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大湊線

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JR東日本 大湊線
終着駅・大湊で出発を待つキハ100
終着駅・大湊で出発を待つキハ100
終着駅・大湊で出発を待つキハ100
大湊線の路線図
大湊線の路線図
路線総延長58.4 km
軌間1067 mm
最高速度85 km/h
停車場・施設・接続路線
exSTR
南部縦貫鉄道線
exSTRlf
STRq
ABZ3lg
0.0 野辺地駅
STR
青い森鉄道線
BHF
2.8 北野辺地駅
BHF
9.6 有戸駅
BHF
23.0 吹越駅
BHF
30.1 陸奥横浜駅
BHF
36.0 有畑駅
BHF
42.7 近川駅
BHF
47.7 金谷沢駅
STR
田名部運輸軌道
exKBHFr BHF
53.2 赤川駅
exSTRq eABZlg
下北交通大畑線
BHF
55.5 下北駅
KBHFe
58.4 大湊駅

大湊線(おおみなとせん)は、青森県上北郡野辺地町野辺地駅から、下北半島陸奥湾側を縦貫してむつ市大湊駅までを結ぶ東日本旅客鉄道(JR東日本)の鉄道路線地方交通線)。「はまなすベイライン大湊線」という愛称が付けられている。

概要

JR東日本の路線では、唯一自社の他路線に接続しない。元々は野辺地駅で東北本線に接続していたが、2010年12月4日東北新幹線八戸駅 - 新青森駅間の開業後、東北本線の八戸駅 - 青森駅間の経営が移管されたため(青森県が第三種鉄道事業者として施設保有、青い森鉄道第二種鉄道事業者として旅客運送)、JRグループの旅客鉄道路線の中で唯一の飛地路線となった。2007年11月、JR東日本は新幹線延伸後も自社の路線として大湊線を経営していく方針であることを発表している[1]

なお、青春18きっぷで乗車の際、青い森鉄道線の青森駅 - 八戸駅間を通過利用できる特例(青い森鉄道線での途中下車は野辺地駅以外不可)が設けられており、別途運賃を支払うことなく、大湊線を含むJR全線普通列車に乗車できるよう便宜を図っている。

終点の大湊駅から1つ手前の下北駅はJR東日本最北の駅であり、かつては下北交通大畑線(元国鉄大畑線)が分岐していた。

路線データ

  • 区間(営業キロ):野辺地駅 - 大湊駅間 (58.4 km)
  • 管轄:東日本旅客鉄道(第一種鉄道事業者
  • 軌間:1067 mm
  • 駅数:11駅(起点駅を含む)
    • 孤立路線であるため、起終点駅を含めた全ての駅が大湊線所属駅となっている。なお、起点の野辺地駅は2010年12月3日までは東北本線所属[2]であったが、翌日から同線が青い森鉄道へ移管されたため、JRの駅としては大湊線所属に変更された。
    • 交換可能駅:1(陸奥横浜駅
  • 複線区間:なし(全線単線
  • 電化区間:なし(全線非電化
  • 閉塞方式特殊自動閉塞式(軌道回路検知式)
  • 最高速度:85 km/h
  • 運転指令所:盛岡総合指令室 (CTC)

全線を盛岡支社が管轄している。起点の野辺地駅は青い森鉄道管轄であるが、共同使用駅のため、盛岡支社管内のJR駅としても扱われる。

運行形態・使用車両

ワンマン運転を実施している。「前乗り前降り」を採用していたが、現在は「後乗り前降り」に変更されている。整理券は前後のどちらのドアでも発券されるので、徹底はされていない。使用されている車両は、八戸運輸区に所属するキハ100形が基本であるが、多客時や車両検査等の代替運用で車掌乗務のキハ40系が運行されることがある。

2010年12月のダイヤ改正にあわせ、盛岡車両センターから、キハ100-21が転属され6両体制になった。

2010年時点で、線内の列車交換はすべて陸奥横浜駅にて行われている。

2010年12月ダイヤ改正時点では、線内運転の各駅停車のほか、青い森鉄道線に乗り入れて青森駅・八戸駅 - 大湊駅間で運転される快速列車「しもきた」が定期運転され、さらにハイブリッド車であるJR東日本HB-E300系を使用した臨時列車「リゾートあすなろ下北」2往復が設定されている。「しもきた」は4.5往復設定されているが、大湊線内で快速運転を実施するのは2.5往復のみである。

大湊線は海岸沿いの平坦線でカーブも少なく、かつ駅数も少ない。路線両端をのぞいた北野辺地駅 - 赤川駅間では、有戸駅 - 吹越駅間 13.4 km の突出例以外でも、駅間距離が 5 - 7 km 程度と概して長いのが特徴である。このため最高速度は 85 km/h 制限でありながら、駅停車やカーブ前後の加減速に伴うタイムロスが少なく、表定速度が比較的高い。

2010年12月時点では、各駅停車の普通列車でも全線を60 - 62分で走破しており、快速「しもきた」のうち線内最速列車となる上り3728Dは、大湊 - 野辺地駅間を下北駅・陸奥横浜駅の2駅停車で所要50分、表定速度 70.0 km/h [3]に達する。

なお大湊線は、西が陸奥湾に面し、東に下北半島の低い山地を抱える地形条件から、強風による運休が年に何度も生じる。ただし運休時にはバス代行輸送がすぐできるようになっている(野辺地駅 - 大湊駅間のバス代行で所要時間は約1時間30分)。代行バスは下北交通JRバス東北の2社で運行する。

旅客運賃制度

大湊線各駅(野辺地駅をのぞく)と青い森鉄道線経由のほかのJR線との間で通過連絡運輸を行っており、連絡乗車券は全国のJR線各駅で発売される。運賃はJR線の通算に青い森鉄道線の運賃が加算されたものとなる。

歴史

  • 1921年大正10年)3月20日大湊軽便線として野辺地駅 - 陸奥横浜駅間が開業。有戸駅・陸奥横浜駅が開業。
  • 1921年(大正10年)9月25日:陸奥横浜 - 大湊間を延伸開業し全通、近川駅・田名部駅・大湊駅が開業。
  • 1922年(大正11年)9月2日軽便鉄道法廃止により大湊線に改称。
  • 1939年昭和14年)12月6日:この日開業した大畑線分岐駅として、下北駅が開業。
  • 1943年(昭和18年)3月20日:吹越駅が開業。
  • 1946年(昭和21年)6月10日:有畑駅が開業。
  • 1948年(昭和23年)12月1日:田名部駅を赤川駅に改称(同時に大畑線本田名部駅を田名部駅に改称)。
  • 1953年(昭和28年)6月10日:金谷沢駅が開業。
  • 1958年(昭和33年)12月20日:北野辺地駅が開業。
  • 1968年(昭和43年)10月1日:青森駅 - 大湊駅間に急行「なつどまり」が運転開始。
  • 1974年(昭和49年)10月1日:下北駅 - 大湊駅間の貨物営業が廃止。
  • 1978年(昭和53年)10月2日:「なつどまり」が快速に格下げ。
  • 1984年(昭和59年)2月1日:野辺地駅 - 下北駅間の貨物営業が廃止。
  • 1985年(昭和60年)7月1日:大畑線が下北交通に転換。
  • 1987年(昭和62年)4月1日国鉄分割民営化にともない東日本旅客鉄道が第一種鉄道事業者として承継。
  • 1988年(昭和63年)3月14日:ワンマン運転開始。快速「なつどまり」を「うそり」に改称。
  • 1993年(平成5年)12月1日:大湊線営業所が発足。キハ100系導入。快速「うそり」を「しもきた」に改称。
  • 1999年(平成11年)12月4日:票券閉塞を廃止し、特殊自動閉塞化(列車集中制御装置付帯)。
  • 2001年(平成13年)4月1日:下北交通大畑線が廃止。
  • 2002年(平成14年)
    • 7月:ジョイフルトレイン「きらきらみちのく」が運転開始。
    • 12月1日:東北新幹線八戸駅開業に合わせ快速「しもきた」のうち1本を大湊駅 - 八戸駅間の運転とする。
  • 2010年(平成22年)

駅一覧

駅名 駅間営業キロ 累計営業キロ 接続路線 線路 所在地
野辺地駅 - 0.0 青い森鉄道青い森鉄道線(快速は直通あり) 上北郡
野辺地町
北野辺地駅 2.8 2.8  
有戸駅 6.8 9.6  
吹越駅 13.4 23.0   上北郡
横浜町
陸奥横浜駅 7.1 30.1  
有畑駅 5.9 36.0  
近川駅 6.7 42.7   むつ市
金谷沢駅 5.0 47.7  
赤川駅 5.5 53.2  
下北駅 2.3 55.5  
大湊駅 2.9 58.4  

過去の接続路線

脚注

  1. ^ 鉄道ピクトリアル』通巻800号、鉄道図書刊行会、2008年2月、p. 166。 
  2. ^ 『停車場変遷大事典 国鉄・JR編』JTB 1998年
  3. ^ これより表定速度の低い特急列車も日本に多数存在する。

参考文献

関連項目