openSUSE

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openSUSE
VirtualBox openSUSE Leap 42.png
openSUSE Leap 42.2 と KDE Plasma 5.8
開発者 SUSE, openSUSE project
OSの系統 Unix系Linux
開発状況 開発中
ソースモデル オープンソース
初リリース 1994年3月 (1994-03)
最新安定版リリース Leap 15.0 / 2018年5月25日(2か月前) (2018-05-25
アップデート方式 Zypper, (YaST)
パッケージ管理 RPM
対応プラットフォーム x86-64
x86(Tumbleweed)
ppc64le(非公式)
AArch64(非公式)
カーネル種別 モノリシックカーネル
既定のユーザインタフェース KDE, GNOME
ライセンス GNU GPLほか
ウェブサイト openSUSE.org
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openSUSE(オープン・スーゼ、国際音声記号 /ˌoʊpənˈsuːzə/)は、SUSE及びその他企業等が支援するコミュニティー「openSUSEプロジェクト」によって開発されるオープンソースLinuxディストリビューションである[1]

元々はSUSEが開発するSUSE Linuxであった[2] 。2003年のノベルによるSUSE買収後、100%オープンソースを目指して開発体制をコミュニティベースに移行。SUSE Linuxから現名称に変更した。

現在の最新版は2018年5月25日リリースのopenSUSE Leap 15.0。Leapの他にもTumbleweedと呼ばれるローリング・リリースモデルを採用したプロジェクトがある[3] 。これは最新のソフトを積極的に取り込み、リリース版のベースになる。

同社のSUSE Linux Enterprise(商用版)のソースコードを利用している[4]

概要[編集]

openSUSEは汎用のLinuxディストリビューションである。ウェブページの閲覧、デジタルコンテンツの再生・制作、オフィスソフトなどのGUIを利用したデスクトップ用途、CUIを中心としたサーバ運用などさまざまな用途で利用することができる。以前はSuSEが日本に進出していなかったため日本ではあまり普及していなかったが、Version 9.1から日本語版もリリースされ、現在は標準で日本語での表示や入力が可能である。

同プロジェクトはディストリビューションやツールの提供に加えて、ポータルサイトコミュニティのために用意している。コミュニティはドキュメント・アートワークなどの作成について公開メーリングリストやIRCを通じて議論する。openSUSE Build Serviceを通じて提供されるコードを元にopenSUSEの開発を行っている。

Geeko(ギーコ)と呼ばれるカメレオンマスコットである。geek(コンピュータおたく) とgecko(ヤモリ)をかけた名称で、一般公募で決定した。

特徴[編集]

大きな特徴はYaSTと呼ばれる(またはその後継であるYaST2)設定ツールである。ネットワークやユーザー、セキュリティなどに関するシステム設定をGUI上にて行うことができる。

デスクトップ環境はかつてはKDEが標準であったが、現在ではKDE、GNOMEXfceから選択できる。MATEEnlightenmentCinnamonも後からインストールできる。IceWMWindow MakerBlackboxTwmなどのウィンドウマネージャも利用できる。

ウェブブラウザとしてFirefox、マルチメディア用ソフトとしてGNOMEではBanshee、KDEではAmarokKaffeineが標準で用意されている。コーデックはインストーラーには含まれていないがOSインストール後に追加でインストール可能である。オフィス用途にはLibreOfficeが用意されており、OpenDocument形式Word/Excel/PowerPoint形式などの一般的なドキュメントファイルの編集に対応している。グラフィックス用途にはビットマップエディタとしてGIMP、ベクターエディタにはInkscapeが用意されており、さまざまな形式の画像ファイルを編集することができる。インスタントメッセンジャークライアント、メールなどの個人情報の管理を行うPIM、画像管理用ソフトも標準で含んでいる。Sambaを利用してWindowsネットワークに参加することもできる。RPM形式でのソフトウェア管理も可能であり、追加でさらに多くのソフトウェアを利用することができる。

仮想機械、例えばXenKVMとの相性が良く、XglAppArmor等の開発でも知られている。

ディストリビューションに同梱されていないオープンソースのパッケージはSUSE Studioより1クリックでインストールできる。

その他、開発者への特徴として同コミュニティーはopenSUSE Build Service (OBS) と呼ばれるソフトウェアパッケージのビルド環境を提供している[5] 。これはopenSUSEは勿論、他のディストリビューションやアーキテクチャを越えたクロスプラットホームでのビルドとパッケージ公開を可能にするウェブサービスである。

歴史[編集]

1995年12月に発売された初期のS.u.S.E. Linux(当時の表記)。マスコットのカメレオンのデザインが現在と少し違う

openSUSEの端緒は、Linuxインターネットからダウンロードするためにおよそ50枚のフロッピーディスク(ディスケット)が必要だった1990年代頃に見ることが出来る。当時のS.u.S.E. GmbH (Gesellschaft für Software- und System-Entwicklung) はLinuxのディスケットを1つのパッケージにまとめて販売していた。また、その頃までにパトリック・フォルカーディング (Patrick Volkerding) により開発されたSlackwareディストリビューションがリリースされており、これはSuSE GmbHがドイツ語に大幅にローカライズしたインストールプロセスによってドイツ語圏において多大な人気を得ていた。それに加え、Slackware独自のインストールツールがSuSE GmbHによって開発されたYaSTによって置き換えられていた。1994年4月からSuSE Linuxパッケージのバージョン1.0はディスケットでなく(最終的には70枚を越えていた)、CDにて配布されることとなった。

1996年3月に、SuSE GmbHはSlackwareから独立した彼ら独自のディストリビューションをS.u.S.E. Linux バージョン4.2として公開するに至った。バージョン番号に関して多くの議論がなされ、バージョン1.1は受け入れられず、最終的にはダグラス・アダムズの小説銀河ヒッチハイク・ガイドに登場する「生命、宇宙、そして万物についての究極の疑問の答え」に対して答えられた42を採用することとなった。3枚のCDで構成された最初のディストリビューションには「Live-Filesystem」が含まれていた。

SuSE Linuxの販売数はバージョン4.2以降好調な伸びを見せた。当時既にLinux市場は成長段階に入っており、バージョン5以降、標準のSuSE Linuxディストリビューションをベースとして、ビジネス向けにより長いリリースサイクルとサポートを行うLinuxを供給するようSuSE GmbHに対しても要求が行われていた。しかし、このコンセプトが実現するまでは、長期リリース・アップデートサイクルと共にサポート、トレーニングサービスを受けることが出来るSUSE Linux Enterprise Server2000年10月31日にリリースされるまで待たなくてはならなかった。

サポートの多様化と並んで、SuSE Linuxはバージョン6.1から(それまではインテル 80386のみだったが)DECによるAlphaを、バージョン6.3からPowerPCをサポートするプラットフォームに加えた。それら2つのディストリビューションによってSuSE Linuxディストリビューションは成長を続けることとなったが、使用が一般的に広まることは無かった。その後にはAMDAthlon 64、インテルのItaniumIBM S390 (Z-Series) についても対応が行われた。

バージョン7.0から9.1まで、一般ユーザにはプログラム環境が限定された(それゆえ安価な)Personal Version とサーバ・開発ソフトウェアが付属するProfessional Versionという、2つのバージョンのSuSE Linuxが用意されていた。また、学生向けにCampus Version(中身はProfessional Versionと同じ)が割引価格で販売されていた。同様に、管理ハンドブックが含まれていないアップデートパッケージがProfessional Versionに対して用意されていた。

SuSE 9.1からノベルによって販売されることとなる。変更点には、FTPサーバを通じたインストールに加え2004年6月からは基本的なインストール環境が含まれているCDがインターネットからダウンロード出来るようになったことがある。CDに含まれているパッケージはFTPからはインストールすることは出来なかった。また、Professional Versionについて64ビット環境(AMD64IA-64)向けのソフトウェアが収録されているDVDが店頭に並べられていた(SuSE 9.0の32ビット環境とは別に販売されていた)。また、SuSE Linux 9.1ではインストール・設定ツールであるYaSTGPLにおいて公開された。Novellによって導入された改変には、バージョン9.2以降取り入れられている、KDEもしくはGNOMEデスクトップで利用可能な独自のLive CDが重要な位置を占めている。またSuSE 9.2より初めてISOイメージで構成されたディストリビューションがダウンロード可能になった。バージョン9.3において、Campus Versionとアップデートパッケージは打ち切られ、バージョン10.0以降は1つのバージョンにまとめられている。

バージョン10.2でSUSE Linuxの名称はopenSUSEに公式で変更になった。その後はopenSUSEとして開発が継続され、各バージョンのリリースを行っている。

インストール[編集]

x86-64のインストールメディアが公開されておりインストールするマシンのアーキテクチャにあったメディアを利用する。DVDのインストールメディアにはデスクトップ環境をはじめとした多数のパッケージが含まれる。デスクトップ環境を利用する際には、GNOME、KDE、Xfceのいずれかを選択してインストールすることができる。FTPHTTPでインストールできるイメージ(NET)も公開されている。

バージョン[編集]

SUSE(S.u.S.E.) Linux[編集]

全てのリリースは、現在サポートされていない。

  • 1.0 - 1994年4月
  • 1.0.9 - 1994年7月
  • 11/94 - 1994年11月
  • 4/95 - 1995年4月
  • 8/95 - 1995年8月
  • 11/95 - 1995年11月
  • 4.2 - 1996年5月
  • 4.3 - 1996年9月
  • 4.4 - 1997年5月
  • 4.4.1 - 1997年2月
  • 5.0 - 1997年6月
  • 5.1 - 1997年11月
  • 5.2 - 1998年3月23日
  • 5.3 - 1998年9月10日
  • 6.0 - 1998年12月21日
  • 6.1 - 1999年4月7日
  • 6.2 - 1999年8月12日
  • 6.3 - 1999年11月25日
  • 6.4 - 2000年3月27日
  • 7.0 - 2000年9月27日
  • 7.1 - 2001年1月24日
  • 7.2 - 2001年6月15日
  • 7.3 - 2001年10月13日
  • 8.0 - 2002年4月22日
  • 8.1 - 2002年9月30日
  • 8.2 - 2003年4月7日
  • 9.0 - 2003年10月15日
  • 9.1 - 2004年4月23日
  • 9.2 - 2004年10月25日
  • 9.3 - 2005年4月16日
  • 10.0 - 2005年10月6日
  • 10.1 - 2006年5月11日

openSUSE[編集]

プロジェクトは、8ヶ月置きのリリースを目標にしており、2年間を基本とするサポートが行われる。

バージョン リリース日 サポート期限 おもな新機能と変更点 主なソフトウェア
のバージョン、備考
10.2 2006年12月7日 以前のバージョン、サポート終了: 2008年11月30日 デフォルトファイルシステムがext3に変更
電源管理の改善
KDE 3.5.5
GNOME 2.16
Xfce 4.2.3
X.Org 7.2
Linuxカーネル 2.6.18.2
10.3 2007年10月4日 以前のバージョン、サポート終了: 2009年10月31日 1-Click-Install
新パッケージマネジャーの採用
Fluendoによるmp3のサポート
KDE 3.5.7
GNOME 2.20
Xfce 4.4.1
X.Org 7.2
Linuxカーネル 2.6.22.5
11.0 2008年6月19日 以前のバージョン、サポート終了: 2010年7月26日 パッケージマネジメントシステムの改良
KDE4の採用
新インストーラの採用
KDE 4.0.4
GNOME 2.22
Xfce 4.4.2
X.Org 7.3
Linuxカーネル 2.6.25.5
11.1 2008年12月18日 以前のバージョン、サポート終了: 2011年1月14日 Yastの改良 KDE 4.1.3
GNOME 2.24.1
Xfce 4.4.3
X.Org 7.4
Linuxカーネル 2.6.27.7
11.2 2009年11月12日 以前のバージョン、サポート終了: 2011年5月12日 デフォルトファイルシステムがext4に変更
ソーシャルネットワークのサポート強化
KDE 4.3.1
GNOME 2.28
Xfce 4.6.1
X.Org 7.4
Linuxカーネル 2.6.31.5
11.3 2010年7月15日[6] 以前のバージョン、サポート終了: 2012年1月20日 ネットブック対応の強化
スマートフォン連携の強化
Btrfs ファイルシステム対応
オンラインのバックアップとファイル共有
LXDE 提供
パッケージ管理システム Zypper の強化
KDE SC 4.4.4
GNOME 2.30.1
Xfce 4.6.1
X.Org 7.5

Linuxカーネル 2.6.34
11.4 2011年3月10日[7] 以前のバージョン、サポート終了: 2012年11月5日 パッケージ管理システム Zypper の強化
ブートシステムの改良
LibreOfficeの採用
ローリングリリースレポジトリの採用
KDE Plasma 4.6
GNOME 2.32
Xfce 4.8
X.Org 7.6

Linuxカーネル 2.6.37
12.1 2011年11月16日[8] 以前のバージョン、サポート終了: 2013年5月15日 systemdの採用
snapperによるロールバックに対応
Apperの採用
カラーマネージメントに対応
日本語入力にibusを採用
owncloudの採用
KDE Plasma 4.7.2
GNOME 3.2.1
Xfce 4.8.3
X.Org 7.6

Linuxカーネル 3.1.0
12.2 2012年9月5日 以前のバージョン、サポート終了: 2014年1月15日 KDE Plasma 4.8.4
GNOME 3.4
Xfce 4.10
X.Org

Linuxカーネル 3.4
12.3 2013年3月13日 以前のバージョン、サポート終了: 2015年1月4日 systemdへの完全統合
UEFIセキュアブートのサポート
新たなデスクトップテーマの採用
PulseAudio3、新たなPackageKitの導入
日本語入力にMozcを採用
MySQLMariaDBに置き換え
KDE Plasma 4.10
GNOME 3.6
Xfce 4.10
X.Org

Linuxカーネル 3.7
13.1 2013年11月19日 以前のバージョン、サポート終了: 2016年2月3日 長期サポート対象バージョン(Evergreen)
OpenStack Havana対応
64ビットARM(AArch64)サポート
KDE Plasma 4.11
GNOME 3.10
Xfce 4.10
X.Org

Linuxカーネル 3.11
13.2 2014年11月4日 以前のバージョン、サポート終了: 2017年1月16日 ファイルシステムの規定値をbtrfsに変更。
YaSTRubyへの完全移植。
Docker1.2のサポート。
ネットワーク設定ツールWickedの導入。
インストーラーの改善。
各種仮想化技術のアップデート。
各種開発ツール言語環境の更新。
KDE Plasma 4.14
GNOME 3.14
MATE 1.8.1
Xfce 4.10
LXDE 0.55
Enlightenment 19 (0.19.0)
Awesome 3.4.15
X.Org
Linuxカーネル 3.16
Leap 42.1 2015年11月4日 以前のバージョン、サポート終了: 2017年5月17日 SUSE Linux Enterpriseをベースとした初のリリース。CentOSなどと同様の長期サポートフェーズが導入された。 KDE Plasma 5.4.2
GNOME 3.16
MATE 1.10
Xfce 4.12
LXDE 0.99
Enlightenment 19 (0.19.10)
Awesome 3.5.6
X.Org
Linuxカーネル 4.1
Leap 42.2 2016年11月16日 以前のバージョン、サポート終了: 2018年1月26日 KDE Plasma 5.8
GNOME 3.20
MATE 1.16
Xfce 4.12
Enlightenment 21 (0.21.3)
Awesome 3.5.9
X.Org
Linuxカーネル 4.4
Leap 42.3 2017年7月26日 以前のバージョン、まだサポート中: 2019年1月31日
Leap 15.0 2018年5月25日[9] 現在の安定版: 後継バージョンリリース後6ヶ月 SUSE Linux Enterpriseとバージョンを統合させるリリース。
凡例:
旧バージョン
以前のバージョン、サポート中
最新バージョン
最新プレビュー版
将来のリリース

必要環境[編集]

openSUSE Leap 15.0は、64ビットのx86-64機で動作する[10][11]。 以下に、openSUSEの基本的な機能を利用する際に最低限推奨される条件を示す。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

脚注[編集]

  1. ^ openSUSE:FAQ” (英語). opensuse.org (2018年2月22日). 2018年7月4日閲覧。
  2. ^ openSUSE 事始め”. Satoru Matsumoto (2008年10月26日). 2018年7月8日閲覧。
  3. ^ Portal:Tumbleweed”. ja.opensuse.org (2014年11月11日). 2018年7月8日閲覧。
  4. ^ Portal:Leap”. en.opensuse.org (2018年6月2日). 2018年7月8日閲覧。
  5. ^ Welcome to openSUSE Build Service”. build.opensuse.org. 2018年7月8日閲覧。
  6. ^ Bryen Yunashko (2010年7月15日). “openSUSE 11.3 is here!” (英語). news.opensuse.org. 2010年7月17日閲覧。
  7. ^ News Team (2011年3月10日). “openSUSE 11.4 – A New Hallmark For The openSUSE Project” (英語). news.opensuse.org. 2011年3月11日閲覧。
  8. ^ Jos Poortvliet (2011年11月16日). “openSUSE 12.1: All Green!”. news.opensuse.org. 2011年11月24日閲覧。
  9. ^ openSUSE Leap 15 Release Scheduled for May 25”. 2018年4月29日閲覧。
  10. ^ PowerPCへの対応は11.2以降公式リリースがなくなる (Re: [opensuse-ppc] OpenSuse11.2 on PPC 2009年11月12日 Marcus Meissner (opensuse-ppc ML))。有志によりビルドサービス と Factory でのパッケージ提供は続けられる模様。
  11. ^ 32ビットへの対応はLeap 42.1以降リリースバージョンとしては公開されていない。ローリング・リリースモデルであるTumbleweedではサポートが継続されている。