財政再建

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内, 検索

財政再建(ざいせいさいけん,Fiscal adjustment)とは、赤字債務などにより悪化している財政状況を改善させること。主に政府地方公共団体など、公的機関について用いられる。

目次

[編集] 概要

政府部門において収入より支出が多くなることを財政赤字というが、この赤字は通常債務によって補填される。そしてこの債務残高が財政破綻の危険領域に到達した場合や、債務はまだ許容範囲のものの健全化のめどが立たなくなる事態を避けるために財政再建は行われる。なお、財政破綻とは一般に、通常の財政規模を継続していくことが困難になること、また財政に起因して国民経済になんらかの問題が発生する事態を表し、公共サービスの大幅な縮小や高いインフレなどの状況を含む。

また、黒字の団体も財政を改善する努力は行うであろうが、それらは一般には財政再建とは言わない。

[編集] 財政再建に関する議論

財政の健全性については、国内総生産(GDP)に対する国債の発行残高の割合で見られる場合が多い。また、政府の保有する(流動性のある)資産を考慮する必要があることも指摘される場合もある。

高橋洋一は「経済成長がなければ増税しても税収は増えない」と言う事を指摘している[1]

[編集] 財政再建に関する指標・理論

この節は執筆の途中です この節は執筆中です。加筆、訂正して下さる協力者を求めています

[編集] プライマリーバランス

[編集] ブランシャールの財政破綻の定義

ブランシャールの定義: 政府債務/名目GDPを安定的に推移させながら、現在の財政政策態度を維持できるとき、財政は維持可能であるという。

⇒政府債務の対名目GDP比の推移を考えればよい。

[編集] ドーマー条件

財政破綻が起こらないための十分条件の一つ。ドーマーの定理とは[2]

[編集] ボーン条件

財政破綻が起こらないための十分条件の一つ。前期に財政が悪化していた場合には、今期はプライマリーバランス規模が改善するように財政が運営されていればよいとするもの[3]

[編集] マクロバランスとの関係

経済全体としてみた場合、資金不足の赤字主体は、債務を負うことで、黒字主体の余剰資金を吸収して投資する役割を果たしている。これを資金の流れとして捉えると、黒字の主体(家計)から赤字の主体(政府・企業・海外など)に資金が供給されていると見ることができる。

通例、黒字主体である家計部門の余剰資金は、これを企業部門が借りて投資することで、経済全体としての貯蓄と投資の均衡がはかられることになる。

[編集] 方法

財政を好転させるには、負債の価値の減少か、支出減・収入増かの二通りの方法がある。

  • 負債の価値を減少させる
    • 国債の金利が上昇した(時価が下がった)時の買い戻しもしくはスワップ
    • インフレによる実質的な負債の目減り
  • 収入を増やす
    • 景気回復による税収増
    • 増税(通貨発行によるシニョリッジを含む)
    • (地方の場合)国からの給付金や補助金の金額を増やす
    • 税金以外の収入源(施設使用料や手数料収入など)を確保する
    • 資産の売却
  • 支出を減らす
    • 事業の削減(例:民営化公共事業の削減、など)
    • 事業単価の削減(例:民間委託を進める、契約方法の改善、など)
    • 人件費の削減
    • 借入金(国債など)の利率を低く保つ

[編集] 原因と責任の所在

[編集] 日本

1970年代初頭から80年代中頃にかけて、オイルショックによる設備投資などの削減を受けて政府部門の赤字幅が拡大した。その後、バブル崩壊後の一時期、不良債権の発生によるバランスシートの悪化により、企業部門が設備投資を大幅に削減したことを受けて、当時政権を担当していた自民党が積極的に推進した巨額の公共事業によって景気を下支えしようとした事情がある。これはケインズ経済学に基づいた積極的な財政支出によって雇用需要などを生み出すことで、企業部門が回復するまで景気を下支えしようとすることである。しかし、マンデルフレミング効果が働いたことや、巨額の政府支出が将来の増税を予想させたことによる消費の低迷、企業のバランスシート改善を目的とした設備投資の抑制が強かったこともあり、それらに相殺され大きな効果は得られなかった模様である[4]

一方、この積極的な財政支出によって国・地方とも財政は危機的状況に陥っており、特に地方公共団体の財政は、少子高齢化都市への人口流出と相まってきわめて深刻な情況を呈している。こうした地方公共団体の財政悪化の原因は、基本的にはその自治体の過去の首長議会に帰属するべきものであるが、国が積極的な財政支出を奨励したことも事実であり、そのことから国にも一定の責任があるものとする見解もある。

2011年現在国が進めている財政再建路線は毎年40兆円の公的債務が増大し、方針とは裏腹に財政は年々悪化している。

[編集] 事例

[編集] 日本

国内の自治体のほとんどは財政再建に向けた努力をしている。巨額の法人税などで潤っているはずの都市部の自治体でさえも、歳出削減などの努力は進めている。

  • 神奈川県
  • 大阪府
  • 北海道
  • 岡山県
    • 神奈川県と大阪府はともに、財政再建団体指定を取り沙汰されたことがある。その後の景気回復による増収などで危機的状況は免れたものの、現在も財政状態を好転させるための努力を推進している。
    • 北海道は道経済の低迷とともに財政の悪化が進んでおり、数年後には毎年の財政赤字が数百億円に達するとの観測もある。
  • 日本国政府 - 2011年現在多額の国債を償還するべく財政再建に努めている。

[編集] 脚注

  1. ^ 新聞が書かない「経済成長がなければ増税しても税収は増えない」という基本的事実2011年2月7日 現代ビジネス 高橋洋一
  2. ^ ドーマーの定理とは
  3. ^ 財政赤字(政府債務)の持続可能性について
  4. ^ 円高対策なのか、円高後対策なのか原田泰

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

個人用ツール
名前空間

変種
操作
案内
ヘルプ
ツールボックス
他の言語