潜水母艦

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潜水艦救難母艦 ちよだ

潜水母艦せんすいぼかん)とは、海軍における補助艦艇の一つである。前進根拠地や泊地などにおいて潜水艦を接舷させ食料燃料魚雷その他物資の補給を行う。また潜水艦乗組員用の休息施設もあり、乗員の休憩にも用いられる。乗員数に余裕があり無線設備も充実しやすいことから、潜水母艦は潜水艦戦隊旗艦となったケースもある。

概要[編集]

潜水艦は、艦内が狭く食料等の消耗品を大量に積み込むことができないため、長期間の行動には潜水艦に付随し、補給などを行う艦船が必要となってくる。専用の艦を新造する場合の他、徴用した商船を改装したものもあり、これは「特設潜水母艦」と呼ばれる。航行しながらの補給を行うものではなく、あくまでも泊地内などでの停泊・接舷しての運用が主となる。オハイオ級原子力潜水艦など弾道ミサイル潜水艦を大量に保有していたアメリカ海軍では、潜水艦発射弾道ミサイルを積載する能力を持つものも存在した。

旧日本海軍においては、運送船として計画され建造中に改装された「駒橋」、拿捕商船を改装した「韓崎」のほか、「迅鯨」、「長鯨」、そして有事の際には短期間で航空母艦へ改装される予定の「大鯨」といった本格的な艦が建造された。しかし、太平洋戦争の開戦と前後して「大鯨」、「剣埼」、「高崎」は予定通り航空母艦へ改装され、開戦に伴う前線の拡大と大型潜水艦の大量就役による潜水戦隊数の増加のため潜水母艦数の不足が発生し、他艦と戦隊を組まない旧式軽巡洋艦や、商船を改装した特設艦が潜水戦隊旗艦兼母艦任務に充当された。

類似のものとしては、駆逐艦母艦がある。

2014年時点においてアメリカ海軍は原子力潜水艦用のエモリー・S・ランド級を運用している。海上自衛隊においては、潜水母艦機能に加えて潜水艦救難艦としての能力も持つ潜水艦救難母艦『ちよだ』を運用している。

参考図書[編集]

  • 『歴史群像No.38潜水母艦 大鯨』学習研究社、1999年

関連項目[編集]