ダイエット

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。ラッツ (会話 | 投稿記録) による 2023年12月21日 (木) 17:33個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (119.242.13.222 (会話) による ID:98548762 の版を取り消し 出典付き文章の改竄。)であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

ダイエット英語: diet)とは、「食べ物を食べる」「ヒト動物が普段から習慣的に食べている食べ物」「『身体を細くしたい』『体重を減らしたい』という目的や、医学上の理由に基づき、食事の内容を制限する」「食事療法」を意味する言葉である[1][2][3][4][5]。「生き方」「生活習慣」「食事療法」を意味するギリシア語δίαιτα」が起源[3][4]

英語辞典メリアム・ウェブスター(Merriam Webster)では、この言葉の定義について、自動詞として「食べ物を食べる」「あらかじめ定められた規則に従って飲食する」、他動詞として「ヒトに食べ物を摂取させる」、名詞として「毎日規則的に食べるもの」「習慣的な栄養の摂取」「ある特別な理由に基づいてヒトや動物に処方する食べ物」「体重を減らす目的で実施する食事療法」「繰り返し提供されたり体験したりするもの」としている[3]

a poor diet」は、「劣悪、粗末、質の低い、栄養がほとんどない食べ物および食事」のことである。→「150,000 Californians die each year from diseases related to a poor diet.」[5](「カリフォルニア州では毎年15万人が不健康な食事が原因で起こる疾患で命を落としている」)

また、「定期的に経験する事柄」[2]、「繰り返し提供されたり体験したりするもの」[3]、「同じ職業に従事する者たちによる会合・活動」[1]、「限られた範囲内での活動」[2]、「一部の国における立法議会(国会)」も意味する[1][3][4]

この単語の中心的な意味は「食べ物を食べる」「普段から食べている食べ物」「食事療法」であり、「痩せる」「体重を減らす」「運動する」「運動して体重を減らす」という意味はこの単語には一切無く、「ダイエット」と「運動」は何の関係も無い[1][2][3][4][5]。また、「運動」には体重も体脂肪も減らす効果は全く無い。「運動に励めば体重や体脂肪を減らせる」証拠も存在しない[6][7][8][9]

語源と歴史

古代ギリシア語δίαιτα」を起源とし、その意味は「生活習慣」「生き方」[3][4]、「住まい」「食事療法[4] 。この単語は、「diaitasthai」(「生きる、暮らす、人生を歩む」[3][4])、「diaitan」(「食べ物飲み物を分けて選ぶ」)に由来する(「dia」は「離れる」、「ainysthai」は「手に取る」[4])。このギリシア語δίαιτα」がラテン語の「diaeta」、そこから「日々の仕事、賃金、毎日食べるもの」を意味する中世ラテン語dieta」として使われるようになる[4]。12世紀のころには「規則的に食べるもの」を意味する言葉として使われ、13世紀ごろの古フランス語diète」(「食べ物、料理」「規定食」の意)を経て、英語に輸入された[4]。この単語が英語に初めて登場したのも13世紀である[3]

14世紀後半以降になると、「摂取量と効果を考慮した食べ物」「医師の指示や医学上の理由に基づく食事療法」「特定の食べ物の摂取を制限する」「健康を守るために自身の食事を制限する」という意味で使われていた[4]。「肥満を防ぐために食べ物(の種類)を制限する」という意味で使われるようになったのは1650年代からである[4]。中世英語(12世紀から15世紀末まで)のころには「生き方」「生活習慣」を意味する言葉として使われており、これがこの単語の本来の意味である[3]

この単語に(デンマークスウェーデンスイスハンガリー日本における)「国会」「議会」(「the Diet」と、定冠詞が付く(「国会議事堂」の英語表記は「The Diet Building」である)という意味があるのは、「日々の勤め」「賃金」「議員による会議・会合」を意味するラテン語「dieta」に由来しており[1][4]、「立法、政治のために開催される議会」「何らかの目的で開催される集会」も意味する[4]。これはラテン語 の「dies」(「日」の意)の派生語として扱われていたが、いずれもその語源は同じギリシア語「δίαιτα」に行き着く[3][4]

1600年以降、イングランドフランスの作家が、「ドイツオーストリアにおける立法議会」を意味する言葉としてこの単語を使うようになった[4]

1825年フランスの法律家で美食家、ジャン・アンテルム・ブリア=サヴァラン(Jean Anthelme Brillat-Savarin)は、著書『Physiologie du gout』(『味覚の生理学』)の中で、「ヒトにおいても、動物においても、脂肪が蓄積するのは小麦粉デンプンを食べるのが原因であることは証明済みである」「デンプンは、砂糖と組み合わせることにより、より迅速に、より確実にその効果が発揮される」(「La fécule produit plus vite et plus sûrement son effet quand elle est unie au sucre」)と書いた[10]。ブリア=サヴァランは、肥満の治療法として「炭水化物を制限する食事」を説いた最初の人物と見なされることがある[11]

1844年、フランスの退役軍医、ジャン=フランソワ・ダンセル(Jean-François Dançel)は、フランス科学協会にて、肥満の治療法を発表した。彼は「化学者は、実験としてバターだけを食べさせ続けたところ、実験の終わりに、鳩は痩せ細った状態で死んだ」「バターを食べても、身体に脂肪は増えない」「肥満患者が肉だけを食べ、それ以外の食べ物の摂取はごく少量にのみにすれば、一人の例外も無く肥満を治癒できる」と主張した。ダンセルによる肥満治療の理論は1864年に英語に翻訳され、その題名は『Obesity, or Excessive Corpulence: The Various Causes and the Rational Means of Cure』(『肥満、あるいは過剰な脂肪蓄積:さまざまな原因と妥当な治療法』)であった[12]

1863年ロンドンの葬儀屋、ウィリアム・バンティング(William Banting)は、公開書簡『Letter on Corpulence, Addressed to the Public』(『市民に宛てた、肥満についての書簡』)を出版した。この公開書簡には、バンティングが減量にあたって今まで行ってきた様々な試み -断食、食事療法、運動療法、湯治療法- 、が全て失敗に終わったこと、それらはいずれも医者に言われて実行した趣旨が記述されている。バンティングが減量に成功した唯一の方法は「炭水化物を避け、脂肪をたくさん摂取する食事法」であり、最終的に50ポンド(約23kg)の減量に成功した。この公開書簡はまもなくベストセラーとなり、複数の言語にも翻訳された。その後、「Banting」の名前から「Do you bant?」(「ダイエットするかい?」)、「Are you banting?」(「今、ダイエット中なの?」)という言い回しが広まった。「Bant」は「食事療法に励む」という意味の動詞として使われるようになり、「Banting」という言葉は、このウィリアム・バンティングの名にちなんで使われるようになった[13]。「Bant」はスウェーデン語にも輸入され、「Att banta」は「to bant」(「食事療法に励む、ダイエットする」)、「Nej, tack, jag bantar」は「No thank you, I am banting.」(「いいえ、結構。今はダイエット中なんだ」)の意味で使われるようになった[14]。メリアム・ウェブスターでは「Banting」について、「肥満体策としての食事療法で、炭水化物や甘い味付けの食べ物を避ける」と定義している[15]

1869年、イングランドの医師、トマス・ホークス・タナー(Thomas Hawkes Tanner, 1824-1871)は、 著書『The Practice of Medicine』(『実践医学』)の中で、以下のように書き残している。

デンプン質が多いものや植物性食品は、あなたの身体を太らせる。とりわけ、糖分の摂取は太りやすい…。 砂糖生産国にて、栽培農園で働く黒人や畜牛は、サトウキビを集めて砂糖を抽出している間に、驚くほどの肥満体へと変わる。この収穫の間、砂糖の入った液体は自由に消費される。しかし、収穫時期が終わるとともに、彼らの身体の過剰な脂肪組織は徐々に失われていく[6]

また、タナーは体重を減らす目的での「食べる量を減らす、減食」については何の効果も無い点を指摘し、身体活動(運動)については「ridiculous」(「何の価値も無い」)と切り捨てた[6][7]。ウィリアム・バンティングも、食べる量を減らして運動量を増やしたが体重は減らせなかった。食べる量を減らす行為が悉く無残な結果に終わる点については、小児肥満の研究者でもあったヒルデ・ブルッフ(Hilde Bruch)も指摘している[16]。さらにブルッフは、1957年に「食事管理による肥満の抑制における大きな進歩と呼べるのは、身体の中で脂肪を生成するのは肉ではなく、パンや甘く味付けされた食べ物のような、『無害』と思われていたものこそが肥満をもたらす、と認識された点にある」と書いた[16][17]1886年ベルリンで開催された内科学会にて、食事療法についての討論会が行われた際、肥満患者を確実に減らせる食事療法が3つ紹介され、ウィリアム・バンティングが実践していた方法がそのうちの1つとして紹介された。残りの2つはいずれもドイツ人の医師が開発した方法であるが、いずれにも共通するのは

  • 「肉は無制限に食べて構わない」
  • 「デンプン質・糖質は完全に禁止」

というものであった。ヒルデ・ブルッフはこの歴史を取り上げた。

1950年代、クイーン・エリザベス大学の栄養学教授、ジョン・ユドキン(John Yudkin)は、「炭水化物を制限すれば体重の制御が可能である」ことを、多くの肥満患者に教示した[18]

リチャード・マッカーネス(Richard Mackarness)は、1958年に出版した著書『Eat Fat and Grow Slim』(『脂肪を食べて細身になろう』)にて、「体重が増える原因は炭水化物の摂取にある」と明言し、「肉、魚、脂肪は食べたいだけ食べてよい」とし、穀物と砂糖を避けるよう主張した[19]

オーストリアの医師、ヴォルフガング・ルッツ(Wolfgang Lutz, 1913-2010)は、1967年に『Leben ohne Brot』(『パンの無い暮らし』)を出版し、「炭水化物の摂取を減らすことこそが、脂肪を燃焼させる唯一の方法である」「この食事法により、肥満、糖尿病、心臓病、癌を予防できる」「狩猟採集生活者として暮らしてきた人類は動物の肉を長きに亘って食べてきた」「食べ物に含まれる脂肪は、ほとんどの慢性疾患とは何の関係も無い」と断言している(ルッツは炭水化物の1日の摂取上限を「72gまで」と定めた)[20]。ルッツによれば、40年間で10,000人を超える患者を診察し、クローン病、潰瘍性大腸炎、胃疾患、痛風、メタボリック症候群、癲癇、多発性硬化症・・・この食事法を処方することでこれらの慢性疾患を治療したという。ルッツは「炭水化物が少なく、タンパク質と脂肪が豊富な食事こそが、人間の身体に最も適応した食事であり、炭水化物が多く、脂肪が少ないものは人間の食事ではない」と書いた[21]2000年7月、ルッツはクリスチャン・アラン(Christian Allan)の助けを得て、この本の英語版『Life Without Bread』を出版した。

北極に住むエスキモーたちと暮らしたヴィルヒャムル・ステファンソン(Vilhjálmur Stefánsson)は、脂肪が多い肉と魚を食べ続け、野菜や果物は食べなかった。1928年に実施された一年間の肉食実験では、炭水化物を食べず、肉だけを食べ続けた。タンパク質の摂取量が多過ぎると体調不良に陥り、脂肪の摂取量を増やすと体調は回復した。脂肪が多い肉を食べ続けたところ、「バランスの取れた食事」を取っていたときよりも健康体となった[22]リチャード・ヘンリー・デイナ・ジュニア(Richard Henry Dana Jr.)は、1840年の時点で「我々は1日に3回、新鮮な牛肉のステーキだけを食べていた。病気とは無縁の健康状態を維持できた」と書き残している[22]

ロシアの作家、レフ・トルストイ(Лев Толстой)は、1870年代に発表した小説『アンナ・カレーニナ』(Анна Каренина)にて、肥満を防ぐにあたり、アレクシイ・ヴロンスキー伯爵に牛肉のステーキを食べさせ、炭水化物が多いものを避けさせた[23][24]

ダイエットの分類例

方式 やり方 備考 目的外の特徴的な影響例
カロリー制限 炭水化物タンパク質脂肪全体の摂取量を減らす ドイツ人の内科医カール・フォン・ノールデン(Carl von Noorden)が1907年英語で発表した『Metabolism and Practical Medicine』(『代謝と実践医療』)の第3章『Obesity』(『肥満』)にて、「消費する以上のエネルギーを摂取するから太るのだ」と唱えた[25]
ノールデンのこの主張は、体重を制御する方法やダイエットについて伝授する人間が異口同音に言うようになった。
カロリー理論に基づくこの食事法には、体重増加を防ぐ効果も、疾患や病気を防ぐ効果も一切無い[26][27]
脂質制限 食べ物に含まれる脂肪分の摂取を減らす カロリー制限と同じ。
炭水化物制限 低糖質・中タンパク・高脂肪食 石器時代狩猟採集生活を送っていた頃の人類が摂っていた食事。動物の肉・魚・卵・ナッツといった、タンパク質と脂肪が豊富なものを中心に食べ、炭水化物の摂取量は極めて少ない。
農耕を開始し、穀物を食べ始めるようになるまで、人類はこのような食事を摂っていたと考えられている[19]。制限するのは炭水化物のみであり、摂取カロリーは一切制限しない。
トランス脂肪酸は避ける[28]
脂肪の摂取量が少なかったり、炭水化物の摂取量を増やすと、体調不良に陥る[29]
ケトジェニック・ダイエット 極度の低糖質・低タンパク・極度の高脂肪な食事 1920年代前半、メイヨー・クリニック(Mayo Clinic)の医師、ラッセル・ワイルダー(Russell Wilder)が開発した食事法。元々は癲癇を治療するために開発し、患者に処方した[30][31]。「ケトン食」「ケトジェニック療法」とも呼ばれる。
砂糖、甘い果物全般、デンプンが豊富なもの全般を避け、各種ナッツ、生クリームバターの摂取を増やす[32]
栄養素の構成比率は、「脂肪(4):タンパク質と炭水化物(1)」である。脂肪分が90%、タンパク質が6%で、炭水化物の摂取は可能な限り避ける[33]。タンパク質の摂取量も制限する場合がある。
トランス脂肪酸を避けるのは炭水化物制限食と同じ。
脂肪の摂取量が少なかったり、炭水化物の摂取量を増やすと、体調不良に陥る[29]
パレオ・ダイエット 旧石器時代を生きていたころの人類が取っていた食事
動物の肉と脂肪を中心に食べる
1970年代、胃腸病専門医のウォルター・L・ヴォーグリン(Walter L. Voegtlin)が考案した食事法。「原始食」とも。
旧石器時代の食事に立ち返る」という理念に基づき、動物の肉、魚介類鳥類脂肪野菜キノコ昆虫根菜、ナッツ類、果物、塩を食べる。
穀物、類、類、小麦粉砂糖乳製品、加工油(トランス脂肪酸を含む)は食べない。
この食事法を提唱した初期の頃のヴォーグリンは、牛乳を含めたすべての乳製品やマメ科の食べ物を食べることには反対していなかった[34][35]1975年に出版した著書『The Stone Age Diet』の付録では、肉、卵、魚、調理した収穫物、野菜、サヤインゲン、チーズ、サワークリームで構成された低糖質料理を奨めている[34]
農耕や牧畜に頼らず、原始的な食生活に近い形の生活習慣を送るのが前提となる。
炭水化物制限食に似ているが、食べられないものも多く、慣れない者にとってはストレスに晒され、弊害を招く恐れがある。
なお、現代の果物については何度となく品種改良が重ねられたことで、野生の果物に比べて果糖の含有量がより増しており、食べれば食べるほど太りやすくなっている点に注意する必要がある[7]

肥満と減食・運動について

カール・フォン・ノールデンによるカロリー理論

痩身や減量というのは、食事制限や運動をせずして成功しない」と言われることが多い[36]

「食べる量を減らして運動しろ」ということであるが、実際にこの理論が正しいか否かは、研究により真逆の結果を示している。後述のとおり、「『食べる量を減らして運動量を増やす』は、『体重を減らす』という点において、『何の効果も無い』」という結果も次々に出ている。

「カロリー」を体重の増減に絡めて初めて提唱したのはドイツ人の内科医カール・フォン・ノールデン(Carl von Noorden)であり、彼が1907年英語で発表した『Metabolism and Practical Medicine』(『代謝と実践医療』)の第3章『Obesity』(『肥満』)の中で、

The ingestion of a quantity of food greater than that required by the body leads to an accumulation of fat, and to obesity should the disproportion continued over a considerable period.」(「身体が必要としている以上の量の食べ物を摂取することが脂肪の蓄積をもたらし、その不均衡が長期に亘って続くと、肥満になるはずである」)

と記述している[25]。その後、このノールデンの主張は、体重を制御する方法やダイエットについての話題でほぼ必ずと言って良いほど言及されるようになった。このノールデンによる著作物は、インターネットでも読むことが可能となっている。

「ヒトは消費する以上に多くのカロリーを摂取するから太るのである」という考え方を概念や理論として広めた人物の元祖はノールデンということになる。

単純にノールデンが唱えたカロリー理論のみを考慮した場合、1日の摂取カロリーを「20kcal」だけ余剰に摂取し続ければ、25年後には「50ポンド」(約23㎏)体重が増加することになる[7]

食べる量を減らすと代謝は悪化する

カロリー理論に基づく「食べる量を減らして運動量をもっと増やす」に忠実に従ってきた結果、肥満や糖尿病を患う人々は増え続けている。肥満が蔓延している点について、カロリー理論では満足のいく説明が提供されないままであり、カロリー理論には説得力が無い[37]

食べる量を減らすと、空腹感が強まり、身体はエネルギーの消費を減らそうとし、代謝は悪化し、体重は減少しなくなる[37]。食べる量を減らすと、動物はエネルギーの浪費を抑えようとして身体を動かすのを止める。身体を動かすのに必要なエネルギーが入ってこないからである。身体がエネルギー不足に陥ると、過食に走るか、エネルギーの消費を減らそうとして動かなくなるか、あるいはその両方の行動に出る。そして、体重は、食べる量を減らされる前よりも大幅に増加し、肥満になる[7]

カロリー制限は、まず失敗に終わる運命にある。摂取カロリーを抑えた食事や低脂肪な食事は代謝を悪化させ、空腹感をますます強め、ストレスホルモン(コルチゾール)の上昇に伴う飢餓反応を惹き起こす[37]

1941年ウィーン大学の教授で肥満の研究家、ユリウス・バウアー(Julius Bauer)は以下の記述を残している。

「現在流布している肥満理論は、食物の摂取とエネルギー消費の間の不均衡しか考慮しておらず、不十分である・・・エネルギーの摂取と消費の不均衡における食欲の増加は肥満の原因ではなく、脂肪組織が異常を惹き起こした結果である」[38]

ウィリアム・ハワード・タフト

第27代合衆国大統領、ウィリアム・ハワード・タフト(1908年撮影)。彼は生涯に亘って肥満に悩まされた[39]

アメリカ合衆国第27代目大統領、ウィリアム・ハワード・タフト(William Howard Taft)は、歴代のアメリカ大統領の中でも随一の肥満体であった[40]。タフトはイギリスの医師、ナサニエル・E・ヨーク=デイヴィス(Nathaniel E. Yorke-Davies)に連絡を取り[41]、肥満の進捗状況について手紙でのやり取りを始めた(週に2回)。タフトが初めてデイヴィスに連絡を取ったのは48歳のときであった[40]。デイヴィスはタフトに対し、体重を少なくとも60-80ポンド(約27-36kg)減らすよう伝え[40]、毎日運動するように、とも伝えた[41]。タフトはカロリーが低く、脂肪が少ない食事を取るようにした。食事は決まった時間に取り、軽食は避け、自分が食べたものを日記に記録した。脂肪が少ない肉か魚を少しずつ食べ、体重を毎日量り、専属運動訓練教官を雇い、運動の一環として乗馬に励んだ[40][41]。デイヴィスとのやり取りを始めて半年後の1905年4月までに、タフトは体重を60ポンド減らしていた。しかし、タフトは手紙に「私は絶えず空腹に襲われている」と書き残した。そして、減ったはずの彼の体重はみるみるうちに戻り始め[42]、タフトは主治医との手紙のやり取りを止めてしまった。1909年に合衆国大統領に就任した時点で、タフトの体重は354ポンド(約161kg)にまで達していた[40]1911年のある日に書き残した日記では、タフトの体重は332ポンド(約151kg)であり、彼の主任家政婦、エリザベス・ジャフリー(Elizabeth Jaffray)によれば、タフトは医師の助言に忠実に従っていたという[43]。タフトは食べる量を減らしたが、「どういうわけか、大統領の体重は全く減らなかった」と、ジャフリーは書き残した[43]。ハーヴァード公衆衛生大学院(The Harvard School of Public Health)のエリック・リム(Eric Rimm)は、「たとえ合衆国大統領であっても、意志の力はそう長くは続かないものだ」と述べた[41]。ある時期、デイヴィスは、タフトは体重を14ポンド(約6.4kg)減らせるはずだ、と考えたが、実際には9ポンド(約4.1kg)しか減っていないことを知ると、やきもきした[42]1930年にタフトが心臓病で亡くなったとき、彼の体重は280ポンド(約127kg)であった[40]。ロックフェラー大学(Rockfeller University)の肥満の研究者、ジュールス・ハーシュ(Jules Hirsch)は、体重を大幅に減らし、その減ったあとの体重を維持することは、身体を飢餓状態に置くことと同義である、と述べた。肥満患者の多くは、病棟で暮らしながら体重を正常な数値まで減らすことに同意するが、患者はいずれも耐え難い空腹に襲われ、患者のほぼ全員がその酷い空腹に耐えきれず、苦労して減らしたはずの体重は元に戻ってしまうのだという[40]。ハーシュは「人間を突き動かす最も重要な原動力の1つは、飢餓を防ぐことだ」と断言した[40]ジョージ・ワシントン大学の肥満研究者、スコット・カハン英語版は、ウィリアム・ハワード・タフトの減量の苦闘について読み、「体重を減らし、その減ったあとの体重を維持するのは、本当に困難だ。でなければ、誰もが痩せたままでいられるだろう」と述べた[42]

ケトン食療法

ミネソタ州ロチェスター市にあるメイヨー・クリニック(Mayo Clinic)の医師、ラッセル・ワイルダー(Russell Wilder)は、糖尿病と肥満の治療に関心が高かった。1920年代前半、ワイルダーは『ケトン食』を開発し、肥満患者・糖尿病患者にこれを処方している。これは食事において、「摂取エネルギーの90%を脂肪から、6%をタンパク質から摂取し、炭水化物の摂取は可能な限り抑える」(極度の高脂肪・極度の低糖質な食事)というもの[33]。元々は癲癇を治療するための食事法であったが、「肥満や糖尿病に対しても有効な食事法になりうる」としてワイルダーは開発した。炭水化物とタンパク質の摂取は可能な限り抑え、大量の脂肪分を摂取することで、身体は脂肪を分解して作り出す「ケトン体」(Ketone Bodies)をエネルギー源にして生存できる体質となる。この食事法は『ケトジェニック・ダイエット』(The Ketogenic Diet)として知られるようになる。『アトキンス・ダイエット』を提唱したロバート・アトキンスも、著書『Dr. Atkins' Diet Revolution』の中でケトン体について触れており、「炭水化物の摂取を極力抑え、脂肪の摂取量を増やすことで、身体はブドウ糖ではなく、脂肪をエネルギー源にして生存できる」という趣旨を述べ、体重を減らしたい人に向けて、炭水化物を避けるか、その摂取制限を奨めている。

なお、ケトン食を摂取し続けることで、身体は炭水化物ではなくケトン体を常に燃料にする体質となり、肥満や過体重の場合、体重、中性脂肪、血糖値が有意に低下し、心臓病を起こす確率が低下する[44]。低脂肪食と比較して、ケトン食は肥満患者や糖尿病患者の体重を大幅に減らし、血糖値とインスリン感受性を改善させ、代謝機能障害に関係する死亡率も低下させる可能性がある[45]

ケトン食はミトコンドリアの機能と血糖値を改善し、酸化ストレスを減少させ、糖尿病性心筋症(Diabetic Cardiomyopathy)から身体を保護する作用がある[46]

また、ケトン食は記憶力の改善と死亡率の低下をもたらし[47]、末梢軸索(Peripheral Axons)と感覚機能障害(Sensory Dysfunction)を回復させ、糖尿病の合併症も防げる可能性が出てくる[48]

ウィリアム・バンティングによる減量法

ティム・ノークス(2009年11月)

「運動は減量に何の効果も無い」と明言している人物は何人もいる。ノールデンが「消費する以上のエネルギーを摂取するから太るのだ」と唱える遥か以前から、ウィリアム・ハーヴィー(William Harvey, 1807-1876)、ウィリアム・バンティング(William Banting, 1796-1878)といった人物がカロリー理論に相当するやり方を実践しており、「運動をひたすら頑張ってこなせば体重を減らせるはずだ」と考えていた。

ウィリアム・バンティングは、ロンドン生まれの葬儀屋であった。バンティングは、自身が太り過ぎていたことに悩んでいた。その彼に炭水化物の摂取を制限する食事法を奨めたのは、医師であり友人でもあったウィリアム・ハーヴィーであった。ハーヴィーがこの食事法を学んだのは、フランスの医師、クロード・ベルナール(Claude Bernard, 1813-1878) がパリで行った糖尿病についての講演を聴いたのがきっかけであった[14][49]

ウィリアム・バンティングは、身体が重いゆえに自分で自分の靴紐を結ぶことすらできず、膝や足首の関節を痛めないよう、階段を降りる際にはゆっくり後ろ向きで降りる必要があり、階段を上るだけでも息切れするほどであった。バンティングが「この国でもっとも有能な医師」と呼んでいた医者に相談した際には、「体重が増えるのは全く自然なことであり、自分も体重が毎年1ポンドずつ増えている」と言われ、バンティングの身体の状態については全く驚かない、として、「運動、サウナ風呂、洗髪と薬を増やしなさい」と言われただけであった[14]。彼はへその緒が裂け、視力が落ち、耳も聞こえなくなりつつあった。難聴について耳鼻科医に相談するも、「大したことはない」として耳を掃除し、他の障害については何も尋ねなかった。バンティングの身体の不調はますます強まっていった。

ロンドンの葬儀屋、ウィリアム・バンティング。体重を減らそうとして運動に励んだが、体重は減らず、病気も防げなかった。運動は何の役にも立たなかった[50][51]

バンティングは、体重を減らす目的でテムズ川で毎朝ボートを漕ぎ続けることにした。彼の腕の筋力は強化されたが、それに伴って猛烈な食欲が湧き、体重は減るどころかますます増えていった。医師であり、友人でもあったウィリアム・ハーヴィー(William Harvey)はバンティングに「運動を止めなさい」と助言し、炭水化物を制限する食事法を教えた。ハーヴィーはバンティングに対し、「あなたは太り過ぎだ。脂肪があなたの聴覚管の1つを塞いでいる。すぐに体重を減らさねばならない」と述べた[52]。この食事法に従ったバンティングは大幅に体重を減らしただけでなく、身体の不調も回復していった[14]1863年、バンティングは、減量に成功した食事法や、減量にあたって試しては失敗を続けてきた方法についてまとめた『Letter on Corpulence, Addressed to the Public』(『市民に宛てた、肥満についての書簡』)を出版した。バンティングはこの書簡の中で、「減量に対して何の効果も無い方法」の1つとして「食べる量を減らして運動量を増やす」を挙げている。バンティング自身、テムズ川でボートを漕ぐだけでなく、水泳やウォーキングにも励み、食べる量を極端に減らす「飢餓食」(Starvation Diets)も試したが、体重は減らず、体力はどんどん低下していった。バンティングを減量へと導いたのは、食べる量を減らしたことでもなければ、運動量を増やしたことでもなく、「炭水化物を制限する食事法」であった。彼は、

私は、重く、安全なボートを所有しており、川の近くに住んでいた。私は早朝に2 - 3時間ボートを漕ぐ習慣を付けることにした。確かに私の筋力は強化されたが、それに伴って尋常でないほどの食欲が湧くようになり、食欲の抑制が効かなくなった。親切な旧友から『運動の習慣を捨てなさい』との忠告を受けるまで、体重の増加が止まることは無かった[53]


食べる量については、自然に湧いてくる食欲に従って差し支えない。肥満を和らげ、治療するために必要なのは食べ物の『質』だけである、と、確信をもって明言できる[14]

との言葉を残している。

ノールデンが「消費する以上のエネルギーを摂取するから太るのだ」と唱える遥か以前から、ウィリアム・バンティングはカロリー理論に相当するやり方を実践していた。ほどなくして、これは減量においては何の役にも立たないことに気付いたバンティングは、『市民に宛てた、肥満についての書簡』の中で「減量に対して何の効果も無い方法」の1つに、「食べる量を減らして運動量を増やす」を挙げている。バンティングに炭水化物制限を教える前のウィリアム・ハーヴィーも、「激しい身体活動に励めば痩せられるはずだ」と考えていた。イングランドの医師、トマス・ホークス・タナー(Thomas Hawkes Tanner, 1824-1871)も、 著書『The Practice of MedicineISBN 978-1377805573 の中で、「肥満を治療するにあたっての『ばかげた』治療法」の1つに、「食べる量を減らす」「毎日多くの時間を散歩と乗馬に費やす」を挙げ、「これらの方法をどんなに辛抱強く続けたところで、望む目的が達成されることはない」と断じている[7]

Letter on Corpulence』はまもなくベストセラーとなり、複数の言語にも翻訳された。その後、「Do you bant?」(「ダイエットするかい?」)、「Are you banting?」(「今、ダイエット中なの?」)という言い回しが広まった。この言い回しは、バンティングが実践した食事法について言及しており、時にはダイエットそのものを指すこともある[14]。のちにバンティングの名前から、「Bant」は「食事療法を行う」という意味の動詞として使われるようになり、スウェーデン語にもこの言葉が輸入されて使われるようになった[7]

南ローデシア(現在のジンバブエ)出身の科学者ティム・ノークス(Tim Noakes)は、「低糖質・高脂肪ダイエット」と名付け、この食事法を普及させた[54]。ノークスは、「脂肪の摂取を減らし、炭水化物を沢山摂取せよ」と奨める考え方を「Genocide」(「大量虐殺」)と断じている[55]

サイエンス・ジャーナリストゲアリー・タウブス(Gary Taubes)による著書『Good Calories, Bad Calories』(2007年)では、「A brief history of Banting」(「バンティングについての簡潔な物語」)と題した序章から始まり、バンティングについて論じている[6]。炭水化物の摂取を制限する食事法についての議論の際には、しばしばバンティングの名前が挙がる[56][57][58][59][60]

なお、バンティングは、この食事法が広まった功績は「(この食事法を教えてくれた)ハーヴィーにある」と主張した。

The Women's Health Initiative

1990年代初期、アメリカ国立衛生研究所(The National Institutes of Health)は、『Women's Health Initiative』(『女性の健康構想』)と題した、約10億ドルに及ぶ研究を行った[61][62]。このとき、「低脂肪の食事で心臓病や癌を本当に予防できるか」という研究も同時に行われた。5万人近くの女性を登録し、そのうち19541人を無作為に選んだ。研究は1993年に開始し、8年間続けられた。研究者たちは、参加した女性たちに対し、果物・野菜・全粒穀物・食物繊維が豊富なもの・脂肪が少ないもの・・・これらを優先的に食べるよう指示した。この食事を続けるにあたり、女性たちは定期的にカウンセリングを受けた[27]。脂肪の摂取量については、摂取カロリーのうちの38%から20%に減らすことを目標とし、参加した女性たちについて、体重の増減、コレステロールの数値、脳卒中、心臓発作、乳癌、直腸癌、その他の心血管疾患を発症するかどうかについても調べた[27]。毎日の食事の摂取カロリーは360kcal分減らし、少ない量を食べ続けた。参加した女性たちは「少なく食べるように」「脂肪が少ないものを食べるように」「運動するように」という指示も与えられ、「食べる量を減らして運動量を増やす」を忠実にこなし続けた[7]

この生活を8年間続けた結果、女性たちは(実験開始前と比べて)1人あたり平均で約1kg体重が減ったが、その腰回りは膨らんだ[7]。この事実が意味するところは、「彼女らの身体から減ったのは脂肪ではなく、筋肉である」ということである。また、研究者たちは「脂肪分の少ない食事は、心疾患、癌、その他の病気を予防できなかった」とも報告している[7]。脂肪の摂取量が少ない食事には、乳癌、心臓病、脳卒中の発症リスクを下げる効果も、閉経後の女性の結腸直腸癌のリスクを下げる効果も一切無かった[26]。彼女らが受けたカウンセリングおよび食事の意味として、意識的か無意識的かを問わず、「少食を心掛けた」ことである[7]。「消費カロリーが摂取カロリーを上回れば体重は減る」のが本当であるのなら、この試験に参加した女性たちが太った理由が説明できなくなる[7]。脂肪は1kgにつき、約7,000kcalのエネルギーに相当する。彼女らが、毎日の食事の摂取カロリーを360kcal減らしていたのなら、実験を開始して3週間で約1kgの脂肪が減っていたはずであり、1年続ければ約16㎏の脂肪が減る計算になる。試験開始の時点で、参加した女性たちの半数は肥満体であり、大多数は少なくとも過体重であった[7]。研究者たちは、「低脂肪食は乳癌を患うリスクを下げるだろう」と考え、栄養士たちは「脂肪の摂取量について、目標の数値である20%まで下げれば、低脂肪食の効果が明白になった可能性がある」と述べた[27]。8年間かけて行われたこの研究結果は『アメリカ医師会誌』に掲載された[63]。『女性の健康構想』の研究結果は、「癌や心血管疾患を防ぐという目的において、低脂肪食には何の効果も無い」[27]、「動物性脂肪を食事から排除しても、健康の改善には何の役にも立たない」ことも示した[22]。『女性の健康構想』の研究者は「野菜や果物が多く、脂肪が少ない食事が、癌の危険度を下げることを示す証拠は見付からなかった」と書いた[63]

肥満の女性は乳癌を患いやすくなる[64]。『女性の健康構想』研究終了後の追跡期間中、実験に参加した被験者のうち、7,415人が死亡し、そのうちの1,820人が癌で死亡し、151人が乳癌で死亡した。閉経後の女性において、インスリン抵抗性が身体で強まっている場合、さまざまな癌を患いやすくなり、癌による死亡率も上昇する[65]。インスリン抵抗性が強いほど、乳癌になりやすくなり、その後の死亡率も上昇する[66]

ハーヴァード大学の研究者ブルース・ビストリアン(Bruce Bistrian)は、「減食(食べる量を減らす)は、肥満に対する処置にも治療法にもならない。最も目立つ症状を一時的に緩和する方法でしかない。もしも減食が肥満に対する処置にも治療にもならないとするなら、これは『過食は肥満の原因ではない』ことを示す」と述べている[7]。「過食が肥満の原因である」という考えに疑問を投げかけるあらゆる理由の中で最も明確なものは、「肥満は、食べる量を減らしても治せない」という事実である。

『女性の健康構想』の研究結果を受けて、カナダの医師、ジェイスン・ファン(Jason Fung)は「『食べる量を減らして運動量を増やす』は何の役にも立たない」と断言している[67]

「運動は無益」

カリフォルニア州ローレンス・バークリー国立研究所(Lawrence Berkeley National Laboratory)の統計学者、ポール・ウィリアムス(Paul Williams)と、スタンフォード大学の研究者ピーター・ウッド(Peter Wood)は、普段からよく走る習慣のある13000人を集め、これらのランナーたちの1週間の累計走行距離と、年ごとの体重の変化を比較する研究を行った。ピーター・ウッドは、運動が健康にどのような影響を及ぼすのかについて、1970年代から研究を行っていた人物でもある。この13,000人のランナーについての研究では、最もたくさん走った人ほど最も体重が少ない傾向こそあったが、これらのランナー全員、「年を追うごとに太っていく(身体に脂肪が蓄積していく)」傾向にあった[7]

1970年代までに、「運動には肥満を解消する効果は無い」という証拠は多数あったが、研究者たちを「運動すれば体重を維持あるいは減少できる」という信念に駆り立てたのは、それが「真実である」と信じたがっていた彼らの願望と、公に「そうではない」と認めることに対する彼らのためらいがあった。研究者たちは、実際の証拠が何を示そうとも、「運動とエネルギー消費が肥満の程度を決めるという考えを後押しする結果だけ」を論議した。一方で、この見解を反証する証拠に対しては、その数がどれほど多かったとしても、無視した[7]

2007年、ハーヴァード大学医学部長ジェフリー・フライアー(Jeffrey Flier)とその妻テリー・マラトス・フライアー(Terry Maratos-Flier)は、雑誌『Scientific American』に論文を寄稿し、その中で「ヒトの食欲とエネルギーの消費について、この2つは人間が意識的に変えられるような代物ではない」「この2つの要素のバランスの補正と結果が脂肪組織の増減につながるなどという、そんな単純な変数ではない」と述べている[7]

2007年8月、アメリカ心臓協会(The American Heart Association)とアメリカ・スポーツ医学会(The American College of Sports Medicine)は、身体活動と健康に関する要綱を共同で発表した。この団体の専門家たちは、週に5日、1日に30分程度の精力的な運動が「健康を保ち、促進するために必要である」と述べた。しかし、「肥満になることや痩せたままでいることに対して、運動がどのような影響を与えるのか」という質問になると、彼らは以下のようにしか答えられなかった。

「1日あたりのエネルギー消費の多い人は、それが少ない人に比べて、時間とともに体重が増える可能性が低い、と仮定することは理にかなっている。これまでのところ、この仮説を支持する証拠となるものについては、『説得力がある』とは呼べない」[7]

1960年、疫学者のアルヴァン・ファインシュタイン(Alvan Feinstein)は、医学雑誌『The Journal of Chronic Diseases』に掲載された批評で様々な肥満治療の有効性について分析し、その中で、「エネルギーの消費量を増やすという点において、運動は何の役にも立たない」とし、肥満を治す手段として「運動」を却下した。ファインシュタインは、「体重を減らす目的で十分なカロリーを消費するには、『やり過ぎ』と呼べるぐらいの身体活動が必要になる。 さらに、身体運動は食べ物に対する欲求を惹起し、その後のカロリーの摂取量が、運動中に失われたものを超えてしまう可能性が出てくる」と指摘した[6]

1973年10月、アメリカ国立衛生研究所は肥満についての会議を主催した。この会議の参加者の1人でスウェーデン人の研究者、パル・ビヨントルプ(Per Björntorp)は、肥満と運動に関する自身の臨床試験の結果について報告した。ビヨントルプは肥満体の被験者7人に対して週3回の運動計画を実施し、半年間続けた。結果は、半年間の運動を経て被験者たちの身体は相変わらず重く、太ったままであった[6]1977年、アメリカ国立衛生研究所は2度目の肥満会議を主催した。この会議に集まった専門家たちは最終的に以下の結論に達した。

「体重の管理における運動の重要性は信じがたいほどに低い。ヒトは運動量を増やせば、同時に食べる量も増えがちになり、運動による消費エネルギーの増加が食べる量の増加に勝るのかどうか、それを予測するのは不可能である」[7]

コロンビア大学のF・ハビエル・ピソニイェール(F. Xavier Pi-Sunyer)は、1987年に以下のように報告した。「太っている人が運動すると、その日の残りの時間は動かなくなり、運動で消費した分のカロリーが帳消しになる。この現象は、通常の1日の消費カロリーの25%を消費するのに十分な運動をこなした場合であっても同様だ」「運動が代謝率に与える影響はほとんど無い。運動の大きな利点として持て囃されているが、実際には存在しない」[8]

1989年、デンマーク人の研究者が、身体活動が体重減少に及ぼす影響についての研究結果を公表している。普段から座りがちな被験者を、マラソン(26.2マイル)を走れるよう訓練させた。18か月間の訓練を経て、被験者らは実際にマラソンに参加した。この研究に参加した18人の男性の体脂肪は平均で5ポンド(約2.3㎏)減っていたが、女性の被験者9人については、「体組成の変化は一切見られなかった」と書いている[7]。この年、ニューヨークにあるセントルーク・V・ルーズヴェルト病院肥満研究センター長を務めていたピソニイェールは、「運動量を増やせば体重を減らせる」という考えを分析している現存する試験について再調査を行った。彼の結論は以下のとおりであった。「体重と体組成における減少、増加について、変化は一切見られなかった」[7]

1950年代半ば、ハーヴァード大学の栄養学者、ジョン・マイヤー(Jean Mayer)は、ラットを使ったある実験を行った。毎日数時間、強制的に運動をさせられたラットと、運動を強制されなかったラットとで、ラットの食事量と体重の変化について研究した。運動プログラムに沿って運動を行ったラットは、運動をしなかった日にはより多く餌を食べ、運動をしていない時には身体を動かさないようにすることで消費エネルギーを減らした。一方、運動を強制されたラットの体重は、運動を強制されなかったラットと「全く同じまま」であった。そして、実験用のラットがこの運動プログラムから解放されると、かつてなかったほどの量の餌を食べるようになり、運動を強制されなかったラットよりも、歳とともに急速に体重が増えた。また、ハムスターとアレチネズミを使った研究では、運動させると「体重と体脂肪が増加する」結果に終わった。

このように、運動は動物を肥満にさせることはあっても痩せさせることは無かった[7]

1970年代までの一般のアメリカ人の多くは、避けられるのであれば、空いた時間に汗を流すべきであるとは考えていなかった。1977年ニューヨーク・タイムス(The New York Times)は当時のアメリカについて、「運動熱の高まりの真っ只中にある」と報じた。1960年代のアメリカでは「Exercise is bad for you」(「運動は身体に毒である」)というのが広く行き渡った考え方であったが、それがいつしか、「Strenuous exercise is good for you」(「苦痛を覚えるほどの運動は身体に良いのだ」)と変遷していった[7]

2019年に発表された研究で、24週間、毎日ウォーキングを続けることで身体に及ぼす影響について調べる実験が行われた。歩数はそれぞれ10000歩、12500歩、15000歩であった。結果は、除脂肪体重は増えたが脂肪も増加し、体重は全く減らなかった。研究者らは、「ウォーキングには、体重の増加・脂肪の増加を防ぐ効果は見られなかった」と結論付けている[68]

ジョギングを普及させたことで知られるジム・フィックス(Jim Fixx)は、自身がジョギングに励んでいる最中に心臓発作を起こして倒れ、そのまま死亡した[69]。ヴァーモント州の主任検死官、エレノア・マックィレン(Eleanor McQuillen)による検死結果によれば、アテローム性動脈硬化症が原因で、冠状動脈の1つが95%、2つが80%、3つが70%閉塞していた[70][71]。3本ある動脈はいずれも全て損傷し、閉塞していた[72]。この剖検で、フィックスは「心臓に繋がる2本の動脈に影響を及ぼす重篤な心臓病を患っていた」ことも判明した[73]。彼は著書の中でも、対談番組に出演した際にも、運動することで寿命を大幅に延ばせる、として運動の利点を強調し、褒めそやしていた[70]。東イリノイ大学の教授で運動生理学とマラソン生理学の専門家、ジェイク・エメット(Jake Emmett)はジム・フィックスの死について、「彼の死は、走る行為は冠状動脈性心疾患(Coronary Artery Disease)を防げないだけでなく、突然死を招く可能性が出てくることを世界中に確信させた」と書いた[71]

ジム・フィックスの息子、ジョン・フィックスによれば、「父は健康維持のため、過去15年間で、週に80マイル(約129㎞)の距離を走っていた」という[73]

ワシントン・ポスト(The Washington Post)は、ジム・フィックスの死を受けて、「控えめに言っても、義務的に走ったところで、心疾患の猛威から身を守る効果は無いということだ」「6年前、とある医師が、マラソンの権威として『激しい運動をすれば、冠状動脈性心臓病を防げることは疑いようが無い』と高らかに断言したが、フィックスを襲った不運な出来事を受けて、これは何の価値も無いたわごとであることを認識した」と書いた[74]

ジョギングの最中およびジョギングを終えた直後に冠状動脈性心臓病(Coronary Heart Disease)で死亡する例は決して珍しいものではない。精良な運動能力が運動中の死亡事故から身体を保護することを示す証拠は無い[75]。度が過ぎる運動はミトコンドリア(Mitochondria)の機能障害を惹き起こし、耐糖能(Glucose Tolerance, 上昇した血糖値を下げる、血糖値を正常に保つ能力)も低下させてしまう[76]

ゲアリー・タウブスは、「『体重を減らす目的で、食べる量を減らして運動量を増やす』という考え方は一見筋が通っているように見えるが、実際には間違っているだけでなく、何の役にも立たない」[6]、 「We don't get fat because we overeat; we overeat because we're getting fat.」(「ヒトは過食するから太るのではなく、身体が今まさに太りつつあるから過食に走るのである」)と明言している[7]。また、「肥満は、エネルギーバランス、カロリー理論、過食、熱力学、物理法則とは、何の関係も無い」「過食や運動不足は肥満の原因ではなく、あくまで『結果』でしかない」「『肥満』とは『栄養過剰』ではなく、『栄養失調』の一種である」と断じている[7]。また、「もしも座りがちな生活が我々を肥満にさせ、運動がそれを防いでくれるというのなら、肥満ではなく『痩せ』が流行するはずである。しかし実際には、運動熱の始まりと同時に肥満の流行が起こった」と指摘している[7]。また、「減量が目標であり、あなたの健康と生活がそれに左右されるとしても、『1年半の間毎日努力を続ければ、脂肪を5ポンド(約2.3㎏)減らせるかもしれない』と言われたら、あなたは26マイル(42km)を走れるようになるための訓練をするだろうか?」と問いかけている[7]

The Biggest Loser

アメリカ合衆国2004年から放送されているテレビ番組『The Biggest Loser』がある。これは、太り過ぎの人たちが複数集まり、それぞれの班に分かれ、専属の運動訓練教官による指導のもと、激しい運動をひたすらこなして減量を競い合いながら細身の身体を目指し、最後まで勝ち残った(最も多く体重を減らした)出場者は、賞金として25万ドルを獲得できる。

2009年に放映された『The Biggest Loser』の第8期に出演した出場者たちの体重の増減と、身体の代謝の変化について調べる目的で、6年かけての追跡調査が行われた。アメリカ国立衛生研究所に所属する主任研究員で、栄養と代謝について研究しているケヴィン・D・ホール(Kevin D. Hall)がこの研究を主導した。その研究結果によれば、番組に登場して体重を減らした出場者たちの大半は、その減った分の体重のほとんどが元に戻った。中には番組に出場する前の体重をさらに上回った出場者もいた[9][77]。ホールによれば、番組に登場した時点で出場者たちはかなりの肥満体であったが、身体の代謝自体は正常であった。しかし、番組の第8期が終了するころには、彼らの代謝は完全に低下しており、痩せたあとの身体を維持するのが困難になっていた[9]

第8期の優勝者、ダニー・ケイヒル(Danny Cahill)は、番組に登場した時点で体重が430ポンド(約195kg)あった。彼は7か月かけて239ポンド(約108㎏)減量し、体重を191ポンド(約87kg)まで落とした。しかし、減ったはずの彼の体重は元に戻っていき、減量を終えた後の191ポンドから295ポンド(約134㎏)にまで体重が増えた[9]。ニューヨーク・タイムスに所属する記者、ジーナ・コラータ(Gina Kolata)は、「研究者たちをひどく驚かせたのは、以下の事柄であった。出場者たちの身体の代謝は回復せず、悪化の一途を辿っていき、体重はどんどん増えていった。あたかも彼らの身体が、失った分の体重を必死になって取り戻そうとしているかのように」と記述した[9]。番組の出場者の1人、ショーン・アルガイアー(Sean Algaier)は、番組に出場した時点で体重が444ポンド(約201㎏)あり、289ポンド(約131㎏)にまで減らした。しかし、その後の彼の体重は450ポンド(約204kg)にまで増加した。番組に出場する前よりも体重が増えていた[9]。番組の出場者の1人、ルーディー・ポールス(Rudy Pauls)は、番組に出場した時点で体重が442ポンド(約200㎏)あり、234ポンド(約106㎏)まで減量した。しかし、体重はやはり元に戻っていき、2014年の時点で彼の体重は390ポンド(約177㎏)にまでなっていた。その後、彼は重度の肥満を治すための手術を受け、体重は265ポンド(約120㎏)になった[9]

ジーナ・コラータは、医師のデイヴィッド・ルートヴィッヒ(David Ludwig)の言葉「単にカロリーを制限するだけでは何も解決しない。消えることの無い空腹感と代謝の悪化の組み合わせは、減った体重を元に戻すための処方箋でしかなく、数か月以上に亘って減量後の体重を維持できる人が少ないのは何故かを説明できる」と、医学博士で肥満の研究者、マイケル・ロウゼンバウム(Michael Rosenbaum)の言葉「体重を減らし、その減ったあとの体重を維持するのが困難である理由について、これは生態学の問題であり、意志の力が異常なまでに弱いのかどうかとは何の関係も無い」を引用した[9]

「運動は何の役にも立たない」

肥満患者を治療する臨床医の多くは、1960年代までは、「運動すれば減量できる」「座りっぱなしの生活を送っていると太る」「食べ過ぎるから太る」といった考え方を「幼稚」として退けていた。ラッセル・ワイルダーは1932年にアメリカ内科学会(The American College of Physicians)にて肥満についての講演を行い、その中で、「肥満患者は、ベッドの上で安静にしていることで、より早く体重を減らせる。一方で、激しい身体活動は減量の速度を低下させる」「運動を続ければ続けるほどより多くの脂肪が消費されるはずであり、減量もそれに比例するはずだ、という患者の理屈は一見正しいように見えるが、体重計が何の進歩も示していないのを見て、患者は落胆する」と述べ、「体重や体脂肪を減らす」という点において、運動は何の役にも立たない趣旨を明言していた[7][78]。WHOの肥満予防研究本部長、ボイド・スウィンバーン(Boyd Swinburn)は「運動を重視していると、根本的な原因を突き止められず、肥満は防げそうにない」と語った。メイヨー・クリニック(Mayo Clinic)は批評を発表しており、それによれば「多くの研究結果で示されているように、『運動だけでは体重を減らせない』、あるいは『減ったとしてもごくわずか』であることは証明済みである」「運動で体重を減らせる可能性は極めて低い。食事を変更するほうが体重を減らせる」であった[78]運動しないほうが、体重も体脂肪も減る[79]

炭水化物を食べることにより、余分な脂肪が蓄積されると、この脂肪を維持する作用を持つホルモンが分泌され、人体はこの脂肪を保持しようとする。身体から脂肪を減らさないようにする作用の一つに、空腹と倦怠感を惹き起こすホルモンの存在がある。代謝異常を惹き起こす根本的な原因である炭水化物の問題に目を向けないまま、「もっと運動するように」というのは、ますます空腹感を強めるだけである。代謝異常の根本的な原因を解決しないまま運動に励んだところで、身体の代謝は悪化の一途を辿る。カロリー制限で体重を減らしたとしても、その後、減ったはずの体重は元に戻る。カロリーの制限は何の利益ももたらさない[80]

炭水化物と肥満

ロバート・アトキンス

アメリカ合衆国の医師、ロバート・アトキンス(Robert Atkins)は、1959年にニューヨーク・マンハッタンにあるアッパー・イースト・サイドにて、心臓病および補完代替医療の専門医として開業した[81]

開業したての頃のアトキンスの仕事はあまりうまくいかず、さらには身体が太り始めたことで、アトキンスは意気消沈していた。ある時、アトキンスは、デラウェア州にある会社、デュポン社(DuPont)に所属していた、アルフレッド・W・ペニントン(Alfred W. Pennington)が研究し、従業員に提供していた食事法を発見した[82]

1940年代、ペニントンは、過体重か太り過ぎの従業員20人に、「ほぼ肉だけで構成された食事」を処方していた。彼らの1日の摂取カロリーは平均3000kcalであった。この食事を続けた結果、彼らは平均で週に2ポンド(約1㎏)の減量を見せた。この食事を処方された過体重の従業員には、「一食あたりの炭水化物の摂取量は20g以内」と定められ、これを超える量の炭水化物の摂取は許されなかった。デュポン社の産業医療部長、ジョージ・ゲアマン(George Gehrman)は、「食べる量を減らし、カロリーを計算し、もっと運動するようにと言ったが、全くうまくいかなかった」と述べた。ゲアマンは、自身の同僚であるペニントンに助けを求め、ペニントンはこの食事を処方したのであった[7]。アトキンスは、ペニントンが実践していたこの食事法からヒントを得て、患者を診療する際に「炭水化物が多いものを避けるか、その摂取量を可能な限り抑えたうえで、肉、魚、卵、食物繊維が豊富な緑色野菜を積極的に食べる」食事法を奨め、それと並行する形で本を書き始めた。1972年、『Dr. Atkins' Diet Revolution』(邦題:『アトキンス博士のローカーボ(低炭水化物)ダイエット』)を出版し、その数年後に補完代替医療センターを開設した[83]

アトキンス以前の食事療法

ジャン・アンテルム・ブリア=サヴァラン

フランスの法律家で美食家のジャン・アンテルム・ブリア=サヴァラン(Jean Anthelme Brillat-Savarin)は、1825年出版の著書『Physiologie du goût』(『味覚の生理学』)にて、「思ったとおり、肉食動物は決して太ることはない(オオカミジャッカル猛禽類カラス)。草食動物においては、動けなくなる年齢になるまで脂肪が増えることは無い。だが、ジャガイモ穀物小麦粉を食べ始めた途端、瞬く間に肥え太っていく。・・・肥満の主要な原因の2つ目は、ヒトが日々の主要な食べ物として消費している小麦粉やデンプン質が豊富なものだ。前述のとおり、デンプン質が豊富なものを常食している動物は、いずれも例外なく、強制的に脂肪が蓄積していく。ヒトもまた、この普遍的な法則から逃れられはしない」[84]、「ヒトにおいても、動物においても、脂肪の蓄積はデンプン質と穀物によってのみ起こる、ということは証明済みである」「デンプンは、砂糖と組み合わせることにより、より迅速に、より確実にその効果が発揮される」[84]、「デンプン質・小麦粉由来のすべての物を厳しく節制すれば、肥満を防げるだろう」[84] と述べ、「身体に脂肪が蓄積するのはデンプンや砂糖を食べるからだ」と断言している。ブリア=サヴァランは、タンパク質が豊富なものを食べるよう勧めており、デンプン、穀物、小麦粉、砂糖を避けるよう力説している[85][86]

1856年、クロード・ベルナールは、パリで糖尿病についての講演を行っていた。当時、ウィリアム・ハーヴィーは、ベルナールによる講演を聴いていた。ベルナールは肝臓の機能について、肝臓がブドウ糖を産生して分泌することや、糖尿病患者の血中ではブドウ糖の濃度が異常に上昇している趣旨を説明した。また、ベルナールは「ブリア=サヴァランの著書を読み、肥満の治療法を発見した」と述べた[51]

ベルナールの講演を聴いたハーヴィーは、糖やデンプンを含まない動物性食品による食事を取ると、糖尿病患者の尿中への糖の排泄が抑制される事実に考えを巡らせ、これが体重を減らす食事法としても機能するかもしれない、と考えた[7]。ハーヴィーは、「糖やデンプンを含む食べ物は動物を太らせるために使われる。糖尿病になると身体から脂肪が急速に減っていくことが分かる。肥満の進行の仕方はさまざまであれ、その原因は糖尿病に行き着く点に思い当たった。もしも動物性食品が糖尿病に対して有効であるなら、動物性食品および糖やデンプンを含まない植物性食品との組み合わせが、過剰な量の脂肪の生成を抑制するのに役立つ可能性がある」と記述した[7]。その後、ウィリアム・バンティングはハーヴィーから炭水化物を制限する食事法を教わり、体重が減り、身体の不調も回復した。

1844年、フランスの退役軍医、ジャン=フランソワ・ダンセル(Jean-François Dançel)は、フランス科学協会にて、肥満の治療法を発表した。ダンセルによる肥満治療の理論は1864年に英語に翻訳され、その題名は『Obesity, or Excessive Corpulence: The Various Causes and the Rational Means of Cure』(『肥満、あるいは過剰な脂肪蓄積:さまざまな原因と妥当な治療法』)であった。ダンセルは肥満の治療手段について、以下のように書いた。「化学者たちは、バターを食べると身体に脂肪が増えるのかどうかを知るため、実験の数日間、バターのみを鳩に食べさせ、それ以外の食べ物は食べさせなかった。鳩はバターを貪るように食べ続け、実験が終わると、言うまでもないが、鳩は痩せ細った状態で死んでしまった。実験の担当者たちは、『バターは身体を太らせることは無い』と結論付けたのだ。肉食動物にバターだけを食べさせることで検証しようというのだから、なんという突飛な構想であろうか。この実験は私の書いた論文の主題でもあり、1844年の科学協会の議事録にも収録されている」「脂肪ができる原因に関する問題に光を当てることになるかもしれぬ、確定事項を提示しておく。私はこの数年間、肥満は快適な生活を妨害し、どうすれば脂肪を減らせるかについて、多くの考察を重ねてきた」「私は、『肉だけを食べ、それ以外の食べ物の摂取はごく少量のみに抑えれば、ただ一人の例外も無く肥満を治癒できる』という事実を確固たるものとしたのだ。どんな薬を服用しようとも、卓に並んでいるものを見境無く食べている限り、肥満は防げない」「私は数千もの症例を記録に残している。私の教えに従った数多くの患者たちは、体重を減らせたのだ」[87]

1886年ベルリンで開催された内科学会にて、食事療法についての討論会が行われた際、肥満患者を確実に減らせる食事療法が3つ紹介され、ウィリアム・バンティングが実践していた方法がそのうちの1つとして紹介された。残りの2つはいずれもドイツ人の医師が開発した方法であるが、いずれにも共通するのは

  • 「肉は無制限に食べて構わない」
  • 「デンプン質・糖質は完全に禁止」

というものであった。1957年、精神医学者で小児肥満の研究者でもあったヒルデ・ブルッフ(Hilde Bruch)はこれを紹介したうえで、「食事管理による肥満の抑制における大きな進歩と呼べるのは、身体の中で脂肪を生成するのは肉ではなく、パンや甘く味付けされた食べ物のような、『無害』と思われていたものこそが肥満をもたらす、と認識された点にある」と述べた[16]1973年には、肥満について「脂肪組織において調節障害が惹き起こされている」と書いた[88]1934年にアメリカ合衆国に移住したブルッフは、当時のニューヨークが「肥満体の子供で溢れかえっていた」と記録しており、太っている子供たちはどれだけ食べる量を減らしたところで痩せることは無く、身体は太ったままであった。体重を減らす目的で「食べる量を減らす」を実行したところで、いずれも全て例外なく失敗に終わる。

ブレイク・F・ドナルドソンによる肥満治療

ニューヨークで心臓病専門医をやっていたブレイク・F・ドナルドソン(Blake F. Donaldson)は、「肥満体の心臓病患者」に対し、1919年ごろから「ほぼ肉だけで構成された食事」を処方した[89]。1日3回の食事で、1日の摂取カロリーは少なくとも3,000 kcalはあった。ドナルドソンもまた、「食べる量を減らして運動量を増やす」を行っても体重は全く減らないことに気付いていた[89]。脂肪の総摂取量は1日の摂取カロリーのうちの75 - 80%であり、2ポンド (907 g)の脂肪が付いた牛肉を食べるよう患者に指導した。脂肪の摂取量がこれより少なかったり、食事を抜いたりすると、患者の体重減少速度は低下したという[89]。ドナルドソンによれば、40年後に引退するまでに、17,000人の肥満患者にこの食事を処方したという。ドナルドソンは自然史博物館を訪れ、そこに常駐していた人類学者に「先史時代の我々の祖先たちはどんなものを食べていたのか?」と尋ねたところ、人類学者は「我々の祖先は脂肪が非常に多い肉を食べていた」と答えたという。ドナルドソンは、「いかなる減量食であれ、脂肪がとても多い肉こそが不可欠である」と判断し、この食事を肥満患者に処方していた。ドナルドソンの患者たちは、空腹感に悩まされることなく週に2 - 3ポンドずつ体重を減らせたという。体重を減らせなかったのは「パン中毒の患者」であったという。ドナルドソンは1961年に出版した著書『Strong Medicine』(『効き目の強い薬』)にて、「医者が糖尿病についてどれだけ知っているか、というのはどうでもいい話だ。体重を減らし、その減った体重を維持するにはどうすればいいかを知らないのであれば、その人物は医者失格である。身体が太りやすく、体重増加を抑制する方法について自ら学んだ医師であれば、問題の深刻さをより理解しているようだ」と述べている[89]。ドナルドソンは、北極で暮らすエスキモーたちと一緒に暮らした経験のある探検家、ヴィルヒャムル・ステファンソン (Vilhjálmur Stefánsson)の友人であり、ステファンソンによる食事も参考にした[90]

完全肉食生活

ヴィルヒャムル・ステファンソン(1915年)

ステファンソンは、食事療法、とりわけ、炭水化物が少ない食事療法に大いに関心を抱いていた。ステファンソンはイヌイットたちの食事について、「全体の90%が肉と魚で構成されている」と記録している。彼らの食事は「Zero Carb」「No Carb」(「炭水化物をほとんど含まない食事」)と見なされるかもしれない(彼らが食べていた魚にはわずかな量のグリコーゲン(Glycogen)が含まれてはいたが、炭水化物の摂取量は全体的にごく僅かであった)。ステファンソンの仲間の探検家たちも、この食事法で完全に健康体であった。イヌイット(ステファンソンの時代には「エスキモー」と呼ばれていた)たちとの暮らしから数年後、ステファンソンは、アメリカ自然史博物館からの要請で、同僚のカーステン・アンダーソン(Karsten Anderson)とともに再び北極を訪れた。2人のもとには「文明化された」食料が1年分補給される予定であったが、2人はこれをやんわりと断った。当初の計画は1年間であったものが、最終的には4年間に延長された。北極圏にいた2人がその4年間で食べていたものは、捕えて殺して得られた動物の肉と魚だけであった。4年に亘る肉食生活を送る過程で、2人の身体には異常も悪影響も見られなかった。ウィリアム・バンティングと同じく、炭水化物のみを制限し、身体が本当に必要としている食べ物を食べ続けた場合、身体は完全に機能し、壮健さと細身を維持できることが明らかとなった。「カロリー」については一切無視された[14]

肉だけを食べる食事法が続行可能かどうかについての見解をステファンソンが報告した際には多くの懐疑論が出たが、のちに行われた研究と分析で、それは可能であることが裏付けられた[91]。複数の研究結果により、エスキモーたちの食事法は「ケトン食療法」であることが示された。彼らは主に魚や肉を煮込んで食べており、時には魚を生で食べることもあった[92][93][94]

1928年、ステファンソンとアンダーソンの2人はニューヨークにあるベルヴュー病院(Bellevue Hospital)に入院し、完全肉食生活が体に及ぼす影響についての実験台となった。実験の期間は1年間であり、コーネル大学のウジェーヌ・フロイド・デュボア(Eugene Floyd DuBois)が実験を指揮した。ステファンソンとアンダーソンの2人は、注意深く観察された実験室という設定で、最初の数週間、肉だけを食べ続けても問題無いことを証明する研究の着手に同意し、「食事における決まり事」を確かなものにするために観察者が付いた。スコット・カトリップ(Scott Cutlip)による著書『The Unseen Power: Public Relations』によれば、ペンドルトン・ダッドリー(Pendleton Dudley)がアメリカ食肉協会(American Meat Institute)に対して、この研究に資金を提供してもらえないか、と説得したという[95]。この間にアンダーソンには糖尿病の症状が発現した。糖尿病における病理とは異なり、この研究の過程でアンダーソンの身体に見られた糖尿病の病状の期間は4日間であった。耐性を調べるためにブドウ糖100gを投与させたことと、肺炎の発症はいずれも同時期であった。この時のアンダーソンは、水分と炭水化物が多い食事を取っており、これを排除すると、糖尿病の症状は消滅した[96]。ステファンソンは、研究者から「脂肪が少ない赤身肉だけを食べる」よう依頼された。ステファンソンには脂肪がほとんど無い肉を食べ続けると2-3週間後に健康を損なった経験があり、「脂肪がほとんど無い肉」は「消化不良」を引き起こす可能性がある、と指摘した。この肉を食べ続けて3日目、ステファンソンは吐き気と下痢に見舞われ、そのあとに便秘が10日間続いた[97]。早い段階で体調不良に陥ったのは、自身が以前に食べていたカリブー(トナカイ)の肉と比べて脂肪が少ない肉を食べ続けたのが原因である、とステファンソンは考えた[98]。脂肪が多い肉を食べるようにすると、2日以内に身体は完全に回復した。最初の2日間、ステファンソンが取っていた食事は、脂肪の摂取量が三分の一に減っていた点を除けば、エスキモーが取っていた食事に近いものであった。タンパク質の摂取カロリーは全体の45%を占めており、3日目には腸に異常が見え始めた。次の2日間でステファンソンはタンパク質の摂取量を減らし、脂肪の摂取量を増やした。摂取カロリーの約20%をタンパク質で、残りの80%を脂肪で占めるようにした。この2日間での高脂肪食でステファンソンの腸の状態は投薬無しで正常に戻った。その後、ステファンソンはタンパク質の1日の摂取カロリーが25%を超えないようにした[97]。2人の身体は健康を保ち、腸も正常なままであった。彼らの便は小さく、匂いも無かった。ステファンソンには歯肉炎があり、歯石の沈着が増加するも、実験が終わるまでには消えていた。実験中のステファンソンの摂取カロリーは2000~3100kcalで、そのうちの20%はタンパク質であり、残りの80%は動物性脂肪から得ていた[14]。栄養素の1日の摂取量については、タンパク質は100-140g、脂肪は200-300gで、炭水化物については7-12gであった[97]1929年に発表された論文では、この時の臨床研究について詳述されている[99]。ステファンソンによれば、エスキモーたちは赤身肉(タンパク質)の摂取を制限し、余分な赤身肉は犬に与えて食べさせ、脂肪を確保して食べたという[100]

1946年、ステファンソンは、エスキモーたちとの食生活について綴った著書『Not by Bread Alone』(『パンのみにあらず』)を出版し、1956年にはこの本の拡張版とも言える内容の著書『The Fat of the Land』(『大地の脂肪』)を出版した[101]

アルフレッド・W・ペニントンによる肥満治療

前述したデュポン社のアルフレッド・W・ペニントンはドナルドソンの講演を聴き、この食事法を自分で試してから、デュポン社の肥満体の従業員に処方し始めた[90]。ペニントンは、「肥満とは、脂肪からエネルギーを生成する能力が損なわれている状態であり、肥満患者は絶えず空腹に襲われる」「肥満になったあとに食欲が増進するのであってその結果ではない」(「沢山食べるから肥満になる」わけではない)と報告している[90]。ペニントンは「炭水化物のみを制限し、タンパク質と脂肪で構成され、カロリーを一切制限しない食事は、肥満を治療できるように思われる」「ケトン体の生成 (Ketogenesis)は、体が脂肪を利用する機会を増やすための重要な要素のように思われる」「この食事法は、カロリーを制限した食事を摂っていると遭遇するであろう代謝の低下を回避できるように思われる」「脂肪の摂取量を制限する必要は一切無い」「肥満を治療する食事を用意する際にはタンパク質に重点が置かれることが多いが、重要なエネルギー源として脂肪に重点を置く必要があるようだ」と報告している[90]

1950年6月、雑誌『ホリデイ』(Holiday)は、ペニントンが発表した食事法について、「Believe it or not diet development」(「信じがたいような食事法の開発」)、「An eat-all-you-want reducing diet」(「食べたいだけ食べて体重を減らす食事法」)と呼んだ[6]1952年、ハーヴァード大学栄養学部が主催した肥満についての討論会にペニントンは出席し、その食事法について発表した。討論会の議長を務めたマーク・ヘグステッド(Mark Hegsted)は、「この場にいる人々の多くは、ペニントン博士が発表した食事法が、肥満を治療するにあたり、間違いなく正しいやり方である、と感じている」と述べ、そのうえで「この食事法が高確率で好結果をもたらす点は印象的である。より大規模で、より公平な比較試験が必要だ」「カロリーを制限すること以外の肥満の治療手段については、考え付くあらゆる方法による研究が必要だ」と結論付けた[6]。イギリスの内分泌学者、レイモンド・グリーン(Raymond Greene)は、「炭水化物を排除する代わりにタンパク質と脂肪をたっぷり摂取するペニントンの食事法は素晴らしい効果を発揮し、炭水化物・タンパク質・脂肪全体の摂取量を減らす食事よりも食べる量を増やせる・・・食事内容は単調である必要は無くなり、患者の多くはこの食事法を気に入ることになる」と述べた[6]1953年7月、ペニントンは論文『Treatment of OBESITY with Calorically UNRESTRICTED DIETS』(『カロリー無制限の食事による肥満治療』)を発表し、「炭水化物のみ制限し、タンパク質と脂肪で構成され、カロリーを制限しない食事で肥満の治療が可能になる」「この食事法による肥満治療は、カロリー制限食で遭遇する代謝の低下を回避できる」と書いている。この論文は、『アメリカ臨床栄養学会誌』(The American Journal of Clinical Nutrition)に掲載された[102]

カンザス州の医師、ジョージ・L・トープ(George L. Thorpe)は、1957年に開催されたアメリカ医師会の年次総会に出席し、「準飢餓状態を要求する食事(semi-starvation diets)では脂肪が減少するどころか、身体全体で消耗と衰弱が起こり、慢性的な栄養失調が続き、必然的に失敗に終わるであろう」と非難した。ペニントンによる食事法を試したトープは、自分の患者たちにこれを処方し始めた。トープによれば、「少量の野菜を含んでいても、月に6-8ポンドの体重減少が見られた」という。トープは「複数の情報源による証拠に基づき、減量を成功させるにあたって高タンパク・高脂肪・低糖質の食事を採用するのは十分な理由となる」と結論付けた[6]。1957年にトープが発表した論文では、肥満患者の治療法について「準備が極めて簡単で、大抵は容易に達成可能な高タンパク・高脂肪・低糖質な食事法である。空腹感・脱力感・倦怠感・便秘を伴うことなく、他の何よりも迅速に体重を減らせる食事であり、それは肉、脂肪、水で構成される。『どれぐらいの量を食べたか』については記録する必要は無い。『脂肪:1』に対して、『赤身:3』の比率を維持し、患者は約170gの赤身肉と57gの脂肪を1日に3回摂取する。ブラックコーヒー、茶、水は無制限に飲んで構わない。塩分の摂取量は減らさない。患者が味気無さを訴えた場合は、食事に変化を持たせる意味で、特定の果物と野菜を付け足す。肥満患者は蔑ろに扱われてはならない」と書いている[103]

前述のレイモンド・グリーンは、1951年に出版した『The Practice of Endocrinology』(『内分泌学の実践』)にて、以下のように記述している[104]

避けるべきもの
  1. パン、および小麦粉で作ったものすべて
  2. シリアル(朝食用と牛乳プリンを含む)
  3. ジャガイモと白い根菜類
  4. 砂糖を多く含むもの
  5. すべての甘いお菓子
以下の食べ物は食べたいだけ食べてよい
  1. 肉・魚・鳥
  2. すべての緑色野菜
  3. 卵(乾燥したもの、生のもの)
  4. チーズ
  5. バナナとブドウを除いた、無糖の、あるいはサッカリンで甘くした果物

1950年代、ミシガン州立大学栄養学部主任マーガレット・オールソン(Margaret Ohlson)は、過体重の学生に従来型の飢餓食(※極度のカロリー制限食)を与えた。彼らの体重はほとんど減らないばかりか、「すっかり活気が失せ、空腹であることを常に意識し続け、やる気が無くなっている」と報告した。一方、タンパク質と脂肪を大量に含む食事を摂らせると、平均で週につき約1.4kg減量し、「食間の空腹感に悩まされることはなく、気分の良さと満足感に包まれた」と報告した。この食事法を実践した者は、いずれも特別な努力を必要としないまま体重を減らし、空腹感に悩まされることもなかった[7]。オールソンの教え子でコーネル大学の臨床学教授シャーロット・ヤング(Charlotte Young)は、1973年10月にアメリカ国立衛生研究所で開催された会議にて、食事療法に関する講演を行った。医者が肥満について重点的に話し合う会議を定期的に開くようになった1960年代の半ばまでには、食事療法に関する講演が必ず行われており、それらの講演の内容はいずれも「炭水化物を制限する食事法について」であった。1967年から1974年にかけて、アメリカ合衆国と欧州各国で、食事療法に関する会議が5回開催された。ヤングは、アルフレッド・ペニントンがデュポン社で実践した炭水化物を制限する食事法を研究し、自身の師匠であるオールソンの業績について、この会議で発表した。ヤングは「体重および体脂肪の減少、その割合は、食事に含まれる炭水化物の量と逆相関しているように見える」「炭水化物の摂取量を減らし、脂肪の摂取量を増やすと、体重も体脂肪も大幅に減った」と報告した。炭水化物を制限する食事法について、ヤングは「空腹感からの解放、異常な疲労感の緩和、満足のいく減量、長期にわたる減量とその後の体重制御への順当さに対する評価において、いずれもすばらしい臨床的成果を見せた」と報告した[7]

1958年の時点で痩身目的の食事法が数多く流行していたが、それらの多くは科学的根拠が無いものであった。クイーン・エリザベス大学の栄養学教授、ジョン・ユドキン(John Yudkin)は、「炭水化物を制限すれば体重の制御が可能である」ことを、多くの肥満患者に教示した[18]。1958年、ユドキンは炭水化物を制限する食事法について記述した著書『This Slimming Business』を出版した。1962年には紙表紙本として出版され、1974年には第4版が重刷された。本書はアメリカ合衆国では『Lose Weight, Feel Great』という題名で出版され、オランダ語とハンガリー語にも翻訳された。1961年には『The Slimmer's Cook Book』、1964年には『The Complete Slimmer』を出版した。

リチャード・マッカーネス(Richard Mackarness)は、1958年に出版した著書『Eat Fat and Grow Slim』(『脂肪を食べて細身になろう』)にて、「体重が増える原因は炭水化物の摂取にある」と明言し、「肉、魚、脂肪は食べたいだけ食べてよい」とし、穀物と砂糖を避けるよう主張した[19]。マッカーネスは、ウィリアム・バンティングによる『市民に宛てた、肥満についての書簡』に触発されてこの著書を執筆した[105][106]

ヘルマン・ターラー(Herman Taller)は、1961年に出版した著書『Calories Don't Count』(『カロリーは気にするな』)にて「カロリーが同じであれば、どの栄養素も体内で同じ作用を示す、などということはありえない」「炭水化物が少なく脂肪が多い食事は体重を減らす」「炭水化物は身体に問題を惹き起こす」「炭水化物の摂取に敏感な人の体内ではインスリンが分泌され、脂肪が生成される」と述べ、肥満を防ぐために炭水化物を避けるよう主張している[107]。ターラーがこの本を執筆する契機となったのは、アルフレッド・W・ペニントンがデュポン社の従業員に処方した食事法を知ったことにある[7]

オーストリアの医師、ヴォルフガング・ルッツ(Wolfgang Lutz, 1913-2010)は、1967年に『Leben ohne Brot』(『パンの無い暮らし』)を出版し、「炭水化物の摂取を減らすことこそが、脂肪を燃焼させる唯一の方法である」「この食事法により、肥満、糖尿病、心臓病、癌を予防できる」「狩猟採集生活者として暮らしてきた人類は動物の肉を長きに亘って食べてきた」「食べ物に含まれる脂肪は、ほとんどの慢性疾患とは何の関係も無い」と断言している(ルッツは炭水化物の1日の摂取上限を「72gまで」と定めた)[20]。ルッツによれば、40年間で10,000人を超える患者を診察し、クローン病、潰瘍性大腸炎、胃疾患、痛風、メタボリック症候群、癲癇、多発性硬化症・・・この食事法を処方することでこれらの慢性疾患を治療したという。ルッツは「炭水化物が少なく、タンパク質と脂肪が豊富な食事こそが、人間の身体に最も適応した食事であり、炭水化物が多く、脂肪が少ないものは人間の食事ではない」と書いた[21]2000年7月、ルッツはクリスチャン・アラン(Christian Allan)の助けを得て、この本の英語版『Life Without Bread』を出版した。

フィクションにおける炭水化物制限食

レフ・トルストイ(Лев Толстой)による小説『アンナ・カレーニナ』にて、アンナの愛人であるアレクスィ・ヴロンスキー伯爵が「身体に脂肪が蓄積するのを防ぐため、牛肉のステーキを食べ、小麦粉およびデンプン質でできた食べ物と甘く味付けされた料理を避けた」との記述がある。トルストイが1875年ごろにこの食事法を淡々と記述していた点について、エモリー学術大学(Emory College of Arts and Sciences)の学部長、ロビン・フォーマン(Robin Forman)は、「ヴロンスキーはアトキンス・ダイエットに似た食事法を実践していた」「19世紀後半のロシアにおいて、炭水化物を避ける食事法がよく知られていたことを示唆している」と書いた[108]

炭水化物を制限することによる利点

炭水化物は、脂肪やタンパク質に比べてインスリンの分泌にはるかに大きな影響を及ぼす。インスリンは食事における満腹感を減少させ、摂食行動にも影響を及ぼす。炭水化物の摂取を減らすと、インスリン抵抗性は緩和される。炭水化物を制限する食事は、インスリンの濃度が高い患者に有益である証拠が示された[109]

炭水化物が少なく、脂肪が多い食事は、空腹感と満腹感に大いに影響を与える。炭水化物が多く、脂肪が少ない食事(カロリー制限食)と比較すると、高脂肪食は体脂肪を減少させ、身体のエネルギー消費量の増加を促進する[109]

炭水化物を制限する食事は、体重を減らすという目的においても、低脂肪食よりも優れている証拠を示している[110]

また、炭水化物を制限する食事は、低脂肪食よりも大幅に体重を減らし、心血管疾患の危険因子も減少させる[28]

炭水化物の少ない食事は、血糖値とその制御の大幅な改善につながり、薬物の服用回数を減らせるだけでなく、服用の必要も無くなる可能性があり、この食事法は2型糖尿病の改善と回復にも効果的である証拠が示された[111]

ケトン食を含めて、炭水化物を制限する食事法は安全であり、長期に亘って健康を維持し、さまざまな病理学的状態を防止または逆転させる力がある[29]。ケトン食を止めると(炭水化物の摂取を増やし、脂肪の摂取を減らすと)、片頭痛や癲癇発作が再発する[29]

ケトン食療法は癌の治療や予防に有効である可能性を示している[112][113][114][115]。癌細胞はケトン体をエネルギー源にはできないため、ケトン食療法を「癌の治療手段として採用すべきだ」と考える研究者もいる[116][117]

「炭水化物は肥満およびそれに伴う疾患の主要な推進力であり、精製された炭水化物や糖分の過剰摂取を減らすべきである」と結論付け、炭水化物を「Carbotoxicity」(「炭水化物には毒性がある」)という造語で表現する研究者もいる[29]

炭水化物中毒

イェール大学の生化学者、ロバート・ケンプ(Robert Kemp)は、肥満患者に炭水化物が少ない食事を処方し、肥満を治療した趣旨を述べた。1963年、ケンプは医学雑誌『Practitioner』にて論文を発表し、『Carbohydrate Addiction』(「炭水化物中毒炭水化物依存症」)という用語を提唱した[118][119][120][121]

炭水化物制限食の歴史

食事比較

1956年、アラン・ケクウィック (Alan Kekwick)とガストン・パワン (Gaston Pawan)の2人は、ロンドンにあるミドルセックス病院 (the Middlesex Hospital)にて、太り過ぎの患者を以下の3つの食事グループにそれぞれ割り当て、身体がどのような変化を示すのかを確かめる実験を行った。

  1. 摂取カロリーの90%を炭水化物から摂る
  2. 摂取カロリーの90%をタンパク質から摂る
  3. 摂取カロリーの90%を脂肪から摂る

1日の摂取カロリーは、3つとも「1,000 kcal」に揃えた。それぞれの食事に割り当てられた被験者の体重は以下のように変動した。

  1. の食事を摂ったグループ・・・体重が1日に0.24ポンド (0.11 kg)増加した
  2. の食事を摂ったグループ・・・体重が1日に0.6ポンド (0.27 kg)減少した
  3. の食事を摂ったグループ・・・体重が1日に0.9ポンド (0.41 kg)減少した

炭水化物が少なく、脂肪の摂取量が多い食事を摂ったグループが最も大きく体重を減らす結果となった[122]。さらに、1日の摂取カロリーを「2,600 kcal」に調節した低糖質・高脂肪食を摂らせたところ、体重は大幅に減少した[123]

A TO Z 減量研究

2003年2月から2005年10月にかけて、『The A TO Z Weight Loss Study』(『A TO Z 減量研究』)と題した研究が行われた[124][125][126]。被験者は肥満体の女性であり、彼女らを以下の4つの食事法に無作為に割り当て、炭水化物が少なく、脂肪が多い食事が、心臓病、糖尿病に関係する危険因子に与える影響について調べたもので、体重、血圧、コレステロール値の変化についても比較した。

  1. The Atkins Diet(アトキンス・ダイエット)・・・炭水化物の1日の摂取量を20g以内、その後は50g以内に抑える。摂取カロリー、タンパク質、脂肪の摂取量は一切制限せず、食べたいだけ食べる
  2. LEARN Diet ・・・ いわゆるカロリー制限食。全摂取エネルギーのうちの55 - 60%を炭水化物から摂り、脂肪の摂取割合は30%以下にし、飽和脂肪酸の摂取割合は10%以下とする。定期的に運動をこなす
  3. Ornish Diet ・・・ 脂肪の摂取割合を10%以下とする。瞑想と運動を行う
  4. Zone Diet ・・・ 摂取カロリーのうちの40%を炭水化物から、30%をタンパク質から、30%を脂肪から摂取する

1. のアトキンス・ダイエットに割り当てられた被験者たちは、肉や魚を食べたいだけ食べ、それに付随する動物性脂肪を沢山食べるよう指導され、摂取カロリーと脂肪の摂取を減らす食事法に割り当てられた被験者と比較された。その後、アトキンス・ダイエットに割り当てられた被験者たちの身体には、以下の現象が起こった[7]

  • 体重が大幅に減少した
  • 中性脂肪が大幅に減少した
  • 血圧が低下した
  • HDLコレステロールが増加した
  • LDLコレステロールがわずかに増加した
  • 総コレステロール値はほとんど変化なし
  • 心臓発作を起こす危険性は大幅に低下した

これら4つの食事法のうち、最も大きく体重を減らし、血圧や中性脂肪も低下させたのはアトキンス・ダイエットであった。

この研究を主導したスタンフォード大学クリストファー・D・ガードナー(Christopher D. Gardner)[127] は、肉や脂肪を豊富に含む食事は危険かもしれない、と考えていたが、この研究結果を受けて、「A bitter pill to swallow」(「受け入れがたい現実」)と述べた[7]

なお、ガードナーは菜食主義者であり、自分の家族全員にもこの食事を摂らせている[128]

過食実験と体格の変化

2013年、イングランド人のサム・フェルサム(Sam Feltham)は、1日に5,000kcalを超えるエネルギーを摂取する過食実験を自らの身体で実施した。彼は、「カロリーはカロリーである」(『A calorie is a calorie』)「自分が消費する以上の量のエネルギーを摂取するからヒトは太るのだ」とする理論に対して疑念を抱いていた[129]

最初の21日間で栄養素の構成比を「脂肪53%(461.42g)、タンパク質37%(333.2g)、炭水化物10%(85.2g)」(「低糖質・高脂肪な食事」)に設定し、1日に「5794kcal」のエネルギーを摂取する生活を21日間続けた。21日後、フェルサムの体重は1.3kg増加したが、腰回りは3cm縮んだ。フェルサムの身体からは脂肪が減り、除脂肪体重が増加し、身体は引き締まった[130][131]。この高脂肪食で、フェルサムは余剰分のカロリーが56,645kcalにも及んだが、全く太りはしなかった[129]

次に、フェルサムは摂取エネルギーの構成比を「炭水化物64%(892.7g)、タンパク質22%(188.65g)、脂肪14%(140.8g)」(「高糖質・低脂肪な食事」)に変え、1日の摂取エネルギーを「5793kcal」に調節し、再び21日間過ごした。21日後、フェルサムの体重は7.1kg増加し、腰回りは9.25cm膨らみ、顎の脂肪も膨らんでいた[132][133][134][135][136]。なお、この「炭水化物の摂取を増やし、脂肪の摂取を減らす食事」は、アメリカ糖尿病協会(The American Diabetes Association)やアメリカ心臓協会(The American Heart Association)が推奨している「栄養バランスのとれた食事」であり、栄養学の「権威」が推奨する食事とほとんど変わらない[133]。炭水化物が多く、脂肪が少ない食事で体重が大幅に増加したことについて、カナダの腎臓内科医ジェイスン・ファン(Jason Fung)は「カロリー以外の別の要素が働いている」「カロリーよりも遥かに複雑な現象が起こっていることは明白だ」と記述している[133]。この過食実験について、栄養生化学と生理学の研究者、ビル・ラガコス(Bill Lagakos)[137]は「素晴らしい」「カロリーとは単なる道具でしかない」と述べている[138]

もう1つの実験として、フェルサムは「ヴィーガン食」(Vegan Diet, 完全菜食)による過食実験も実施した。ヴィーガン食は基本的に「高糖質・低タンパク・低脂肪」な食事である。1日の摂取エネルギーを「5794kcal」に調節したヴィーガン食で再び21日間過ごした。21日後、フェルサムの体重は4.7kg増加し、腰回りは7.75cm膨らみ、顎の脂肪も膨らみ、体脂肪率は12.9%から15.5%に上昇した[139][140]


フェルサムはこれらの過食実験を通して、

  • 「(脂肪が豊富で炭水化物が少ない食事を摂り続けても太らなかったことについて)簡単に言うなら、『食べ物に含まれる脂肪分には、ヒトを太らせる作用は無い』ということである」
  • 「炭水化物の摂取を増やし、脂肪の摂取を減らしたところで、あなたが食べた炭水化物は体内で脂肪に変わる」
  • 「精製された炭水化物を食べ続けていれば、身体に生化学的な損傷が発生し、インスリン抵抗性を初めとする疾患を惹き起こすだろう」
  • 「体重を管理する方法について、『食べる量を減らして運動量を増やせ』としばしば言われるが、これは誰の何の役にも立たない、愚鈍で疎慢な『助言』である」
  • 「精製された炭水化物のような『偽物の食べ物』ではなく、肉や卵のような『本物の食べ物』を食べよう」
  • 「脂肪が豊富な肉・魚・卵・ナッツ類、緑色野菜は食べたいだけ食べて構わない」
  • 「炭水化物を食べ続けている限り、あなたの身体から脂肪は減らない」
  • 「肥満や病気が蔓延しているのは、人々が『食べ過ぎるから』ではなく、『偽物の食べ物を食べるから』だ」
  • 「医療関係者に言いたいのは、患者に対して『偽物の食べ物』を減らし、『本物の食べ物』を食べるよう促すことだ」
  • 「各国の政府は、食事に関する政策を改め、『偽物の食べ物』を排除し、砂糖会社への補助金を停止すべきである」

と述べている[129]

炭水化物と脂肪、それぞれの摂取と影響

5大陸、18か国に住む135,335人を対象に行われた大規模な疫学コホート研究の結果が『The Lancet』にて発表された(2017年)。これは炭水化物の摂取量および脂肪の摂取量と、心血管疾患に罹るリスクおよびその死亡率との関係についての調査であった。これによると、炭水化物の摂取を増やせば増やすほど死亡率は上昇し、脂肪の摂取を増やせば増やすほど死亡率は低下するという結果が示された。とくに、飽和脂肪酸の摂取量が多ければ多いほど、脳卒中に罹るリスクは低下した。また、飽和脂肪酸・不飽和脂肪酸を問わず、脂肪の摂取は死亡率を低下させ、心筋梗塞および心血管疾患の発症とは何の関係も無かった[141][142]

飽和脂肪酸の摂取は、冠状動脈性心臓病、脳卒中、心血管疾患の発症とは何の関係も無く、飽和脂肪酸がこれらの病気と明確に関係していることを示す証拠は無い[143]

また、多価不飽和脂肪酸の摂取量を増やし、飽和脂肪酸の摂取量を減らしても、心血管疾患の発症リスクは減らせない[144]

1960年代以降、「動物性脂肪を豊富に含む動物性食品は、健康に悪影響を及ぼす可能性がある」と言われるようになると、栄養学者たちは「動物の肉には、生命維持に欠かせない全ての必須アミノ酸、全ての必須脂肪酸、13種類ある必須ビタミンのうちの12種類がたくさん含まれている」という栄養学上の事実の指摘を控えるようになった[7]ビタミンDビタミンB12の両方を含む食べ物は「動物性食品だけ」である[7][145]

砂糖と疾患

砂糖を摂取すると、高確率で肥満になる。砂糖は体内に入ると、血糖値の急上昇および高血糖の長時間の持続、インスリンの大量分泌、インスリン抵抗性、これらを同時に惹き起こす。果糖を投与された動物は、体重の制御ができなくなるだけでなく、摂食行動が止まらなくなり、体重が増えて体も動かさなくなることが動物実験で示された[146]。砂糖の主成分は「ショ糖」(Sucrose)と呼ばれ、これはブドウ糖と果糖で構成される。

果糖は、インスリンやレプチンを初めとするホルモンの受容体を破壊し、ホルモン抵抗性を惹き起こし、糖尿病の合併症・内臓脂肪の蓄積・脂肪肝をもたらす直接の原因となる[147]

野生の肉食動物や、狩猟採集生活を送っている集団は、肥満になる可能性は極めて低いが、これは「炭水化物が多いもの・糖分・砂糖を摂取する機会がほぼ皆無であるから」である。

英語圏においては、『Sugar Addiction』(『砂糖中毒』『砂糖依存症』)という言い方が広まっており、「砂糖に対する欲求や、砂糖を多く含んだものが止められないという砂糖に対する渇望感は、中毒症状の一種であり、その中毒症状を惹き起こすのは砂糖である」という見方が広まっている。アメリカ合衆国の歯科医師ウェストン・プライス(Weston Price)は、狩猟採集生活を送っている集団の食生活についての研究をまとめた報告書『食生活と身体の退化―先住民の伝統食と近代食その身体への驚くべき影響』(1939年)の中で、「砂糖を食べるようになってから、虫歯を患ったり、栄養不足に伴う病気が増えた」と述べている。ジョン・ユドキンは著書『Pure, White and Deadly』(1972年)の中で、「肥満や心臓病を惹き起こす犯人は砂糖であり、食べ物に含まれる脂肪分は、これらの病気とは何の関係も無い」と断じている。1960年代、ユドキンはミネソタ大学の生理学者、アンセル・キース(Ancel Keys)と「砂糖・脂肪論争」を繰り広げた。この論争では、「心臓病を惹き起こす原因は(食べ物に含まれる)脂肪分にある」というキースの主張が通り、ユドキンの「砂糖が原因である」との主張は通らなかった。1970年代後半、アメリカ合衆国政府は「脂肪の摂取を減らし、炭水化物の摂取を増やせ」と国民に呼びかけたが、肥満・糖尿病・心臓病を患う国民の数は増加の一途を辿るようになった[148]

ユドキンの主張を支持する者の1人として、カリフォルニア大学神経内分泌学者ロバート・ラスティグ(Robert Lustig)がおり、カリフォルニア大学が製作・公開したラスティグによる講演『Sugar: The Bitter Truth』の中で、「砂糖は毒物であり、ヒトを肥満にさせ、病気にさせる」「砂糖の含有量が多いものには課税すべきだ」と断じており[149]、著書『Fat Chance』の中でもそのように主張している。また、「砂糖はカロリーがあるだけで栄養価は皆無であり、肥満をもたらすだけでなく、タバコアルコールと同じように中毒性が強く、含有する成分の果糖が内分泌系に悪影響を与え、心臓病や心臓発作、2型糖尿病を発症するリスクを高める」として、「砂糖の含有量が多いものには課税すべきである」との主張を科学雑誌ネイチャー誌(『Nature』)に発表した[150]

ゲアリー・タウブスは、2016年に出版した著書『The Case Against Sugar』(『砂糖に対する有罪判決』)の中で、「砂糖は『中毒性の強い薬物の一種』であり、ヒトを肥満にさせるだけでなく、心疾患の原因でもあり、健康を脅かす」「肥満とは、身体がホルモン障害を惹き起こした結果であり、そのスイッチを入れるのは砂糖である」と断じている[151]。また、「砂糖は肥満、糖尿病、心臓病、メタボリック症候群を引き起こす原因であり、これにはインスリン抵抗性が関わっている」「砂糖はインスリン抵抗性の直接の原因となる」「インスリン抵抗性は癌の原因となる」と断じている[152]

ジェイスン・ファンも、「砂糖の摂取は、血糖値および血中のインスリン濃度を速やかに急上昇させ、その状態を長時間に亘って持続させ、さらにはインスリン抵抗性をも同時に惹き起こす」「砂糖や人工甘味料は、インスリン抵抗性を惹き起こす直接の原因となる」「『どれくらいの量なら砂糖を摂取してもいいか』というのは、『どれくらいの量ならタバコを吸ってもいいのか』という質問と同じである」「砂糖を食べると太る。この事実に異を唱える者はいないだろう」「太りたくない、体重を減らしたいのなら、真っ先にやるべきなのは、糖分を厳しく制限することである」と断じている[153]

砂糖の毒性

  • 果糖を摂取した時の血糖値の上昇は、ブドウ糖を摂取した時に比べて緩やかではあるが、肝臓が果糖をすべて脂肪に変えて内臓脂肪として蓄積させる。「果糖を代謝できるのは、人体の中では肝臓だけ」であるため[154]。肝臓が炭水化物を材料にして脂肪を合成する過程は「デ・ノヴォ脂肪生成」(De Novo Lipogenesis, 「De Novo」はラテン語で「再び」「もう一度」の意)と呼ばれる[155]。果糖を摂取し続けることで肝細胞に脂肪が蓄積していき、飲酒の習慣が無い人間でも脂肪肝を患う。脂肪肝を患って間もない時点ではまだ治る余地はあるが、進行すると炎症を起こして肝炎が発生し、最終的には肝硬変を惹き起こす[154]。カリフォルニア大学のロバート・ラスティグも「砂糖は脂肪肝の原因になる」と主張している[156]。また、ラスティグは果糖を「Alcohol Without the Buzz」(「酔わせる作用の無いアルコール」)と表現している[157]
  • 砂糖・果糖はほんの僅かな期間で肝臓に脂肪を有意に蓄積させる[158]
  • 砂糖・果糖は中性脂肪(Triglyceride)を有意に増加させ[159][160][161]、空腹時の脂肪酸の酸化を低下させる(脂肪の燃焼を抑制・妨害し、身体から脂肪が減らない)[162]
  • 砂糖の摂取は、中性脂肪の数値を高め、高血圧を惹き起こし、内臓脂肪の蓄積を促し、インスリン抵抗性糖尿病メタボリック症候群を惹き起こす。砂糖を摂取し続けることで脂肪肝を患うと、心血管疾患を惹き起こして死亡する確率が上昇する[154]
  • 砂糖を摂取することで、体内でAGEsAdvanced Glycation End Products, 「最終糖化産物」と呼ばれる)が作られやすくなる。これは身体の老化を強力に促進する物体で、タンパク質に糖が結合することでタンパク質が変性する。AGEsができやすくなる確率は、ブドウ糖を摂取した際の10倍にまでなる[163]
  • 砂糖および果糖はインスリン感受性を低下させ、内臓脂肪の蓄積を促進し、空腹時の血糖値インスリンの濃度を上昇させ[164]、肝臓に脂肪を蓄積させ、ミトコンドリアの機能を妨害し、炎症の誘発を刺激し[165]脂質異常症インスリン抵抗性を惹き起こし、糖尿病発症を促進する[166]
  • 砂糖および果糖の摂取は痛風を惹き起こす[167][168]。心疾患、痛風、メタボリック症候群に砂糖が関わっていることは以前から知られていた[169]
  • 砂糖・果糖は衝動性と攻撃性を増加させ、多動性の採餌反応、双極性障害注意欠陥・多動性障害を惹き起こし、さらには鬱病の原因にもなる可能性がある[170]
  • 砂糖は膵臓癌[171] を初めとする各種の癌を患う可能性を高める。これの摂取を断つことが、癌の予防や治療への取り組みとなりうることを示唆している[172]
  • 砂糖および果糖は脳においてもインスリン抵抗性を惹き起こし、脳の神経組織を破壊し、アルツハイマー病を惹き起こす[173][174]
  • 砂糖および果糖は「虫歯の大いなる原因である」と結論付けられている[175][176]。砂糖が入っている飲み物の販売の禁止、砂糖の摂取に対する警告ラベルの商品への貼り付け、砂糖税の導入は、砂糖の摂取を減らせる取り組みとなりうる[176]
  • 砂糖の摂取を減らすことで、脂肪肝、肥満、各種疾患を防げる可能性がある[177]
  • 砂糖および果糖の摂取は肝臓への脂肪の蓄積を促すが、炭水化物および砂糖が少ない食事を摂ると、蓄積した脂肪が急速に減少することが確認された。外部からの資金提供を受けることなく書かれた研究論文の著者は、「身体の健康を守るために砂糖の摂取を制限すべきである」と結論付けている[178]

1775年イングランドの医師で生理学者、マテュー・ドブスン(Matthew Dobson)は、糖尿病患者の尿が甘いこと、その甘みの物質の正体は砂糖であることを突き止めた。1776年、ドブスンは自身の臨床経験について発表した[179][180]スコットランド出身の軍医、ジョン・ロロ(John Rollo)はドブスンの研究を参考に、糖尿病患者のための食事療法を考案し、糖尿病を患っていた陸軍将校2人に、肉と脂肪が多く、炭水化物が少ない食事を処方した[181]。ロロは、「糖尿病を治療するにあたって炭水化物が少ない食事を奨励した最初の人物である」と説明されている[182]1797年、ロロは『An Account of Two Cases of the Diabetes Mellitus』(『糖尿病における2つの症例の説明について』)を出版した[183]。2つの事例のうちの1つでは、この食事を処方された結果、232ポンド(約105㎏)あった体重が減少し、症状が解消され、血糖値と尿糖の濃度が低下したという[181]

炭水化物と高血糖

空腹時においても持続する高血糖症を慢性高血糖症と呼ぶ。高血糖を惹き起こす最も一般的な原因は、炭水化物の消費にある[184]

炭水化物を食べて高血糖になり、そのたびにインスリンを注射する、というのを繰り返していると、さまざまな合併症や癌を患う危険性が上昇し、インスリンの強制的な注射やインスリンの強制分泌を促進する薬物の服用は、身体に深刻な不利益をもたらす[185]。インスリン療法を受けている患者は、インスリン療法を受けていない患者に比べて、心血管疾患(Cardiovascular disease)で死亡する危険性が上昇する[186]。さらに、インスリンで高血糖を抑え込もうとすると、心血管疾患の発症率は低下せず、死亡率は上昇する。体重については、インスリンを注射していただけで10㎏以上も増加した[187]

血糖値が正常範囲内(90~99)であっても、血糖値が90未満の人間と比較すると、膵臓癌の累積発生率は有意に増加し[188]、空腹時の血糖値が110を超えると、あらゆる癌で死亡する確率が有意に上昇する[189]。「GLUT5」と呼ばれる果糖輸送体は乳癌の発生に関わっている[190]

たとえ運動していても、炭水化物を食べている限り高血糖は防げない。運動中は血糖値の上昇が抑えられているが、運動を終えた途端に血糖値は急上昇する[191]。炭水化物が多いものを食べている限り、高血糖状態は続く[192]。高血糖もインスリン抵抗性も運動では防げない。

「インスリン感受性が低い」ということは、「インスリン抵抗性が高い」(インスリンの効き目が悪い)状態を意味する[193]

インスリンと肥満

「インスリンがヒトを太らせる」

体重を目標もしくはそれ以下まで落としたものの、その後再び体重が増えてダイエット開始前と同じ体重に戻ったり、以前よりも体脂肪率が増加する。これは俗に「リバウンド」と呼ばれている。減量とリバウンドを繰り返すと、痩せにくく、太りやすい状態となる。

体重のリバウンド現象については、インスリンおよびインスリン抵抗性が原因と考えられている。ジェイスン・ファンは、「リバウンドとは、インスリンが設定した体重に戻ろうとすること」と述べている。「体重の『設定値』を決めるのはこのインスリンであり、インスリンが過剰に分泌される状態およびインスリン抵抗性が続くと、インスリンが『体重の設定値のつまみを回す』。こうなると、何をどうしようとも、身体はインスリンが設定した体重に戻ろうとする」「体重のリバウンドが起こるのは、あなたの意志が弱いわけでも、努力が足りないわけでもない。インスリンがその人の体重を決める」という[153]。また、身体活動および運動の効果に対しても、「体重を減らすことを目的に、食べる量を減らして運動をする習慣を付ける実験は、いずれも例外なく失敗に終わっている」「どれだけ運動を頑張ってこなし、食べる量を減らしたところで体重を減らす効果は無いことは証明済みである」「運動する人に比べて、運動しない人ほど痩せている[153] と結論付けている。「やろうと思えば誰でも太らせることが可能だ。インスリンを注射するだけでいい。インスリン濃度が高い状態が続く限り、どんどん太り続ける。何をどうしようとも無駄である」と述べ、「『肥満ホルモン』ことインスリンがヒトを太らせる」と結論付けている[153]。炭水化物の摂取制限を奨める人物も全員例外なく、「インスリンが出るから太る」という結論で一致しており、「過食や運動不足は肥満の原因ではなく、あくまで『結果』でしかない(「身体が太って脂肪が蓄積したあとに、過食したり、動かなくなる」)」と断じている。

インスリノーマ(Insulinoma)と呼ばれる腫瘍があり、これはインスリンの大量分泌を促す作用がある。インスリノーマにおいては、体重が一方的に増加し続ける[194][195][196][197][198][199][200][201][202]。2年間で体重が37㎏も増加した症例がある[203]。体重の一方的な増加は、インスリンの過剰分泌が原因である[204]

インスリノーマにおいては、低血糖症およびそれに伴う形で、高インスリン血症、鬱病、めまい、意識喪失、てんかん発作、意識障害、脳卒中様症状、神経障害といった神経学的症状までも惹き起こされる。インスリノーマにおいては、高インスリン血症に伴う形で、頭痛、複視、かすみ目、錯乱、異常行動、嗜眠、健忘症、発作、昏睡、発汗、脱力感、空腹感、振戦、吐き気、熱、不安、動悸がみられる[204]

膵臓内分泌腫瘍(Pancreatic Endocrine Tumors)における最大のものがインスリノーマであり、そのうちの10%は多発性であり[196]、悪性である[197][205]

インスリノーマの最適な治療法は外科手術による切除であり[194][195][199][206][207]、取り除くことで寛解する[194][195][206]。インスリノーマを切除したあとの患者は低血糖症が無くなり、体重は大幅に減少する[194][201][206] が、切除したあとでも再発するリスクはある[199]。インスリノーマの切除に成功した最初の症例が報告されたのは1929年のことである[199]

インスリノーマは、内因性高インスリン血症に関連する低血糖症の最も一般的な原因である[207]。長時間絶食することにより、内因性高インスリン血症を検出し、再発性低血糖の原因として不適切な形で上昇したインスリンの分泌を検出できる手段となる[207]

インスリンの濃度が高い状態では、身体は一方的に太り続けていく。これは、その人がどれぐらい食べたか、運動していたかどうかは、何の関係も無い。

脂肪異栄養症

脂肪異栄養症」(Lipodystrophy)と呼ばれる症状があり、その中でも稀に発生する「進行性脂肪異栄養症」(Progressive Lipodystrophy)と呼ばれる症状がある。この症例は1950年代半ばまでに約200例報告されており、その大部分は女性である。これは上半身の皮下脂肪がほぼ消失する代わりに、腰から下の部位に脂肪が異常に蓄積する[7]1931年にこの症例が報告されたある女性の身体においては、10歳の時に顔の脂肪が減り始め、13歳の時に脂肪の消失が腰の括れ部分で止まった。その2年後、そこから下に向かって脂肪の蓄積が始まった。彼女の体脂肪は事実上、腰から下に集中しており、上半身は痩せている代わりに腰から下が異常に太っていた。ゲアリー・タウブスはこの脂肪異栄養症を取り上げたうえで、「カロリー理論によれば『太るのは食べすぎるからだ。食べる量を減らせば痩せられる』というなら、この女性の上半身から脂肪が減ったのは食べる量を減らしたからであり、腰から下に脂肪が蓄積したのは食べ過ぎたからだ』ということになるのか?明らかに馬鹿げた話だ」とカロリー理論を公然と批判している[7]。脂肪組織において調節障害が発生し、身体の一部の脂肪が肥大していくこの症状は、インスリン療法の一環としてインスリンを注射している際に発生する最も一般的な合併症の一つであり[208]、有害な免疫学的副作用であり、重大な問題である[209]

インスリンは脂肪分解を抑制・妨害する

インスリンは脂肪の合成と貯蔵を促進し、体内における脂肪分解を徹底的に抑制・阻害する最大のホルモンである[210][211][212][213]

インスリンは脂肪の蓄積を強力に促進し、空腹感を高め、体重増加を惹き起こす。たとえカロリーを制限したところで、インスリンを注射された動物には過剰な量の体脂肪が蓄積する[37]

インスリンの分泌を高める食事は、インスリンを注射した時と同様の作用をもたらす[37]

インスリンは、細胞へのブドウ糖の取り込みを促進し、脂肪細胞からの脂肪酸の放出を抑制・妨害し、肝臓でのケトン体の産生を抑制し、脂肪の沈着を促進し、主要な代謝燃料の循環濃度までも低下させる[37]

肥満における危険因子には、高インスリン血症(Hyperinsulinemia)が関わっている。インスリンの濃度が正常より高い場合や、インスリンの濃度がほんのわずかに上昇するだけで肥満は惹き起こされる。インスリンの分泌を阻害する薬物を投与するか、インスリンの濃度が低下すると体重は減少する[37][214]。脂肪分解を抑制・妨害する作用は、インスリンにおける最も敏感な代謝作用である。空腹時でもインスリンの濃度がわずかに上昇すると、脂肪細胞における脂肪分解作業は阻害される[214]。細胞へのブドウ糖の取り込みを刺激するには、通常の6倍のインスリン濃度が必要になり、肝臓における糖新生(Gluconeogenesis)を抑制するには、インスリンの濃度が2倍になるだけで十分である[214]

脂肪細胞が満杯になってしまう場合に備えて、新しく脂肪を貯蔵する場所を確保するため、インスリンは脂肪細胞を新しく作るよう信号を送る[7]

17歳の時に1型糖尿病を発症したある女性は、その後47年間に亘って太ももにある2か所の部分に、毎日インスリンを注射し続けた。彼女の太ももには、マスクメロン大の脂肪の塊ができあがった。これは、「彼女が何をどの程度食べたか」とは何の関係も無く、「インスリンによる脂肪生成作用」に他ならない。全身のインスリン濃度が上昇している時にも、同じ現象が起こる。糖尿病患者がインスリン療法を受けるとしばしば肥満になるのは、これが理由である。『ジョスリン糖尿病学』(『Joslin's Diabetes Mellitus』)には、「It results from the direct lipogenic effect of insulin on adipose tissue, independent of food intake」(「食べ物の摂取とは何の関係も無い、脂肪組織に対するインスリンによる直接的な脂肪生成作用の結果である」)と説明されている[7]

食後の血糖値の上昇とインスリンの分泌を最も強力に促進するのは炭水化物である[111]。タンパク質もインスリンの分泌を刺激するが、インスリンと拮抗する異化ホルモン、グルカゴン(Glucagon)の分泌も誘発する。一方、食べ物に含まれる脂肪分は、インスリンの分泌にほとんど影響を与えない。この生理学的な事実は、低糖質・高脂肪食が人体に有益であることを示す理論的根拠となる[37]

ハーヴァード大学の元医学部長ジョージ・F・ケイヒル・ジュニア(George F. Cahill Jr.)は、

Carbohydrates is driving insulin is driving fat.」(「脂肪を操るインスリンを、炭水化物が操る」)[7] との言葉を残している。

肥満、インスリン抵抗性、メタボリック症候群、2型糖尿病を患っている患者が、炭水化物の摂取を制限し、脂肪に置き換えて食べると、最大限の効果が得られる可能性がある[215]。さらに、84時間に亘って絶食状態にあった被験者と、84時間に亘って脂肪「だけ」を摂取し続けた被験者の血中の状態は「全く同じ」であった。双方とも、血糖値とインスリンの濃度は低下し、遊離脂肪酸とケトン体の濃度、脂肪分解の速度がいずれも上昇した[216]

体重を減らしたい人、心血管疾患の危険因子を減らしたい人にとって、炭水化物が少なく、脂肪(トランス脂肪酸を除く全ての脂肪。飽和脂肪酸一価不飽和脂肪酸多価不飽和脂肪酸)が多い食事はその選択肢となりうる[28]

ゲアリー・タウブスは、「体重を減らしたいのなら、炭水化物を食事から排除すれば成功する。これを守らなければ、減量は必ず失敗に終わる」「炭水化物ではなく、タンパク質と脂肪の摂取を減らした場合、常に空腹感が付きまとい、その空腹が減量を失敗に導くであろう」「炭水化物は人間の食事には必要ない。『必須炭水化物』なるものは存在しない」と明言している[7]

アメリカ医学研究所食品栄養委員会(The U.S. Food and Nutrition Board of the Institute of Medicine)が発行している教本「エネルギー、炭水化物、食物繊維、脂肪、脂肪酸、コレステロール、タンパク質、アミノ酸の食事摂取基準」には、以下のように書かれている。「タンパク質と脂肪を充分に摂取している限り、生命に馴致する炭水化物の最低限の必要摂取量と呼べるものは存在しない」[80]

1日を通して、インスリンの濃度が高い状態を避けることは、脂肪の蓄積を防ぐという意味でも大いに有効である。

リパーゼ、インスリン、脂肪分解と脂肪蓄積

1970年代初期、マサチューセッツ大学のジョージ・ウェイド(George Wade)は、雌のラットから卵巣を摘出し、そのラットの行動を観察し、性ホルモン、体重、および食欲の関係について研究を始めた。卵巣を摘出されたラットは餌をがつがつと食べ始め、瞬く間に肥満になった。ラットは過食し、その身体には過剰な脂肪が蓄積した(第1の実験)。その後、ウェイドは卵巣を摘出したラットに厳格な食餌制限を行った。このラットが激しい空腹を覚えて何かを食べたくてたまらなくなったとしても、その衝動を満たせない食餌制限を実施した(第2の実験)。その結果、ラットは好きなだけ餌を与えられた時と同じく、すみやかに肥満体になっただけであった。このラットは完全に動かなくなり、食べ物を得る必要がある時にだけ、動くようになった。 ラットの卵巣を摘出したことにより、ラットの脂肪組織は循環する血液から脂肪を蓄えた。一方、自由に餌を食べることも許されない時、ラットは使えるエネルギーが少ない以上、消費エネルギーを減らそうとしてその場でじっとしたまま動かなくなった(第2の実験)。これについてウェイドは「ラットは過食したから太ったのではなく、太りつつあるから過食した」と説明した[7]

ラットの卵巣を摘出するというのは、卵巣から分泌される女性ホルモンエストロゲン(Estrogen)を除去することと同義である。卵巣を摘出したラットにエストロゲンを注射したところ、このラットは餌をがつがつと食べることは無く、肥満にもならなかった。卵巣を摘出したラットが過食する衝動に駆られたのは、身体を動かすのに必要なカロリーを脂肪細胞が次々に取り込んだことで、身体がエネルギー不足に陥ったためである。脂肪細胞がカロリーを取り込んで隔離すればするほど、ラットはエネルギーを補給しようとして食べる量を増やす。だが、脂肪細胞がカロリーを取り込み続ける限り、他の細胞に行き渡らせるだけの十分なカロリーが不足し、ラットは太り、飢え、空腹を満たせなければ、エネルギーの消費を減らす(動かなくなる)ことで解決しようとする。

エストロゲンは、LPL(Lipoprotein Lipase, リポプロテイン・リパーゼ)という酵素に対して、ある働きかけを行う。LPLは、脂肪組織、骨格筋、心筋、乳腺を含む多くの末梢組織の表面に発現し、血中を流れる脂肪を細胞内に送り込む役割がある[217]。LPLが脂肪細胞の表面に発現している時、血中の脂肪を脂肪細胞が取り込む。一方、LPLが筋肉細胞に発現している時、脂肪は筋肉細胞に取り込まれ、筋肉はそれを燃料として消費する。エストロゲンには、脂肪細胞にあるLPLの活動を抑制・阻害する作用がある。細胞の周辺にエストロゲンが増えると、LPLの活性が低下し、脂肪が蓄積されにくくなる。逆に、このラットの実験のように卵巣を摘出することでエストロゲンが分泌されなくなると、脂肪細胞におけるLPLが活性化する。LPLは、そこでいつもの仕事をする(脂肪を脂肪細胞に取り込む)が、脂肪を蓄積させる役割を持つLPLを妨害するエストロゲンが無いために、脂肪細胞には大量のLPLが発現し、そのせいで脂肪が脂肪細胞に次々に取り込まれ、ラットは肥満体となった。ラットから卵巣を摘出したことで、エストロゲンは分泌されなくなり、ラットは通常以上に太っていった。ヒトにおいても、卵巣を摘出したあとや、閉経後の女性の多くは肥満になるが、その理由は、彼女らの体内でエストロゲンの分泌量が減り、その脂肪細胞にLPLが大量に発現するからである[7]

ラットを肥満から解放する方法はただ1つ、エストロゲンをラットに戻すことである。さすればラットは再び痩せるうえに、食欲も食べる量も正常に戻る。動物たちに食餌制限と運動を強いたところで無駄であり、彼らが肥満になるのを防ぐことはできない[7]

脂肪組織における脂肪の蓄積と減少には、インスリンのほかに、複数の酵素と複数のホルモンが関わっている[217][218][219][220][221][222][223][224][225]

ヒトを含めたすべての生物は、エネルギー基質や信号伝達の前駆体として、脂肪酸(Fatty Acids)を燃料にしている。脂肪酸を輸送および保存する際には、中性脂肪(Triglyceride)という分子の形で行われる。だが、中性脂肪はそのままの大きさでは細胞膜を通過できず、細胞への出入りが行われる際にはリパーゼ(Lipase)による作用で分解されなければならない。この生化学的過程を「脂肪分解」(Lipolysis)と呼ぶ[226]膵臓から分泌される膵液には脂肪分解作用があり、これは食べ物に含まれる脂肪分をが取り込む際に欠かせないものである[226]

LPLは、体内の脂肪の蓄積や脂肪の分解を制御する重要な酵素の一種である。脂肪組織、骨格筋、心筋、乳腺を含む多くの末梢組織の表面に発現し、血中から脂肪を細胞内に送り込む役割を持ち、この酵素を調節するのはインスリンである[217]。インスリンは「脂肪代謝における主要な調節器」であり、同時にLPL活性化の調節器でもあり、脂肪細胞におけるLPLの活性化を促す。インスリンが分泌されればされるほど脂肪細胞におけるLPLの活性化はますます強まり、血中から多くの脂肪が脂肪細胞に流入していく。さらに、インスリンは筋肉細胞におけるLPLを抑制し、それによって筋肉が脂肪酸を燃料に使うこともできなくなる。脂肪細胞から脂肪酸が放出されようという時にインスリンの濃度が高ければ、これらの脂肪酸は筋肉細胞には取り込まれず、燃料として消費されることも無く、インスリンによって脂肪細胞に再び押し戻される[7]

LPLは、脂肪細胞における脂肪の蓄積に関わっている。肥満体においては、この酵素の活性化が、肝臓における脂肪生成ならびに高インスリン血症の増加に関係している。炭水化物の慢性的な消費が、この酵素の活性化の漸進的な上昇および脂肪細胞の肥大を促進することが分かっている[220]

脂肪細胞の表面にあるLPLの活性化が失われ、筋肉細胞の表面にあるLPLが活性化すると、蓄積した脂肪が減少する[218]

ヒトが運動をしている間、LPLの活性化は脂肪細胞内で低下し、筋肉細胞内で活性化が上昇する。これは脂肪細胞から脂肪が放出されるのを促進し、燃料を必要とする筋肉細胞で消費される。しかし、運動を終えた途端、この状況は逆転する。筋肉細胞におけるLPLの活性化は失われ、脂肪細胞内のLPLの活性化が急上昇し、脂肪細胞は運動中に失われた脂肪を補充しようとし、再び太る。これは、運動がヒトを空腹にさせる理由でもある。運動を終えると、筋肉はその補充と修復のためにタンパク質を必要とするのに加えて、脂肪の補充も積極的に行う。身体の他の部分は、運動によって身体から流出したエネルギーを補充しようとし、その作用で食欲が増す[7]。すなわち、運動すると、その最中に少しは脂肪が減り、その分だけ痩せるが、運動を終えた途端、(運動中に失われた分の脂肪が)またもや体内に復活するようにできている[7]。運動しないほうが、体重も体脂肪も減る[79]

男と女で太り方がそれぞれ異なるのは、LPLの分布が異なり、それに付随して分泌されるホルモンの影響もそれぞれ異なるためである[7]

ATGL(Adipose Triglyceride Lipase, 脂肪組織中性脂肪リパーゼ)は、脂肪細胞における脂肪分解の律速酵素(Rate-Limiting Enzyme)である。脂肪分解過程の触媒となる別の酵素としてHSL(Hormone Sensitive Lipase, ホルモン感受性リパーゼ)の存在があり、インスリンはこれらの酵素も調節する。ATGLは、遊離脂肪酸(Free Fatty Acids)を除去してジアシルグリセロール(Diacylglycerol)を生成することで脂肪分解を開始し、HSLがそれを加水分解する(グリセロールと脂肪酸に分解する)[227]

インスリンは、LPLだけでなく、HSLにも影響を及ぼす。HSLは、脂肪細胞にて中性脂肪を脂肪酸に分解し、それが血液循環に流れ出るよう促す。この時、脂肪細胞内の脂肪が減少する。HSLの活性化が高ければ高いほど、脂肪細胞からより多くの脂肪酸が放出され、身体はそれを燃料にして消費し、貯蔵されている脂肪の量が減っていく。インスリンはこのHSLの働きを抑制し、脂肪細胞内の中性脂肪の分解を妨害し、脂肪細胞からの脂肪酸の流出を最小限に抑える。インスリンはほんのわずかな量でHSLの働きを抑制し、インスリンの濃度がわずかでも上昇すると、脂肪細胞内に脂肪が蓄積していく[7]

HSLは、脂肪細胞における脂肪分解だけでなく、ステロイドの産生や精子の形成にも関わる重要な酵素である[228]。HSLが欠損すると、脂肪組織の萎縮、炎症が起こり、インスリン抵抗性が全身に惹き起こされ、脂肪肝の発症を促進する[219]

ATGLとHSLの活性化は、絶食している時にWAT(White Adipose Tissue, 白色脂肪組織)で強力に上方調節された(有意に増加した)。同時に、血漿遊離脂肪酸の比率も増加し、空腹時や絶食状態になると脂肪分解率の上昇が確認された[229]

成長ホルモン(Growth Hormone)には、蓄積した脂肪の減少を促す作用がある。成長ホルモンは中性脂肪の分解を刺激し、LPLを阻害することにより、体重と体脂肪の減少が促進される。HSLの活性化は、体重減少に伴って大幅に強化される[221]。インスリンはLPLを活性化させ、HSLの作用を抑制するが、成長ホルモンはインスリンによる脂肪生成作用を低下させ、脂肪組織における脂肪の貯蔵と蓄積を抑制・阻害する。高脂肪食を組み合わせることで、中性脂肪の数値も改善される[222]

インスリンを除く全てのホルモンはHSLを刺激することで中性脂肪の分解を促進するが、HSLはインスリン感受性が非常に高く、インスリンを除く全てのホルモンには、インスリンによる脂肪蓄積作用を上回る力が無い。インスリン以外のホルモンによる脂肪細胞からの脂肪酸の放出が可能となるのは、インスリンの濃度が低い時だけである[7]

1965年、医学物理学者のロザリン・サスマン・ヤロウ(Rosalyn Sussman Yalow)と、医師で化学者のソロモン・アーロン・バーソン(Solomon Aaron Berson)の2人は、「脂肪を脂肪細胞から放出させ、それをエネルギーにして消費する」ためには、「Requires only the negative stimulus of insulin deficiency.」(「『インスリン不足』という負の刺激以外は必要ない」)と明言した[7]

断食と肥満治療

ジェイスン・ファンは「血中のインスリン濃度が低い状態を維持することにより、インスリン抵抗性と肥満を治療し、安定して体重を減らす」手段について、「間欠的に行う断食」(Intermittent fasting)を推奨している[153][230][231]

また、断食を382日間続け、456ポンド(約207)あった体重を180ポンド(約82㎏)まで減らし、最終的に276ポンド(約125㎏)の減量に成功したスコットランド人アンガス・バルビエーリ(Angus Barbieri)がいる。バルビエーリは一切の固形物を摂取することなく、液体ブラックコーヒー)を中心にビタミンミネラルのみで生活することで、自分で肥満を治療した。バルビエーリが行った断食は、1971年版のギネスブックにも登録されている[232][233]

一方で、「断食は減量の役には立たない」とする研究結果も出ている。

2020年、カリフォルニア大学の心臓病専門医、イーサン・ワイス(Ethan Weiss)は、断食と体重減少についての研究結果を発表した。「朝食を抜き、正午から午後8時までの8時間で全ての食事を取り、そこから16時間絶食する」という断食を3か月間続けた結果、断食群に割り当てられた被験者たちの体重減少の数値に有意差は無かった。平均減量数値は、断食群では2ポンド、比較対象群では1.5ポンドの減少であった。さらに、胴囲、体脂肪、除脂肪体重の測定値についても、有益な変化は見られず、血糖値、インスリン感受性、中性脂肪、血圧についても有益な変化は見られなかった[234]。絶食群の被験者たちの体重自体は減ったが、そのうちの65%は除脂肪体重(筋肉と臓器)によるものであった。イーサン・ワイスは「毎日朝食を抜いたことで、タンパク質の摂取量が減り、断食群の被験者がかなりの量の筋肉を失ってしまった可能性がある」と述べた[234]。イーサン・ワイス自身、時間制限式の断食の効果を強く信じていたが、この研究結果を受けて、朝食を再び摂るようになったという[235]

イーサン・ワイスが主導したこの断食研究の結果は、アメリカ医師会雑誌に掲載された[236]

2021年3月、オーストラリアの大学からの報告で、「間欠断食では体重や内臓脂肪を減らせない」とする研究結果が報告された[237]。「断食中の脂肪組織は、脂肪酸を放出することにより、身体にエネルギーを供給する。しかし、間欠的な断食を繰り返していると、内臓脂肪は脂肪酸の放出に抵抗を示すようになる」「絶食を繰り返していると、内臓脂肪と皮下脂肪がエネルギーを脂肪にして蓄える能力を高める兆候を見せ、失われた分の脂肪が、次に断食を開始するまでに急速に補充されてしまう可能性が高いことが分かった」という。この研究を主導したマーク・ラランス(Mark Larance)によれば、「絶食期間の繰り返しが、内臓脂肪の保存信号伝達経路を誘発した可能性がある」という。ラランスは、「これは、繰り返される絶食期間に対して内臓脂肪が適応し、エネルギーの貯蔵の保存を意味するものです」「この種の適応が、内臓脂肪が体重減少に抵抗しようとする理由となるかもしれません」と述べた[238]

出典

  1. ^ a b c d e diet”. lexico.com. 2019年8月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年10月2日閲覧。
  2. ^ a b c d diet”. Cambridge University Press. 2019年10月2日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g h i j k diet”. Merriam Webster. 2020年8月1日閲覧。
  4. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p diet”. etymonline.com. 2019年10月12日閲覧。
  5. ^ a b c diet”. ldoceonline.com. LONGMAN. 2021年2月2日閲覧。
  6. ^ a b c d e f g h i j k Taubes, Gary (2007). Good Calories, Bad Calories: Challenging the Conventional Wisdom on Diet, Weight Control, and Disease. New York City: Alfred A. Knopf. ISBN 978-1-4000-4078-0 
  7. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab ac ad ae af ag ah ai aj ak al am an ao ap aq ar as at au av aw ax ay az ba bb Taubes, Gary (2010). Why We Get Fat. New York City: Alfred A. Knopf. ISBN 978-0-307-27270-6 
  8. ^ a b The Braille Monitor”. The National Federation of the Blind (1987年4月). 2006年9月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年10月8日閲覧。
  9. ^ a b c d e f g h Gina Kolata (2016年5月2日). “After ‘The Biggest Loser,’ Their Bodies Fought to Regain Weight”. The New York Times. 2020年6月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年11月9日閲覧。
  10. ^ Jean Anthelme Brillat-Savarin (1842). Physiologie du gout. pp. 222. https://www.google.co.jp/books/edition/Physiologie_du_go%C3%BBt_ou_m%C3%A9ditations_de/-JxRAAAAcAAJ?hl=ja&gbpv=1&dq=%22La+f%C3%A9cule+produit+plus+vite+et+plus+s%C3%BBrement+son+effet+quand+elle+est+unie+au+sucre%22+%22222%22&pg=PA222&printsec=frontcover 
  11. ^ A further look at obesity Timo E Strandberg doi:10.1016/S0140-6736(10)61535-8
  12. ^ Jean-François Dançel (1864). Obesity, or Excessive Corpulence: The Various Causes and the Rational Means of Cure. Prabhat Prakashan. https://www.google.co.jp/books/edition/Obesity_or_Excessive_Corpulence_The_Vari/SG1aDwAAQBAJ?hl=ja&gbpv=1&dq=%22I+have+established+it+as+a+fact,+without+a+single+exception,+that+it+is+always+possible+to+diminish+obesity%22&pg=PT38&printsec=frontcover 
  13. ^ banting”. etymonline.com. 2020年10月28日閲覧。
  14. ^ a b c d e f g h Groves, PhD, Barry (2002年). “WILLIAM BANTING: The Father of the Low-Carbohydrate Diet”. Second Opinions. 2007年12月26日閲覧。
  15. ^ banting”. merriam-webster.com. 2020年10月28日閲覧。
  16. ^ a b c Bruch, Hilde (1957). The Importance of Overweight. W. W. Norton & Company 
  17. ^ Gary Taubes (2007年10月6日). “'Good Calories, Bad Calories'”. The Wall Street Journal. 2015年9月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年11月12日閲覧。
  18. ^ a b Yudkin, John (19 December 1959). “The Causes and Cure of Obesity”. The Lancet 274 (7112): 1135–1138. doi:10.1016/s0140-6736(59)90116-3. PMID 13846696. 
  19. ^ a b c Mackarness, Richard (1958). Eat Fat and Grow Slim. Harvill Press. ISBN 978-0006338086 
  20. ^ a b Lutz, Wolfgang (1967). Leben ohne Brot. Selecta-Verl 
  21. ^ a b Stephen Byrnes, PhD, RNCP. “Life Without Bread by Wolfgang Lutz and Christian Allan”. The Weston A. Price Foundation. 2023年11月30日閲覧。
  22. ^ a b c Miles Kimball (2017年10月10日). “Meat Is Amazingly Nutritious—But Is It Amazingly Nutritious for Cancer Cells, Too?”. CONFESSIONS OF A SUPPLY-SIDE LIBERAL. 2023年10月2日閲覧。
  23. ^ Anna Karenina Part 2, Chapter 19”. Leo Tolstoy Archive. 2023年11月12日閲覧。
  24. ^ Robert Wernick. “i. Life Begins at Ninety”. robertwernick.org. 2022年1月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年11月30日閲覧。
  25. ^ a b Noorden, Karl von (1907). Metabolism and Practical Medicine, the Chapter III 'Obesity'. p. 693 - 695. https://archive.org/stream/metabolismpracti03nooruoft#page/692/mode/2up. 
  26. ^ a b News from the Women’s Health Initiative: Reducing Total Fat Intake May Have Small Effect on Risk of Breast Cancer, No Effect on Risk of Colorectal Cancer, Heart Disease, or Stroke”. The National Institutes of Health (2006年2月7日). 2020年9月13日閲覧。
  27. ^ a b c d e Low-Fat Diet Not a Cure-All”. The Harvard T.H. Chan School of Public Health (2006年2月9日). 2020年9月13日閲覧。
  28. ^ a b c Effects of Low-Carbohydrate and Low-Fat Diets A Randomized Trial Lydia A. Bazzano, MD, PhD, MPH,Tian Hu, MD, MS, Kristi Reynolds, PhD, Lu Yao, MD, MS, Calynn Bunol, MS, RD, LDN, Yanxi Liu, MS, Chung-Shiuan Chen, MS, Michael J. Klag, MD, MPH, Paul K. Whelton, MD, MSc, MB, and Jiang He, MD, PhD. Ann Intern Med. Author manuscript; available in PMC 2015 Sep 2. Published in final edited form as: Ann Intern Med. 2014 Sep 2; 161(5): 309–318. doi:10.7326/M14-0180
  29. ^ a b c d e Carbotoxicity—Noxious Effects of Carbohydrate Guido Kroemer, Carlos López-Otín, Frank Madeo, Rafael de Cabo. Cell. 2018 Oct 18; 175(3): 605–614. doi:10.1016/j.cell.2018.07.044
  30. ^ Dana Sparks (2015年1月16日). “A Line in the Sand - Mayo Clinic’s Role in Early Insulin Research”. Mayo Clinic News Network. 2019年10月28日閲覧。
  31. ^ Beth Schultz (2019年4月11日). “Feeding our brains to reduce memory loss”. The Associated Press. 2019年10月28日閲覧。
  32. ^ Freeman JM, Kossoff EH, Hartman AL. The ketogenic diet: one decade later. Pediatrics. 2007 Mar;119(3):535-43. doi:10.1542/peds.2006-2447. PMID 17332207
  33. ^ a b CLASSIC KETO”. Charlie Foundation. 2019年10月28日閲覧。
  34. ^ a b Voegtlin, Walter L. (1975). The Stone Age Diet. Vantage Press. pp. 259-263
  35. ^ Huber, Hillary Fries (2013). “Beans, beans the magical fruit: Why the Paleo Diet should not exclude legumes”. Popular Anthropology Magazine 4 (2): 46–49. https://www.researchgate.net/publication/262486413. 
  36. ^ 今までにないダイエット 表示やめるよう命令”. NHK (2014年6月13日). 2014年6月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年11月9日閲覧。
  37. ^ a b c d e f g h The Carbohydrate-Insulin Model of Obesity: Beyond ‘Calories In, Calories Out’ David S Ludwig, MD, PhD and Cara B Ebbeling, PhD. JAMA Intern Med. Author manuscript; available in PMC 2019 Aug 1. Published in final edited form as: JAMA Intern Med. 2018 Aug 1; 178(8): 1098-1103, doi:10.1001/jamainternmed.2018.2933.
  38. ^ Bauer J Obesity: its pathogenesis, etiology and treatment. Arch Intern Med. 1941;67(5):968-994.
  39. ^ LANDON HALL (2013年10月17日). “President Taft’s struggle is a familiar one to the obese”. The Orange County Register. 2022年12月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年12月21日閲覧。
  40. ^ a b c d e f g h Gina Kolata (2013年10月14日). “In Struggle With Weight, Taft Used a Modern Diet”. The New York Times. 2020年10月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年12月21日閲覧。
  41. ^ a b c d Alexandra Sifferlin (2013年10月14日). “Presidential Weight Loss Tips: Learning from America’s Heaviest Leaders President - Taft’s Diet”. Time.com. 2022年12月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年12月21日閲覧。
  42. ^ a b c Lauran Neergaard (2013年10月14日). “Portly President Taft threw his weight behind early obesity care”. NBC News. 2022年10月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年4月18日閲覧。
  43. ^ a b Michael S. Rosenwald (2018年12月29日). “The nation’s fattest president loved steaks for breakfast. Then he went on a diet.”. The Washington Post. 2022年2月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年12月21日閲覧。
  44. ^ Long-term effects of a ketogenic diet in obese patients Experimental & Clinical Cardiology
  45. ^ Impact of a Ketogenic Diet on Metabolic Parameters in Patients with Obesity or Overweight and with or without Type 2 Diabetes: A Meta-Analysis of Randomized Controlled Trials Yeo Jin Choi, Sang-Min Jeon, Sooyoung Shin. Published online 2020 Jul 6. doi:10.3390/nu12072005
  46. ^ Ketogenic Diet Ameliorates Cardiac Dysfunction via Balancing Mitochondrial Dynamics and Inhibiting Apoptosis in Type 2 Diabetic Mice Yongzheng Guo, Cheng Zhang, Fei-Fei Shang, Minghao Luo, Yuehua You, Qiming Zhai, Yong Xia, Luo Suxin. Published online 2020 Mar 9. doi:10.14336/AD.2019.0510
  47. ^ Ketogenic diet reduces mid-life mortality and improves memory in aging mice John C Newman, Anthony J Covarrubias, Minghao Zhao, Xinxing Yu, Philipp Gut, Che-Ping Ng, Yu Huang, Saptarsi Haldar, Eric Verdin. Cell Metab. Author manuscript; available in PMC 2018 Sep 5. Published in final edited form as: Cell Metab. 2017 Sep 5; 26(3): 547–557.e8. doi:10.1016/j.cmet.2017.08.004
  48. ^ A Ketogenic Diet Reduces Metabolic Syndrome-Induced Allodynia and Promotes Peripheral Nerve Growth in Mice Published online 2018 May 17. doi:10.1016/j.expneurol.2018.05.011
  49. ^ Chisholm, Hugh, ed. (1911). "Corpulence" . Encyclopædia Britannica (英語). Vol. 7 (11th ed.). Cambridge University Press. pp. 192–193.
  50. ^ William Banting: Letter on Corpulence” (2016年1月21日). 2021年12月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年12月12日閲覧。
  51. ^ a b Sally-Ann Creed (2017年10月16日). “The Story of Banting”. 2021年12月12日閲覧。
  52. ^ Legacy of a fat man”. The Guardian (2003年9月20日). 2013年12月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年11月12日閲覧。
  53. ^ Letter on Corpulence, Addressed to the Public (1864)”. wikisource. 2020年10月28日閲覧。
  54. ^ Scientist lives as hunter-gatherer: Proves Tim Noakes' Banting diet REALLY improves health”. BizNews.com (2017年7月4日). 2018年6月5日閲覧。[リンク切れ]
  55. ^ KATHARINE CHILD (2017年10月16日). “Noakes calls traditional food pyramid 'genocide'”. Sunday Times. 2017年10月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年11月11日閲覧。
  56. ^ Astrup A, Meinert Larsen T, Harper A (2004). “Atkins and other low-carbohydrate diets: hoax or an effective tool for weight loss?”. Lancet 364 (9437): 897-9. doi:10.1016/S0140-6736(04)16986-9. PMID 15351198. 
  57. ^ Bliss M (2005). “Resurrections in Toronto: the emergence of insulin”. Horm. Res. 64 Suppl 2 (2): 98-102. doi:10.1159/000087765. PMID 16286782. 
  58. ^ Bray GA (2005). “Is there something special about low-carbohydrate diets?”. Ann. Intern. Med. 142 (6): 469-70. doi:10.7326/0003-4819-142-6-200503150-00013. PMID 15767625. 
  59. ^ Focardi M, Dick GM, Picchi A, Zhang C, Chilian WM (2007). “Restoration of coronary endothelial function in obese Zucker rats by a low-carbohydrate diet”. Am. J. Physiol. Heart Circ. Physiol. 292 (5): H2093-9. doi:10.1152/ajpheart.01202.2006. PMID 17220180. 
  60. ^ Arora S, McFarlane SI (2004). “Review on "Atkins Diabetes Revolution: The Groundbreaking Approach to Preventing and Controlling Type 2 Diabetes" by Mary C. Vernon and Jacqueline A. Eberstein”. Nutr Metab (Lond) 1 (1): 14. doi:10.1186/1743-7075-1-14. PMC 535347. PMID 15535891. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC535347/. 
  61. ^ About WHI”. whi.org. 2019年10月28日閲覧。
  62. ^ Women's Health Initiative (WHI)”. clinicaltrials.gov (2016年4月15日). 2019年10月28日閲覧。
  63. ^ a b Low-fat dietary pattern and risk of colorectal cancer: the Women's Health Initiative Randomized Controlled Dietary Modification Trial Beresford SA, Johnson KC, Ritenbaugh C, Lasser NL, Snetselaar LG, Black HR, et al. (February 2006). JAMA. 295 (6): 643–654. doi:10.1001/jama.295.6.643
  64. ^ Overweight, Obesity, and Postmenopausal Invasive Breast Cancer Risk: A Secondary Analysis of the Women's Health Initiative Randomized Clinical Trials PMC 5070941 PMID 26182172 doi:10.1001/jamaoncol.2015.1546
  65. ^ Insulin Resistance and Cancer-Specific and All-Cause Mortality in Postmenopausal Women: The Women's Health Initiative PMC 7019097 PMID 31184362 doi:10.1093/jnci/djz069
  66. ^ Insulin resistance and breast cancer incidence and mortality in postmenopausal women in the Women's Health Initiative PMID 32530506 doi:10.1002/cncr.33002
  67. ^ Jason Fung, MD. “Exercise in Futility – Women’s Health Initiative”. thefastingmethod.com. 2021年9月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年10月7日閲覧。
  68. ^ The Impact of Step Recommendations on Body Composition and Physical Activity Patterns in College Freshman Women: A Randomized TrialBruce W Bailey, Ciera L Bartholomew, Caleb Summerhays, Landon Deru, Sharla Compton, Larry A Tucker, James D LeCheminant, Joseph Hick. PMID 31885908 doi:10.1155/2019/4036825
  69. ^ Gross, Jane (1984年7月22日). “James F. Fixx Dies Jogging; Author on Running was 52”. The New York Times. 2015年8月13日閲覧。
  70. ^ a b Francis Chin (2006年9月). “When fit people get heart attacks”. 2022年11月12日閲覧。
  71. ^ a b Jake Emmett, Ph.D.. “The Physiology of Marathon Running, Just What Does Running a Marathon Do to Your Body?”. 2007年2月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年11月12日閲覧。
  72. ^ Lawrence K. Altman, M.d. (1984年7月24日). “THE DOCTOR'S WORLD; JAMES FIXX: THE ENIGMA OF HEART DISEASE”. The New York Times. 2009年5月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年11月12日閲覧。
  73. ^ a b Richard Pearson (1984年7月22日). “Jogging Advocate Jim Fixx, 52, Dies”. The Washington Post. 2017年8月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年11月12日閲覧。
  74. ^ The Jim Fixx Neurosis: Running Yourself to Death”. The Washington Post (1984年7月29日). 2017年8月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年11月12日閲覧。
  75. ^ Death During Jogging or Running A Study of 18 CasesPaul D. Thompson, MD; Michael P. Stern, MD; Paul Williams, MS; et alKirk Duncan, MD; William L. Haskell, PhD; Peter D. Wood, DSc. JAMA. 1979;242(12):1265-1267. doi:10.1001/jama.1979.03300120019016
  76. ^ Excessive exercise training causes mitochondrial functional impairment and decreases glucose tolerance in healthy volunteersMikael Flockhart, Lina C.Nilsson, Senna Tais, Björn Ekblom, William Apró, Filip J. Larsen
  77. ^ Nick Heil (2020年3月26日). “There Are No Winners with ‘The Biggest Loser’”. outsideonline.com. 2021年8月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年11月9日閲覧。
  78. ^ a b Helen Rumbelow (2009年10月19日). “Exercise? A fat lot of good that is for weight loss”. The Times. 2021年9月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年10月13日閲覧。
  79. ^ a b Timothy David Noakes (November 2013). “Low-carbohydrate and high-fat intake can manage obesity and associated conditions: Occasional survey”. The South African Medical Journal 103. doi:10.7196/SAMJ.7302. ISSN 2078-5135. PMID 24148165. https://web.archive.org/web/20131029045152/http://www.samj.org.za/index.php/samj/article/view/7302/5506. 
  80. ^ a b Liam McAuliffe (2022年10月7日). “What is the Gary Taubes Diet?”. doctorkiltz.com. 2023年2月26日閲覧。
  81. ^ Robert (Coleman) Atkins”. Contemporary Authors Online: Gale Biography In Context. Detroit: Gale (2003年10月30日). 2017年11月30日閲覧。
  82. ^ Mariani, John F. (2013). “Atkins, Robert (1930-2003)”. The encyclopedia of American food and drink. ISBN 9781620401613. https://books.google.com/books?id=K5taAgAAQBAJ&pg=PT96 
  83. ^ Leith, William (2003年4月18日). “Robert Atkins: Diet guru who grew fat on the proceeds of the carbohydrate revolution”. The Guardian. 2014年9月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年11月11日閲覧。
  84. ^ a b c Brillat-Savarin, Jean Anthelme (1970). The Physiology of Taste. trans. Anne Drayton. Penguin Books. pp. 208–209. ISBN 978-0-14-044614-2. https://archive.org/details/physiologyoftast0000bril/page/208 
  85. ^ Strandberg, Timo. (2005). Roots of the Atkins diet. British Medical Journal 330 (7483): 132.
  86. ^ Bray, George A. (2011). A Guide to Obesity and the Metabolic Syndrome: Origins and Treatment. CRC Press. p. 31. ISBN 978-1-4398-1458-1
  87. ^ Jean-François Dançel. “OBESITY, OR EXCESSIVE CORPULENCE:THE VARIOUS CAUSESANDTHE RATIONAL MEANS OF CURE.”. PDF Host. 2022年11月9日閲覧。
  88. ^ Bruch, Hilde (1973). Eating Disorders: Obesity, Anorexia Nervosa, and the Person Within. Routledge & Kegan Paul PLC. ISBN 978-0710077684 
  89. ^ a b c d Blake F. Donaldson (1961). Strong Medicine. Doubleday & Company, Inc 
  90. ^ a b c d Timothy Noakes (2019年10月8日). “IT’S THE INSULIN RESISTANCE, STUPID: PART 3”. thenoakesfoundation.org. 2020年10月28日閲覧。
  91. ^ Karen Fediuk (2000年7月). “Vitamin C in the Inuit diet: past and present” (PDF). Universität Hamburg. 2004年10月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年11月12日閲覧。
  92. ^ Peter Heinbecker (1928). “Studies on the Metabolism of Eskimos” (PDF). J. Biol. Chem. 80 (2): 461–475. http://www.jbc.org/content/80/2/461 2014年4月7日閲覧。. 
  93. ^ A.C. Corcoran; M. Rabinowitch (1937). “A Study of the Blood Lipoids and Blood Protein in Canadian Eastern Arctic Eskimos”. Biochem. J. 31 (3): 343–348. doi:10.1042/bj0310343. PMC 1266943. PMID 16746345. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC1266943/. 
  94. ^ Kang-Jey Ho; Belma Mikkelson; Lena A. Lewis; Sheldon A. Feldman & C. Bruce Taylor (1972). “Alaskan Arctic Eskimo: responses to a customary high fat diet”. Am J Clin Nutr 25 (8): 737–745. doi:10.1093/ajcn/25.8.737. PMID 5046723. 
  95. ^ Cutlip, Scott (1994). The Unseen Power: Public Relations. London: Routledge. pp. 101. ISBN 0805814655 
  96. ^ Tolstoi, Edward (June 20, 1929). “THE EFFECT OF AN EXCLUSIVE MEAT DIET LASTING ONE YEAR ON THE CARBOHYDRATE TOLERANCE OF TWO NORMAL MEN.”. J. Biol. Chem. (83): 747–752. http://www.jbc.org/content/83/3/747.full.pdf 2015年12月16日閲覧。. 
  97. ^ a b c McClellan WS, Du Bois EF (February 13, 1930). “Clinical Calorimetry: XLV. Prolonged Meat Diets With A Study Of Kidney Function And Ketosis” (PDF). J. Biol. Chem. 87 (3): 651–668. http://www.jbc.org/content/87/3/651.full.pdf+html 2015年12月16日閲覧. "“During the first 2 days [Stefansson’s] diet approximated that of the Eskimos, as reported by Krogh and Krogh, except that he took only one-third as much fat. The protein accounted for 45 per cent of his food calories. The intestinal disturbance began on the 3rd day of this diet. During the next 2 days he took much less protein and more fat so that he received about 20 percent of his calories from protein and 80 percent from fat. In these two days his intestinal condition became normal without medication. Thereafter the protein calories did not exceed 25 per cent of the total for more than 1 day at a time.”" 
  98. ^ Stefansson, Vilhjalmur (1935年12月). “Adventures in Diet Part 2 (Harper's Monthly Magazine)”. 2021年1月7日閲覧。
  99. ^ THE EFFECTS ON HUMAN BEINGS OF A TWELVE MONTHS' EXCLUSIVE MEAT DIET BASED ON INTENSIVE CLINICAL AND LABORATORY STUDIES ON TWO ARCTIC EXPLORERS LIVING UNDER AVERAGE CONDITIONS IN A NEW YORK CLIMATEJAMA. 1929;93(1):20-22. doi:10.1001/jama.1929.02710010026005
  100. ^ Stefansson V. The friendly arctic. The MacMillan Co, NY. 1921
  101. ^ Nora Gedgaudas, CNS, NTP, BCHN (2018年8月3日). “Vilhjálmur Stefánsson and the Fat of the Land”. price-pottenger.org. 2020年11月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年11月11日閲覧。
  102. ^ Treatment of OBESITY with Calorically UNRESTRICTED DIETS PENNINGTON A.W., M.D. doi:10.1093/ajcn/1.5.343
  103. ^ TREATING OVERWEIGHT PATIENTS George L. Thorpe, M.D. JAMA. 1957;165(11):1361-1365. doi:10.1001/jama.1957.02980290001001
  104. ^ Greene, Raymond (1951). The Practice of Endocrinology. Lippincott 
  105. ^ Pomeroy, Ralph. (1977). First Things First: A Connoisseur's Companion to Breakfast. Paddington Press. p. 86
  106. ^ Robin Stieber (2003年9月21日). “Eat fat and grow slim”. The Daily Telegraph. 2016年2月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年11月11日閲覧。
  107. ^ Taller, Herman (1961). Calories Don't Count. Simon and Schuster. https://archive.org/details/caloriesdontcoun00tall 
  108. ^ Robin Forman (2014年12月20日). “Thinking about Pseudo-anachronisms”. deanforman.wordpress.com. 2020年10月28日閲覧。
  109. ^ a b Low-Carbohydrate Diets in the Management of Obesity and Type 2 Diabetes: A Review from Clinicians Using the Approach in Practice Tara Kelly, David Unwin, and Francis Finucane. Int J Environ Res Public Health. 2020 Apr; 17(7): 2557. Published online 2020 Apr 8, doi:10.3390/ijerph17072557.
  110. ^ Genetic evidence that carbohydrate-stimulated insulin secretion leads to obesity Christina M. Astley, Jennifer N. Todd, Rany M. Salem Sailaja Vedantam, Cara B. Ebbeling, Paul L. Huang, David S. Ludwig, Joel N. Hirschhorn, and Jose C. Florez. Clin Chem. Author manuscript; available in PMC 2019 Jan 1. Published in final edited form as: Clin Chem. 2018 Jan; 64(1): 192-200, doi:10.1373/clinchem.2017.280727.
  111. ^ a b The effect of a low-carbohydrate, ketogenic diet versus a low-glycemic index diet on glycemic control in type 2 diabetes mellitus Eric C Westman, William S Yancy, Jr, John C Mavropoulos, Megan Marquart, Jennifer R McDuffie. Published online 2008 Dec 19. doi:10.1186/1743-7075-5-36
  112. ^ The ketogenic diet for the treatment of malignant glioma Eric C Woolf, Adrienne C Scheck. J Lipid Res. 2015 Jan;56(1):5-10. doi:10.1194/jlr.R046797. Epub 2014 Feb 6. PMID 24503133; PMC 4274070.
  113. ^ Effects of a ketogenic diet on the quality of life in 16 patients with advanced cancer: A pilot trial Melanie Schmidt, Nadja Pfetzer, Micheal Schwab, Ingrid Strauss, and Ulrike Kämmerer. Nutr Metab (Lond). 2011; 8: 54. doi:10.1186/1743-7075-8-54
  114. ^ Ketogenic diet in the treatment of cancer – Where do we stand? Daniela D. Weber, Sepideh Aminzadeh-Gohari, Julia Tulipan, Luca Catalano, René G. Feichtinger, and Barbara Kofler. Published online 2019 Jul 27. doi:10.1016/j.molmet.2019.06.026 PMC 7056920 PMID 31399389
  115. ^ Ketogenic Diets and Cancer: Emerging Evidence Jocelyn Tan-Shalaby, MD. Fed Pract. 2017 Feb; 34(Suppl 1): 37S–42S. PMC 6375425 PMID 30766299
  116. ^ Barañano KW, Hartman AL. The ketogenic diet: uses in epilepsy and other neurologic illnesses. Curr Treat Options Neurol. 2008;10(6):410–9. doi:10.1007/s11940-008-0043-8. PMID 18990309
  117. ^ Allen BG, Bhatia SK, Anderson CM, et al. Ketogenic diets as an adjuvant cancer therapy: History and potential mechanism. Redox Biol. 2014 Aug 7;2C:963–70. doi:10.1016/j.redox.2014.08.002. PMID 25460731
  118. ^ Carbohydrate Addict's Diet”. 2021年7月29日閲覧。
  119. ^ Carbohydrate Addict's Official Frequently Asked Questions:Is Carbohydrate Addiction a"Real" Addiction?”. carbohydrateaddicts.com. 2021年7月29日閲覧。
  120. ^ Carbohydrate addiction R KEMP. PMID 14031867
  121. ^ Carbohydrate addiction. Kemp, R. Practitioner 1963 Vol.190 pp.358-364
  122. ^ The Lancet, P155-161, 28 July 1956
  123. ^ Management of overweight and obese adults”. The British Medical Journal. 2020年8月24日閲覧。
  124. ^ Comparison of the Atkins, Zone, Ornish, and LEARN diets for change in weight and related risk factors among overweight premenopausal women: the A TO Z Weight Loss Study: a randomized trial Christopher D Gardner, Alexandre Kiazand, Sofiya Alhassan, Soowon Kim, Randall S Stafford, Raymond R Balise, Helena C Kraemer, Abby C King. PMID 17341711 doi: 10.1001/jama.297.9.969
  125. ^ Comparison of the Atkins, Zone, Ornish, and LEARN Diets for Change in Weight and Related Risk Factors Among Overweight Premenopausal Women The A TO Z Weight Loss Study: A Randomized Trial Christopher D. Gardner, PhD; Alexandre Kiazand, MD; Sofiya Alhassan, PhD; et alSoowon Kim, PhD; Randall S. Stafford, MD, PhD; Raymond R. Balise, PhD; Helena C. Kraemer, PhD; Abby C. King, PhD. JAMA. 2007;297(9):969-977. doi:10.1001/jama.297.9.969
  126. ^ Effects of Popular Diets without Specific Calorie Targets on Weight Loss Outcomes: Systematic Review of Findings from Clinical Trials Stephen D. Anton, Azumi Hida, Kacey Heekin , Kristen Sowalsky, Christy Karabetian, Heather Mutchie, Christiaan Leeuwenburgh, Todd M. Manini and Tracey E. Barnett. Published: 31 July 2017
  127. ^ Christopher Gardner. “Christopher Gardner REHNBORG FARQUHAR PROFESSOR Medicine - Stanford Prevention Research Center”. profiles.stanford.edu. 2020年10月28日閲覧。
  128. ^ Christopher D. Gardner PhD”. integrativemedicine.arizona.edu. 2021年3月23日閲覧。
  129. ^ a b c Feltham, Sam (2013年6月12日). “Why I Didn't Get Fat From Eating 5,000 Calories A Day Of A High Fat Diet”. live.smashthefat.com. 2020年1月31日閲覧。
  130. ^ Round Up of The 21 Day 5,000 Calorie Challenge - YouTube
  131. ^ Andreas Eenfeldt (2013年6月19日). “What happens if you eat 5,800 calories daily on an LCHF diet?”. dietdoctor.com. 2020年6月28日閲覧。
  132. ^ Feltham, Sam (2013年11月7日). “Why I DID Get Fat From Eating 5,000 Calories A Day Of A High Carb Diet”. live.smashthefat.com. 2020年7月11日閲覧。
  133. ^ a b c Fung, Jason (2017年9月12日). “Smash the Fat – Calories Part XI”. thefastingmethod.com. 2020年8月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年9月13日閲覧。
  134. ^ Feltham, Sam (2013年5月29日). “Halfway Through My 21 Day 5,000 Calorie Experiment”. huffingtonpost.co.uk. 2019年9月29日閲覧。
  135. ^ Day 21 Of The 21 Day 5,000 Calorie CARB Challenge (LIVE Weigh In) - YouTube
  136. ^ Andreas Eenfeldt (2013年10月12日). “Is overeating carbs worse than overeating on an LCHF diet?”. dietdoctor.com. 2020年6月28日閲覧。
  137. ^ Bill Lagakos. “Bill Lagakos, Ph.D. Nutritional sciences researcher, consultant and blogger”. ketodietapp.com. 2020年10月28日閲覧。
  138. ^ CaloriesProperの2013年5月22日午前7時29分のツイート- X(旧Twitter)
  139. ^ Feltham, Sam (2014年2月12日). “Why I Got A Bit Fat Eating Over 5,000 Calories A Day Of A Vegan Diet”. live.smashthefat.com. 2020年7月11日閲覧。
  140. ^ Day 21 Of The 21 Day 5,000 Calorie VEGAN Challenge - YouTube
  141. ^ Associations of fats and carbohydrate intake with cardiovascular disease and mortality in 18 countries from five continents (PURE): a prospective cohort study Dr Mahshid Dehghan, Andrew Mente, Xiaohe Zhang, Sumathi Swaminathan, Wei Li, Viswanathan Mohan. Published:August 29, 2017. doi:10.1016/S0140-6736(17)32252-3
  142. ^ Associations of fats and carbohydrate intake with cardiovascular disease and mortality in 18 countries from five continents (PURE): a prospective cohort study PMID 28864332 doi:10.1016/S0140-6736(17)32252-3
  143. ^ Meta-analysis of prospective cohort studies evaluating the association of saturated fat with cardiovascular disease Patty W Siri-Tarino 1, Qi Sun, Frank B Hu, Ronald M Krauss. PMID 20071648 PMC 2824152 doi:10.3945/ajcn.2009.27725
  144. ^ Association of dietary, circulating, and supplement fatty acids with coronary risk: a systematic review and meta-analysis Rajiv Chowdhury, Samantha Warnakula, Setor Kunutsor, Francesca Crowe, Heather A Ward, Laura Johnson, Oscar H Franco, Adam S Butterworth, Nita G Forouhi, Simon G Thompson, Kay-Tee Khaw, Dariush Mozaffarian, John Danesh, Emanuele Di Angelantonio. PMID 24723079 doi:10.7326/M13-1788
  145. ^ Adithya Kumar. “Potentially Missing Vitamins in the Vegan and Vegetarian Diet”. mdrnyu.org. 2020年10月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年11月19日閲覧。
  146. ^ Richard Johnson, M.D. (2014年1月5日). “Clinical Scientist Sets the Record Straight on Hazards of Sugar”. mercola.com. 2021年2月14日閲覧。
  147. ^ 東原和成、鈴木梅太郎研究室を引き継いで,広がる生物化学 匂い・フェロモンの生命科学 『化学と生物』 Vol.50 (2012) No.4 p.302-307, doi:10.1271/kagakutoseibutsu.50.302
  148. ^ Rachel Meach. “Chapter 7 From John Yudkin to Jamie Oliver: A Short but Sweet History on the War against Sugar”. The National Center for Biotechnology Information. 2022年10月13日閲覧。
  149. ^ Sugar: The Bitter Truth - YouTube
  150. ^ Robert H. Lustig, Laura A. Schmidt and Claire D. Brindis (2012年2月2日). “VOL.482 NATURE, P27 The toxic truth about sugar”. Nature. 2019年10月15日閲覧。
  151. ^ Taubes, Gary (2016). The Case Against Sugar. New York City: Alfred A. Knopf. ISBN 978-0307701640 
  152. ^ Taubes, Gary (2011年4月3日). “Is Sugar Toxic?”. The New York Times. 2014年8月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年1月26日閲覧。
  153. ^ a b c d e Fung, Jason (2016). The Obesity Code: Unlocking the Secrets of Weight Loss. Canada: Greystone Books. ISBN 9781771641258 
  154. ^ a b c Abundance of fructose not good for the liver, heart”. Harvard Health Publishing, Harvard Medical School (2011年9月). 2020年6月28日閲覧。
  155. ^ Role of Dietary Fructose and Hepatic de novo Lipogenesis in Fatty Liver Disease Samir Softic, David E. Cohen, and C. Ronald Kahn. Published online 2016 Feb 8, doi:10.1007/s10620-016-4054-0.
  156. ^ Robert H. Lustig, MD. “The Fructose Epidemic”. 2021年2月24日閲覧。
  157. ^ Fructose: It's Alcohol Without the Buzz Robert H. Lustig. Adv Nutr. 2013 Mar; 4(2): 226-235. Published online 2013 Mar 6. doi:10.3945/an.112.002998
  158. ^ Effect of a High-Fructose Weight-Maintaining Diet on Lipogenesis and Liver FatPMID 25825943 doi:10.1210/jc.2014-3678
  159. ^ Consuming fructose-sweetened, not glucose-sweetened, beverages increases visceral adiposity and lipids and decreases insulin sensitivity in overweight/obese humansPMID 19381015 doi:10.1172/JCI37385
  160. ^ Consumption of fructose and high fructose corn syrup increase postprandial triglycerides, LDL-cholesterol, and apolipoprotein-B in young men and womenPMID 21849529 doi:10.1210/jc.2011-1251
  161. ^ A dose-response study of consuming high-fructose corn syrup-sweetened beverages on lipid/lipoprotein risk factors for cardiovascular disease in young adultsPMID 21849529 doi: 10.1210/jc.2011-1251
  162. ^ Consuming fructose-sweetened, not glucose-sweetened, beverages increases visceral adiposity and lipids and decreases insulin sensitivity in overweight/obese humansPMID 19381015 doi:10.1172/JCI37385
  163. ^ Formation of Fructose-Mediated Advanced Glycation End Products and Their Roles in Metabolic and Inflammatory Diseases Alejandro Gugliucci, Published online 2017 Jan 11, doi:10.3945/an.116.013912.
  164. ^ Consuming fructose-sweetened, not glucose-sweetened, beverages increases visceral adiposity and lipids and decreases insulin sensitivity in overweight/obese humans J Clin Invest. 2009 May 1; 119(5): 1322-1334. Kimber L. Stanhope, Jean Marc Schwarz, Nancy L. Keim, Steven C. Griffen, Andrew A. Bremer, James L. Graham, Bonnie Hatcher, Chad L. Cox, Artem Dyachenko, Wei Zhang, John P. McGahan, Anthony Seibert, Ronald M. Krauss, Sally Chiu, Ernst J. Schaefer, Masumi Ai, Seiko Otokozawa, Katsuyuki Nakajima, Takamitsu Nakano, Carine Beysen, Marc K. Hellerstein, Lars Berglund, and Peter J. Havel, Published online 2009 Apr 20, doi:10.1172/JCI37385.
  165. ^ Effects of Natural Products on Fructose-Induced Nonalcoholic Fatty Liver Disease (NAFLD) Qian Chen, Tingting Wang, Jian Li, Sijian Wang, Feng Qiu, Haiyang Yu, Yi Zhang, and Tao Wang. Nutrients. 2017 Feb; 9(2): 96.Published online 2017 Jan 31, doi:10.3390/nu9020096.
  166. ^ Fructose metabolism, cardiometabolic risk, and the epidemic of coronary artery disease Peter Mirtschink, Cholsoon Jang, Zoltan Aran, Wilhelm Krek, Eur Heart J. 2018 Jul 7; 39(26): 2497-2505. Published online 2017 Sep 7, doi:10.1093/eurheartj/ehx518
  167. ^ Fructose intake and risk of gout and hyperuricemia: a systematic review and meta-analysis of prospective cohort studies Joseph Jamnik,1 Sara Rehman,1,2 Sonia Blanco Mejia,1,2 Russell J de Souza,2,3 Tauseef A Khan,1,2 Lawrence A Leiter,1,2,4,5,6 Thomas M S Wolever,1,2,4,5,6 Cyril W C Kendall,1,2,7 David J A Jenkins,1,2,4,5,6 and John L Sievenpiper, BMJ Open. 2016; 6(10): e013191. Published online 2016 Oct 3, doi:10.1136/bmjopen-2016-013191.
  168. ^ Fructose metabolism and metabolic disease Sarah A. Hannou,1 Danielle E. Haslam, Nicola M. McKeown, and Mark A. Herman, J Clin Invest. 2018 Feb 1; 128(2): 545-555. Published online 2018 Feb 1, doi:10.1172/JCI96702.
  169. ^ Fructose and Sugar: A Major Mediator of Nonalcoholic Fatty Liver Disease J Hepatol. May; 68(5): 1063-1075. Published online 2018 Feb 2, doi:10.1016/j.jhep.2018.01.019.
  170. ^ Fructose and uric acid as drivers of a hyperactive foraging response: A clue to behavioral disorders associated with impulsivity or mania?Richard J.Johnson, William L.Wilson Sondra T. Bland Miguel A.Lanaspa
  171. ^ Consumption of sugar and sugar-sweetened foods and the risk of pancreatic cancer in a prospective study Susanna C Larsson, Leif Bergkvist, Alicja Wolk. PMID 17093171 doi:10.1093/ajcn/84.5.1171
  172. ^ Fructose contributes to the Warburg effect for cancer growth Takahiko Nakagawa,corresponding author, Miguel A. Lanaspa, Inigo San Millan, Mehdi Fini, Christopher J. Rivard,6 Laura. Sanchez-Lozada, Ana Andres-Hernando, Dean R. Tolan, and Richard J. Johnson. Cancer Metab. 2020; 8: 16. Published online 2020 Jul 10, doi:10.1186/s40170-020-00222-9.
  173. ^ High-sugar diets, type 2 diabetes and Alzheimer's disease Paula I Moreira. PMID 23657152 doi:10.1097/MCO.0b013e328361c7d1
  174. ^ Cerebral Fructose Metabolism as a Potential Mechanism Driving Alzheimer’s Disease Richard J. Johnson, Fernando Gomez-Pinilla, Maria Nagel, Takahiko Nakagawa,4 Bernardo Rodriguez-Iturbe, Laura G. Sanchez-Lozada, Dean R. Tolan, and Miguel A. Lanaspa. Published online 2020 Sep 11. doi:10.3389/fnagi.2020.560865 PMID 33024433
  175. ^ Association between type, amount and pattern of carbohydrate consumption with dental caries in 12-year-olds in Puerto Rico Cristina Palacios, Sona Rivas-Tumanyan, Evangelia Morou-Bermúdez, Alina M. Colón, Roxana Y Torres, and Augusto R. Elías-Boneta. Caries Res. Author manuscript; available in PMC 2017 Oct 28. Published in final edited form as: Caries Res. 2016; 50(6): 560-570. Published online 2016 Oct 28, doi:10.1159/000450655.
  176. ^ a b Added Sugar and Dental Caries in Children: A Scientific Update and Future Steps Donald L. Chi, DDS, PhD, Associate Professora and JoAnna M. Scott, PhD, Assistant Professorb. Dent Clin North Am. Author manuscript; available in PMC 2020 Jan 1. Published in final edited form as: Dent Clin North Am. 2019 Jan; 63(1): 17-33. Published online 2018 Oct 29, doi:10.1016/j.cden.2018.08.003.
  177. ^ Fructose Consumption, Lipogenesis, and Non-Alcoholic Fatty Liver Disease Kasper W. ter Horst and Mireille J. Serlie. Nutrients. 2017 Sep; 9(9): 981. Published online 2017 Sep 6, doi:10.3390/nu9090981.
  178. ^ Dietary Fructose and the Metabolic Syndrome Marja-Riitta Taskinen, Chris J Packard, and Jan Borén3, Nutrients. 2019 Sep; 11(9): 1987. Published online 2019 Aug 22, doi:10.3390/nu11091987.
  179. ^ Roberts, Jacob (2015). “Sickening sweet”. Distillations 1 (4): 12–15. https://www.sciencehistory.org/distillations/magazine/sickening-sweet 2018年3月20日閲覧。. 
  180. ^ Berndt Luderitz (1 April 1993). Principles of Diabetes Mellitus. Springer. p. 4. ISBN 978-0-387-56208-7. https://books.google.com/books?id=ffyJZLp4l9gC&pg=PA4 2013年6月19日閲覧。 
  181. ^ a b Steve Parker, M.D. (2010年8月27日). “Dr. John Rollo: The Original Low-Carb Diabetic Diet Doctor”. diabeticmediterraneandiet.com. 2021年7月29日閲覧。
  182. ^ Veves, Aristidis; Malik, Rayaz A. (2007). Diabetic Neuropathy: Clinical Management. Humana Press. p. 3. ISBN 978-1-59745-311-0
  183. ^ Account of Two Cases of Diabetes Mellitus, with Remarks John Rollo, M. D. PMID 30299840
  184. ^ Effect of high carbohydrate intake on hyperglycemia, islet function, and plasma lipoproteins in NIDDMA Garg, S M Grundy, M Koffler. PMID 1468287 doi:10.2337/diacare.15.11.1572
  185. ^ Mortality and other important diabetes-related outcomes with insulin vs other antihyperglycemic therapies in type 2 diabetesCraig J Currie, Chris D Poole, Marc Evans, John R Peters, Christopher Ll Morgan. PMID 23372169 doi:10.1210/jc.2012-3042
  186. ^ Risk of early mortality and cardiovascular disease according to the presence of recently-diagnosed diabetes and requirement for insulin treatment: a nationwide studyYou-Bin Lee, Kyungdo Han, Bongsung Kim, Min Sun Choi, Jiyun Park, Minyoung Kim, Sang-Man Jin, Kyu Yeon Hur, Gyuri Kim, Jae Hyeon Kim. PMID 33662172 doi:10.1111/jdi.13539
  187. ^ Effects of intensive glucose lowering in type 2 diabetesPMID 18539917 doi:10.1056/NEJMoa0802743
  188. ^ The Incremental Risk of Pancreatic Cancer According to Fasting Glucose Levels: Nationwide Population-Based Cohort StudyPMID 31498870 doi:10.1210 / jc.2019-00033
  189. ^ Fasting serum glucose level and cancer risk in Korean men and womenPMID 15644546 doi:10.1001/jama.293.2.194
  190. ^ Expression of the fructose transporter GLUT5 in human breast cancerPMID 8700847 doi:10.1073/pnas.93.5.1847
  191. ^ Effect of exercise timing on elevated postprandial glucose levels The American Physiological Society, PMID 28408695 doi:10.1152/japplphysiol.00608.2016
  192. ^ Blood Glucose Levels of Subelite Athletes During 6 Days of Free Living Felicity Thomas, Chris G Pretty, Thomas Desaive, J Geoffrey Chase. PMID 27301981 doi:10.1177/1932296816648344
  193. ^ Dr. Frank Aieta, ND. “How You Can Optimize It for Better Health”. ruled.me. 2019年4月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年11月15日閲覧。
  194. ^ a b c d Paroxysmal dystonic choreoathetosis with symptomatic seizures secondary to hypoglycemia caused by insulinoma Meena Gupta, Amit Batra, Makarand Hirve, Debashish Chowdhury, Geeta A. Khwaja, and P. K. Mishra. doi:10.4103/0972-2327.91965
  195. ^ a b c Insulinoma After Bariatric Surgery: Diagnostic Dilemma and Therapeutic Approaches Christopher M. Mulla, MD, Alessandra Storino, MD, Eric U. Yee, MD, David Lautz, MD, Mandeep S. Sawnhey, MD, A. James Moser, MD, and Mary-Elizabeth Patti, MD. doi:10.1007/s11695-016-2092-5
  196. ^ a b Long-standing insulinoma: two case reports and review of the literature Mohamed Tarchouli,corresponding author Abdelmounaim Ait Ali, Moulay Brahim Ratbi, Mohamed said Belhamidi, Mohamed Essarghini, El Mehdi Aboulfeth, Mohamed Bouzroud, Yassir Sbitti, Mohamed Oukabli, Mohammed Elfahssi, and Khalid Sair. doi:10.1186/s13104-015-1424-1
  197. ^ a b Hypoglycemia and decreased insulin requirement caused by malignant insulinoma in a type 1 diabetic patient: when the hoof beats are from a zebra, not a horse Hilde K. Gjelberg, Dag Hoem, Caroline S. Verbeke, Johan Eide, John G. Cooper, and Anders Molvencorresponding author. doi:10.1002/ccr3.927
  198. ^ Insulinoma presenting as refractory seizure disorder Pamela Correia,a,1 Roopal Panchani,1 Rajeev Ranjan,1 and Chandrashekhar Agrawal1. doi:10.12688/f1000research.1-15.v1
  199. ^ a b c d Recurrent insulinoma in a 10-year-old boy with Down's syndrome Noman Ahmad,corresponding author Abdulmonem Mohammed Almutawa, Mohamed Ziyad Abubacker, Hossam Ahmed Elzeftawy, and Osama Abdullah Bawazir. doi:10.1530/EDM-16-0155
  200. ^ Long-standing Sporadic Pancreatic Insulinoma: Report of a Rare Case Alexander Muacevic and John R Adler, Zainab Majid,Faryal Tahir, and Syed Ali Haider. doi:10.7759/cureus.6947
  201. ^ a b Insulinoma masquerading as a loss of consciousness in a teenage girl: case report and literature review Meghana Gudala, Mahmuda Ahmed, Rushika Conroy, and Ksenia Tonyushkinacorresponding author. doi:10.1186/s13633-017-0049-7
  202. ^ Improved Contemporary Surgical Management of Insulinomas -A 25-year Experience at the Massachusetts General Hospital- Mehrdad Nikfarjam, MD, PhD, Andrew L. Warshaw, MD, Lloyd Axelrod, MD, Vikram Deshpande, MD, Sarah P. Thayer, MD, PhD, Cristina R. Ferrone, MD, and Carlos Fernández-del Castillo, MD. doi:10.1097/SLA.0b013e31815792ed
  203. ^ Acanthosis nigricans in insulinoma Viveka P. Jyotsna, Nishant Raizada, Semanti Chakraborty, and S. Pal. doi:10.4103/2230-8210.139223
  204. ^ a b Metastatic Insulinoma in a Patient with Type 2 Diabetes Mellitus: Case Report and Review of the Literature Noormuhammad Oosman Abbasakoor, Marie Louise Healy, Donal O'Shea, Donal Maguire, Cian Muldoon, Kieran Sheahan, Dermot O'Toole. doi:10.1155/2011/124078
  205. ^ Diagnostic Difficulties in a Pediatric Insulinoma Ingrith Miron, MD, PhD, Smaranda Diaconescu, MD, PhD, Gabriel Aprodu, MD, PhD, Ileana Ioniuc, MD, PhD, Mihai Radu Diaconescu, MD, PhD, and Lucian Miron, MD, PhD. doi:10.1097/MD.0000000000003045
  206. ^ a b c Insulinoma: A Comprehensive Summary of Two Cases Pankaj Sharma, Sonia Sharma, Shivani Kalhan, corresponding author Bhanu Pratap Singh, and Sonam Sharma. doi:10.7860/JCDR/2014/8694.4782
  207. ^ a b c Diagnosis and Localization of Insulinoma after Negative Laparotomy by Hyperinsulinemic, Hypoglycemic Clamp and Intra-Aterial Calcium Stimulation Robert A. Ritzel, Berend Isermann, Tobias Schilling, Hanns-Peter Knaebel, Markus W. Büchler, and Peter P. Nawroth. doi:10.1900/RDS.2004.1.42
  208. ^ Lipodystrophy in Insulin-Treated Subjects and Other Injection-Site Skin Reactions: Are We Sure Everything is Clear? Sandro Gentile, Felice Strollo, Antonio Ceriello, and On behalf of the AMD-OSDI Injection Technique Study Group. Diabetes Ther. 2016 Sep; 7(3): 401–409. Published online 2016 Jul 25. doi:10.1007/s13300-016-0187-6 PMC 5014793 PMID 27456528
  209. ^ Insulin lipodystrophy and lipohypertrophy Jatinder K. Mokta, Kiran K. Mokta, and Prashant Panda. Indian J Endocrinol Metab. 2013 Jul-Aug; 17(4): 773–774. doi:10.4103/2230-8210.113788 PMC 3743397 PMID 23961513.
  210. ^ Anti-Lipolysis Induced by Insulin in Diverse Pathophysiologic Conditions of Adipose Tissue Jia Zhao,1 YaYun Wu, XiangLu Rong, CuiWen Zheng, and Jiao Guo. Diabetes Metab Syndr Obes. 2020; 13: 1575-1585. Published online 2020 May 11, doi:10.2147/DMSO.S250699
  211. ^ Insulin and Insulin Receptors in Adipose Tissue Development Angelo Cignarelli, Valentina Annamaria Genchi, Sebastio Perrini, Annalisa Natalicchio, Luigi Laviola, and Francesco Giorgino. Int J Mol Sci. 2019 Feb; 20(3): 759. Published online 2019 Feb 11, doi:10.3390/ijms20030759
  212. ^ Insulin Regulates Adipocyte Lipolysis via an Akt-Independent Signaling Pathway Sarah M. Choi, David F. Tucker, Danielle N. Gross, Rachael M. Easton, Lisa M. DiPilato, Abigail S. Dean, Bob R. Monks, and Morris J. Birnbaum. Mol Cell Biol. 2010 Nov; 30(21): 5009-5020. Published online 2010 Aug 23, doi:10.1128/MCB.00797-10.
  213. ^ Insulin Inhibits Lipolysis in Adipocytes via the Evolutionarily Conserved mTORC1-Egr1-ATGL-Mediated Pathway Partha Chakrabarti, Ju Youn Kim, Maneet Singh, Yu-Kyong Shin, Jessica Kim, Joerg Kumbrink, Yuanyuan Wu, Mi-Jeong Lee, Kathrin H. Kirsch, Susan K. Fried, and Konstantin V. Kandror. Mol Cell Biol. 2013 Sep; 33(18): 3659-3666, doi:10.1128/MCB.01584-12.
  214. ^ a b c Insulin translates unfavourable lifestyle into obesity Hubert Kolb, Michael Stumvoll, Werner Kramer, Kerstin Kempf,corresponding author and Stephan Martin. BMC Med. 2018; 16: 232. Published online 2018 Dec 13, doi:10.1186/s12916-018-1225-1.
  215. ^ Dietary carbohydrate restriction as the first approach in diabetes management: critical review and evidence base Richard D Feinman, Wendy K Pogozelski, Arne Astrup, Richard K Bernstein, Eugene J Fine, Eric C Westman, Anthony Accurso, Lynda Frassetto, Barbara A Gower, Samy I McFarlane, Jörgen Vesti Nielsen, Thure Krarup, Laura Saslow, Karl S Roth, Mary C Vernon, Jeff S Volek, Gilbert B Wilshire, Annika Dahlqvist, Ralf Sundberg, Ann Childers, Katharine Morrison, Anssi H Manninen, Hussain M Dashti, Richard J Wood, Jay Wortman, Nicolai Worm. PMID 25287761, doi:10.1016/j.nut.2014.06.011.
  216. ^ Carbohydrate restriction regulates the adaptive response to fasting S Klein, R R Wolfe. PMID 1590373 doi:10.1152/ajpendo.1992.262.5.E631
  217. ^ a b c Lipoprotein lipase and the disposition of dietary fatty acids B A Fielding 1, K N Frayn. PMID 10211047, doi:10.1017/s0007114598001585
  218. ^ a b Adipose-specific Lipoprotein Lipase Deficiency More Profoundly Affects Brown than White Fat Biology Itsaso Garcia-Arcos, Yaeko Hiyama, Konstantinos Drosatos, Kalyani G. Bharadwaj, Yunying Hu, Ni Huiping Son, Sheila M. O'Byrne, Chuchun L. Chang, Richard J. Deckelbaum, Manabu Takahashi, Marit Westerterp,‖,2 Joseph C. Obunike, Hongfeng Jiang, Hiroaki Yagyu, William S. Blaner, and Ira J. Goldberg. Published online 2013 Mar 31. doi:10.1074/jbc.M113.469270
  219. ^ a b Adipose tissue deficiency of hormone-sensitive lipase causes fatty liver in mice Bo Xia, Data curation, Methodology, Guo He Cai, Data curation, Hao Yang, Data curation, Shu Pei Wang, Data curation, Grant A. Mitchell, Conceptualization, Funding acquisition, Supervision, Writing – original draft, Writing – review & editing,2, and Jiang Wei Wu, Conceptualization, Funding acquisition, Supervision, Writing – original draft, Writing – review & editing. Published online 2017 Dec 12. doi:10.1371/journal.pgen.1007110
  220. ^ a b Intra-Abdominal Fat Adipocyte Hypertrophy through a Progressive Alteration of Lipolysis and Lipogenesis in Metabolic Syndrome Rats Israel Pérez-Torres,1, Yolanda Gutiérrez-Alvarez, Verónica Guarner-Lans, Eulises Díaz-Díaz, Linaloe Manzano Pech, and Sara del Carmen Caballero-Chacón. Published online 2019 Jul 5. doi:10.3390/nu11071529
  221. ^ a b Regulation of lipoprotein lipase and hormone-sensitive lipase activity and gene expression in adipose and muscle tissue by growth hormone treatment during weight loss in obese patients B Richelsen, S B Pedersen, K Kristensen, J D Børglum, H Nørrelund, J S Christiansen, J O Jørgensen. PMID 10910003, doi: 10.1053/meta.2000.6738
  222. ^ a b Growth hormone-mediated breakdown of body fat: effects of GH on lipases in adipose tissue and skeletal muscle of old rats fed different diets T Johansen 1, B Richelsen, H S Hansen, N Din, K Malmlöf. PMID 12778368, doi: 10.1055/s-2003-39481
  223. ^ Adipose tissue metabolism in obesity: lipase action in vivo before and after a mixed meal B A Fielding, K N Frayn. PMID 10211047, doi: 10.1017/s0007114598001585
  224. ^ Lipoprotein lipase: from gene to obesity Hong Wang 1, Robert H Eckel. PMID 19318514, doi: 10.1152/ajpendo.90920.2008
  225. ^ Lipoprotein lipase: a key enzyme of lipid metabolism E Bruckert 1, S Dejager. PMID 7939219
  226. ^ a b Biochemistry and pathophysiology of intravascular and intracellular lipolysis Stephen G. Young and Rudolf Zechner. Genes Dev. 2013 Mar 1; 27(5): 459–484. doi:10.1101/gad.209296.112
  227. ^ Anti-obesity effect of extract from fermented Curcuma longa L. through regulation of adipogenesis and lipolysis pathway in high-fat diet-induced obese rats Ji Hye Kim,1, Ok-Kyung Kim, Ho-Geun Yoon, Jeongjin Park, Yanghee You, Kyungmi Kim, Yoo-Hyun Lee, Kyung-Chul Choi, Jeongmin Lee, and Woojin Jun. Food Nutr Res. 2016; 60: 10.3402/fnr.v60.30428. Published online 2016 Jan 27. doi: 10.3402/fnr.v60.30428
  228. ^ Null Mutation in Hormone-Sensitive Lipase Gene and Risk of Type 2 Diabetes Jessica S. Albert, Ph.D., Laura M. Yerges-Armstrong, Ph.D., Richard B. Horenstein, M.D., Toni I. Pollin, Ph.D., Urmila T. Sreenivasan, M.S., Sumbul Chai, M.S., William S. Blaner, Ph.D., Soren Snitker, M.D., Ph.D., Jeffrey R. O'Connell, Ph.D., Da-Wei Gong, Ph.D., Richard J. Breyer, III, M.D., Alice S. Ryan, Ph.D., John C. McLenithan, Ph.D., Alan R. Shuldiner, M.D., Carole Sztalryd, Ph.D. and Coleen M. Damcott, Ph.D. N Engl J Med. Author manuscript; available in PMC 2014 Dec 12. Published in final edited form as: N Engl J Med. 2014 Jun 12; 370(24): 2307–2315. Published online 2014 May 21. doi:10.1056/NEJMoa1315496
  229. ^ Adipose Triglyceride Lipase and Hormone-Sensitive Lipase Are Involved in Fat Loss in JunB-Deficient Mice Montserrat Pinent,* Andreas Prokesch,* Hubert Hackl, Peter J. Voshol, Ariane Klatzer, Evelyn Walenta, Ute Panzenboeck, Lukas Kenner, Zlatko Trajanoski, Gerald Hoefler, and Juliane G. Bogner-Strauss. Endocrinology. 2011 Jul; 152(7): 2678–2689. Published online 2011 May 3. doi:10.1210/en.2010-1477
  230. ^ Jason Fung (2016年12月19日). “Fasting myths”. dietdoctor.com. 2019年9月29日閲覧。
  231. ^ Jason Fung (2016年9月11日). “Intermittent fasting for beginners”. dietdoctor.com. 2019年9月29日閲覧。
  232. ^ The tale of Angus Barbieri who fasted for more than a year - and lost 21 stone”. The Evening Telegraph (2016年11月12日). 2022年11月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年11月13日閲覧。
  233. ^ Stewart, W. K.; Fleming, Laura W. (March 1973). “Features of a successful therapeutic fast of 382 days' duration”. Postgraduate Medical Journal 49 (569): 203-209. doi:10.1136/pgmj.49.569.203. PMC 2495396. PMID 4803438. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2495396/. 
  234. ^ a b Anahad O’Connor (2020年9月28日). “A Potential Downside of Intermittent Fasting”. The New York Times. 2022年11月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年11月9日閲覧。
  235. ^ Gina Kolata (2022年4月20日). “Scientists Find No Benefit to Time-Restricted Eating”. The New York Times. 2022年4月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年11月9日閲覧。
  236. ^ Effects of Time-Restricted Eating on Weight Loss and Other Metabolic Parameters in Women and Men With Overweight and Obesity September 28, 2020. JAMA Intern Med. 2020;180(11):1491-1499. doi:10.1001/jamainternmed.2020.4153
  237. ^ Proteomics analysis of adipose depots after intermittent fasting reveals visceral fat preservation mechanisms Dylan J. Harney, Michelle Cielesh, Renee Chu, David E. James, Jacqueline Stöckli, Mark Larance. MARCH 02, 2021. Cell Reports. doi:10.1016/j.celrep.2021.108804
  238. ^ Researchers Find Belly Fat Is Resistant to Intermittent Fasting – “The Location Makes a Big Difference””. scitechdaily.com. UNIVERSITY OF SYDNEY (2021年3月2日). 2021年3月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年11月9日閲覧。

参考文献

  • Taubes, Gary (2007). Good Calories, Bad Calories: Fats, Carbs, and the Controversial Science of Diet and Health. New York City: Alfred A. Knopf. ISBN 978-1-4000-4078-0 
  • Taubes, Gary (2010). Why We Get Fat: And What to Do About It. New York City: Alfred A. Knopf. ISBN 9780307272706