めしているなどと村人から忌み嫌われていた。100年前、英雄イザナギと共にヤマタノオロチを討伐し、命を落として村の守り神として奉られている。
100年前のアマテラス自身であるが、ヤマタノオロチ退治の伝説とともに広く知れ渡っている白野威と現在のアマテラスが同一存在だとは終盤まで気付かない登場人物も多々いる。
現在のアマテラスと区別するために、絵巻で100年前側が「初代」と書かれたり、全盛期の頃と同じ姿になった状態のアマテラスが曲名などで白野威と称されている箇所がある。
あるボス戦で、共に戦うことになるが、その力は非常に強力。筆しらべ中、黄色い墨で1回ずつ3種類の筆業(疾風、輝玉、一閃の順)を使い、その性能はアマテラスを遥かに凌ぐ。若き頃のイッシャクを相棒としていた。
イッシャク
ポンコタンの里長であり、イッスンの祖父。第六代天道太子。自称・伝説の剣士。カブトムシ型の兜をかぶっていて宝刀「電刃丸」を持っている。百年前に白野威と行動を共にした相棒。カムイでは、コロポックルを頭に乗せた狼の白野威がヤマタノオロチを退治したという伝説から、コロポックルを頭に乗せた動物を「コロポックル宿し」と呼んで特別視する風習も生まれている。現在は盲目になっているがアマテラス達が双魔人を退治した後は目が見えるようになるまで回復している。

各地で出会う人物

神州平原周辺

長老ミカン爺
神木村の長老。間が抜けたところも有るが誰よりも村を愛する人物。頭に蜜柑を乗せている。村の御神木であるコノハナ様が枯れたことを気にかけている。現在禁酒中。
一子相伝の秘技真神楽の継承者であり、花咲爺の師匠。葉が茂ったコノハナ様にアマテラスの力を借りながら花を咲かせることに成功する。その際、末期のと称し、禁酒の誓いを破って幻の酒「益荒男(マスラオ)」を一気飲みする。
ミカン婆
長老の奥さんで長老をいつも支えている。最近の悩みは物干しざおが無くなってしまい洗濯が出来ないこと。桜餅を作るのが得意で、夜に彼女の元に訪れると作る。作る様はストリートファイターシリーズの豪鬼の瞬獄殺のよう。
ムシカイ
いたずら好きな少年。ハヤブサと言う犬を飼っており、何かとアマテラスにハヤブサとの勝負を持ちかけてくる。初期稿では「ハナタレ」という名前だった。
ムシカイの母
女手一つで畑を守り抜く強い女性。なぜか頭に弥生土器を乗せている。自分の畑を荒らす者には容赦なく鉄拳制裁を加える。開発中には「チュートリアル親子」と呼ばれていた。
ハヤブサ
ムシカイの愛犬で、彼とは無二の親友。大根9本を連続で掘り出した記録を持っている。
その正体は里見八犬士の一匹、忠狗。本物のハヤブサは、ムシカイの父親と共にアガタの森を散歩中に妖怪に襲われ、二人とも殺されていた。居合わせていた忠狗は本物のハヤブサに、主の子が満月の夜に矢によって死ぬという予言と共に「主の子を頼む」という遺言を託され、二人を助けられなかったことへの罪滅ぼしとして、ハヤブサとしてムシカイと共に生活している。満月の夜になると予言回避のためにムシカイの言に背いてでも野外から周囲を警戒していた。同じ甲斐犬であったため、彼が気付くことはないと考えていたようだが、ムシカイは今のハヤブサが本物のハヤブサではないと気付いていた。
ネムリ
玉乗りをしながら眠る器用な熊。玉が大好きで、新しい玉を見つけると飛び起きる。
タマヤ
神州平原の花火職人。情熱とノリだけで作品作りに挑み、如何なる失敗も恐れない。花火に向けられた情熱は凄まじいが、祭りが終わると抜け殻の様になってしまう。
彼の作る「真夜中の爆裂ボォイ(技名としては「大輪一番星 真夜中の爆裂ボォイ の舞」)」は普通の花火を幾つも打ち上げながら中心には猪鹿蝶の絵柄を時間差で打ち上げる「怒エラい」花火である。
名も無き男
神州平原の花咲谷入口の前に住居を構える陶器職人。タマヤのように陶器制作に熱が入っている。物語が進行するに連れ、最大5つの陶器を造ってくれる。物語後半に入るとアマテラスを「白狼斎(はくろうさい)」と呼ぶようになる。また、彼が造った陶器を神州平原のある場所に置くと、大量の幸玉が手に入る。
ミカヅキ
神州平原のハラミ湖にある十六夜の祠を管理する神官。真面目ながら臆病である。アマテラスに妖怪退治の依頼書を配るように頼む。
カリウド
アガタの森に住む猟師で、コカリの父。狩りだけではなく魚釣りも得意で、息子のコカリにはたくましい男になって欲しいと思っている。カリウドの名は狩人に由来。
コカリ
カリウドの息子で、梅太郎の飼い主。梅太郎とは硬い絆で結ばれている。釣りの才能があり、その道を歩んでいく。
あるイベント後は梅太郎と共にアガタの森から旅立つが、終盤で少し成長した彼と再会できる。
梅太郎
コカリと厚い信頼関係で結ばれている勇敢な犬。よく妖怪などに食べられる。
かつて、森で妖怪と戦い、負傷したところをコカリに助けられる。その正体は里見八犬士の一匹、仁狗。
ぼくせんババ
アガタの森内の洞窟に住まう老婆の占い師。鑑定料を払うと攻略のヒントを教えてくれる。
イダテン
神州平原を常に駆け回っている飛脚。アマテラスに幾度なくレースを持ち掛ける。
長老ハッサク
百年前の神木村の長老。イザナギが年に一度の村の祭りに家から出て来ないことに激怒する。
ハッサク婆
百年前の神木村に住むハッサク爺の妻。ミカン婆との容姿の違いは服装と頭部に乗せる果物だけである。
イザナミ
百年前の神木村の酒職人の女性。ヤマタノオロチの百人目の生贄。イザナギと白野威の活躍により、彼女の召し取りは阻止される。クシナダとは容姿が瓜二つ。その八塩折之酒にはヤマタノオロチを酔わす程の力があった。
ナゾカイ
百年前の神木村の少年。アマテラスを生贄の選定に来ていると思い込み、殴りかかろうとする。ムシカイ(現代)とは瓜二つだが、ムシカイが虫(トンボ)に紐を括りつけて飼っているのに対して、ナゾカイは遮光器土偶の頭部のような浮遊する謎の物体を飼っている。

高宮平周辺

オオツチ
土竜愚連隊の隊長を務めるモグラ。大の悪戯好きで、子分たちとつるんで通行料として金銭を要求したり、茶屋の主人が大事にしている湯呑みを奪ったりしている。
コツチ
オオツチの子分にあたるモグラ。4匹いるが、どれも同じ呼び名らしい。
備後(びんご)
高宮平でダウジングを行っているトレジャーハンター。ここが有望だと言って、一定の場所を徘徊している。
舌切り婆
昔話「舌切り雀」のおばあさんがモチーフ。原作通りの嫌な性格をしている。月の光を浴びると力が漲ると言っているが、正体は姑獲鳥であり、捕まえた動物を食していた。
舌切り爺
昔話「舌切り雀」のおじいさんがモチーフ。原作では善人だが、大神においては舌切り婆に輪をかけた悪人であり、舌切り婆同様烏天狗が化けている。
ジャンバ太夫
スズメ組のボス。娘のチュンジャクを溺愛している。いつも「ヂュン」としか言わず、その意味はお付の雀が恐れながら説明してくれる。
春雀(チュンジャク)太夫
ジャンバ太夫の愛娘。スズメのお宿の看板娘で、舌切り爺と婆に捕まっていた。イッスンには口が悪い。
タイジャン
竹ノ介という犬を拾い養っているスズメ組の一員。
竹ノ介
タイジャンの飼い犬。その正体は里見八犬士の一匹、義狗。
竹取翁
「竹取物語」に登場する竹取の翁がモデルのキャラクター。クサナギ村で竹細工を作り、生計を立てている。自宅はクサナギ村にあり、その周りには竹が生えている。とても涙もろく、笹部郷に来ることのできる数少ない人間。
カグヤ
美しい金色の髪を持つ女性で、竹取翁の娘。翁の使いで西安京に竹細工を売りに来ていたが、エキビョウが操る宝帝に召し取られ、屋敷の牢に捕らわれていた。
正体は月の民。自分の出自を知り、月に帰ることを竹取翁に告白するが、翁は最初から彼女が月の民であることを知っていた。最終的に、笹部郷に埋まったロケットで月へと帰ってゆく。
竹取翁共々涙もろい。モデルは「竹取物語」のかぐや姫。
フセ姫
クサナギ村の風神宮を守る里見一族の巫女で、犬の耳を模したような髪型をしている。普段は優しいが怒ると怖い。
八犬士が言うことを聞かないのが悩みらしいが、赤カブト退治の後に、クサナギ伍を鍛え上げる。
八犬士
里見家に代々仕えて仁、義、礼、智、忠、信、孝、悌の宝珠をそれぞれ持つ犬。八犬士はフセ姫と同様に、『南総里見八犬伝』がモチーフとなっている。それぞれ犬種が決まっており、仁狗は豆柴、義狗はシベリアン・ハスキー、礼狗はポインター、智狗は日本スピッツ、忠狗は甲斐犬、信狗はボクサー、考狗はコリー、悌狗は土佐犬となっている。義理堅いが、わがままでマイペースなので、フセ姫を困らせている。その内の三匹がハヤブサ、梅太郎、竹ノ介としてそれぞれの道を見つけたため、新たにクサナギ伍(ファイブ)が結成された。設定当初は、犬を模した人間だった。
ヤツフサ
フセ姫の夫で風神宮の神主を務めていた。赤カブトとの抗争の末、命を落とし、風神宮をねぐらにする自縛霊として登場している。最愛の妻が心配で成仏出来なかった様。視力を失っているが心に姿形を感じることが可能で、アマテラスは美しい女性の姿として映った。
ハルカ
クサナギ村の宿に宿泊していた女性。妖怪に両親を殺害され、それから薄幸な生活が続き、自殺を考えていた。アマテラスに「仇討ち血判状」を託す。

両島原周辺

ハヤテ
両島原を走り回っている飛脚で、イダテンの弟。イダテン同様、アマテラスに勝負を持ち掛ける。
イナバ
両島原にいる「動物好きの男」が飼っているウサギ。白と黒の毛色をしている。因みにエンディング時のスタッフロールで製作指揮の稲葉(イナバ)敦志の名前が表示された際に、何気なく登場している。
ナグリ
都のほとんどの建物を手掛けた、腕利きの大工。疫病にも負けない体をもった、数少ない人物。ナグリはゲンノウと同様に金鎚(カナヅチ)の俗称。
桃太郎
「お遊び」の鬼退治の仲間を探しているらしく、アマテラスもスカウトされる。背中に「一日一個」と書かれた旗を背中に差している。ちなみにこの旗は、準備稿では血糊がついたデザインだったり、内容が「一日一殺」や「天下無双」と書かれたデザインだった。また、アマテラスを率いて鬼ヶ島に乗り込むというイベントが企画されていたが、結局廃案となった。
花咲爺
西安京に居を構え、桜並木の手入れをしている老人。頭部に桜が咲いている。神木村のミカン爺から秘技「椿神楽(ちんかぐら)」を伝授されている。
ベンケイ
自分の武術を試すため、腕の立つ武人に勝負を挑みその武器を奪いながら全国を回っている破戒僧。記念すべき千本目に西安京の湖にいるという「生きている太刀」と勝負しようとしている。アマテラスの「釣り」ミニゲームで生きている太刀の正体「太刀魚」を釣った後、その正体に白けて刀はどうでもよくなり、釣りに熱中するようになる。
ヤマネコ
西安京唯一の料亭「山猫亭」の亭主。ネコ顔。大竈に火を付けようと必死になっている。
流行衛門(はやえもん)
西安京の呉服屋の店主。店先の柳並木に幽霊が出るという噂を流した本人。作業場で新作のアイディアに困っている。
三太(さんだ)
西安京庶民街の柳並木に現れる幽霊。生前に雷に打たれて死んだため、電流をまとっている。幽霊となって暇を持て余していたが、あるイベントで必要不可欠な存在となる。
スリの早蔵
西安京の庶民街を騒がせているスリ。夜間にのみ活動し、通行人の所持品を掏っている。アマテラスに発見されると、自分の行動を自慢げに語る。かなりの駿脚の持ち主であると同時に分身の術まで心得ており、筆調べを使わないと捉えることが出来ない。
真澄
各地を旅している侍。常に「斬ル目録」という妖怪手配書をもっており、昼間は勿体つけて見せてはくれないが、夜間に西安京の山猫亭で泥酔している彼に話しかけるとあっさりと見せてくれる。
桜子
西安京庶民街の西側に住む女性。病弱な父親と暮らしており、父親は舶来の香草調合薬「神粉」でしか治せない病気にかかっていた。しかし水龍が両島原で暴れていたために貿易船が途絶えたことにより価格が高騰し、手を出せないでいた。
おっ父
桜子の父親。本名不明。不治の病のため寝たきりでいたが、アマテラスの救済により回復した。しかし、それとは別に「桜が咲き続ける限り寝食を忘れて踊り続ける」という不治の病を持っている。
アベノ
陰特隊の新人隊員。入隊早々、隊員の証である仮面を掏られてしまう。ウシワカに憧れている。
カモノ
陰特隊の隊員であり、アベノの先輩。ウシワカ邸の警備を担っている。ウシワカに忠誠を誓っている。
阿国
西安京貴族街に住む女の子。水龍に関する歌をうたっている。
ゲンナイ
西安京貴族街の五重塔の最上階に隠居している発明家。相対性理論からくりの研究を行っている。初期は女性という設定だった。
宝帝(たからのみかど)
西安京の事実上の為政者。大柄で大量の金品を身につけている。以前に原因不明の病に倒れて以来、病床に伏している。妖怪エキビョウに取り憑かれ、西安京に充満していた謎の霧の原因となっていた。後にアマテラス達の活躍でエキビョウが倒された後、無事回復する。エキビョウ(疫病)に取り憑かれるという役柄故か、衣装にはバイオハザードのシンボルが印されている。
ウミネコ
両島原北にある料亭「海猫亭」の亭主。ヤマネコ同様にネコ顔である。調理場でカジキマグロと奮闘している。
漁師ウラシマ
子供達にいじめられている漁師。なぜかタライをはいて(?)いる。龍宮へ行ったことがあるらしい。実は龍宮に行ったために不老の身体となり、子供のままで数十年生きてきた。後にアマテラス達が龍宮から持って帰ってきた「玉手箱」で本当の姿(老人)に戻る。母とされる老婆と同居しているが、実はこの老婆は彼の妻で、事実上ウラシマとほぼ同年齢である。
シャチ丸
龍宮の使いであるシャチ。両島原北海域で龍宮に行く資格のある者を待っていた。ウラシマを龍宮へ連れていったのも彼である。水龍を凌ぐほどの泳力を持っている。
オトヒメ
龍宮の長を務める美しい女性。夫であるワダツミの死後、龍王の地位を継ぐこととなる。後にアマテラス達がキュウビを追って鬼ヶ島へ向かう際に、島の結界を破るために自ら水龍の姿に変身して島への架け橋になった。実はワダツミとの子を身籠っており、エンディングのスタッフロールで子供が無事生まれた事が描かれている。
龍王ワダツミ
オトヒメの夫で、第27代竜神族族長。竜神族に伝わる秘儀により、水龍となり海を守っていたが、妖魔王(キュウビ)の妖力の強大さに太刀打ちしきれず、妖魔王から妖器「キツネ管」を奪うも心を狂わされ、両島原海域を荒らしまわる暴龍となってしまった。最終的にアマテラスによって鎮められたが、その直後に息を引き取り、両島原の海底で深い眠りについた。
踊り子隊のリーダー
枯れてしまった泉(漫遊泉)を復活させようとしている踊り子隊のリーダー。本来この泉は龍宮から地上の各地を見守る窓のようなものなのだが、各地へお忍びで旅する手段になるように勝手に改造した。

カムイ

カイポク
オイナ族の女の子。イッスンの幼馴染で、オキクルミの良き理解者。正義感が強く、村を飛び出していったオキクルミを心配している。
アイヌ神話上でのカイポクとはオキクルミの妻となる女神である。
サマイクル
オイナ族随一の戦士で、現村長。妖怪達から長老を守っている。言い方はきついが心根は優しい性格。読書研究が趣味である。サマイクルはアイヌの英雄のこと。北海道では、地域によって伝承が異なるが、オキクルミとは兄弟、相棒、隣村の村長同士などとされ、北海道北部では、サマイクルは愚か者、オキクルミは勇猛な神とされ、南部ではその逆と伝わっている。
トゥスクル
オイナ族の女性祈祷師。なぜか仮面の上に梟を二羽乗せている。イリワク神殿の入り口、アフンパラ大門の前に住居を構える。「トゥスクル」とはアイヌにおけるシャーマンのことである。設定初期では「オモヒカネ」(日本神話に登場する知恵の神オモイカネが由来)という名前だった。
ケムシリ爺
オイナ族の長老で、元は村長を務めていた。狸に対して異常な愛着を持っている。イッスンとは面識がある。かつて「山興し」と呼ばれるエゾフジの火山噴火をさせる伝統行事を取り仕切っていたが、現在は霊力の衰退と双魔神の出現により、中止せざるを得なくなっている。
ワリウネクル
オイナ族の青年。自意識過剰で、いつも妖怪が自分を狙っていると被害妄想を抱いている。アマテラスに半強制的に妖怪手配書を渡す。
因みに「ワリウネクル」とは、アイヌの信仰において「人間を生み出した神」とされ、また、オキクルミの息子ともされている。
ミヤビ
ポンコタンに住む女の子であり、イッスンの幼馴染。イッスンが第七代天道太子になることを願っていた。ピリカが行方不明になった理由を知っている。
イッカン
ポンコタンの落款職人。落款を作るというが、高額を提示してくる。筆しらべで模様を描いて、作業場を出ると、エンディングにて作った落款が登場する。

天神族

マルコ
天神族の亡霊。箱舟ヤマトでアマテラスとの再会を喜んでいた。行商人と牙商人の両方を兼ねている。
スサド
天神族の亡霊。箱舟内で妖怪に殺害された後もアマテラスに真実を伝えるべく亡霊となって現われる。
アズミ
天神族の亡霊。ヤマト墜落の経緯をアマテラスに伝える。
ハクバ
天神族の亡霊。ウシワカの正体を語る。

その他

各地を移動する人物など。

サザンカ
妹のツバキと旅を続ける女性。先祖はナカツクニ中に「賽の芽」を植えてまわったとされ、先祖の故郷の国を探している。何にも頼らない逞しさを秘めたクールな女性。旅の道中、神木村に立ち寄ることとなる。ある理由から神霊に否定的な考えを持っており、その存在をなかなか信じない。設定当初は男だった。
ツバキ
サザンカの妹。サザンカとは大分歳が離れておりその性格は純粋無垢でいかにも子供らしい。性格は正反対の姉妹だが仲は良い。
また、アマテラスの本当の姿(白い狼ではなく、隈取と神器のある姿)とイザナギ窟への入り口を見ることが出来る。
小柄鬼斬斎(こづか おにぎりさい)
小柄流の頭首で武術の達人。ナカツクニ各地に道場を開いているようで、旅の先々で出会うが経営難であるらしく、勧誘めいた伝言板を道場前に設置している。普段はとても温厚な性格と顔付きだが、ひとたび武術を伝授する段になると頭部が回転・顔が反転し、ビューティフルジョーの如く武術の鬼となる。またその際には、炎を象った模様が道着に現れる。
ヨイチ
本職は西安京の警備兵。リンゴが大好物。自分の弓の腕前を持て余し、それを活かしてもっと楽に生きたいと考えている。
クニヌシ
スサノオとクシナダの息子。当初はエンディングに登場する予定だったが、作中ではエンディングイラストに描かれているのみ。スサノオ似だが、3歳にして剣術の達人で若ハゲという設定。続編に当たる「大神伝 ~小さき太陽~」では主人公チビテラスの相棒として登場している。ただし、本作制作時点でデザインされていた容姿とは大きく異なり、若ハゲでもなくなっている。

妖怪

ボスキャラクター

女郎蜘蛛(じょろうぐも)
ヤマタノオロチの手下で、ツタ巻き遺跡をねぐらにする妖怪。腹部を巨大な花に擬態して、寄って来た獲物を貪る。
アマテラスとはデビルメイクライ3でのダンテとケルベロスの戦いを彷彿とさせるやり取りを繰り広げる。
赤カブト
ヤマタノオロチから流れ出た血より生まれた大妖怪。百年にも渡り風神宮の宮司と戦いを繰り広げた高宮平の妖怪の首領で、体の内は猛々しい炎が燃えさかっている。ヤマタノオロチの火の首と同じ甲冑を身にまとっており、甲冑を外すと炎に包まれた本体があらわになる。神風を止め、クサナギ村に妖気を撒き散らした。ヤマタノオロチの炎の首のようなものを8本立ち昇らせることができる。
ヤマタノオロチ
星の海から飛来してタカマガハラを襲った大蛇。炎、闇、風、水、雷、光、毒、土の8本の首があり、それぞれに意思がある(炎がリーダーであり、雷が若干抜けている)。
強力な結界を有していて通常の攻撃を受け付けない。アマテラスとの戦いの中で共に下界に落ち、十六夜の祠を根城にした。200年前から満月の晩の神木祭の日に、神木村の生贄を毎年1人ずつ喰らい百の生贄を喰らうことで常世の神たらんとしたが、100年目となる100年前にアマテラスとイザナギによって8本の首を斬られて宝剣「月呼」によって封印された。
その100年後の現代、イザナギの子孫スサノオが宝剣「月呼」を抜いたことにより復活するが、妖力は封印中に100年前より募らせていたものの、真の力は封印されたままになっている(作中では真の力を発揮する100年前のものを真ヤマタノオロチと表記)。真の力の解放にはイザナギの血を継ぐ者との血盟が必要になるため、復活後も夢枕でスサノオを誘惑し続けていた。アマテラスとスサノオによってイザナギ神話の再現のように倒されるが、その体から4つの怨霊が四方に飛び立った。ヤマタノオロチも常闇ノ皇の闇の流れの一部であるという。
スタッフは圧倒的な存在感から、設定中には「もう最終ボスでいいんじゃないか」という案が出されていたと語っている。
エキビョウ
宝帝の体内に巣食い、都に原因不明の病を流行らせていた妖怪。妖刀「金釘(かなくぎ)」にヤマタノオロチから飛び立った怨霊の1つ(壱悪鬼)が合わさっている。無数の刀や矢が刺さった武者の姿をし、手にした妖刀「金釘」を振るい目にも留まらぬスピードで攻撃してくる。本体である妖刀「金釘」を破壊されると再び怨霊が飛び立った。エキビョウは疫病のこと。
キュウビ
妖魔王を名乗る大妖怪。神出鬼没の城塞「鬼ヶ島」を根城とし、西安京の摂政ツヅラオを暗殺してその姿に化け、エキビョウと共に両島原を攻め落とさんとしている。両島原の海中にある龍宮に侵攻するも龍王ワダツミに妖器「キツネ管」を奪われ、本来の力を発揮できなくなっていた。
卑弥呼の決意を知っていたアマテラスから「キツネ管」を取り戻した後、古井戸の通路を通じてヒミコのいる宮殿に侵入しヒミコの命を奪った。その直後にやってきたアマテラスと狐の能面を被ったツヅラオの姿(名前は「化け九十九尾」)で交戦した後、体制を立て直す為に鬼ヶ島へを逃走する。
アマテラス同様、筆しらべの神通力を持ち、筆しらべを使用すると邪魔をしてくる。といってもアマテラスには及ばず、使える筆しらべは数種類程度(輝玉、氷嵐など)。しかしキュウビ自身は「神をはるかに超える通力」と思っている。また九支剣を使用する。神を気取っているのか白味掛かった体に隈取りの様な模様、角張った肩と足の飾り(アマテラスのものは丸い)を持ち、筆神のような星座に宿った登場を演出してみせた。
前述した「ツヅラオ」は右目が髪で隠れていたが、これは、化けていたキュウビの右目が潰れているためである。正体は古狐であり、ヤマタノオロチから飛び立った怨霊の1つ(弐悪鬼)の宿る狐の面によって九尾と化していた。またエキビョウが滅んだ後、狐の面には壱悪鬼も宿している。キュウビが倒れると2つの怨霊は北方に飛び立った。
双魔神モシレチク・コタネチク
その昔、カムイの英雄によりイリワク神殿に封じられた双子の魔神。その姿から黄金魔神モシレチク、白銀魔神コタネチクと呼ばれる。カラクリ仕掛けのフクロウの様な姿をしている。ヤマタノオロチから飛び立った怨霊(参悪鬼、肆悪鬼)が宿り復活した。後に壱悪鬼と弐悪鬼もそれぞれ宿っている。カムイを氷漬けにしようと猛吹雪を吹き荒れさせ、エゾフジの火山活動を止め、噴火の儀式が可能なピリカの夢にカムイの守り神であるフクロウの姿で現れて幽門扉から100年前のヤマタノオロチの元へ追いやった。時間を操る力があり、モシレチクが時を止めている間にコタネチクだけが動いて攻撃、コタネチクが時の流れを遅くしてモシレチクだけが通常行動(相対的に高速行動)という連携が可能。戦闘はコタネチクとは白野威とのタッグ戦、双魔神とはオキクルミとのタッグ戦となる。
モデルはアイヌの伝承に登場する魔神で、「モシレチク・コタネチク・モシロアシタ・コタネアシタ」とも言われる。本ゲーム内の設定では、両者の名を繋げると意味をなし、「時を刻むもの」や「月の歯車」など様々な解釈があるとされている。オイナ族の中ではその名を口にすることすら禁じられ忌み嫌われている存在で、正確な意味は失伝している。
スタッフ曰く、「明治」をモチーフにデザインした様。
常闇ノ皇(とこやみのすめらぎ)
災厄の元凶であり、箱舟ヤマトに潜む暗黒の君主。本作のラストボス。大神設定画集には「デザインしたときは空亡と言う名前で、実際にいた妖怪だ」「百鬼夜行絵巻のラストで妖怪を押し潰す最強の存在」と書かれているが、正確には空亡とは「干支において天が味方しない時」である(天中殺を参照)。また、百鬼夜行絵巻のラストにそのような存在は無い(百鬼夜行絵巻を参照)。
数多の妖怪を率いる大妖怪、というより妖力そのもののような存在であり、無機質で機械のような印象を与える。ゲンナイによれば正体不明のガラクタを組み合わせて作られるナカツクニの全てのカラクリの祖は常闇ノ皇に行き当たるという。球体内部には胎児のような姿の本体がある。
アマテラスより神としての力である13種の筆しらべを奪う。基本的に球体だが5種類形態が存在し、各形態ごとに倒す必要がある。各形態につき入手した順に3つずつ筆業を取り戻しながら戦う。開発中期の構想においては月宮殿で登場し、ロッサムという名前だった。
AC/Wii『タツノコ VS. CAPCOM CROSS GENERATION OF HEROES』にラストボスとして登場。原作の戦闘場面で流れる「太陽は昇る」も原曲のまま使用されている。

雑魚キャラクター

天邪鬼(あまのじゃく)
ゲーム序盤に出現する妖怪で、音楽をかき鳴らす。敵として登場するほかに行商人や料理人、果ては見張りや台の上げ下ろしまで様々な役割の者がいる。アマテラスをただの狼と勘違いするなどの間の抜けた言動を見せたり、自分が雑魚であることを理解していたりと、戦闘時以外は愛嬌のあるキャラクターとして描かれている。笛を持つ「緑天邪鬼」、琵琶で防御する「赤天邪鬼」、大きな太鼓を背負い土の中に潜る「黄天邪鬼」、凧を背負った「青天邪鬼」、髑髏を身に纏わせた「黒天邪鬼」がいる。
地蔵
両島原に出現する妖怪。「首無し地蔵」「捨鐘地蔵」「光背地蔵」「首刈り地蔵」の4種類がいる。
なまはげ
カムイ到達以降に出現する妖怪。強さは天邪鬼とあまり変わらない。戦闘時には奇声を発しながら襲いかかる。また、実際のなまはげとは性格が正反対であり、善人を攫っていくといわれている。「唐傘」「出刃」「桶」「号砲」の四種あり、それぞれ天邪鬼がベースになっている。
埴輪
100年前の神州平原に出現する、埴輪の形をした妖怪。「埴輪戦士」「埴輪武者」「埴輪鼓舞」「埴輪大凧」「埴輪将軍」の5種類がいる。
輪入道(わにゅうどう)
車輪の形をした妖怪。それぞれ、目、鼻、口、耳を模ったものがあり、炎を纏った「朱目輪入道(あけめわにゅうどう)」、氷を身にまとった「氷唇輪入道(ひょうしんわにゅうどう)」、電気を帯びた「雷耳輪入道(らいじわにゅうどう)」、風をまとった「天狗輪入道(てんぐわにゅうどう)」がいる。
雲外鏡
宝帝の屋敷内にのみ出現する鏡。輪入道に似ているが、鏡面に人の絵柄が映っている。炎をまとい歌舞伎役者が映った「烈火雲外鏡(れっかうんがいきょう)」、氷をまとい芸者が映った「冷艶雲外鏡(れいえんうんがいきょう)」、雷を帯びた「轟雷雲外鏡(ごうらいうんがいきょう)」 、風をまとった 「陰風雲外鏡(いんぷううんがいきょう)」がいる。
鎌鼬(かまいたち)
炎、氷、雷の3種を合わせもった妖怪。攻撃する度に、タイプが変わる。
二郎丸・三郎丸
難破船に巣食う妖怪。甲羅をつけたカニのような姿をしている。手塚治虫の『どろろ』に二郎丸・三郎丸と名づけた二匹のサメの妖怪を操る、「サメになりたい」という願望を持つ少年、不知火が登場し、そのオマージュとなっている。
一郎丸
二郎丸と三郎丸が合体したもの。サメのような姿をしている。アマテラスを見つけると跳躍して押しつぶそうとする。
袋狢(ふくろむじな)
とある場所で戦える妖怪。ムジナだが女郎蜘蛛に酷似している。倒せば袋狢が所持する財宝が手に入るという。
さらにある条件を満たしてからもう一度行くと、「百鬼夜行(連続羅城門)」が発生する。
骸金魚(むくろきんぎょ)
空中を浮遊する不気味な金魚の妖怪。筆しらべで地上に落とすと、突進攻撃を仕掛ける。
鬼灯(ほおずき)
その名の通り鬼灯の実のような妖怪。怯ませてから「桜花」をすると核が出現する。
(ぬえ)
釜のような姿をした妖怪。基本的に鬼灯と同じ。
烏天狗(からすてんぐ)
骸金魚のように空中を舞う妖怪。一閃すると刀で防御する。
姑獲鳥(うぶめどり)
烏天狗に似た妖怪。番傘を開くと、どんな攻撃も無効となる(破魔札は例外)。
青入道
常に中空を飛びながらアマテラスを追尾する一つ目入道の妖怪。咥えているキセルの火が消えると、怒りが静まるまでは手が付けられないほど攻撃的になるがキセルに火を灯すと怒りを忘れてしまう。また、攻撃系の筆技はすべて無効になる。
大天狗
巨大な赤い仮面を被った妖怪。青入道と同じくかなり遅い速度で頭上を旋回しているが、時間が経過すると突然、仮面をとり太陽器の三分の一を削る猛攻を加えてくる。通常は単体で闘うことになるが、ある場所では複数を相手にすることになる。
赤鬼・青鬼
鬼ヶ島に出現する妖怪。これらは必ず一組で出現する。鬼と言うよりも、牛のような体つきが特徴。両者とも鬼瓦のような鉄仮面をつけており、前方からの攻撃は不可能だが、怯んだ時に一閃すると鉄仮面を粉砕できる。主な攻撃は突進と、金棒を振り回す攻撃。
牛頭鬼
カムイに出現する妖怪。赤鬼・青鬼と同様の攻撃をする。
守護土偶
巨大な遮光器土偶。月より現れたとされる妖魔。

その他

味美(あじみ)
十六夜の祠内の厨房で料理長を務める「味天邪鬼」。ヤマタノオロチの前菜調理を担当する。前菜調理中に誤って、熱湯の入った大鍋に落ち、後にアマテラスによって救われる。アマテラスに前菜の材料の調達を依頼する。厨房の同僚にはあまりよく思われておらず、大鍋に落ちたことを知っていながら見て見ぬふりをされる。
疾飛丸(はやとびまる)
鬼ヶ島で出会う番人の妖怪。札のような外見でアマテラスに速駆け勝負を仕掛けてくる。
喋りは下町の江戸っ子のようで、人情味のある熱い性格。途中からアマテラスに惚れ込み、番人としての役目を放棄したため、一輪の花となって消滅する。
答選坊(とうせんぼう)
さまざまな場所で出てくる白塗りの巨大な壁の姿をした妖怪。刀で斬ろうが、大筒を撃とうがまったく受け付けないが、経絡鬼孔(けいらくきこう)という弱点を順番通りに突けば一撃で倒せる。ゲーム内に登場する答選坊は全て別人であり、血が繋がっている。無敵である一族のものを倒したアマテラスは答選坊一族から「四足ノ白イ悪魔」と呼ばれるようになった。鬼ヶ島の答選坊はその無敵の防御から鬼ヶ島の影の支配者を名乗っている。またカムイに居る漢壁(かんぺき)という名前の答選坊は、「四足ノ白イ悪魔」の襲来に備えて経絡鬼孔を鍛えに鍛え上げた一族最強の答選坊である。

Wii版

移植はレディアットドーンが行い、2008年に海外(北米・欧州・豪州)で発売された(約21万本)。Wiiリモコン&ヌンチャク操作専用。プログレッシブ出力、ワイド(16:9)表示に対応したが、ハイビジョンテレビにD端子接続で表示する際、PS2版と比べゲーム全般で映像のぼやけが目立ち、字幕など読み辛くなってしまっている[要出典]。なお、ゲーム内で液晶テレビ用とそれ以外用の2種類の画面設定が選択できるがどちらを選んでも改善はされない[要出典]。オリジナルスタッフ(クローバースタジオ)は関与しておらず、海外版はエンディング後のスタッフロールがカットされた[7]。またロード中に妖怪牙を入手できるミニゲーム的要素もカットされた。

2009年10月15日に日本でも発売されたが、こちらのエンディングは完全ノーカットであるほか、カプコンの松下邦臣ディレクターによる操作性を初めとする調整がされているとのこと[8]。予約購入には特典として42曲を抜粋した音楽CD『大神 名曲集』が付属した。

関連商品

  • 書籍
    • 『大神 公式ガイドブック』 - エンターブレイン 2006年6月 ISBN 978-4757728486
    • 『大神 攻略之書』 - カプコン 2006年4月 ISBN 978-4862330482
    • 『大神絵草子 絆 -大神設定画集-』 - カプコン 2006年9月 ISBN 978-4862330888
    • 『大神フィルムDVDブック 画龍点睛』 - カプコン 2007年3月 ISBN 978-4862331205
    • 『大神 絵物語 まいごさがしとお祭さわぎ 』 - カプコン 2009年12月 ISBN 978-4862332431
    • 『大神 絵物語〈其ノ2〉北の戦士と妖怪退治』- カプコン 2010年3月 ISBN 978-4862332578
  • 音楽CD
    • 『大神 オリジナル・サウンドトラック』 - 全218曲を収録した5枚組。
    • 『大神 ピアノ・アレンジ』 - 作中に使用された曲を10曲ピアノアレンジ。
    • 『大神 名曲集サウンドトラックCD』- Wii版発売時に予約特典として同梱された。
  • 外部出演作品
  • アプリ
    • 大神伝~筆いろあわせ~ - 携帯電話にプリインストールされているミニゲームアプリ。サイト・カプコンパーティで購入可能。

脚注

関連項目

外部リンク

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