ファーストサーバ

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ファーストサーバ株式会社
Firstserver, Inc.
種類 株式会社
市場情報 非上場
本社所在地 日本の旗 日本
541-0052
大阪府大阪市中央区安土町1丁目8番15号 野村不動産大阪ビル 3F
設立 1996年平成8年)10月11日
業種 情報・通信業
事業内容 レンタルサーバー事業、ドメイン名登録サービス
代表者 村竹昌人(代表取締役)
資本金 3億6,357万円
(2016年3月31日現在)
純利益 -4億3,200万円(2016年3月期)
決算期 3月
主要株主 ヤフー株式会社
外部リンク https://www.firstserver.co.jp/
特記事項:ヤフー株式会社及びソフトバンク株式会社の連結子会社である。
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ファーストサーバ株式会社: Firstserver, Inc.)は大阪市中央区に本社を置く、ホスティングサーバを中心とする事業を行う企業である。

沿革[編集]

  • 1996年平成8年)7月 - クボタシステム開発株式会社(現・クボタシステムズ株式会社)として、レンタルサーバー事業を開始。
  • 1999年(平成11年)9月 - レンタルサーバーサービス「ファーストサーバ」を開始。
  • 2000年(平成12年)6月 - ファーストサーバ株式会社として独立
  • 2001年(平成13年)2月 - ドメイン登録サービス開始。
  • 2001年(平成13年)9月 - サイボウズのグループウェア製品を、レンタルサーバー上でサービス開始。
  • 2002年(平成14年)3月 - シマンテック提供のメールウィルス駆除サービスの提供開始。
  • 2003年(平成15年)7月 - 専用サーバーサービス開始。
  • 2004年(平成16年)11月 - ヤフー株式会社の子会社となる。
  • 2005年(平成17年)8月 - Windows DOT-NETレンタルサーバーサービスを開始。
  • 2007年(平成19年)11月 - 管理者権限を開放したレンタルサーバーサービスを開始。
  • 2009年(平成21年)10月 - 仮想専用サーバーサービスを開始
  • 2011年(平成23年)1月 - EC-CUBEクラウドサービス提供開始
  • 2012年(平成24年)6月20日 - サーバデータの全消失事件が発生。
  • 2015年(平成27年)2月 - Yahoo! JAPANIaaS型クラウド基盤を使用するサービスブランド「Zenlogic」を開始[1]

事故[編集]

データ全消失事件[編集]

2012年平成24年)6月20日に、クラウドデータのバックアップデータも含めて、全消失する事故を起こした[2][3][4][5]

事故の経過[編集]

2012年(平成24年)6月20日17時頃(JST)に、脆弱性対策を特定のサーバ群に対し実施した。事前にこれらの更新プログラムは、検証環境において動作確認を行ない、問題が発生しないことを確認した後、本番環境で実施することとなった。

しかし、この更新プログラムに不具合があり、検証環境下での確認及び防止機能が十分に働かないことと、メンテナンスの時のバックアップの仕様が変更されたことによって、データ消失事故が発生した。

本来であれば、対象サーバだけに適用するプログラムであったが、コンピュータプログラムバグによって、接続されていた全ての検証環境、本番環境、バックアップ環境に同時に不具合が適用され、データが全て消失した。

ウェブサイト以外にも、サイボウズのグループウェア商品のデータも消失し、多くの企業に影響を与えた。

この消失事故は、社内マニュアルに従わないことによって発生した。

ファイルの誤参照による障害[編集]

2012年6月20日に発生したデータ消失を免れ、残っていた一部のバックアップ環境で復旧プログラムを実行した。復旧プログラムの理解がないまま実行したので、不正なリカバリーファイルが作成された。その内容を確認せずに提供したので、ファイルの誤参照が発生した。

情報漏洩[編集]

二次的な情報漏洩事故も発生した。2012年(平成24年)6月20日に発生した「データ消失事故」によるデータ復旧プログラムによって、消失データを復旧したものの、一部の顧客がアクセス権限のないデータを閲覧できる状態となった。

利用者の復元データを同じサーバの他の顧客がダウンロード可能となってしまったことによって、この事故は発生した。

この事故の対応として、混在したデータをダウンロードした可能性のある顧客に対して、電話連絡で復元データの削除を依頼した[6]

関係者以外の見解[編集]

この事故に関し、ファーストサーバは多くのウェブサイトで批判を浴びた。対策として、隔離バックアップや、より一層のデータバックアップなどを行なうべきだという声が、匿名掲示板ブログSNSなどで多く挙がった。しかし、手間がかかるという理由で、二次バックアップなどの公式の事故再発防止策以外は、この事故以後も取られていない。

社内マニュアルを順守して作業していれば、本事故は発生しなかったものと推定される。しかし、もう一方では社内マニュアル順守では間に合わないほどの作業量があり、担当者の作成した作業自動化プログラムがなければ日々のサービス継続が困難であったことも推察される[7][8]

損失[編集]

筆頭株主であるヤフー株式会社は、損害賠償支払いなどのために、「システム事故関連損失」として、特別損失12億1900万円を経費計上した。これにより、同年度のヤフー株式会社の特別損失の合計は、28億4100万円となった[9][10]

関連項目[編集]

  • SHIROBAKO・・・2014年に放送されたテレビアニメ。3話で描かれるサーバトラブルは、このアニメを制作したピーエーワークスが、前述の事故に巻き込まれた出来事が元になっている[11]

脚注[編集]

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  1. ^ サーバーを捨てたファーストサーバ、「Zenlogic」で再始動”. ASCII.jp (2015年2月5日). 2017年2月3日閲覧。
  2. ^ 2012年6月20日から21日にかけて発生した一連の事故の再発防止策
  3. ^ 大規模障害の概要と原因について(中間報告)
  4. ^ ファーストサーバー事故 12億の教訓
  5. ^ 弊社一部サービスの障害について 2012/06/26 archive.org
  6. ^ 一部サービスにおける情報漏えいについて
  7. ^ ニュース - ファーストサーバ最終報告書、ベテラン担当者のマニュアル無視を黙認:ITpro”. ITpro (2012年7月31日). 2017年4月6日閲覧。"ところが、A氏だけはマニュアルに従わず、自作の「更新プログラム」を利用してシステム変更を行っていた。A氏は今回の事故発生時だけではなく、以前から独自の作業手順を実行しており、上長もこれを認識していながら容認していた。"
  8. ^ ファーストサーバ、データ消失事故の再発防止策を発表 スラド IT” (2012年8月14日). 2017年4月6日閲覧。 "「担当者Aは、従来から、当該社内マニュアルに従わず…独自方式でメンテナンスを行ってきた」と書いてあるだろ。これの意味する事は、以前から、マニュアル通りにやってたら”やってられない”ような机上の空論みたいなマニュアルだったわけでしょ。だから作業効率を上げるために更新プログラムを自作して使っていたわけですよね。効率・コストダウンばかりを現場に要求したツケでしょ?"
  9. ^ ヤフー株式会社 2012年度決算短信 2013年4月25日
  10. ^ 損害賠償はどうなる? 法律家が読み解くファーストサーバ事件
  11. ^ https://twitter.com/horiken2000/status/525322066463952896

外部リンク[編集]