BEAT EMOTION

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BEAT EMOTION
BOØWYスタジオ・アルバム
リリース
録音 1986年9月6日 -9月23日
TAKE ONE G & R STUDIO
ジャンル ロック
時間
レーベル 東芝EMI/イーストワールド
プロデュース 糟谷銑司
布袋寅泰
専門評論家によるレビュー
チャート最高順位
BOØWY 年表
“GIGS” JUST A HERO TOUR 1986
(1986年)
BEAT EMOTION
(1986年)
PSYCHOPATH
1987年
『BEAT EMOTION』収録のシングル
  1. B・BLUE
    リリース: 1986年9月29日
  2. ONLY YOU
    リリース: 1987年4月6日
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BEAT EMOTION』(ビート・エモーション)は、日本ロックバンドであるBOØWY(ボウイ)の5枚目のアルバム。

背景[編集]

前作『JUST A HERO』(1986年)リリース後、全国ツアー最終日である7月2日に日本武道館単独公演を成功させ、同日に初のビデオ『BOØWY VIDEO』をリリース、また7月31日には日本武道館のライブを収めた初のライブ・アルバム『“GIGS” JUST A HERO TOUR 1986』を10万枚限定でリリースし、ライブアルバムは売れないという定説を覆して完売するなど、人気はさらに上昇し続けていた。

その最中、 前作においてサウンド面で納得のいくアルバムを作ることが出来たメンバーが、今度は商業面での成功、「チャート1位を狙う」という目的でレコーディングを開始する事となった。

氷室京介は、「BOØWY結成時の瞬発力みたいなものを再現したい。前作がオシャレに着飾った作品だとしたら、今回のアルバムは肌の部分が強い」と語っている[1]

制作段階では、このアルバムをラスト・アルバムと想定していた事が明らかにされており、アルバムタイトルには、全ての始まりとなった東芝EMIへの移籍前の1984年のライブツアーと同じ名称が使用された[2]

録音[編集]

プロデューサーとして、本作ではBOØWYのマネージャーであった糟谷銑司が務める事となり、音楽面に関しては前作に続き布袋寅泰がアレンジも含めほぼ全てを担当している。

レコーディングは1986年9月6日から23日までテイクワン G&R スタジオで行われており、前作・前々作が海外でレコーディングミックスを行ったのに対して、本作は全ての作業を日本国内で行った。また、前作が様々なスタジオでレコーディングされたのに対し、本作は一つのスタジオで集中して行われた。

レコーディングには僅か18日間しか費やしておらず、ドラム、ベースは最初の5日間程で録り終えたという。アルバムジャケットの撮影もレコーディング初日に行われた。

リリース[編集]

1986年11月8日東芝EMIのイーストワールドレーベルよりLPCDCTの3形態でリリースされた。

また、前作と同様にCDCTにのみ「NOISE LIMITTER」と「WORKING MAN」の2曲が追加収録されており、LPにはこの2曲は収録されていない。

プロモーション[編集]

先行シングル「B・BLUE」はPVが制作され、テレビ等で放送された。

また、テレビ番組出演に関しては、音楽番組『夜のヒットスタジオDELUXE』(1985年 - 1989年、フジテレビ系列) に出演し、11月5日は「B・BLUE」を演奏、12月3日にはまだシングルカットされていなかった「ONLY YOU」を演奏している。

その他にも12月3日にバラエティ番組オールナイトフジ』(1983年 - 1991年、フジテレビ系列)にも出演し、「B・BLUE」、「BEAT SWEET」、「ONLY YOU」の3曲を演奏している。

ツアー[編集]

本作を受けての全国ツアーは、「ROCK'N ROLL CIRCUS TOUR」と題し1986年11月11日の石川厚生年金会館を皮切りに31都市37公演行われた。

ツアータイトルの示す通り、当初はサーカスをイメージしたテント小屋を会場にしようと計画していたが、サーカスの管理事務所側から「地ならしのためのゾウを引き取ってもらわないと困る」と言われ断念した[1]

本ツアーでは2度の日本武道館公演が含まれており、後にその模様がCD『GIGS at BUDOKAN BEAT EMOTION ROCK'N ROLL CIRCUS TOUR 1986.11.11〜1987.02.24』(2004年)、ビデオ『GIGS at BUDOKAN BEAT EMOTION ROCK'N ROLL CIRCUS TOUR 1986.11.11〜1987.02.24』としてリリースされている。

批評[編集]

専門評論家によるレビュー
レビュー・スコア
出典 評価
オールミュージック 星3.5 / 5 [3]
CDジャーナル 肯定的[4]
別冊宝島653
音楽誌が書かないJポップ批評18
BOØWYと「日本のロック」
肯定的[5]
別冊宝島1322
音楽誌が書かないJポップ批評43
21世紀のBOØWY伝説
肯定的[6]

音楽情報サイト『オールミュージック』では、3.5点(満5点)となっている[3]

音楽情報サイト『CDジャーナル』では、「これまでのBOØWYにあったトゲトゲしさみたいなものが消えています。一段と格好良さが増し、それがアルバムに出たと思えてきます」と評されている[4]

音楽誌『別冊宝島653 音楽誌が書かないJポップ批評18 BOØWYと「日本のロック」』では、「高橋、松井のリズム隊もより堅固に、より鋭利となり、音全体にビシッと確たる一本の筋が通ったかのようだ。分かりやすい曲調に乗って、氷室の歌声が、布袋のギターが明瞭に浮き上がり、これぞまさに90年代に連なるビート系バンドの原型、お手本といった仕上がりになっている。完成度は非常に高い」と述べている[5]

音楽誌『別冊宝島1322 音楽誌が書かないJポップ批評43 21世紀のBOØWY伝説』では、「バンドのアルバム、という印象が明快なのは、前2作を手掛けた佐久間正英ではなく布袋がプロデュースしたからだろう。佐久間との作業によって彼らが学んだことは多いはずだし、メンバーはもちろん、プロデューサーとしての布袋はその収穫を的確に生かしている。結果、以前にも増して"BOØWYらしい"作品に仕上がった」と述べている[6]

リリース履歴[編集]

No. 日付 レーベル 規格 規格品番 最高順位 備考
1 1986年11月8日 東芝EMI/イーストワールド LP
CD
CT
WTP-90438
CA32-1325
ZH28-1743
1位
2 1991年12月24日 東芝EMI/イーストワールド CD TOCT-6395 2位 CD-BOXBOØWY COMPLETE LIMITED EDITION』収録
3 1993年3月3日 東芝EMI/イーストワールド CD TOCT-6395 3位 CD-BOX『BOØWY COMPLETE REQUIRED EDITION』収録
4 2002年3月29日 東芝EMI/イーストワールド CD TOCT-24795 14位 CD-BOX『BOØWY COMPLETE 21st CENTURY 20th ANNIVERSARY EDITION』収録
20ビット・デジタルリマスター
5 2005年2月16日 東芝EMI/イーストワールド CD TOCT-25613 - 24ビット・デジタルリマスター盤
6 2007年12月24日 EMIミュージック・ジャパン/イーストワールド CD TOCT-26495 - 24ビット・デジタルリマスター盤、紙ジャケット仕様、LP盤のレーベルを再現
7 2012年12月24日 EMIミュージック・ジャパン/イーストワールド Blu-spec CD2 TOCT-98004 79位

収録曲[編集]

LP版[編集]

A面[編集]

  1. B・BLUE(ビー・ブルー) (3:57)
    4thシングル。制作段階では「TRUE BLUE」というタイトルだったが、マドンナが同名のアルバムを発表したため、タイトルが変更された。
  2. ONLY YOU(オンリー・ユー) (4:10)
    • 作詞:氷室京介 / 作曲・編曲:布袋寅泰
    5thシングルとしてリカットされた。仮タイトルは「コステロよりはまだ若い」。
  3. RUNAWAY TRAIN(ランナウェイ・トレイン) (3:21)
    • 作詞:氷室京介 / 作曲・編曲:布袋寅泰
    仮タイトルは「ベースのリフは殺しの調べ」。
  4. BEAT SWEET(ビート・スウィート) (3:22)
    • 作詞:氷室京介 / 作曲・編曲:布袋寅泰
    仮タイトルは「モット・ザ・フープルにはなれなかったよ」。
    裏拍子から成るリズムに、松井恒松高橋まことはレコーディングで非常に苦労したという[7]。特に高橋はドラムがなかなか思うように叩けず、楽曲自体がお蔵入りになる可能性もあった。[8]
    2005年に布袋が自身のベストアルバム『ALL TIME SUPER BEST』にてセルフカバーを行った。
  5. DON'T ASK ME(ドント・アスク・ミー) (3:23)
    • 作詞・作曲:氷室京介 / 編曲:布袋寅泰
    仮タイトルは「なぎさの黄金バット」。
  6. B・E・L・I・E・V・E(ビリーヴ) (4:19)
    • 作詞:氷室京介 / 作曲・編曲:布袋寅泰

B面[編集]

  1. SUPER-CALIFRAGILISTIC-EXPIARI-DOCIOUS(スーパー・カリフラジリスティック・エクスピアリ・ドーシャス) (3:00)
    • 作詞・作曲・編曲:布袋寅泰
    タイトルの由来は1964年に公開されたミュージカル映画、『メリー・ポピンズ』に登場する楽曲の名前から取られている(ただし、「EXPIALI」が「EXPIARI」となっている)。スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャスを参照。仮タイトルは「カリプソロックでご機嫌さ」。
    曲中にモーツァルトアイネ・クライネ・ナハトムジーク」の第1楽章の冒頭部分が引用されている。
  2. DOWN TOWN SHUFFLE(ダウン・タウン・シャッフル) (3:30)
    • 作詞:氷室京介 / 作曲・編曲:布袋寅泰
    山下久美子コーラスで参加(クレジットには表記されていない)。仮タイトルは「デフ・スクールw版は盲目の学校」。
  3. RAIN IN MY HEART(レイン・イン・マイ・ハート) (3:52)
    • 作詞:松井恒松 / 作曲・編曲:布袋寅泰
    仮タイトルは「四十肩には生ギター」。
  4. DRAMATIC?DRASTIC!(ドラマティック? ドラスティック!) (4:17)
    • 作詞:高橋まこと / 作曲・編曲:布袋寅泰
    仮タイトルは「トーキング・ヘッズは3時のおやつ」。
  5. OUR REVOLUTION(アワー・レボリューション) (3:52)
    • 作詞:氷室京介 / 作曲・編曲:布袋寅泰
    仮タイトルは「T・REXが好きな君に」。
  6. SENSITIVE LOVE(センシティヴ・ラヴ) (2:34)
    • 作詞・作曲:氷室京介 / 編曲:布袋寅泰
    仮タイトルは「小指をかんでよ、ねぇダーリン」。

CT版[編集]

A面[編集]

  1. B・BLUE (3:57)
  2. ONLY YOU (4:10)
  3. RUNAWAY TRAIN (3:21)
  4. BEAT SWEET (3:22)
  5. NOISE LIMITTER(ノイズ・リミッター) (2:40)
    • 作詞・作曲:氷室京介 / 編曲:布袋寅泰
    仮タイトルは「決まりの文句でイカしたナンパ」。
  6. DON'T ASK ME (3:23)
  7. B・E・L・I・E・V・E (4:19)

B面[編集]

  1. SUPER-CALIFRAGILISTIC-EXPIARI-DOCIOUS (3:00)
  2. DOWN TOWN SHUFFLE (3:30)
  3. WORKING MAN(ワーキング・マン) (2:44)
    • 作詞:松井恒松 / 作曲・編曲:布袋寅泰
    4thシングル「B・BLUE」のB面曲。テリー・ギリアム監督の映画『未来世紀ブラジル』(1985年、イギリス)が題材になっている。
  4. RAIN IN MY HEART (3:52)
  5. DRAMATIC? DRASTIC! (4:17)
  6. OUR REVOLUTION (3:52)
  7. SENSITIVE LOVE (2:34)

CD版[編集]

  1. B・BLUE (3:57)
  2. ONLY YOU (4:10)
  3. RUNAWAY TRAIN (3:21)
  4. BEAT SWEET (3:22)
  5. NOISE LIMITTER (2:40)
  6. DON'T ASK ME (3:23)
  7. B・E・L・I・E・V・E (4:19)
  8. SUPER-CALIFRAGILISTIC-EXPIARI-DOCIOUS (3:00)
  9. DOWN TOWN SHUFFLE (3:30)
  10. WORKING MAN (2:44)
  11. RAIN IN MY HEART (3:52)
  12. DRAMATIC? DRASTIC! (4:17)
  13. OUR REVOLUTION (3:52)
  14. SENSITIVE LOVE (2:34)

スタッフ・クレジット[編集]

BOØWY

参加ミュージシャン

スタッフ

  • 布袋寅泰 - サウンド・プロデューサー
  • 坂元達也 - レコーディング、リミックスエンジニア
  • 川口聡 - アシスタント・エンジニア
  • 園田一恵 - アシスタント・エンジニア
  • 岡崎ヨシオ - マスタリング・エンジニア
  • カッツ三宅 - アートディレクション、デザイン
  • 加藤正憲 - 撮影
  • TACO AIDA - スタイリスト
  • 糟谷銑司(ユイ・ロック・プロジェクト) - プロデューサー
  • 子安次郎(東芝EMI) - ディレクター
  • 土屋浩(ユイ・ロック・プロジェクト) - マネージャー
  • ゾンビ鈴木 - ローディー
  • ワンワン関口 - ローディー
  • 後藤由多加 - エグゼクティブ・プロデューサー
  • 石坂敬一 - エグゼクティブ・プロデューサー

脚注[編集]

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  1. ^ a b 「HISTORY」『B to Y THERE'S NO BEGINNING AND THE ENDS.』 宝島社、2004年9月20日、135頁。ISBN 9784796642408
  2. ^ 「PART4 Sound of BOØWY アルバム&楽曲総力レヴュー」『別冊宝島1322 音楽誌が書かないJポップ批評43 21世紀のBOØWY伝説』 宝島社2006年7月27日、102頁。ISBN 9784796653497
  3. ^ a b Beat Emotion - BoΦwy | Songs, Reviews, Credits | AllMusic”. All Media Network. 2017年3月5日閲覧。
  4. ^ a b BOφWY / Beat Emotion[廃盤] - CDJournal”. 音楽出版. 2017年3月5日閲覧。
  5. ^ a b 根本桃GO! 「PART4 作品パーフェクト研究」『別冊宝島653 音楽誌が書かないJポップ批評18 BOØWYと「日本のロック」』 宝島社、2002年6月7日、111頁。ISBN 9784796627245
  6. ^ a b 今井智子 「PART4 Sound of BOØWY アルバム&楽曲総力レヴュー」『別冊宝島1322 音楽誌が書かないJポップ批評43 21世紀のBOØWY伝説』 宝島社2006年7月27日、103頁。ISBN 9784796653497
  7. ^ 『記憶』 松井常松(2009年 徳間書店)
  8. ^ NHK-FMミュージックスクエア』での布袋の発言より

外部リンク[編集]