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SUSE

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
SUSE
種類
非公開会社
業種 ソフトウェア
設立 フュルト (1992年9月2日 (1992-09-02))[1]
創業者
  • Roland Dyroff
  • Thomas Fehr
  • Hubert Mantel
  • Burchard Steinbild
本社
事業地域
多国籍
主要人物
Nils Brauckmann(CEO
製品
売上高 増加 US$253.8  million(2016)[2]
従業員数
1000[3]
親会社 EQT ウィキデータを編集
ウェブサイト www.suse.com
ニュルンベルクにあるSUSE本社

SUSE/ˈsʊːsʌ/ soo'-suh[4][5])はドイツを拠点とし、ビジネス顧客向けのLinux製品を開発・販売する、オープンソースソフトウェア多国籍企業である。1992年に創設され、企業向けに商用Linuxを販売した初の会社となった。SUSEはコミュニティ支援でopenSUSEを開発しているopenSUSEプロジェクトの主要なスポンサーである。

歴史

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1992年9月2日、Roland Dyroff、Burchard Steinbild、Hubert MantelそしてThomas FehrがSoftware and Systems Development Corporation(: Gesellschaft für Software und Systementwicklung mbH)を創設した。SuSEという名前はSoftware- und System-Entwicklung(: Software and Systems Development)の頭字語である[1]。最初に販売されたLinux製品はSlackwareを拡張したLinuxディストリビューションであり、フロッピーディスク40枚から構成された。S.u.S.EはSlackwareの創設者であるパトリック・ボルカーディング英語版と協力してこのディストリビューションをドイツ語に翻訳した。このディストリビューションの中核部はSlackwareのままであったが、1996年5月にS.u.S.EはFlorian La Rocheにより発表されたJurix英語版をベースとした独自のLinuxディストリビューションをリリースした。

1997年、S.u.S.E.はカリフォルニア州オークランドにオフィスをオープンし、1998年にフュルトからニュルンベルクへと本社を移転した。1998年12月に社名がS.u.S.E.からSuSEへと変更され、その翌年にSUSEは6つの国内支店と4つの国際支店(アメリカチェコイギリスイタリア)をオープンした。2002年11月25日にRichard SeibtがCEOとなった。香港ではSUSEの製品はTriTech Distribution Limitedにより配布される[6]

ノベルによる買収

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2003年11月4日、ノベルは2億1,000万USドルでSuSE Linux AGの買収を発表した[7]。ノベルはNetWareカーネルから移行中であり、この買収をNetWare顧客に対する移行パスとして利用した[8]。2004年1月13日に買収が完了し[9]、社名がSuSE Linux AGから、SuSE Linux GmbHおよびSUSE Linux Products GmbHへと変更され、ノベルの子会社になった。SUSE Linux Products GmbHはSUSE Linux開発への完全な責任があり、Markus Rexが率いた。移行中にパートナーと販売組織は両方ともノベルに集約された。Richard SeibtがノベルEMEAのCEOとなったが、2005年5月9日に退任した。

2005年8月にopenSUSEコミュニティプロジェクトが開始され、外部のユーザーや開発者にSUSE Linuxの開発が公開された。SUSE Linux EnterpriseはopenSUSEコミュニティを利用して開発されている。

Attachmateによる買収

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2011年4月27日にノベルはThe Attachmate Group英語版により買収されたが、その新しいオーナーの下でもSUSEは独立した会社のままであった[10]。2012年6月、ノベルの所有中に解雇された多くの元SUSE技術者が戻ってきた[11]

Attachmateとマイクロフォーカスの合併

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2014年11月20日にThe Attachmate Groupとマイクロフォーカスとの合併が決定し、マイクロフォーカスはSUSEの新しい親会社となった[12][13]。2016年11月、マイクロフォーカスがヒューレット・パッカード・エンタープライズ (HPE) のソフトウェア資産を買収したことに伴い、SUSEが HPE のソフトウェア資産、人材を継承して吸収した[14]。SUSEはマイクロフォーカスグループ内における半自律的なビジネスユニットとして経営されており、元社長であるNils BrauckmannがCEOおよびマイクロフォーカスグループの重役メンバーに昇格している[15]

EQTへの売却

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2018年7月、マイクロフォーカスからEQTに売却されることが発表[16]。2019年3月15日に買収が完了し、再び独立企業となった[17][18]

製品

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SUSEカメレオンの公式ぬいぐるみ

2006年7月にSUSE Linux Enterprise 10プラットフォームが開始され、このプラットフォームはほぼ同一のコードベースを搭載したサーバとデスクトップの両方の基盤となった。

サーバ

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SUSE製の主要なサーバLinuxディストリビューションはSUSE Linux Enterprise Server ("SLES") である。このディストリビューションは物理的、仮想的、さらにクラウドによるワークロードに適しており、巨大な組織をターゲットとしている。全てのバージョンが、x86ARM[19]x86-64POWER[20]IBM S/390とzSeries[21] 、またはItaniumなどの多様なプロセッサアーキテクチャで利用可能である。SUSE Linux Enterprise Server 11および12の体験版はサイトから利用可能である[22]。SLESはAmazon EC2[23]Microsoft Azure[24]およびGoogle Compute Engine英語版上で[25]、オンデマンドまたはBring-Your-Own-Subscription ("BYOS") イメージの両方で利用可能である。

サーバ製品ベースの提供物

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サーバ製品の特殊なエディション

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SUSE Linux Enterprise Serverには、各パートナーシップの背景で作成された、最適化されたエディションがいくつかある。これらのエディションは基本となるサーバ製品から開発されている:

  • SLES for VMware[31] - 権利はVMware vSphereに含まれていた。製品の提供終了が発表されている。
  • SLES for Amazon EC2[23]
  • SLES for Microsoft Azure[24]
  • SLES for Raspberry Pi[32] - Raspberry Pi 3 Model B用に作られたARM用SUSE Linux Enterprise Serverの特別なパッケージバージョン。

デスクトップ

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  • SUSE Linux Enterprise Desktop[33] - Novell Linux Desktopの後継。
  • SUSE Linux Enterprise Workstation Extension[34] - SUSE Linux Enterprise Serverにデスクトップ機能と追加するアドオン拡張。
  • LibreOfficeオフィス製品スイート[35] - SUSEが配布およびサポートしており、さらにSUSEからLibreOfficeとして販売されている。

管理およびクラウド

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以下にSUSEソフトウェア管理およびクラウドツールを挙げる:

  • SUSE OpenStack Cloud[36] - Infrastructure-as-a-Serviceプライベートクラウドを開発して管理するための、OpenStackをベースとした自動化されたクラウドコンピューティングプラットフォーム。
  • SUSE Manager[37] - パッケージやパッチ管理、システムプロビジョニング、および監視用であるSpacewalk英語版をベースとした、包括的Linuxサーバ管理ツール。
  • SUSE Enterprise Storage英語版[38] - コスト効率、復元力、さらにスケーラブルなストレージのためにコモディティサーバやディスクドライブを使用することを可能とする、Cephをベースとしたソフトウェア定義ストレージツール。
  • SUSE Container as a Service Platform[39] - Kubernetesをベースとした、コンテナベースアプリケーションおよびサービス用プラットフォームを開発およびホストするためのアプリケーション。
  • SUSE Studio[40] - オペレーティングシステム、設定、アプリケーションおよびデータを含んだシステムイメージをビルドするフリーのウェブベースのツール。

合併と買収

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SUSEの最初の技術買収は2016年で、ドイツのIT企業であるit-novumからopenATTIC、オープンソースであるCeph、およびストレージ管理フレームワークなどのソフトウェア資産を買収した[41]

脚注

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  1. ^ a b SUSE History”. SUSE. 29 January 2013閲覧。
  2. ^ Micro Focus Annual Report”. Micro Focus (April 30, 2016). 2017年10月16日閲覧。
  3. ^ SUSE welcomes 1000th employee”. www.suse.com. 2017年6月2日閲覧。
  4. ^ SUSE (3 April 2019). How do you say SUSE?).
  5. ^ SuSE FAQ - ウェイバックマシン(2002年6月6日アーカイブ分)
  6. ^ tritech”. www.ttdist.com. 2016年1月4日閲覧。
  7. ^ Shankland, Stephen (4 November 2003). “Novell to acquire SuSE Linux”. CNET. 29 January 2013閲覧。
  8. ^ Novell Announces Agreement to Acquire Leading Enterprise Linux Technology Company SUSE LINUX”. Novell (4 November 2003). 29 January 2013閲覧。
  9. ^ Novell Completes Acquisition of SUSE LINUX”. 2017年10月16日閲覧。
  10. ^ SuSE becomes separate Attachmate division”. ComputerWeekly.com (18 May 2011). 29 January 2013閲覧。
  11. ^ DiDidio, Laura (June 2012). “Michael Miller Q&A: SUSE and Attachmate Group”. ITIC. 29 January 2013閲覧。
  12. ^ The Attachmate Group Completes Acquisition of Novell”. The Attachmate Group (27 April 2011). 29 January 2013閲覧。
  13. ^ https://www.novell.com/ja-jp/news/press/2014/11/micro-focus-international-completes-merger-with-the-attachmate-group.html Micro Focus International、Attachmate Groupとの合併完了を発表
  14. ^ https://www.suse.com/newsroom/post/2016/suse-acquires-openstack-iaas-and-cloud-foundry-paas-talent-and-technology-assets-from-hpe-to-accelerate-growth-and-entry-into-new-markets/
  15. ^ Micro Focus International plc Announcement of Board Changes”. otp.investis.com. 2017年6月5日閲覧。
  16. ^ SUSE Partners with Growth Investor EQT to Continue Momentum, Strategy Execution and Product Expansion”. 2018年7月3日閲覧。
  17. ^ https://www.suse.com/c/ja/news/suse-completes-move-to-independence-reaffirms-commitment-to-customers-partners-and-open-source-communities-as-industrys-largest-independent-open-source-company/
  18. ^ 2019年3月20日 SUSE,ふたたび独立企業になる”. 技術評論社 (2019年3月20日). 2019年5月20日閲覧。
  19. ^ SUSE Linux Enterprise Server for ARM”. 2017年10月16日閲覧。
  20. ^ SUSE Linux Enterprise Server on IBM Power Systems”. 2017年10月16日閲覧。
  21. ^ SUSE Linux Enterprise Server for z Systems and LinuxONE”. 2017年10月16日閲覧。
  22. ^ Linux Downloads”. SUSE. 29 January 2013閲覧。
  23. ^ a b SUSE Linux Enterprise Server for Amazon EC2”. 2017年10月16日閲覧。
  24. ^ a b SUSE Linux Enterprise Server for Azure”. 2017年10月16日閲覧。
  25. ^ SUSE Linux Enterprise Server for Google Compute Engine”. 2017年10月16日閲覧。
  26. ^ SUSE Linux Enterprise Server for SAP Applications”. 2017年5月11日閲覧。
  27. ^ SUSE Linux Enterprise Point of Service”. 2017年10月16日閲覧。
  28. ^ SUSE Linux Enterprise High Performance Computing”. 2017年10月16日閲覧。
  29. ^ SUSE Linux Enterprise High Availability Extension”. 2017年10月16日閲覧。
  30. ^ Distributed Replicated Block Device (DRBD)
  31. ^ SUSE Linux Enterprise Server for VMware”. 2017年10月16日閲覧。
  32. ^ SUSE Linux Enterprise Server for Raspberry Pi”. 2017年10月16日閲覧。
  33. ^ SUSE Linux Enterprise Desktop”. 2017年10月16日閲覧。
  34. ^ SUSE Linux Enterprise Workstation Extension”. 2017年10月16日閲覧。
  35. ^ SUSE Partners with Collabora to Deliver Commercial LibreOffice Support”. 2017年10月16日閲覧。
  36. ^ SUSE OpenStack Cloud”. 2017年10月16日閲覧。
  37. ^ SUSE Manager”. 2017年10月16日閲覧。
  38. ^ SUSE Enterprise Storage”. 2017年10月16日閲覧。
  39. ^ SUSE CaaS Platform”. 2017年10月16日閲覧。
  40. ^ SUSE Studio”. 2017年10月16日閲覧。
  41. ^ SUSE Poised for Greater Growth in Software-defined Storage Market by Acquiring openATTIC Storage Management Assets from it-novum”. www.suse.com. 2017年6月5日閲覧。

外部リンク

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関連項目

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