LAME

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
LAME
開発元 LAME開発チーム
最新版
3.100 / 2017年10月13日 (6年前) (2017-10-13)
最新評価版
3.100.alpha2
プラットフォーム クロスプラットフォーム
種別 コーデック
ライセンス GNU LGPL
公式サイト https://lame.sourceforge.io/
テンプレートを表示

LAMEレイム)は、MP3への変換に用いられるフリーGNU LGPL)のアプリケーションソフトウェア。名称は「LAME Ain't an MP3 Encoder」[注釈 1][注釈 2]再帰的頭字語1998年平成10年)から開発が続けられている。

特徴[編集]

LAME v3.99.5

LAMEはMP3に変換するのに使われるソースコードの中でも特に優秀とされ、LAMEを採用しているエンコーダは他のエンコーダよりも品質のよいMP3ファイルを作ることができるため、広く支持されている。また、バージョン3.90からギャップレスを実現している[注釈 3]が、これを実現しているのはLAMEとiTunesのみである[注釈 4]

オープンソースコミュニティによって開発されており、無料で利用できる。当初はMike Chengにより8hz-mp3に対するパッチという扱いで配布されていたが、1998年(平成10年)10月4日にリリースされたバージョン2.0からはISOのサンプルコードを改良するという形に開発体制が移行し、LAMEはパッチではなく現在のように完全なソースコードの形式で配布されるようになった。開発が進み、最終的には2000年(平成12年)5月8日にリリースされた3.81 Betaにおいて、ISO由来のコードが完全に取り除かれるに至った。

オープンソースであることから様々なオペレーティングシステム (OS) で動作することも特徴である。UNIXUnix系OS上[注釈 5]だけではなく、WindowsAmigaOS/2BeOS、さらには疑似コンソールを使用したClassic Mac OS用のアプリケーションも存在する。

推奨ビットレートは192kbps以上だが、かつてはこれでもVorbisの128kbpsには及ばないなどと言われていた[要出典]。しかし、新しい心理音響モデルのnspsytuneの導入(バージョン3.88beta) や、可変ビットレート (VBR) モードの改良等が行われ、現在に至るまで品質を向上させる努力が行われている。これらの成果は、Hydrogenaudioにおいて行われた複数のリスニングテストで示されている[1]

LAMEから派生したエンコーダとして午後のこ〜だがあるが、これはLAMEをベースとしてMMXSSE3DNow!といったx86プロセッサ向けのSIMD命令を積極的に用いて最適化を行ったものである。エンコード速度が非常に高速である反面、ベースとなっているLAMEのバージョン (3.88) が古いため、近年の音質向上の試みが反映されていないという欠点がある。この午後のこ〜だの成果の一部は、かつて評価版として配布されていたLAMEバージョン4.0に取り入れられ、さらにLAME 3.98 beta 1に本格的に導入され[2]、現在に至っている。

また、Mike ChengによるMPEG Audio Layer 2のエンコーダのTooLAME(現:TwoLAME)も1998年(平成10年)11月7日にリリースされた[3]

バージョン3.97をマルチスレッド化して高速化しようという試み[4]もあったが、ビットリザーバが無効になる[5]など音質面での欠点があり、ベンチマーク以外の用途では普及するには至っていない。

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 「LAMEはMP3エンコーダではない」の意味。当初は他のエンコーダーのパッチの形だったため。
  2. ^ なお、本来の英単語の「lame」は、「足の不自由な」「時代遅れの」という意味である。
  3. ^ デコーダ側の対応を必要とするので、すべての環境でギャップレスを保証するものではない。
  4. ^ LAMEとiTunesのギャップレス対応の実装は異なるが、iTunesはLAMEを用いてエンコードされたMP3ファイルのギャップレス再生情報にも対応している
  5. ^ GNU/Linux*BSDmacOSSolarisIRIXPlan 9等。

出典[編集]

外部リンク[編集]

本体[編集]

関連サイト[編集]

関連ソフトウェア[編集]