GNOME

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The GNOME Project
Gnomelogo.svg
GNOME Shell with GNOME Clocks, Evince, gThumb and GNOME Files at version 3.22 (2016, 09) in Dark mode.png
GNOME 3.22
開発元 GNOME developers
最新版 3.30 / 2018年9月5日(4か月前) (2018-09-05
リポジトリ gitlab.gnome.org/GNOME
対応OS クロスプラットフォーム
種別 デスクトップ環境
ライセンス GPL & LGPL
公式サイト GNOME.org
テンプレートを表示

GNOME(グノーム[1]、ノーム、GNU Network Object Model Environment)は、X Window System上で動作するデスクトップ環境、またはその開発プロジェクトである。KDEと並んで、広く使われている。

ツールキットにはGTK+を採用している。GNUプロジェクトの一部であり、ライセンスについてはGNOMEライブラリはLGPL、アプリケーションはGPLである。

綴りが同じであるgnome(地の精)はノームと発音するが、GNOMEはGNUのそれと同様、グノームと発音する。

デスクトップ環境[編集]

GNOME Shell.png
1
2
3
4
5
6
GNOME Shell オーバービューモード
1
アクティビティボタン
2
ダッシュ
3
通知エリア
4
検索バー
5
ステータスメニュー
6
ワークスペースリスト

GNOME Shell[編集]

GNOME 3.0のアップデートではGNOMEのデフォルトのユーザインタフェースであったGNOME パネルGNOME Shellに置き換えられ、今までのデスクトップ環境が一新された。

デスクトップの上に新しいタスクバーがあり、左端にアクティビティ、中央に時計とカレンダー、右端に通知メニューとチャットメニューが表示される。「アクティビティ」をクリックするとアクティビティ・オーバービューが起動される。ポインターを画面の左上の端に動かすだけでも起動されるようになっている。アクティビティ・オーバービューでは、開かれているすべてのウィンドウが表示され、画面の左側にお気に入りのアプリケーション、そして上側には検索バーがあり、インストールされたアプリケーションを検索したり、GoogleWikipediaでのウェブ検索もできるようになっている。

GNOME パネル[編集]

GNOME 3.0 より前のリリースではGNOME パネルが標準として使われていた。GNOME 3.0以降でも、GNOME パネルは使えるが、GTK2 / bonobo アプレットが使えず、GTK3 / D-Bus パネルを使う必要がある[2]

Mac風のインタフェースを持つGNOME パネルは、タスク管理をするためにデフォルトでデスクトップの上下にバーを表示するようになっている。上のバーには、左端にメニュー、ランチャ、右端に時計が表示される。下のバーには、アプリケーション毎のウィンドウが表示されるようになっている。バーにはランチャのほかに、パネル・アプレットと呼ばれる常駐型のアプリケーションを追加することができ、これはシステムの状態や天気予報など、さまざまな対象をモニタする目的によく利用される。

その他に利用可能な機能としては、複数のデスクトップ環境を同時に利用可能な仮想デスクトップ機能などを備えている。

開発体制[編集]

GNOMEプロジェクトは、他の多くのソフトウェアプロジェクトよりも緩い関係を持った組織である。GNOMEアーキテクチャGNOMEアプリケーションはそれぞれ独自のバージョンとリリーススケジュールを持つ。ただし、これらは半年ごとのGNOME全体の安定版リリースに合わせて、協調して開発が進められる。2000年に設立されたGNOME Foundationは管理作業やリリースを調整したり、GNOMEに含めるプロジェクトの決定を行なう。また、freedesktop.orgではデスクトップ環境間での知識や技術を共有するために標準的な技術を公開しているが、これらがGNOMEに取りこまれることもある。

ユーザビリティ[編集]

GNOMEプロジェクトでは、ユーザビリティの原則を定めたガイドライン、GNOME Human Interface Guidelines [3]に従って開発が進められている。

ここでは、細かすぎるインタフェースはコストが高くなりがちであるとして、注意深く取捨選択することが推奨されている[4]。この点について、リーナス・トーバルズは「ユーザーをバカだと看做すGNOMEの姿勢は根本的に誤りである」として批判している[5]

評価[編集]

GNOME 2までは、無数のLinuxディストリビューションで標準となり、安定したデスクトップという評価が高かったが、GNOME 3からは、批判的な意見が多い。Linuxカーネル開発者のリーナス・トーバルズも、デスクトップ環境をXfceに移して批判していた(現在は、GNOME 3に戻っている)。そのため、CinnamonMATEといったGNOMEからフォークした新しいデスクトップ環境が開発されている。

歴史[編集]

開発当初、GNOMEはライバルのKDEと同じく、Windows風のインタフェースを備えていたが、2.8から先、コアアプリケーションであるファイルを始めとして、徐々にmacOS風のインタフェースを備えるようになった。この変更は賛否を各地で呼んだが、開発は留まること無く続けられている。

なお、GNOMEのバージョンは偶数バージョンのリリース版の他に、開発者向けとみられる奇数バージョンがある。半年ごとに新バージョンがリリースされる。

  • 1997年8月 - ミゲル・デ・イカザフェデリコ・メーナがGNOMEの開発を開始。1996年10月に開発が始められたKDEに触発されたものと言われている。
  • 1999年3月 - 1.0 - 最初のメジャーリリース
  • 1999年10月 - ミゲル・デ・イカザとナット・フリードマンによりInternational Gnome Support社(後にHelix Code、さらにその後Ximianと改名)が設立。就業を希望するGNOMEハッカーを次々と雇用し商業化を果たす。
  • 2000年5月 - 1.2 - "Bongo"
  • 2000年8月 - GNOME Foundation設立
  • 2001年4月 - 1.4 "Tranquility"
  • 2001年7月 - GNOMEアプリケーションの生産性の向上を掲げ、MONOがオープンソースにて公開。
  • 2002年6月 - 2.0 - GTK+2ベースへのアップグレード
  • 2003年2月 - 2.2 - マルチメディア(GStreamerの採用)とファイルマネージャの向上。
  • 2003年3月 - MonoDevelop公開。SharpDevelopというWindowsに依存したオープンソースの.NET Framework統合開発環境Windows FormsからGTK#に移植。
  • 2003年9月 - 2.4 - Epiphany、アクセシビリティサポート
  • 2004年3月 - 2.6 - Nautilusがスペーシャルモードヘ移行、新しいGTKファイルダイアログの採用。
  • 2004年9月 - 2.8 - リムーバブルドライブ周辺の改良、Evolutionの追加
  • 2005年3月 - 2.10 - メモリ消費量やパフォーマンスの改良、新しいアプレットやTotemSound Juicerの追加
  • 2005年9月 - 2.12 - Nautilusの改良、Evinceドキュメントビューア・メニューエディタ等の追加。cairoを使った GTK+2.8ベースに。
  • 2006年3月 - 2.14 - パフォーマンスの改善、検索の強化、Ekigaビデオ会議ソフトや管理ツールPessulusの追加。
  • 2006年9月 - 2.16 - Tango Desktop Projectの成果の取り込み、ノートパソコン向けのパワーマネジメントツールの追加、Nautilusの改良
  • 2007年3月 - 2.18 "Simply Beautiful" - ゲームアプリの追加、中国語・日本語の縦書きのサポート、キー管理アプリケーションSeahorseの追加
  • 2007年9月 - 2.20 - 右から左へ記述する言語のサポートを改善、Evolutionの改良
  • 2008年3月 - 2.22 - ウェブカメラソフトCheeseの追加、世界時計、マウスの操作性に関する改良、ユーザ空間の仮想ファイルシステムGVfs
  • 2008年9月 - 2.24 - MaemoLiMoALP等の各種モバイルプラットフォームへの対応、モバイル向けウィンドウマネージャMatchboxの追加、インスタントメッセンジャーソフトEmpathyの追加、Nautilusへのタブ機能の追加、サウンドテーマ対応、画面解像度管理の改良
  • 2009年3月 - 2.26 - CD/DVD書き込みソフトBraseroの拡張、シンプルなファイル共有プラグイン、マルチモニタとプロジェクタのサポート、PulseAudioに統合されたボリュームコントロール

リリース(これまでの公開版)[編集]

以下は、これまでに公開された主な安定版である。ユーザガイドやリリースノートには、それぞれの特徴が詳細にまとめられてある。

GNOMEアーキテクチャ[編集]

GNOMEアプリケーション[編集]

構成要素[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

注釈[編集]

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  1. ^ Shaun McCance (2008年2月13日). “Re: "Ga-nome" or "NOME"” (English). foundation-list -- Discussion relating to the GNOME Foundation mailing list.. http://mail.gnome.org/archives/foundation-list/2008-February/msg00005.html 2010年5月25日閲覧。 
  2. ^ GNOME 3 and panel applets
  3. ^ The GNOME Usability Project. “GNOME Human Interface Guidelines 2.2”. 2009年11月9日閲覧。
  4. ^ The GNOME Usability Project. “Keep It Simple and Pretty”. 2009年11月9日閲覧。
  5. ^ Torvalds, Linus (2005年12月12日). “[Usability Re: [Desktop_architects] Printing dialog and GNOME]”. 2009年11月9日閲覧。
  6. ^ https://www.gnome.org/press/1999/03/gnome-1-0-released/
  7. ^ https://www.gnome.org/press/2000/05/gnome-1-2-bongo-gnome-unleashed/
  8. ^ https://www.gnome.org/press/2001/04/gnome-1-4-released-desktop-environment-boasts-power-stability-polish-and-integration/
  9. ^ http://mail.gnome.org/archives/desktop-devel-list/2002-June/msg00592.html
  10. ^ http://mail.gnome.org/archives/gnome-announce-list/2003-September/msg00062.html
  11. ^ https://www.gnome.org/press/2004/09/gnome-2-8-released/
  12. ^ https://www.gnome.org/press/2005/03/gnome-2-10-released/
  13. ^ http://mail.gnome.org/archives/gnome-announce-list/2006-September/msg00042.html
  14. ^ http://mail.gnome.org/archives/gnome-announce-list/2007-March/msg00056.html
  15. ^ http://arstechnica.com/news.ars/post/20070919-gnome-2-20-officially-released.html
  16. ^ http://mail.gnome.org/archives/gnome-announce-list/2008-March/msg00060.html
  17. ^ http://mail.gnome.org/archives/gnome-announce-list/2008-September/msg00132.html
  18. ^ http://mail.gnome.org/archives/gnome-announce-list/2009-March/msg00091.html
  19. ^ Stormy Peters (2009年9月23日). “Made to Share! GNOME 2.28 Released!”. The GNOME Project. 2017年7月17日閲覧。
  20. ^ Stormy Peters (2010年3月31日). “GNOME Project Updates Free Desktop with 2.30 Release”. The GNOME Project. 2017年7月17日閲覧。
  21. ^ This page is a listing of GNOME-related projects and their related web pages.
  22. ^ The site is not endorsed by the GNOME Project and it does not clearly identify some software that is not free or open source.