タックス・ヘイヴン
| 財政 |
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タックス・ヘイヴン[1](英:tax haven)とは、一定の課税が著しく軽減、ないしは完全に免除される国や地域のことである。租税回避地(そぜいかいひち)とも呼ばれる。
「ヘイブン」 (haven) は、英語で「避難所」の意である。フランス語では「仏:paradis fiscal」と、「paradis=天国、極楽」という語があてられている。
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[編集] 起源
タックス・ヘイヴンは、小さな島国など産業が発達しない国が、国際物流の拠点となることを促進するために作った制度である。貿易の拠点となれば定期的に寄港する船乗りなどが外貨を消費するため、海洋国家にとっては有利な方法だと考えられてきた。したがってタックス・ヘイヴン税制が適用される業種は、本来は物流セクターであった。[要出典]
[編集] 現状と課題
国際金融取引を活発化させる目的で一定の減税措置や外国資本企業は登記費用のみで法人税がかからない会社設立方法・通貨決済方法が設けられることは珍しいことではない。そのような意味では、世界最大の実質タックス・ヘイヴンはロンドンのシティ・オブ・ロンドン金融特区であるといわれる。しかし、タックス・ヘイヴンといえば、通常は、英国領ケイマン諸島のような、国際金融取引の単なる中継地として利用されることを想定したような、それ自体は特に見るべき産業のない島国が想定される。しかし、ケイマン諸島の外国資本企業法人税減免システムは実は宗主国英国のシティ・オブ・ロンドンの課税システムをそのままもってきたものである。
一方、現在の国際金融取引においては、租税負担の軽減を目的として、多くの資金がタックス・ヘイヴンを経由して動いており、もはやタックス・ヘイヴンは必要不可欠な存在であると考えられている。その一方で、タックス・ヘイヴンを利用した租税回避スキームに対して各国は、いわゆるタックス・ヘイヴン対策税制を整備してこれに対抗しようとしているものの、根絶にはほど遠い状況である。
また、一部のタックス・ヘイヴンには、本国からの取締りが困難だという点に目を付けた、暴力団やマフィアの資金や第三国からの資金が大量に流入しているといわれている(マネーロンダリング)。2007年からの世界金融危機では、金融取引実態がつかみにくいことが災いし損失額が不明瞭化、状況悪化を助長したとして批判されている。
[編集] 定義
一元的・明確な定義はない。デラウェア州の法人税制やLLCの税制から判断するとアメリカ合衆国が世界で最も悪質なタックス・ヘイヴンであると唱える者もいたりするほどである。実際、デラウェア州の法人制度や税制は世界中のタックスヘイブンのモデル・手本となっており、それ以前にタックスヘイブンを実現可能な制度・税制は世界に存在しなかったことからも、北米でもっともキャシュフローが巨額なタックスヘイブンは実はアメリカ・デラウェア州である。独立国家の制度・税制に他国がとやかく言うのは内政干渉であるという説もあり(実際、独立国家の制度・税制に他国が干渉することは不法であり不当であるのは間違いない)、タックスヘイブンと呼ぶこと自体が差別的あるいは内政干渉であるという意見も存在する。ここでは、例として、経済協力開発機構 (OECD) と日本のタックスヘイブンの基準を以下に示す。
[編集] OECDによる規定
経済協力開発機構 (OECD) では、下記(イ)に当てはまり、かつ下記(ロ)の (a) - (c) のいずれか一つでも該当する非加盟国・地域を「タックス・ヘイブン」と認定し、有害税制リストに載せている。
- (イ) 金融・サービス等の活動から生じる所得に対して無税としている又は名目的にしか課税していないこと。
- (ロ)
- (a) 他国と実効的な情報交換を行っていないこと。
- (b) 税制や税務執行につき透明性が欠如していること。
- (c) 誘致される金融・サービス等の活動について、自国・地域において実質的な活動がなされることを要求していないこと。
[編集] 日本の法律による規定
租税特別措置法は、法人税の実効税率が25%以下(平成22年税制改正後は20%以下)となる国や地域を、事実上タックス・ヘイブンと認定している。
[編集] 各国政府による対策
タックスヘイブンを用いた租税回避について、多くの国や地域ではその対抗策を講じようとしている。
詳細は「タックスヘイヴン対策税制」を参照
[編集] 主なタックス・ヘイヴン一覧
いずれもOECDの発表による。
[編集] OECD国際フォーラム調査による国際的に認められている税基準の実施状況に関する進捗レポート[2]
[編集] 国際的に認められている税基準を約束したが、実施が十分でない国・地域
[編集] タックスヘイブン
- アンドラ/Andorra
- アンギラ/Anguilla
- アンティグア・バーブーダ/Antigua and Barbuda
- アルバ/Aruba
- バハマ/Bahamas
- バーレーン/Bahrain
- ベリーズ/Belize
- バミューダ/Bermuda
- イギリス領ヴァージン諸島/British Virgin Islands
- ケイマン諸島/Cayman Islands
- クック諸島/Cook Islands
- ドミニカ/Dominica
- ジブラルタル/Gibraltar
- グレナダ/Grenada
- リベリア/Liberia
- リヒテンシュタイン/Liechtenstein
- マーシャル諸島/Marshall Islands
- モナコ/Monaco
- モントセラト/Montserrat
- ナウル/Nauru
- オランダ領アンティル/Netherlands' Antilles
- ニウエ/Niue
- パナマ/Panama
- セントクリストファー・ネイビス/St. Kitts and Nevis
- セントルシア/St. Lucia
- セントビンセント・グレナディーン/St. Vincent & Grenadines
- サモア/Samoa
- サンマリノ/San Marino
- タークス・カイコス諸島/Turks and Caicos Islands
- バヌアツ/Vanuatu
[編集] その他の金融センター
- オーストリア/Austria
- ベルギー/Belgium
- ブルネイ/Brunei
- チリ/Chile
- コスタリカ/Costa Rica
- グァテマラ/Guatemala
- ルクセンブルク/Luxembourg
- マレーシア/Malaysia
- フィリピン/Philippines
- シンガポール/Singapore
- スイス/Switzerland
- ウルグアイ/Uruguay
[編集] (参考)当初、国際的に認められている税基準を約束しなかった国・地域(現在は約束)
- コスタリカ/Costa Rica
- マレーシア(ラブアン)/Malaysia(Labuan)
- フィリピン/Philippines
- ウルグアイ/Uruguay
[編集] タックス・ヘイブン・リスト(2000年6月付)
- カリブ
- アンギラ
- アンティグア・バーブーダ
- アルバ
- バハマ
- バルバドス
- ベリーズ
- パナマ
- イギリス領ヴァージン諸島
- ドミニカ共和国
- グレナダ
- モンセラット
- アンティル
- セントクリストファー・ネイビス
- セント・ルシア
- セントビンセント・グレナディーン
- タークス諸島・カイコス諸島
- オセアニア
- クック諸島
- マーシャル諸島
- ナウル
- ニウエ
- サモア
- トンガ
- バヌアツ
- ヨーロッパ
- その他
[編集] 非協力的タックス・ヘイブン・リスト(2002年4月18日付)
- アンドラ
- リベリア
- リヒテンシュタイン
- マーシャル諸島
- モナコ
- ナウル
- バヌアツ