CentOS

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CentOS
Centos full.svg
CentOS 6.0.png
CentOS 6.0のGNOME デスクトップ環境
開発元企業 / 開発者 The CentOS Project(レッドハット後援)
OSの系統 Linux
開発状況 開発中
ソースモデル FLOSS
最新安定版リリース 6.5 / 2013年12月1日(3か月前) (2013-12-01
5.10 / 2013年10月19日(5か月前) (2013-10-19
パッケージ管理 RPM
対応プラットフォーム IA-32, x64
カーネル種別 モノリシックカーネル
既定のUI GNOMEまたはKDE
ライセンス GPL
ウェブサイト www.centos.org

CentOS(セントオーエス[1][2], [注釈 1])は、Red Hat Enterprise Linux(以下「RHEL」と呼ぶ)との完全互換を目指したフリーのLinuxディストリビューションである。

概要[編集]

レッドハットは、RHELに含まれているソフトウェアを オープンソースライセンスに基づき そのソースコードを無償公開している。CentOSは、このソースコードを用いることにより、同社の商標、商用パッケージ等を含まない形でリビルドされている。CentOSは、White Box Enterprise LinuxScientific Linux等を含めて、一般に「RHELクローン」と呼ばれることもある。

RHELクローンとしてはWhite Box Enterprise Linux が先にリリースされている[注釈 2]。これが広く人気を得たことを契機に、CentOSのプロジェクトは有志のボランティアにより立ち上げられた。CentOS という呼び名は、「コミュニティベースで開発された、エンタープライズクラスのオペレーティングシステム (Community ENTerprise Operating System) 」に由来する。

CentOSの主要なターゲットはRHELと同様、企業のサーバ構築としており、レッドハットのサポートが不要な企業向けとしている。同時に CentOSは、The Document Foundationの公式サイトにて公開されているLibreOfficeのRPMパッケージ及び後述するサードパーティのリポジトリを用いてオフィススイートGPUドライバマルチメディアツール等をインストールすることにより、デスクトップOSとして用いることも可能である。

開発当初、レッドハットはCentOSの配布・開発に関与してこなかったが、2014年1月にレッドハットはCentOSプロジェクトを支援していくことを表明し、プロジェクトの中心メンバーをレッドハットの社員として迎え入れて、RHELとは別にCentOSの開発に専念することとなった[3]

入手方法[編集]

CentOS公式サーバ及びミラーサーバからは、CDおよびDVDのISOイメージHTTPFTPを用いてダウンロードできる。なお、大多数のミラーサーバではDVDのISOイメージをBitTorrentを用いてダウンロードするためのトレントファイルのみが公開されている。

パッケージ管理[編集]

パッケージ管理ツール[編集]

CentOSはRed Hat Linuxを源流とするRPM系Linuxに属しており、パッケージ管理システムとしてYumを採用している。RHELがRed Hat Networkサーバをデフォルトにしているのに対し、 CentOS Mirror Networkが用意されている。

リポジトリ[編集]

CentOSにデフォルトで含まれるリポジトリ (Base, Updates, Addons, Extras, CentOS Plus) に加えて、Fedoraプロジェクト提供のepel (Extra Packages for Enterprise Linux) やサードパーティーのRPM Fusion[4], ELRepo[5], Les RPM de Remi[6], RPMForge[7], JPackage[8]などがよく使われている。なお、CentOS Plusはデフォルトで無効化されており、RPMForge及びRemiについてもインストール後はオリジナルのCentOSパッケージを上書きしてしまう可能性があるとしてOFFにして運用することが一般的である。

基本的に同バージョンのRHELのリポジトリをインストールして用いることが出来ると言われている。

バージョンおよびサポート期限[編集]

バージョン番号の付与規則[編集]

CentOSのバージョンは、メジャーバージョンとマイナーバージョンの二つより構成される。メジャーバージョンはベースとしたRHELに対応しており、マイナーバージョンはそのRHELのバージョンアップに対応する。例えば、CentOS 4.3はRHEL 4 update 3のソースコードよりビルドされており、これとの互換が目標となっている。

各バージョンのリリース日とサポート期限[編集]

サーバ用途を考慮したRHELのクローンであるため、メンテナンス更新期限はRHELと同じく約10年(CentOS 4以前は約7年)程度[9]と非常に長くなっている。完全更新とは新たな機能の追加とセキュリティパッチ配布を意味し、年2~4回が予定されている。その後のメンテナンス更新とは必要不可欠なセキュリティパッチ配布のみを想定している。

バージョン アーキテクチャ[10] カーネル リリース日 ベースとなった
RHELのリリース日
遅延 完全更新期限
Full Updates
メンテナンス更新期限
Maintenance Updates
2 2.1(最終) i386 2.4.9 2004年05月14日 2002年05月17日 728日 2005年05月31日 2009年05月31日
3 3.1 i386, x86-64, IA-64, s390, s390x 2.4.21-15 2004年03月19日 2003年10月23日 148日 2006年10月31日 2010年10月31日
3.9(最終) i386, x86-64, IA-64, s390, s390x 2.4.21-50 2007年07月26日 2007年06月15日 41日  
4 4.0 i386, x86-64, PowerPC(ベータ版) 2.6.9-5 2005年03月09日 2005年02月14日 23日 2008年02月29日 2012年02月29日
4.9(最終) i386, x86-64 2.6.9-100 2011年03月02日 2011年02月16日 14日  
5 5.0 i386, x86-64 2.6.18-8 2007年04月12日 2007年03月14日 28日 2012年09月30日 2017年03月31日
5.1 i386, x86-64 2.6.18-53 2007年12月02日 2007年11月07日 25日
5.2 i386, x86-64 2.6.18-92 2008年06月24日 2008年05月21日 34日
5.3 i386, x86-64 2.6.18-128 2009年03月31日 2009年01月20日 69日
5.4 i386, x86-64 2.6.18-164 2009年10月21日 2009年09月02日 49日
5.5 i386, x86-64 2.6.18-194 2010年05月14日 2010年03月31日 44日
5.6 i386, x86-64 2.6.18-238 2011年04月08日 2011年01月13日 85日
5.7 i386, x86-64 2.6.18-274 2011年09月13日 2011年07月21日 54日
5.8 i386, x86-64 2.6.18-308 2012年03月07日 2012年02月21日 15日
5.9 i386, x86-64 2.6.18-348 2013年01月17日 2013年01月08日 10日
5.10(最新) i386, x86-64 2.6.18-371 2013年10月19日 2013年09月30日 19日
6 6.0 i386, x86-64 2.6.32-71 2011年07月09日 2010年11月10日 242日 2015年05月31日 2020年11月30日
6.1 i386, x86-64 2.6.32-131 2011年12月09日 2011年05月19日 204日
6.2 i386, x86-64 2.6.32-220 2011年12月20日 2011年12月06日 14日
6.3 i386, x86-64 2.6.32-279 2012年07月09日 2012年06月21日 18日
6.4 i386, x86-64 2.6.32-358 2013年03月09日 2013年02月21日 15日
6.5(最新) i386, x86-64 2.6.32-431 2013年12月01日 2013年11月21日 10日

アドオンのリリース[編集]

Software Collections (SCL) は基本的なCentOSのシステムに含まれるものより新しいバージョンや基本的なCentOSのシステムには含まれていない動的プログラミング言語やデータベースサーバ、それらに関連した様々なパッケージを提供するレポジトリである[11]

SCLで入手できるパッケージはCentOSのシステムにおいて標準的に提供される物を置き換えない。その代わり、/optディレクトリに並行してインストールされ、提供されるsclユーティリティによってアプリケーションごとに選択的に有効化できる。例えば、PerlやMySQLの標準のバージョンはCentOSの基本的なインストールのままである[11]

アドオン名 アーキテクチャ[10] ベースとなるCentOSのバージョン CentOSにおけるリリース日 RHELにおけるリリース日 遅延(日)
Software Collections (SCL) 1.0[12] x86-64 6.4 2014-02-19[13] 2013-09-12[12] 160
Developer Toolset 2.0[14] i386, x86-64 6.4 N/A[15] 2013-09-12[14] N/A

サポートするアーキテクチャ[編集]

CentOSはx86アーキテクチャしかサポートしていない:[16][17]

以下のアーキテクチャは現在、CentOSでサポートされていない:

CentOSをベースにしたLinux ディストリビューション[編集]

  • NuOnce Networks CentOS / BlueQuartz CD
  • BlueOnyx
  • Openfiler
  • Rocks Cluster Distribution, for computer clusters, is now based on CentOS
  • SME Server
  • Trixbox, a PBX solution
  • XenEnterprise
  • PBX in a Flash

関連項目[編集]

脚注[編集]

出典・関連リンク[編集]

  1. ^ 斉藤 栄太郎 (2012/02/28 (JST)). “最新OS&ソフト わくわくインストール - 第1回 サーバー向け無償OSの定番「CentOS 6.2」:ITpro”. Nikkei Business Publications. 2013-04-20 (JST)閲覧。
  2. ^ OpenStandia. “CentOS 最新情報”. http://openstandia.jp/. 2013-04-20 (JST)閲覧。
  3. ^ CentOSがRed Hatとの共同開発体制を発表。引き続きRed Hatからは独立しつつ、開発支援などを受け入れ”. Publickey (2014年1月8日). 2014年1月9日閲覧。
  4. ^ Configuration - RPM Fusion
  5. ^ ELRepo - HomePage
  6. ^ Les RPM de Remi
  7. ^ AdditionalResources/Repositories/RPMForge - CentOS Wiki
  8. ^ JPackage Project
  9. ^ Download - CentOS Wiki
  10. ^ a b CentOS Overview”. 2013年10月31日閲覧。
  11. ^ a b Software Collections 1.0: Release Notes”. centos.org. 2013年10月31日閲覧。
  12. ^ a b Red Hat Extends Red Hat Enterprise Linux Platform with Latest Versions of Popular Programming Languages and Databases” (2013年9月12日). 2013年10月31日閲覧。
  13. ^ [CentOS-announce Software Collections for CentOS-6 (x86_64 only)]”. centos.org (2014年2月19日). 2014年2月20日閲覧。
  14. ^ a b Red Hat Releases Red Hat Developer Toolset 2.0 with Update to GCC” (2013年9月12日). 2013年10月31日閲覧。
  15. ^ [CentOS RH developer toolset]”. centos.org (2013年9月17日). 2013年10月31日閲覧。
  16. ^ About CentOS”. CentOS. 2008年6月1日閲覧。
  17. ^ Red Hat Enterprise Linux server details”. Red Hat. 2008年6月1日閲覧。

注釈[編集]

  1. ^ 公式フォーラム等を中心に sent-oss(セントス)と発音する例も。
  2. ^ White Box Enterprise Linux 本家サイトニュースCentOS本家サイトヒストリーを参照--2009-8-22閲覧

外部リンク[編集]