古フランス語

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古フランス語(こふらんすご)は、中世フランス語である。

概要[編集]

800年代から1300年代フランス北部の諸言語(オイル語)の一派であるフランシア語を指す。

「フランシア語」は、フランス語ではfrancienと記す。本来フランシアとはラテン語のfranciaであり、4世紀にはイル・ド・フランスよりも北の地域を、後代にはフランク王国地域やフランスを、意味している。

歴史[編集]

最古の文献はカロリング朝シャルル2世カール2世)とルートヴィヒ2世(ルイ2世)の間のストラスブールの誓い842年)である。西フランク側の民衆語としてそこで用いられている言語はロマン語romana linguaと呼ばれていて、俗ラテン語に後代のフランス語の特徴が混ざった文章がみられる。

俗ラテン語から古フランス語の音の変化[編集]

母音[編集]

文字 古典ラテン語 俗ラテン語 古フランス語
閉音節 開音節
短A /a/ /a/ /a, au/ /ɛ, iə/
長A /aː/
AE /ai/ /ɛ/ /ɛ/ /iə/
短E /e/
OE /oi/ /e/ /e, eu/ /ei/
長E /eː/
短I /i/ /ɪ/
短Y /y/
長I /iː/ /i/ /i/ /i/
長Y /yː/
短O /o/ /ɔ/ /ɔ/ /yə/
長O /oː/ /o/ /o/ /ou/
短U /u/ /ʊ/
長U /uː/ /u/ /y/ /y/
AU /aw/ /aw/ /ɔ/ /ɔ/
(記号は国際音声字母を参照)
  • 開音節のaがɛになる
  • 開音節のe(広)がie
  • 開音節のo(広)がuoになる
  • 開音節のe(狭)がeiになる
  • 開音節のo(狭)がouになる
  • auは遅れて単音のoになったのでuoやouにはならない
  • uが[y]と発音されるようになる

子音[編集]

  • 二重子音の単子音化
  • -ns->-s-(sの直前のnの脱落)
  • -rs->-ss-(※稀にみられる)
  • ca-[ka], ga-[ga] > [tʃa], [dʒa]
  • z[dz]>[z]

文字と発音[編集]

名詞[編集]

主格斜格、単数と複数によって語形を変える。第一変化(また変種a)、第二変化(また変種a)、第三変化(a,b,c,d)の三種類がある。

冠詞[編集]

定冠詞

  男性単数 男性複数 女性単数 女性複数
主格 li li la les
斜格 le les la les

不定冠詞

  男性単数 男性複数 女性単数 女性複数
主格 uns un une unes
斜格 un uns une unes

動詞[編集]

-er動詞の略表[編集]

 
直説法 接続法 条件法 命令法
現在 過去 未完了 未来 現在 未完了 現在 現在
一単 dur durai duroie durerai dur durasse dureroie
二単 dures duras durois dureras durs durasses durerois dure
三単 dure dura duroit durera durt durast dureroit
一複 durons durames duriiens/-ïons durerons durons durissons/-issiens dureriions/-ïons durons
二複 durez durastes duriiez dureroiz/-ez durez durissoiz/-issez/-issiez dureriiez/-ïez durez
三複 durent durerent duroient dureront durent durassent dureroient

その他

関連項目[編集]