ダウジング

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ダウジング (Dowsing) は、地下水貴金属鉱脈など隠れた物を、棒や振り子などの装置の動きによって見つける手法。ダウジングで用いられる器具にはペンデュラム・ダウジング(振り子)、ロッド・ダウジング(L字形・Y字形の棒)などの種類がある。

18世紀のダウザー

方法と効果[編集]

ダウジングでは、地下水や貴金属の鉱脈など、地表に現れていない物を探す。地下水の探索が一般的だが、油田希少金属非金属鉱物遺失物を見つける場合もある。ただし地下水については、ほぼどのような場所にも地下水は存在するため、ダウジングによらずとも他の方法による探索の方が容易であるとされている。

ダウジングをする人はダウザーと呼ばれ、歩きながら、分岐した枝や曲がった金属片、軟らかい針金、小さい振り子などを使用する。このような器具を使わない人や、地図をダウジングすることで地下水や鉱脈を見つけることができる人もいる。自称超能力者ユリ・ゲラーは、この方法で石油会社や炭鉱会社のためにダウジングで資源を採掘したと主張していたことがある。また、振り子が反応した地点から更に一方向に歩いて行き、再び振り子が反応した地点の距離を測り、その深さに目的物が埋まっているとするダウザーや、振り子のチェーンを長く伸ばし、時には建物の数階上から振り子を揺らし、反応した長さが目的物の距離とするダウザーもいる。

ダウジングが地下の水道配管や水脈、鉱脈に反応する確率は、それらの仕事に従事、もしくは専門の知識と経験則を持つ者が使用すると高確率となり、ダウジングを用いない場合であっても割り出しの発見率は同等であるとされている。また、専門職ではない第三者がダウジングを使用し、専門職、又は埋設している箇所をあらかじめ知っている者が同じ場所に同伴した場合はクレバー・ハンス錯誤による効果で発見率が高くなる他、ダウジングが反応する要因として予期意向が強く働き、不覚筋動によりダウジングが反応する事が実証されている。反面、あらかじめ使用者に対して情報を途絶させて実施した場合には、正解率は著しく低下する[1]

日本ダウザー協会会長・日本エネルギー医学協会理事である堤裕司は「ダウジングは占いや超能力ではなく技術である」と主張している。堤によれば、振り子やロッドは超自然的な力で動くのではなく、あくまで腕の筋肉により動くものである。ただしそれは作為的な力によるものではなく、水や鉱物が持つ固有のエネルギーを潜在意識が感知して、それが顕在意識を経由せずに腕の筋肉に伝わり、振り子やロッドの動きとして増幅されるというメカニズムであると謳っている[2]が明確なエビデンスは存在しない。

疑似科学の批判者であるテレンス・ハインズは、ダウジングの動きは腕の動きによるものであると批判したが[3]、堤裕司を含めて多くのダウザーは「振り子は自ら動いている」とは考えておらず[2]、対照群や盲検法を用いた実験の検証などは行っていない。

歴史[編集]

ダウジングは数千年の間に様々な形に発展してきたが、木の枝を使い生活に必要な水をさがすことがその原型であると言われる。

16世紀ドイツにおいては、金属探索のためのダウジングが地質調査の方法として確立されていた[4]。この手法はドイツ人坑夫がイギリスに渡ったことで広まった。

中世には、ダウジングは悪魔と結び付けられ、1659年イエズス会士ガスパー・スコットによって悪魔主義と宣言された。1701年には、異端審問でダウジングを用いることをやめた。

1858年、フランスのM・シュブルールが論文「占い棒、探索錘という振り子、回転テーブルについてーその歴史・批判・実験法から見て」を発表。オーストリア化学者シェヴレルは振り子による実験を行い、人間の体の動きと記憶は相関性があると説明した[5]。近年出版されたダウジングの歴史については、1979年にクリストファー・バードが記した著書The Divining Handに詳しい。

1967年頃、ベトナム戦争地雷の探知に使われ、地雷による犠牲者が飛躍的に減少したというニュースが、1967年11月付けのニューヨーク・タイムズ紙に取り上げられ、これを契機にダウジングが広く世界中に知れ渡るようになった。この時のダウジングは木の枝にレモンを刺してそれを行うと言うものだったとされる。

1973年昭和48年)12月からしばらくの間、武蔵村山市の水道担当部署では、水道管について知識及び経験が豊富な職員が武蔵村山市の組織とは無関係に個人の考えでLロッドを使って古い水道管を探していた[6]

研究[編集]

デニス・ブリッグズの実験[編集]

1980年代にニューカッスル大学のリチャード・ベイリーとダラム大学のエリック・ケンブリッジにより、デニス・ブリッグズという名のダウザーの検証実験が行われた。ブリッグズはダウジングで失われた構造物の痕跡を探し当てる事が出来ると主張していた。実験は13の教会で行われたが、少なくともそのうちの8つの場所でブリッグズは失われた構造物の痕跡を拾い上げていた事が確認された。ブリッグズはかつて存在した壁の位置や階段・台座の位置などの数々の内部構造を言い当てた。この結果は「ダウザーが拾い上げているのは地磁気である」といった説を覆す結果であった。(もっとも、教会はいずれも標準化された図面に基づいて建てられているため、建築の知識がある者なら内部構造を予測する事はできた、という懐疑的な見方も存在する。)[4]

世界各国のダウジング[編集]

水脈のダウジングが一般的だが、ダウジングには文化的な嗜好も見られる。

ドイツやその周辺国では、いわゆる「地震波 (earth-rays)」を探索するのに用いるのが一般的である。地震波は地底深くから放射されると考えられ、地震波の発生源となるホットスポットの上では、不眠症からに至るまでの身体的な悪影響を引き起こすとされている(ブラックストリームとも呼ばれる)。

アメリカでは、貴金属や石油の探索に用いるのが一般的であり、ゴールドラッシュの歴史が一因と考えられる。

日本の歴史においては、空海が錫杖(しゃくじょう)を用いながら、日本各地で井戸や温泉を掘り当てたとの伝承がある[2]

脚注[編集]

  1. ^ 「こっくりさんはなぜ当たるのか」安斎育郎 水曜社 2004年
  2. ^ a b c 森達也『オカルト』角川書店
  3. ^ テレンス・ハインズ『ハインズ博士 再び「超科学」をきる』
  4. ^ a b ピーター・ジェイムズ『古代文明の謎はどこまで解けたかIII』太田出版
  5. ^ 『勘のいい人、悪い人』 保坂栄之介 1992年 PHP研究所 (ISBN 978-4569535272)
  6. ^ 「針金だけで地中の管を探知 理由不明ながら活躍中」、『科学朝日1974年5月号、朝日新聞社、1974年4月、 71-73頁。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]