準備預金制度

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準備預金制度(じゅんびよきんせいど)とは、1957年に施行された「準備預金制度に関する法律」に基づいて、金融機関に対して保有する預金の一定割合以上の金額を一定期間の間に日本銀行の当座預金に預け入れることを義務づける制度である。

預け入れを義務づけられた最低金額を「法定準備預金額」あるいは「所要準備額」という。 準備預金制度の対象となっている金融機関は、銀行や一定規模以上の信用金庫など預金取り扱い機関である。

準備率と運用[編集]

預金の種類と保有している預金の規模ごとに、保有する預金に対して日銀当座預金に保有すべき準備預金額の割合である準備率が決められている。これを預金準備率、または支払準備率という。ある月の法定準備額は、各銀行等が保有している預金に準備率を掛けたものの各月の1日から月末までの平均である。この法定準備額を、その月の16日から翌月の15日までの間に日銀当座預金に積み立てることが義務付けられており、この期間を積み期間と呼んでいる。

定期預金など流動性の低い預金の準備率は普通預金などの流動性の高い預金に比べて低く、同じ預金種では預金残高が増えると準備率が高くなるように定められている。

現在の日銀の銀行に対する法定準備率は0.05~1.3%であり[1]、各銀行は日銀に預け入れた金額を準備率で除した額を個人や企業に貸し付けることが法的に許可されている。

準備預金制度と金融政策[編集]

準備預金制度は、金融政策の一環として導入された。日銀が準備率を引き上げると、金融機関は日銀に保有している当座預金残高を増やす必要が出てくる。金融機関は、企業に融資していた資金などを回収して、日銀当座預金に資金を振り込むという行動をとるので、貸し出しの減少などが起こり、マネーサプライは減少して金利が上昇する。逆に、準備率が引き下げられると、金融は緩和し金利の低下が起こる(詳しくは「信用創造」参照)。これを支払準備率操作といい、金融政策の手段として標準的なものであるが、実際には準備率の変更が金融政策で用いられることは少なくなっており、日本銀行は1991年10月に準備率を変更して以来、現在(2012年4月)まで準備率の変更を行っていない。

準備率の変更を直接金融政策に利用するかわりに、日銀は銀行が法定準備額を積み立てる速度を調整して金融調節に利用してきた。

2001年から2006年にかけて採用された量的金融緩和政策では、法定準備額を大きく上回る水準に日銀当座預金残高を維持するということが行われ、この間、準備預金の積立速度の調整は金融政策として大きな意味を持たなかった。

関連項目[編集]

脚注[編集]

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参考文献[編集]

  • 苫米地英人 『年収が10倍アップする 超金持ち脳の作り方』 宝島社〈宝島SUGOI文庫〉、2009年、94頁。

外部リンク[編集]