AGEs

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AGEs(エイジス、エイジズ)とは、Advanced Glycation End Productsの略語であり、生化学用語・医学生理学用語である。終末糖化産物、後期糖化生成物などと訳される。タンパク質の糖化反応(メイラード反応)によってつくられる生成物のことを言う[1]。最近の研究から、人類の身体のさまざまな老化に共通の物質(より正確に言えば、生体化学反応による生成物)が関わっていることがわかってきた。それがAGEsである。現在判明しているだけでも、AGEsには数十種類もの化合物があり、それぞれが多種多様な化学的性質を有する。タンパク質の糖化により、このAGEs(後期糖化生成物、糖化最終産物)が生じる過程で、「アマドリ化合物」(アマドリ転位生成物、前期生成物)を経由する。アマドリ転位参照。

AGEsという表記[編集]

AGEsは、"Advanced Glycation End Products" という英語の頭文字"AGE"に加えて、それが複数形であることを示す"s"を付して名づけられた。日本では略して”AGE”(エージ、エイジ)とも表記されるが、国際的な学術論文では “AGEs” と表記されるのが本来の表記である。”AGE”は誤用であるが、数十種類あるAdvanced Glycation End Productsという複数形の名詞から、「1種類の後期糖化生成物」あるいは「後期糖化生成物」一般を指すという意味で、“Advanced Glycation End Product”と敢えて単数形で用いるなら、そういう表記も可能かもしれない。なお、"AGEs"(エイジス、エイジズ)は、英語の一般名詞 "age"(エイジ。年、時代、年齢、高齢)に由来するものではないが、結果的に、偶然、スペリングや発音や意味が似ている。興味深い現象であるが、本来、AGEsは"Advanced Glycation End Products(後期糖化生成物)"の略称であり、英語の一般名詞 "age"とは全く別物であることに注意されたい。

生体外AGE[編集]

食品の高温加熱調理で新たなAGE生成が加速し、調理する前と比べると10~100倍のAGEが増える[2] [3]。食品に含有されるAGEは消化過程で分解され、10%ほどが体内に溜まる [4]

生体内AGE[編集]

糖の過剰摂取、運動不足、喫煙などで生成が進む。体内AGEは糖尿病性合併症、動脈硬化、骨粗しょう症、後縦靭帯骨化症、筋委縮、関節リウマチ、加齢黄斑変性、非アルコール性脂肪肝炎、インスリン抵抗性、歯周病、アルツハイマー病、神経変性疾患、皮膚疾患、皮膚老化などのさまざまな疾患の発症に関与する[5]。体内AGEを溜めないためには、糖質制限、運動、禁煙のほかにも、ファーストフードを食べない[2] 、野菜や果物の摂取[2] [6][4][7]、日本茶[2][4][7]やカモミールなどの健康茶[7] [8]の摂取、発酵食品の摂取[7]、プチ断食[6]< 、ゆっくり食べること[2][7]などが良いと言われている。

AGE測定[編集]

血液から抗体を使って測定する方法や皮膚に光を当て測定する方法(AGEリーダー)などがある。


脚注[編集]

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  1. ^ ”Advanced glycation end products (AGEs) are proteins or lipids that become glycated after exposure to sugars.” Basic Science for Clinicians. [Advanced Glycation End Products] http://circ.ahajournals.org/content/114/6/597.short
  2. ^ a b c d e 山岸 昌一 『老いたくなければファーストフードを食べるな』PHP新書、2012年6月
  3. ^ Uribarri J, et al. (2010). “Advanced Glycation End Products in Foods and a Practical Guide to Their Reduction in the Diet”. J Am Diet Assoc. 110:911-916. PMID: 20497781
  4. ^ a b c 牧田 善二 『老けたくないなら「AGE」を減らしなさい』ソフトバンク新書、2012年5月
  5. ^ 太田 博明・監修、山岸 昌一・編集 『AGEsと老化-糖化制御からみたウェルエイジング-』メディカルレビュー社、2012年12月
  6. ^ a b 久保 明 『「糖化」を防げば、あなたは一生老化しない』永岡書店、2012年6月
  7. ^ a b c d e 米井 嘉一 『「抗糖化」で何歳からでも美肌は甦る』メディアファクトリー、2012年9月
  8. ^ 八木 雅之、米井 嘉一 『糖化ストレスの評価法と抗糖化食品の開発』食品と開発2013 No.3 Vol.48: 4-7.

関連項目[編集]

外部リンク[編集]