FCGビル

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FCGビル
情報
用途 放送局オフィス事務所スタジオ商業施設
設計者 丹下健三・都市・建築研究所
施工 鹿島建設
建築主 フジ・メディア・ホールディングス
管理運営 フジテレビジョン
敷地面積 21,102.220 m²
延床面積 141,825.438 m²
階数 地上25階、地下2階、塔屋1階
高さ 123.45 m
着工 1993年4月
竣工 1996年6月
開館開所 1997年4月
所在地 137-8088
東京都港区台場二丁目4番8号
座標 北緯35度37分37秒 東経139度46分28秒 / 北緯35.62694度 東経139.77444度 / 35.62694; 139.77444 (FCGビル)座標: 北緯35度37分37秒 東経139度46分28秒 / 北緯35.62694度 東経139.77444度 / 35.62694; 139.77444 (FCGビル)
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FCGビル(エフシージービル)は東京都港区台場にあるビル。竣工当初はフジテレビジョン所有のビルであったが、2008年10月1日以降は、フジ・メディア・ホールディングスが保有し、フジテレビジョンやBSフジをはじめとするフジサンケイグループ (Fujisankei Communications Group) の企業が本社・スタジオ等を置いている。「フジテレビ本社ビル」とも呼ばれる。

土地の所有者は東京都であり、2013年3月31日現在の年間貸借料は7億3800万円である[1]

概要

設計は丹下健三・都市・建築研究所が担当し、丹下健三が手掛けた巨大プロジェクトの中で最後に直接指揮をとった建築物。
ビルが建ち並ぶ都心部と違い、東京台場地区は広い土地があるため、日本の放送局の本社社屋の中で、最も大きいビルでもある。またFCGビルの建設を始めた頃の1993年当時、東京港区台場は現在よりも土地が広大にあった。そのためフジテレビは最も大きな本社社屋を建てることができた。このFCGビルは、後にテレビアニメ『デジモンアドベンチャー』で表れることになった。フジテレビが臨海副都心への移転に至った経緯はフジテレビジョン#お台場移転の経緯を参照。

建物は、低層部については公開スペースを1階に設け、スタジオを3階に設置するという珍しい構造で、高層部については、「オフィスタワー」と「メディアタワー」の間の中央3フロアに合計6本ある渡り廊下(コリドール)が繋ぐ構造となっており、外観で際立つ2棟のビルの間にそびえる球体は、ゴルフパター数万本分のチタンで作られており、当初は鹿内宏明会長専用の会長室として作られたが、1992年の失脚後には計画が変更され展望台の役割を持っており、2007年6月のリニューアルの際に「はちたま」という愛称が与えられた。

レム・コールハースが建設中のFCGビルについて、磯崎新に「あそこに君の都庁が建っているじゃないか。コンペには負けたんじゃなかったのかい?」と勘違いともジョークとも捉えられるコメントを残している。東京都庁舎コンペに招待された磯崎は「錯綜体」案を提案し、結果としてコンペは磯崎の師匠である丹下が勝利を収めたという過去がある[2]

2011年3月11日の東日本大震災では震度5強の地震に見舞われ、事務フロアの天井板が落ちたり、報道局内や周辺の階段の壁に亀裂が発生する等の被害の様子が放映された。球体展望室「はちたま」については余震が続いたこともあり、6月3日まで営業を休止したが、6月4日から営業を再開した。

スタジオ

めざまスカイ

スタジオ内にあるテレビカメラは、全てハイビジョン対応(1997年3月10日の運用開始当初から4:3と16:9に切り替え可能な多目的カメラを使用)。しかし、サブ周りの機器は一部河田町からの移設やSD対応機材だったため、その「HD非対応」スタジオについては段階的にHD対応に移行させた。

報道センターにはBSフジNEWS専用のブースを併設。そして緊急報道の際にはセンター内にある円卓テーブル(顔出し用のリモコンカメラがテーブル中央部に常設)から放送する。V9スタジオが隣接しており、可動壁を上げることで、報道センターと一体化させることができる。

カメラなどスタジオ機材にはフジテレビのロゴがプリントされているが、報道専用のV9スタジオのみ「FNN」ロゴがプリントされている(河田町本社時代も同様)。

フジテレビでは、FCGビル(台場本社)近くの江東区青海(あおみ)に湾岸スタジオがあり、8つのテレビスタジオのなかにはV4スタジオ以上の面積がある。本社とは光ケーブルで相互接続され生放送にも対応する等、台場本社とほぼ同じ環境であり、ドラマやバラエティー番組がFCGビルや東京メディアシティから湾岸スタジオに移転している。

ラジオスタジオ

かつてFCGビルには、当時フジテレビの親会社で、系列ラジオ局であるニッポン放送の本社も入居し、千代田区有楽町にある本社の建替えが完了する2004年9月5日までFCGビルから放送を行い、同月13日より有楽町にある新本社で全業務を開始した。メディアタワー22階から24階にラジオスタジオ、24階にマスター設備(主調整室)が設置されていた。なおテレビスタジオとは違い、事務フロアとして設計されていた場所にラジオスタジオ設備を設置した。

  • シーだいばスタジオ(メディアタワー23階 第1スタジオ)
  • スカイだいばスタジオ(メディアタワー23階 第2スタジオ)
    生放送用スタジオ。両スタジオは、少し離れて並んで設置されていた。
  • 第3スタジオ(メディアタワー22階)
    準生放送用スタジオ
  • 第4-7スタジオ(メディアタワー22階)
    収録用スタジオと NRN専用スタジオ
  • スタジオX(メディアタワー24階)
    BSデジタル音声放送 LFX488専用の簡易スタジオ。ワンマンDJ設備があり、簡易動画放送用のテレビカメラ等も設置。24階の通路に設置されていた。

スタジオ以外の施設

ファイル:PICT0050.JPG
チューブエスカレーター

見学スペース・展望室・ショップなどがあり、一般の人でも入ることができるエリアが多数ある(24階・25階は有料エリアで、入場料が必要)。

  • 大階段
    地上3階から7階の屋上庭園まで続く大階段で、幅12m、長さ100mある[4]。大階段の右端には上り用のエスカレーターも併設されているが、下り用はない。
  • チューブエスカレーター
    地上1階広場から5階(無料見学コース・フジテレビワンダーストリート)と7階(屋上庭園)を結ぶ長さ96.5mのエスカレーターで、周囲が透明な筒型になっているため、展望も良く、雨に濡れることもない。
  • シアターモール(1階)
    日本で唯一となる「サザエさんのお店」があり、オリジナルグッズ・お菓子が買えるほか、「サザエさん焼き」の実演販売も行っている。期間限定の「ちびまる子ちゃんカフェ」もある。また、限定オリジナルグッズも販売している「ローソン」、フジテレビのドラマ・映画の台本・劇中使用小道具の展示スペースとグッズショップが一つになった「FUJI TV Drama&Movie Plaza」がある。その他、試写会やイベントが開催される「マルチシアター」がある。
  • フジテレビワンダーストリート(5階)
    5階にある無料見学コースで、フジテレビの番組グッズや、衣装、疑似セットなどが多数展示されており記念撮影も可能。真下に位置するフジテレビ最大のスタジオ「V4スタジオ」を窓越しに見学することができる(ただし、スタジオの写真撮影は厳禁で、諸事情により窓がカーテンで塞がれている事もあり、見学できない場合もある)。開業当初の「見学コース」時代は、球体展望室の入場券を購入する事で見学できる有料スペースだったが[5]、「スタジオプロムナード」と名称を変えた2003年頃に無料開放されるようになった。
  • 屋上庭園(7階)
    7階にある屋上庭園で、一般開放されている。フジテレビ関連グッズを販売している「エフアイランド」や鉄道CGアニメ「チャギントン」のオフィシャルショップ「チャギントンショップ」[6]のほか、アニメ「ワンピース」に出てくる「海上レストラン バラティエ」をモチーフにした「ワンピースレストラン バラティエ」がある。開業当初は「フジテレビプラザ」という名称があった。
  • めざまスカイ(24階)
    球体の下部にある「めざましテレビ」が放送されているスタジオで、有料で一般公開されている(25階展望室の入場料を払えば、追加料金は必要なく行き来できる)。番組に出演したゲストのサインボードが多数飾られている。また、24階は通路スペースであるコリドール(渡り廊下)も行き来できるため、25階展望室では見られないダイバーシティ東京などがある南側方面を展望できたり、球体を真横から間近で見ることもできる。かつてはレストランがテナントに入っていたが2011年頃に撤退している。
  • 球体展望室「はちたま」(25階)
    レインボーブリッジなどの臨海副都心を地上100mから270度見渡せる展望室となっている。「はちたまショップ」が併設されており、はちたまグッズや、フジテレビ番組キャラクターグッズが購入できる。7階の屋上庭園から直通のエレベーターが出ている。有料エリアとなっており、一般料金は大人(高校生以上)550円、小中学生300円で、団体(20名以上)は一般より20%割引となる。1つ下の24階には「めざましテレビ」のスタジオ「めざまスカイ」があり、行き来して見学できる。スタジオとして使用することも可能となっている。

脚注・参照

  1. ^ フジ・メディア・ホールディングス第72期有価証券報告書
  2. ^ 平松剛『磯崎新の「都庁」 戦後日本最大のコンペ』458ページ 2008年文藝春秋 ISBN 978-4-16-3702902
  3. ^ 2012年現在、フジテレビ湾岸スタジオに同所を超える広さのスタジオが存在しているため、最大ではなく最大級と言える。
  4. ^ フジテレビ本社ビルの"光り輝く球体"の謎 - デザイン・設計のヒミツを広報さんに聞いてみた マイナビニュース(2014年1月13日配信)
  5. ^ 当時のサイト
  6. ^ 開業当初は、フジテレビギャラリーという画廊(のちに有楽町に移転)だったが、のちにエフアイランドがスペースを拡張した。
  • 月刊SD編集部 編『SD別冊29号 フジテレビ本社ビルの記録 高度情報化社会の大規模複合建築の原点を求めて』鹿島出版会、東京、1996年。 

関連項目

外部リンク