Slackware

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Slackware Linux
Slackware logo from the official Slackware site.svg
Slackware 14.1
Slackware 14.1
開発者 Patrick Volkerding, Slackware team
OSの系統 Linux
開発状況 開発中
最新安定版 14.2 / 2016年7月1日
パッケージ管理 Pkgtool, Slackpkg
プラットフォーム IA-32x64ARMDEC AlphaSPARC
カーネル種別 モノリシックカーネル
ウェブサイト http://www.slackware.com
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Slackware(スラックウェア)は、Linuxディストリビューションの一つ。

概要[編集]

数あるLinuxディストリビューションの中でも特に歴史の長いものの一つであり、その歴史は1992年にまでさかのぼる。日本でもかつてはJE (Japanese Extension) をインストールして日本語対応を施したり、FM TOWNSへ移植されたりなど、人気があった。

パッケージ化されたアプリケーション群もほとんどいじられておらず、素に近い状態から設定できる。そのためLinuxの学習によいとされている。slackは弛いという意味であり、配布者の考え方を示している。

パッケージ管理[編集]

The Slackware mascot: Tux smoking a pipe

Slackwareのパッケージ管理システムは、ソフトウェアのインストールアップグレード削除を管理できる。これらはpkgtoolで管理できる。

Slackwareのパッケージはアプリケーションがインストールされるディレクトリツリー、その説明ファイル、インストール時に実行するスクリプトをtarでアーカイブしlzma(12.2以前はgzip)で圧縮しただけの非常にシンプルなものである。

12.2からはSlackpkgというパッケージが追加された。Slackpkgは、パッケージのダウンロード、インストール、削除の操作を一つのコマンドで実行することのできるものである。依存関係も自動で解決するため、必要なパッケージだけを選び取って環境を構築することが容易になった。

openSUSE系のみ、RPMを採用し管理方式が異なる。

最新リリース[編集]

Slackwareの最新安定版は14.2(2016年7月1日リリース)。 これにはLinux 4.4.14、GCC 5.3.0、KDE 4.14.21、Xfce 4.12.1が含まれている。

バージョン履歴[編集]

Slackwareの最新安定版は14.2である。15.0の開発は、KDE Plasma 5 のテストが難航し、当初の予定より遅れをとっている。

バージョン リリース日 サポート終了日 カーネルバージョン 特記事項
以前のバージョン、サポート終了: 1.00 1993年7月17日 明記なし 0.99.11 Alpha
以前のバージョン、サポート終了: 1.1 1993年11月5日 明記なし 0.99.13
以前のバージョン、サポート終了: 2.0 1994年7月2日 明記なし 1.0.9
以前のバージョン、サポート終了: 2.1 1994年10月31日 明記なし 1.1.59
以前のバージョン、サポート終了: 2.2 1995年3月30日 明記なし 1.2.1
以前のバージョン、サポート終了: 2.3 1995年5月24日 明記なし 1.2.8
以前のバージョン、サポート終了: 3.0 1995年11月30日 明記なし 1.2.13 CD-ROMでの最初のリリース
以前のバージョン、サポート終了: 3.1 1996年6月3日 明記なし 2.0.0 Windows 95への風刺としてSlackware 96とも呼ばれる
以前のバージョン、サポート終了: 3.2 1997年2月17日 明記なし 2.0.29
以前のバージョン、サポート終了: 3.3 1997年6月11日 明記なし 2.0.30
以前のバージョン、サポート終了: 3.4 1997年10月14日 明記なし 2.0.30 ZipSlackが登場
以前のバージョン、サポート終了: 3.5 1998年6月9日 明記なし 2.0.34
以前のバージョン、サポート終了: 3.6 1998年10月28日 明記なし 2.0.35
以前のバージョン、サポート終了: 3.9 1999年5月10日 明記なし 2.0.37pre10
以前のバージョン、サポート終了: 4.0 1999年5月17日 明記なし 2.2.6 KDEが追加され、フルインストールに1GBを要する最初のバージョン
以前のバージョン、サポート終了: 7.0 1999年10月25日 明記なし 2.2.13
以前のバージョン、サポート終了: 7.1 2000年6月22日 明記なし 2.2.16 GNOMEが追加
以前のバージョン、サポート終了: 8.0 2001年7月1日 明記なし 2.2.19 Mozilla Browserが追加され、任意でLinux 2.4が使用できる
以前のバージョン、サポート終了: 8.1 2002年6月18日 2012年8月1日 2.4.18 パッケージ名が8.3形式からname-version-arch-build.tgzに変更され、hdsetupがpkgtoolsに進化した
以前のバージョン、サポート終了: 9.0 2003年3月19日 2012年8月1日 2.4.20 (2.4.21のパッチ適用済)
以前のバージョン、サポート終了: 9.1 2003年9月26日 2012年8月1日 2.4.22 (2.4.26のパッチ適用済) OSSからALSAへ変更
以前のバージョン、サポート終了: 10.0 2004年6月23日 2012年8月1日 2.4.26 XFree86からX.org Serverへ変更
以前のバージョン、サポート終了: 10.1 2005年2月2日 2012年8月1日 2.4.29
以前のバージョン、サポート終了: 10.2 2005年9月14日 2012年8月1日 2.4.31 GNOMEが削除
以前のバージョン、サポート終了: 11.0 2006年10月2日 2012年8月1日 2.4.33.3 DVDで提供された初めてのバージョン
以前のバージョン、サポート終了: 12.0 2007年7月1日 2012年8月1日 2.6.21.5 Linux 2.4からLinux 2.6へ変更され、HALのサポートが追加、そしてフロッピーディスクでのインストールのサポートが削除
以前のバージョン、サポート終了: 12.1 2008年5月2日 2013年12月9日 2.6.24.5
以前のバージョン、サポート終了: 12.2 2008年12月10日 2013年12月9日 2.6.27.7 (2.6.27.31のパッチ適用済) Slackpkgの追加
以前のバージョン、サポート終了: 13.0 2009年8月26日 2018年7月5日 2.6.29.6 64ビットのバージョンが追加され、KDE 3.5からKDE 4.xへ変更、gzipからxzへ圧縮形式が変更
以前のバージョン、サポート終了: 13.1 2010年5月24日 2018年7月5日 2.6.33.4 PolicyKitとConsoleKitの追加、libataサブシステムへ変更
以前のバージョン、サポート終了: 13.37 2011年4月27日 2018年7月5日 2.6.37.6 GPTのサポート、Btrfsファイルシステム追加
以前のバージョン、まだサポート中: 14.0 2012年9月28日 未発表 3.2.29 (3.2.98のパッチ適用済) NetworkManagerの追加とHALの削除、HALの機能をudevに統合
以前のバージョン、まだサポート中: 14.1 2013年11月4日 未発表 3.10.17 (3.10.107のパッチ適用済) UEFIサポートの追加、MySQLからMariaDBへの変更
現在の安定版: 14.2 2016年6月30日 未発表 4.4.14 (4.4.276のパッチ適用済) PulseAudioとVDPAUの追加、udevからeudev、ConsoleKitからConsoleKit2への変更
将来のリリースの最新プレビュー版: -current 開発中 N/A 5.13.4 デフォルトのエンコーディングASCIIからUTF-8へ変更、ConsoleKit2からelogindへの変更、そしてKDE4からPlasma5への変更、それに伴いpython3への移行、したがってパッケージのデータベースが /var/log/packages/ から /var/lib/pkgtools/ へと変更、lame、vulkansdk、SDL2、FFmpeg、PAM、そしてWaylandのコアシステムへの追加
将来のリリース: 15.0 開発中 N/A 5.13.4
凡例:
旧バージョン
以前のバージョン、サポート中
最新バージョン
最新プレビュー版
将来のリリース

派生版[編集]

Slackware派生[編集]

Slackware 系統樹

Slackwareからすると、"子"にあたるものである。一覧は、Slackware派生版一覧(英語版Wikipedia)に掲載された、Slackwareとパッケージ管理等が同様のもの。

配布版 説明
Absolute Linux Slackwareを母体とした軽量Linuxディストリビューションである[1][2]
Austrumi Linux 1.9.3時点では108MBのLive CDである。
Frugalware Linux コマンド操作に慣れた中級者向けの汎用ディストリビューション。初期のバージョンはSlackwareをベースにしていたが、現在は独自に開発されている。
KateOS 中級者向けのデスクトップディストリビューション。デフォルトのデスクトップ環境にXfceを採用していた。現在は開発されていない。
MuLinux モジュールを交換できるフロッピーディスクベースのLinuxディストリビューションである。
NimbleX NimbleXのウェブサイトで完全なカスタマイズが可能だった。現在は開発されていない。
openSUSE ドイツで開発されていたため、ヨーロッパで強い。SUSEノベルに買収されたことに伴い、SUSE Linuxから改名。
Platypux フランスで開発されたSlackwareファミリーのLinuxディストリビューション
Salix OS 元々はZenwalkのフォークだった。Slackwareとの完全な下位互換性を持つ。デフォルトのデスクトップ環境として、XfceKDELXDEFluxboxRatpoisonを採用している。32bit64bitLive CD版がある。
Sentry Firewall ファイアーウォール、サーバー、侵入検知システムを提供するディストリビューションである。
Slackintosh PowerPC機向け非公式版 Slackware。
Slamd64 x64版Slackwareである。開発はされていない。現在はSlackware自体がx64に対応している。
Slax(バージョン4まで) 一般的な使用目的での完全なデスクトップ環境を提供するLive CDである。Slaxの永久インストールはサポートされていない。USBからの起動ができる。
SuperGamer ゲーム利用をすることに特化したLive DVDのディストリビューションである。
Topologilinux Microsoft Windows上で動作するように設計されたLinuxディストリビューション。ユーザーのハードディスクに変更を加えることなくインストールできる。現在は時代遅れである。
VectorLinux 初心者でも簡単に使えるように設計された軽量のLinuxディストリビューションである。一般的には、古いハードウェアに適している。
Wolvix ウィンドウマネージャとしてXfceを採用している[3]。開発停止。
Zenwalk 元々はSlackwareの最小バージョンであった。現在は全く異なるOSに進化したが、互換性は維持されている。
ZipSlack 軽量でポータブルなSlackwareのバージョン。

Slax派生[編集]

SlaxはSlackwareの派生版で、Slackwareからすると、孫にあたるもの。一覧は、Slax派生版一覧(英語版Wikipedia)に掲載されたもの。SLAX#関連ディストリビューションも参照。

配布版 説明
DNALinux BLASTやEMBOSSなどのバイオインフォマティクス・ソフトウェアを実行するために設計された小型のLinuxディストリビューション。
Porteus 300MB以下[4]。Sectorをベースにした小さなLinuxディストリビューション。

openSUSE派生[編集]

openSUSEはSlackwareの派生版で、Slackwareからすると、孫に当たるもの。一覧は、openSUSE派生版一覧に掲載されたもの。設定にはYaSTを、パッケージ管理システムにはRPMを採用し、Slackwareとは異なる。openSUSE#その他の派生版も参照。

配布版 説明
SUSE Linux Enterprise Desktop 以前のブランド名はNovell Linux Desktop。SUSE社が提供する、エンタープライズ市場をターゲットにしたデスクトップ型Linuxディストリビューション。
SUSE Linux Enterprise Server SUSE社が提供する、ビジネス市場をターゲットにしたサーバー向けLinuxディストリビューション。
SUSE Studio openSUSE, SUSE Linux Enterprise Server 用に提供された、オンラインアプライアンス作成ツール、サービスである。
GeckoLinux openSUSE LeapをベースにしたStatic版とopenSUSE TumbleweedをベースにしたRolling版がある。

その他の派生版[編集]

海外発の派生版[編集]

  • Dragora GNU/Linux-Libre : 完全に自由ソフトウェアのみで構成される独自のGNU/Linuxディストリビューション。シンプルであることをコンセプトとしている。
  • Puppy Linux : ver.5 以降のSlacko PuppyはSlackwareを母体とする。ver.3.0以前も、Slackwareと互換性が高かった。

日本発の派生版[編集]

スクリーンショット[編集]

脚注[編集]

[脚注の使い方]
  1. ^ Linuxレビュー:Absolute Linuxは“絶対買い”なディストリビューションか?
  2. ^ DistroWatch (2010年12月). “Absolute Linux”. 2010年12月11日閲覧。
  3. ^ Linton, Susan (2007年3月). “A New Open Source Model?”. DistroWatch. http://distrowatch.com/weekly.php?issue=20070319 2010年12月11日閲覧。 
  4. ^ Porteus (2010年11月14日). “Why choose Porteus ? – IT IS PORTABLE”. 2011年4月30日閲覧。

外部リンク[編集]

関連項目[編集]