シシリアンライス

ご飯の上に甘辛いタレで炒めた薄切り肉(牛肉が多い)と玉ねぎを乗せ、その上にレタスやトマト、きゅうりなどの生野菜を盛り付け、仕上げにマヨネーズを網かけした料理である。
調理法が簡単なため、佐賀の地元の名物料理として普及が始まったと共に、今では家庭料理としても認知が高まり、人気が出てきている。
公式キャラクター[編集]
公式キャラクターはシシリアンナちゃん。4月4日生まれのカッパアイドル。永遠の4歳。 シシリアンライスのお皿を頭にのせている。 佐賀市に流れる松原川のカッパ王国からやってきた。人間界のお父さんは佐賀市長。 恋をするとおへそがハート型になる。
概要[編集]
まちおこし団体「佐賀市はシシリアンライスdeどっとこむ」が中心となり、「佐賀シシリアンライス」を通じて食のまちおこしに最大貢献することを目標に、PR活動を行なっている。ご当地グルメでまちおこし団体連絡協議会( 通称・"愛Bリーグ" )の本部会員。
イメージキャラクターは「シシリアンナちゃん」。カッパをモチーフとして、頭の上の皿にシリリアンライスを乗せながら時に歌い、時に踊りシシリアンライスを応援する。松原川からシシリアン王国の姫として佐賀へ降り立ち、姫としての最初の仕事がシシリアンライスのPRである。
テーマソングは「シシリアンナがやってきた」(作詞:高橋裕典+島崎智子 作曲:島崎智子 編曲:島崎智子+オオニシユウスケ[1])。
起源と名称の由来[編集]
佐賀市観光協会では「うわさによると、1975年(昭和50年)頃、佐賀市中心街にある喫茶店でシシリアンライスなるものが誕生」したと紹介している[2]。かつては「まかない料理説、シーフードメニュー説など」と並べていたことがあったが、当時も詳細は記されていなかった[3]。また観光協会担当者は2009年(平成21年)4月5日付けの朝日新聞記事では起源や名称について「誰も分かっていない」としていた[4]。同年7月27日付けの朝日新聞記事では諸説として「エビやいかを使ってイタリアのシチリア島をイメージした」説を記した[5]。
原達郎は考案者が名乗り出ているとしてエッセイを記している。1974年(昭和49年)頃に福岡市内の店「田々夢詩(でんでんむし)」で働いていた田中和夫が賄い飯として料理したもので、当時はタマネギやピーマン等のあり合わせのもので作っていたが、従業員に好評だったため見た目も美しく工夫して、メニューに加えたという。
トマトの赤とゆで卵の白とキュウリやレタスの緑がイタリア国旗の三色旗を彷彿とさせるところや、田中が憧れた映画『ゴッドファーザー』の舞台シチリア(シシリー)島にちなんで「シシリアンライス」と名付けたとする[6]。
原はまた、佐賀観光協会[7]によると佐賀市で初めてシシリアンライスを店で出した人物は「修業時代に福岡市の飲食店で習った」と言っていたそうだとし、さらに「田々夢詩」に出入りしていた男性が佐賀で飲食店を開いたと聞いたことを田中が記憶していたともして、「福岡市の飲食店」が「田々夢詩」に間違いないものと考えられるとしている[6]。
任意団体「佐賀市はシシリアンライスdeどっとこむ」は1975年(昭和50年)頃に飲食店のまかない料理として出されたのが始まりで、その後佐賀市内の喫茶店でメニューとして出されるようになったとする。また由来について当時流行していた映画『ゴッドファーザー』のロケ地であるシチリア島から名付けられたというのが有力としている[8]。
2012年(平成24年)10月16日の朝日新聞記事では「佐賀市はシシリアンライスdeどっとこむ」代表によるとして博多の飲食店のまなかい食を有力とした。その一方で諸説として「隣の長崎『トルコライス』に同じ地中海の地名で対抗した」「当初はエビやイカを盛ってシチリア島をイメージした」も挙げ、また創始者だと名乗りを上げる人物が複数いるらしいとしている[9]。
現在[編集]
佐賀市観光協会ではシシリアンライスの「シシ」との語呂合わせで、4月4日をシシリアンライスの日に定めており、日本記念日協会としての認定も受けている[10]。佐賀市内のレストランや喫茶店など20店以上での販売が行われており、店ごとにアレンジが加えられている。
武雄市は市内に生息する約3万頭のイノシシ被害に悩まされているとして「いのしし課」を設置し、「イノシシの肉を使ってこそ本当のシシリアンライス」と語呂合わせをしたことがあった[6]。なお武雄市の「いのしし課」は2015年(平成27年)5月25日に廃止され、既にない[11]。
ネット漫画 「野原ひろし 昼飯の流儀」(キャラクター原作:臼井儀人、漫画:塚原洋一)第78話に「シシリアンライスの流儀」というタイトルの漫画がある。
展開[編集]
- 2009年(平成21年)11月開催の「第1回九州B-1グランプリ」では、シルバーグランプリ(2位)を獲得した[12]。
- 2010年(平成22年)3月に日本テレビで放送された「SUPER SURPRISE」の「ご当地最新B級グルメベスト50」に取り上げられ、第5位にランクインした[13]。
- 2010年(平成22年)4月には、コンビニエンスストアのファミリーマートと提携し、期間限定メニューとして九州地区620店舗でシシリアンライス弁当の販売が行われた[14]。
- 2010年(平成22年)より高校生によるシシリアンライスのオリジナルレシピを競うシシリアンライス甲子園が行われている。第1回〔2010年(平成22年)11月、牛津高校優勝〕[15]。第2回〔2011年(平成23年)12月、佐賀女子高優勝〕[16]。
- 2011年(平成23年)10月スマートフォン向けのサービスとしてシシリアンライス提供店舗情報の発信をインターネット専用ソフト「junaio(ジュナイオ)」を利用して開始。ソフト起動後"シシリアンライス"で検索→シシリアンライスMAPを選択しカメラを街角に向けると、店舗情報が表示されるほかGPSを利用して店舗へのルートも案内も利用可能である。[17]。
- 2012年(平成24年)3月24日・25日久留米市で開かれた食の祭典「九州B-1フェスタ」に出展。
- 2012年(平成24年)4月4日、記念日である「シシリアンライスの日」にあわせ、「佐賀シシリアンライス王国」を建国。佐賀市役所にて建国式及び就任式を行い、初代国王に秀島敏行市長が就任した。[18]。
- 2012年(平成24年)4月上旬、イメージキャラクターである「シシリアンナ」のキャラクターグッズが誕生。温度計付マグネット、キーホルダー、ストラップ型万華鏡・ミニキューブ・おみくじなどが発売されている[19]。
脚注[編集]
- ^ 「シシリアンナがやってきたYouTube」
- ^ “シシリアンライス”. 佐賀市観光協会. 2019年8月7日閲覧。
- ^ “シシリアンライス”. 佐賀観光協会. 2009年1月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年8月7日閲覧。
- ^ “シシリアンな一日”. 朝日新聞: p. 31(佐賀全県). (2009年4月5日)
- ^ “味に覚えあり B級グルメ 訳は知らねど〝シシリアン〟 佐賀”. 朝日新聞: p. 22(佐賀全県). (2009年7月27日)
- ^ a b c 原達郎「食楽園 九州・沖縄生まれの美味かもん「シシリアンライス」」『財界九州』2009年12月、196-197頁。
- ^ 当時。現在は佐賀市観光協会。
- ^ “佐賀シシリアンライスとは”. 佐賀市はシシリアンライスdeどっとこむ. 2019年8月7日閲覧。
- ^ “B級ご当地ぐるめぐり 組み合わせの妙 シシリアンライス(佐賀市)”. 朝日新聞夕刊: p. 4. (2012年10月16日)
- ^ “4月4日は「シシリアンライス」の日 佐賀観光協会がPR”. 佐賀新聞. (2009年4月3日). オリジナルの2009年4月13日時点におけるアーカイブ。
- ^ “武雄市がフェイスブック課廃止 「こども教育部」新設”. 西日本新聞. (2015年5月26日). オリジナルの2015年5月25日時点におけるアーカイブ。
- ^ 「第1回九州B-1グランプリ結果発表」(第1回九州B-1グランプリ公式サイト)
- ^ 「ご当地最新B級グルメベスト50」(日本テレビ系『SUPER SURPRISE』2010年3月8日放送)
- ^ 「シシリアンライス九州デビュー ファミマ620店で発売」(佐賀新聞 2010年4月7日)
- ^ 「シシリアンライス甲子園 牛津高A、初代グランプリに」(佐賀新聞 2011年11月14日)
- ^ 「2代目王者は佐賀女子高」(佐賀新聞 2011年12月11日)
- ^ 「シシリアンライス 佐賀市25店舗スマホで案内」(西日本新聞 2011年11月27日)
- ^ 「シシリアンライス王国建国」(読売新聞 2012年4月5日)
- ^ 「「シシリアンナ」グッズ誕生 佐賀のグルメを有名に」(佐賀新聞 2012年4月5日)
- ^ https://saga.keizai.biz/headline/1339/
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
- 佐賀市はシシリアンライスdeどっとこむ - 市民団体が運営する佐賀シシリアンライス公式サイト
- シシリアンライス - 一般社団法人佐賀市観光協会(旧・社団法人佐賀観光協会)サイト内のシシリアンライス紹介ページ
- シシリアンナちゃん - Twitter公式アカウント
- 佐賀シシリアンライス - Facebookサイト
- 第78話「シシリアンライスの流儀」-WEB漫画サイト WEBアクション