サティ (チェーンストア)
（マイカル茨木・大阪府茨木市）
サティ（SATY）は、マイカル（現：イオンリテール）とマイカル九州（現：イオン九州）が運営していた商業施設である。 2011年3月1日、ジャスコとポスフール（旧：マイカル北海道）との統合に伴い店舗ブランドをイオンへ転換し、イオンリテール運営で存続していた広島サティも2011年7月18日に閉店したため、サティは、27年の歴史に、幕を閉じた。
概要
1984年にニチイが奈良市に新業態として開業。もともと総合スーパーと百貨店の中間業態を標榜し、従来の総合スーパーよりも高級志向を打ち出した「生活百貨店」と位置づけたものである（ただしマイカルとしては、さらに多種多様な業態を複合した「マイカルタウン」を主力化していた）。当時開業したサティは、規模は小さいもののショッピングセンターとして扱われている。その後ニチイブランドの店舗のリニューアルや新規出店などでピーク時には200店舗を数えるほどになる。しかし、2001年以降には、マイカルの破たんやそれに伴う整理などで大量閉店（イオングループ他社店舗への転換やグループ外企業による居抜き出店した例等も少なくない）をした。子会社の整理などでも子会社運営の店舗は吸収合併や譲り受け（事実上は吸収合併）により本州四国の店舗はマイカル直営となっていた。なお、北海道地区で運営していたマイカル北海道（現：イオン北海道）の店舗についてはポスフールに転換したため末期には店舗は存在していなかった。
最末期（イオンへの統合直前）には、北海道、青森県、宮城県、栃木県、富山県、福井県、岐阜県、静岡県、岡山県、和歌山県、徳島県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、沖縄県の16道県を除く日本全国に店舗があった。青森・宮崎・沖縄県以外は統合以前に撤退した。
なお、「サティ」の店名は、"Select Any Time for Yourself"の略（アクロニム）が由来であるとされる。[要出典]
イオングループ買収後
2011年2月18日に撮影
経営再建完了後の2006年には破綻後初の（新）盛岡南サティの開業から2010年の新瑞橋サティまでイオン系のショッピングセンターを中心に若干店開業させた。
2002年のトップバリュ導入、イオンクレジット発行の「サティ・ビブレカード」（デザインはイオンカードと同一で2007年に統合）などイオングループ他社運営のジャスコやマックスバリュなどとサービス面やセール日での差がなくなってきたのも事実である。
ブランド消滅
イオングループは持株会社制への移行後、重複する事業分野の整理統合が大きな課題となっていた。イオンの持株会社化に伴うイオンリテール発足の段階では、不採算店舗の整理が優先されたが、経済危機による経営不振がさらに深刻化し、本格的な事業整理に乗り出すこととなった。
2011年3月1日にマイカルを吸収合併し、「サティ」から「イオン」への変更は統合と同時に近く閉店が予定されていた広島サティを除く全店舗が一斉に名称変更された。その後、広島サティも2011年7月18日に閉店したため、「サティ」は、27年の歴史に、幕を閉じた。[1]。
イオンへの店名変更は○○サティからイオン○○店（坂出サティ→イオン坂出店など○○には同じものが入る。）のように、イオンの後に旧サティの店舗名がそのまま来るようになっているが、一部の店舗はジャスコやイオン（旧カルフール）との店舗名重複を避けるために小地名（高知サティ→イオン高知旭町店など）や方角（高松サティ→イオン高松東店など）を追加した新しい店舗名称に変更する場合がある（ただし、ジャスコとの名称の重複がないケースであるにも関わらず変更がなされたケースもある（秋田サティ→イオン秋田中央店など））。
2011年3月22日に開店した「イオン伊丹昆陽店」は、当初、マイカルが伊丹西サティ（仮称）として開店する計画であった。そのため、同店の開店要員求人もイオンリテールではなく旧・マイカルによってなされていた。
沿革
- 1984年 - 奈良市にサティ第一号店（学園前サティ）（開店当初はサティ学園前）が開店（2000年閉店）。その後新規出店やニチイブランドの店舗と転換させる形で店舗を増やす。
- 2001年
- 2002年
- 2003年11月28日 - マイカルがイオンの完全子会社となる。
- 2006年9月15日 - マイカルが岩手県盛岡市に経営破綻後としては初の「盛岡南サティ」（イオン盛岡南ショッピングセンター内）を開店。
- 2007年
- 2008年8月31日 - 九州地方で最後のマイカル直営店舗「門司サティ」が閉店。
- 2009年9月30日 - 香川県観音寺市にて営業していた、マイカル直営店舗「観音寺サティ」が閉店。前年、三豊市にゆめタウン三豊がオープンし三豊・観音寺で小売店競争が激化。客離れを引き起こしたため。
- 2010年
- 2011年
店内放送
いずれも一部を除き、イオンへの店舗ブランド統合後は消滅しているが、かつてサティの店舗では下記のような店内放送が流れていた。
- エスカレーターの付近では、独特のチャイム音が鳴ったあとに、男性の英語ナレーションの後に日本語の女性ナレーションの流れる放送、または、日本語の女性ナレーションのみの案内放送行われていた。末期は、ナレーションの冒頭は「サティへようこそ」の台詞に統一されていたが、一時期には「いらっしゃいませ、◯◯(店舗名)サティへようこそ」となっていた。なお、広島サティの後継店舗となった広島段原ショッピングセンター、枚方ビオルネ、旧岩槻サティの岩槻ワッツなどの一部旧サティ店舗では、アナウンスは変更されているものの、独特のチャイム音が残されている場合がある。
- 1時間毎に鐘のチャイム音が流れた後、「サティ（一時期は店舗名も入った）が、○時をお知らせします」というアナウンスの入った時報がサティ店舗で流れていた。
- 開店前には、「生まれたての朝、眩い光に包まれて、素敵な一日が始まります。明るく生き生きとしたあなたらしい笑顔。そして、あなたらしさを心掛ければ、きっと、素敵な出会いが生まれるはずです。さぁ、サティはもうすぐ開店です。今日も元気よく、お客様をお迎えしましょう。」というナレーションが独特のBGMと共に流されていた。
- 開店一分前になると、｢ただいま、開店一分前です。開店の準備は整いましたか？新しい一日のスタート。さぁ、今日も笑顔でお客様をお迎えしましょう。｣というナレーションが流れた。
- そして、開店時間には、｢Good morning and welcome to SATY.We are now open.We hope you enjoy shopping today.Thank you.｣「おはようございます。サティへようこそ。都市感覚いっぱいの生活百貨店“サティ”。今日も素敵な時間、ごゆっくりお過ごしください。」「Welcome to SATY.We hope you enjoy shopping today.Thank you.」「サティにようこそ。どうぞ素敵な時間、ごゆっくりお過ごしください。」と男性の英語ナレーションと女性の日本語ナレーションが交互に流れた後、「Feel something new,SATY.」で締められた。
- 開店一分前になると、｢ただいま、開店一分前です。開店の準備は整いましたか？新しい一日のスタート。さぁ、今日も笑顔でお客様をお迎えしましょう。｣というナレーションが流れた。
- 午前11時、午後3時には、クリーンタイムのBGMとして「ネバーエンディング・ストーリー」をインスト音楽にアレンジしたものが流れていた。
- 閉店10分前には、「夜の帳が下りる頃、聞こえてくる音があります。それは、とても懐かしい音。けれど、一度も耳にしたことのない音。ノスタルジックに過ごしたい夜は、そっと耳をすましてください。何か心に届くものがあったら、きっと、素敵な明日が待っているはず…」「街の灯りが夜を歌い、光と影がワルツを踊りながら、今宵も更けていきます。もうすぐ、サティにお別れの時間がやってきます。最後までどうぞごゆっくりお過ごしください。」といったナレーションが独特のBGMと共に流されていた。
- 閉店時間になると、「Puzzle Fantasy」（ボーカル:柴田恵理子、コーラス・演奏:PINK SAPPHIRE）が掛かり始め、「SATY is now closed.Thank you for shopping with us today.We hope to see you again soon.Thank you.」「サティにお別れの時間が来ました。素敵なひと時、お過ごしいただけましたか？またのご来店、心よりお待ちしております。ありがとうございました。」というナレーションが曲の始めと終わりの二回、閉店10分後まで流されていた。最後には「Being something new, SATY」とナレーションが掛かると同時に締められた。
- 閉店時間に流されていた「Puzzle Fantasy」は、店内放送のジングルとしてショートインスト版や、未成年者の飲酒・喫煙防止やマイカルの取り組みをお知らせする放送、季節別の案内放送のBGMとしてアレンジされたインスト版のものが使われていた。またこの放送は、当時の一部のジャスコ店舗でも流されていた。
サティが関係する作品
サティそのものが登場する作品は無いが、映画のロケ地等として使用された事がある。
- スウィングガールズ - バンドメンバーのバイト先のロケ地に山形県米沢市の米沢サティが使用された（駐車場と1階食品売場）。
- 陣内智則（コント） - エンタの神様等で行ったネタ「運動会」で、組体操の演技に、ジャスコ、ダイエーと共に使用されている。
- ショムニ - ドラマ第2シーズンで、登場人物の一人が満帆商事の倒産後に、自由が丘にある自由が丘サティ食品館で働いている場面が登場した（バックヤード）。
関連項目
- ビブレ - マイカルが運営していたファッション専門店。現在はイオンリテールが運営。
- ポスフール - かつての北海道地区での旧サティ。
- ジャスコ - マイカルを買収する以前からのイオングループが運営していた総合スーパーマーケット。
脚注
- ^ なお、イオン九州運営の「戸畑サティ」は、2010年4月の改装リニューアルを機に「イオン戸畑店」へ1年先に店舗名を変更している
- ^ 戸畑サティは「イオン戸畑ショッピングセンター」に変わります。4月23日（金）「イオン戸畑店」がグランドオープンにさきがけ新生オープン！ (PDF) - イオン九州株式会社 ニュースリリース、2014年10月6日閲覧。
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