R.U.R.
R.U.R.(チェコ語: Rossumovi univerzální roboti, ロッサム万能ロボット会社)は、チェコの作家カレル・チャペックによる戯曲。1921年に発表された。この劇の発表によって「ロボット」という言葉を創り出した、歴史的作品である。
しかし、劇の内容からアイザック・アシモフがロボット三原則を使った作品を発表するまでの間、ロボット=反乱というイメージが付きまとうことになる。
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[編集] 評価・影響
作中に登場するロボットは、機械的な部品で構成された所謂「ロボット」ではなく、生体部品を使用したバイオロイドであるため、ロボットという語の初出でありながら、厳密には現代で言うところの「ロボット」は登場しない。劇中描写によると概要はこのような感じである。
●攪拌槽で人工的に化学合成された有機体(化学構造は全く異なっているにも関わらず核と細胞質のように生命活動の本体となり得る物質)を基に各器官を生成し、それらを紡績機で製作した神経や血管と合わせ組み立てる事で造られている
●完成すると機能チェックと労働を行う上で最低限必要なプログラムを入力される
●品質によって様々な等級があり最高級品の寿命は20年ほど。小型トラクター並みの力を出せる肉体労働用のロボットや知力の高い頭脳労働用のロボットがいるほか、身長3mほどの大型ロボットも試作された事があるらしい
●不良品や寿命を迎えた物は粉砕装置で処分される
●恐怖心などの感情や痛覚・味覚といった知覚は持っていない。よって生への執着もない
[編集] 物語
舞台は未来のとある孤島。そこにはロボットの工場がある。ここで製造されたロボットたちは世界中に送られ、さまざまな労働に使われていた。人々はロボットによって便利な生活をしはじめていた。
[編集] 登場人物
[編集] 序幕
ロッサム万能ロボット製作所のロボットの宣伝から始まる。
[編集] 第1幕
ロッサム社のロボット工場がある孤島に人権同盟会長の娘ヘレナがやってくる。社長のドミンはヘレナにロボットの説明をする。本作に登場するロボットは機械式のものではなく人間と同じで血が通った一種の人造人間で、知性はあるが心がない。ヘレナはスラを見て自分と同じ女性だというがドミンは否定し、ロボットである証拠を見せようと解剖室へ連れて行こうとする。ヘレナは止めるがスラは抵抗するどころかドミンについていこうとする。ヘレナはスラを解剖室に連れて行くことを阻止した。その後に工場内でロボットがどのように生産されていくかを見学し、そして、ドミンにガル博士、ファブリ技師、ハマレイア博士、アルクイスト建築士、ブスマン部長を紹介される。そこで彼女はドミンにロボットに心を与えて欲しいと願い出たのだ。しかしヘレナは逆に「(ロボットの犠牲の上に成り立つ)労動の苦しみから解放された理想世界を共に築こう」とドミンに説き伏せられ、結婚を承諾してしまう。
[編集] 第2幕
それから10年後、結婚したドミンとヘレナの間には子供が生まれなかった。いや、全世界で一人も子供が産まれなくなっていた。労働しなくても生活していけるようになった人間たちはすべてをロボットに任せ、文字通り自分では指一本上げないまでに堕落、というより退化してしまっていたのだ。そして島の幹部たちも、手を動かすのが好きなアルクイスト以外は何もしなくなっていた。そこへロボット反乱の報が入り、世界は、そして島もロボットの手に落ちてしまう。ありえないはずの事が起こったのは、ヘレナが「ロボットを人間に近づけて」とガルに頼んで魂を授けさせたせいだった。怒り狂うドミンに、営業担当のブスマンは「世界を動かすのは利潤、あなたの理想もガルの反逆も無力」と言い放つ。そしてブスマンはロボットに不可欠な人工生命製造の秘伝書を盾にロボットたちと取引しようとする。が、秘伝書は「子供が産まれなくなったのは、ロボットなんかに頼るようになったからだ」と思いつめたヘレナの手によってすでに燃やされていた。錯乱したブスマンは金でわが身の安泰を買おうとするが、最初の犠牲者になってしまう。打つ手がなくなったドミンたちは雄々しくも虚しく銃を取るが、「手を動かして働く以上、我々の『同志』だ」とみなされたアルクイスト以外皆殺しにされる。そして、ロボットたちは、ロボットの世が来たことを高らかに宣言する。
本作はもともとはここで終わりであり、以後書き足された第3幕は米英圏ではほとんど知られていない。そのため、米英圏での本作は「ロボットが人間を滅ぼして終わりの恐ろしい作品」と誤解される傾向がある。
[編集] 第3幕
それからさらに歳月は流れ、秘伝書が失われたことでロボットたちは絶滅の危機に瀕していた。世界で唯一生き延びた人間であるアルクイストは、ロボットたちから同志どころか生き神様として崇拝され、「我々を救ってくれ」と哀願されるまでになっていた。が、しょせんは元建築労働者、老いと孤独に苛まれる老人でしかない彼には何もできなかった。そんな彼の元に、ヘレナそっくりの女ロボット(二役)と若き男ロボットプリムスが派遣されてくる。
[編集] エピローグ
ヘレナを解剖(というより分解)すれば、人工生命の秘伝を解明できるかもと言ったアルクイストに対し、プリムスは「そんなことをしたら殺してやる」と脅し、ついで「なら私を代わりに解剖してくれ」と哀願する。互いにかばいあう「二人」の間に愛と魂を見出したアルクイストは、二人を祝福し、新たなアダムとイブとして送り出す。