ライディーン (YMOの曲)
「ライディーン」 | |||||||
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YMO の シングル | |||||||
初出アルバム『ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー』 | |||||||
B面 | コズミック・サーフィン | ||||||
リリース | |||||||
規格 | 7インチレコード | ||||||
ジャンル | テクノポップ | ||||||
時間 | |||||||
レーベル | アルファレコード | ||||||
作詞・作曲 | 高橋幸宏 | ||||||
プロデュース | 細野晴臣 | ||||||
チャート最高順位 | |||||||
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YMO シングル 年表 | |||||||
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「ライディーン」(雷電、RYDEEN)は、日本の音楽グループであるイエロー・マジック・オーケストラ(YMO)の2枚目のシングル曲。
背景
「テクノポリス」と並ぶYMOの代表曲である[1]。メロディはバーで高橋ユキヒロが鼻歌で歌ったのを、坂本龍一がメモに書き起こして作られたとされる[2]。イントロのコードは高橋がすでにキーボードで考えていたもので、続きの部分は坂本が聞き取ったものである。坂本はその光景をはっきりと覚えているが、高橋は覚えていない[3]。
元々のタイトルは相撲取りの「雷電爲右エ門」から『雷電』と表記された。坂本は「『雷電』には東海道五十三次のような浮世絵のイメージがあり、浮世絵が世界に影響を与えたように、自分達の音楽も世界に影響を与えることと重ね合わせた」と発言している。その後、細野の「アメリカで今『勇者ライディーン』っていうアニメがヒットしている」ので「じゃあ、『ライディーン』にしちゃおう」という発言で「ライディーン」となった[3]。
無機的な表現とするためあえて抑制したつくりだった「テクノポリス」に対して、「ライディーン」は逆に盛り上がるように作られている。また、細野は「遊びながら、当時の自分達では作れるとは思っていなかったサウンドができ、非常に楽しいレコーディングだった」と回想している[3]。
録音
Aメロの音色は「アープ・オデッセイ」を使った坂本龍一の手弾きである。イントロの「チッチキ...」にはピンクノイズが使われている。
Cメロで聞かれる馬の蹄は細野が得意としていたサウンド・エフェクトで、コルグPS-3100を使用している。
間奏のサウンド・エフェクトで聴かれる「ホワァー」という音は細野によるPS-3100、「ピュンピューン」という音は坂本によるアープ・オデッセイの音が使われている[4]。この部分は、立体音になっている。 ドラムの飛び跳ねるようなフィルは、高橋が影響を受けたビートルズのリンゴ・スターの叩き方をまねている。
リリース
1980年6月21日にアルファレコードより7インチレコードでリリースされた。
B面の「コズミック・サーフィン」はアルバム『イエロー・マジック・オーケストラ』収録曲。ライブ・アルバム『パブリック・プレッシャー』(1980年)からのライブテイクとなっている。『CUBIC - YMO CD Single BOX』(1993年)のシングルCDでは司会者のMCを丸ごとカットして演奏開始2秒前(演奏は3秒から始まる。)の歓声からフェードインで始まっている。
タイムスリップグリコ 青春のメロディーチョコにおいて、ライディーンのみ収録で8cmシングルとしてジャケットも含め復刻された。
ミュージック・ビデオ
本作のミュージック・ビデオはメンバー3人が演奏する姿と、キーボードを弾く手元のみを写すシーン、キーボードにエフェクトを掛けた映像とで構成されている。ミュージック・ビデオ集『COMPUTER GAME』(1983年)にVHSで初収録され、『YMO Giga Clips』(1998年)にて初DVD化された。
メディアでの使用
- YMOのメンバーも出演していたフジカセットのCF曲「歩き篇」に採用された。
- 1982年にセガ(後のセガ・インタラクティブ)が発売したアーケードゲーム『スーパーロコモーティブ』のメインBGMで使用された。
- 1983年にシグマが発売したアーケードゲーム『バトルクルーザーM12』で大型潜水艦登場時のテーマとして使用された。
- 1991年にジブリ映画、『おもひでぽろぽろ』で挿入歌として使用されている。27歳のタエ子が果物屋に立ち寄っているシーンでだが、たった数秒間だけでノイズ扱いであるため、かなり聴き取りにくい。
- 1999年にコナミ(後のコナミデジタルエンタテインメント)が発売したゲームボーイ版ゲーム『beatmania GB2 ガッチャミックス』の隠し楽曲で収録された。
- 2010年にはYMO自身が出演した「ポッキー」(江崎グリコ)のCMに使用された。
- プロ野球の読売ジャイアンツの応援団(広島にある応援団GLOVE)が広島・甲子園・九州を中心としてチャンステーマとして使用している。
- 「おもいッきりDON! 1025」の「夕刊来たDON!」コーナーのBGMに使用されている。
- 2015年に放送されたアニメ「響け! ユーフォニアム」の第5話の劇中において、主人公達が所属する北宇治高校吹奏楽部が演奏した。
カバー
- 1988年、インディーズユニットであった空手バカボンが「来たるべき世界」というタイトルで事実上のカバー。しかし当時ナゴムレコードから発売された『バカボンの頭脳改革 -残酷お子供地獄-』『空手バカボン ベスト』のクレジットでは作詞・大槻KENZI(大槻ケンヂ) 、作曲・空手バカボンというクレジットになっている。2005年に発売された『空手バカボン ナゴムコレクション』には、著作権者からの使用許可が下りなかったため収録されていない[5]。
- 1991年、森丘祥子がアルバム『夢で逢えたら』で歌詞をつけてカバー(作詞は小西康陽)。
- 1997年、en:Balanescu Quartetがアルバム"East meets East"でカバー。
- 2000年、シングル『LOVE ME』の4曲目でTHE HONG KONG KNIFEがロックアレンジでカバーしている。
- 2004年、『TRIBUTE TO YMO』でLOW IQ 01がカバーした。
- 2004年、清心がアルバム『清心』で「RYDEEN(マンドリン&ヴォーカルバージョン)」として歌詞をつけてカバー。
- 2005年、aminが「雷電」というタイトルで歌詞をつけてカバーしている。
- 2007年、キリンラガービールのCMにて、この曲のセルフカバーに当たる「RYDEEN 79/07」が新たに録音された。当初ネット配信のみで、ネット配信時の名義は「YMO」の略称ではなくカタカナ表記の「イエロー・マジック・オーケストラ」だった。2007年8月22日にYellow Magic Orchestra名義でCD化された。カップリングはHASYMO名義の『RESCUE』。
- 2010年、monobrightがシングル『雨にうたえば(初回版)』でカバーしている。
- 2011年、渡辺香津美がアルバム『TRICOROLL』でカバーしている。メンバーは渡辺香津美(eg, g syn.)がオベド・カルヴェール(ds)、オラシオ・”エル・ネグロ”・エルナンデス(ds)、ヤネク・グウィズダーラ(b)
- 2013年、Sensationがアルバム『Sensation II』でカバー。
- 2014年、E-girlsのアルバム「COLORFUL POP」にリード曲として、同曲をサンプリングし歌詞とボーカルをつけた「RYDEEN 〜Dance All Night〜」が収録。
- 2015年、フレッシュマン・ウインド・アンサンブル(洗足学園音楽大学の1年生で編成されたバンド)がテレビアニメ『響け! ユーフォニアム』の劇中曲としてカバー。同作のサウンドトラック・アルバムに収録。
シングル収録曲
全編曲: イエロー・マジック・オーケストラ。 | |||
# | タイトル | 作曲 | 時間 |
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1. | 「ライディーン」(RYDEEN) | 高橋ユキヒロ | |
2. | 「コズミック・サーフィン」(COSMIC SURFIN') | 細野晴臣 |
リリース履歴
No. | 日付 | 国名 | レーベル | 規格 | 規格品番 | 最高順位 | 備考 |
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1 | 1980年6月21日 | 日本 | アルファレコード | 7インチ | ALR-701 | 15位 | |
2 | 1982年 | イギリス | アルファレコード | 7インチ | ALFA 2145 | ||
3 | 1993年7月21日 | 日本 | アルファレコード | 7インチ | ALKA-2 | - | 『YMO ANALOG SINGLE BOX』収録 |
4 | 1993年9月21日 | 日本 | アルファレコード | CD | ALDA-92 | - | 『CUBIC - YMO CD Single BOX』収録 |
5 | 2003年 | 日本 | アルファレコード | CD | AR-GO13 | - | タイムスリップグリコ「青春のメロディー」付録 「ライディーン」1曲のみ収録 |
収録アルバム
- ベストアルバム
- X∞Multiplies(1980年)
- シールド(1984年)
- ハイテック・ノークライム(1992年)(リミックスアルバム)
- テクノ・バイブル(1992年)
- YMO GO HOME!(1999年)
- UC YMO(2003年)
- ライブアルバム
- パブリック・プレッシャー(1980年)
- アフター・サーヴィス(1984年)
- フェイカー・ホリック(1991年)
- コンプリート・サーヴィス(1992年)
- ライヴ・アット・武道館1980(1993年)
- ワールド・ツアー1980(1996年)
- ライヴ・アット・グリークシアター1979(1997年)
- ONE MORE YMO(2000年)
関連項目
- リッキー・スティムボート- プロレスラー。入場曲にライディーンを使用。
- スーパーロコモーティブ- 1982年にセガ(後のセガ・インタラクティブ)が発売したアーケードゲーム。メインBGMにライディーンを使用。
- 銀河の三人 - 1987年に任天堂が地球戦士ライーザのファミコン版で発売したファミコンのゲーム。音楽は高橋幸宏。戦闘時の曲は「ライディーン」とよく似ている。
脚注
- ^ 楽天ブックス
- ^ 2011年3月3日14時32分の坂本のツイート。ただし、2011年3月3日15時22分の高橋のツイートではスタジオでキーを完成させていたとしており、記憶に齟齬が発生している。
- ^ a b c 『イエロー・マジック・オーケストラ』アスペクト、2007年 ISBN 978-4-7572-1089-9
- ^ 「キーボード・スペシャル」1999年11月号より。
- ^ 「空手バカボン ナゴムコレクション」 - ナゴム再生委員会
- ^ “【ライブレポート】<WORLD HAPPINESS 2015>、全8時間全13アクトに歴史と未来”. BARKS|コンサート・ライブ・新曲・アルバム等の音楽ニュースサイト (2015年8月27日). 2016年1月22日閲覧。
- ^ “【詳細レポ】<WORLD HAPPINESS 2015>、真の意味での“YMOフェス”へ”. BARKS|コンサート・ライブ・新曲・アルバム等の音楽ニュースサイト (2015年9月14日). 2016年1月22日閲覧。