村田製作所

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株式会社村田製作所
Murata Manufacturing Company, Ltd.
村田製作所本社
種類 株式会社
機関設計 監査等委員会設置会社[1]
市場情報
SGX M20
本社所在地 日本の旗 日本
617-8555
京都府長岡京市東神足一丁目10番1号
設立 1950年昭和25年)12月23日
業種 電気機器
法人番号 4130001030475 ウィキデータを編集
事業内容 電子部品の製造・販売
代表者 代表取締役会長 村田恒夫
代表取締役社長 中島規巨
資本金 694億4400万円
売上高 連結:1兆5750億2600万円
単体:1兆531億500万円
(2019年3月期)
営業利益 連結:2668億700万円
単体:461億4600万円
(2019年3月期)
純利益 連結:2069億3000万円
単体:670億500万円
(2019年3月期)
総資産 連結:2兆488億9300万円
単体:1兆532億7000万円
(2019年3月期)
従業員数 連結:77,571名
単体:8,783名
(2019年3月31日現在)
決算期 3月31日
会計監査人 有限責任監査法人トーマツ[1]
主要株主 日本トラスティ・サービス信託銀行(信託口) 6.8%
日本マスタートラスト信託銀行(信託口) 5.6%
JP MORGAN CHASE BANK 380055(常任代理人 みずほ銀行決済営業部) 4.4%
日本生命保険(相) 3.5%
SSBTC CLIENT OMNIBUS ACCOUNT(常任代理人 香港上海銀行東京支店 カストディ営業部) 2.5%
京都銀行 2.5%
明治安田生命保険(相) 2.5%
日本トラスティ・サービス信託銀行(信託口5) 1.9%
滋賀銀行 1.7%
みずほ銀行 1.4%
(2019年3月31日現在)
主要子会社 関連会社参照
関係する人物 河端作兵衛(河端製作所主)
村田昭(創業者)
村田泰隆(前社長)
井上亨(元専務)
外部リンク https://www.murata.com/ja-jp
特記事項:各種経営指標は2019年3月期
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株式会社村田製作所(むらたせいさくしょ、: Murata Manufacturing Co., Ltd.)は、京都府長岡京市に本社を置く電子部品メーカー。電子部品を主力とする企業では世界トップクラスに位置している。TOPIX Core30の一社に選ばれている。

概要

村田昭により、1944年10月に京都市中京区四条大宮北(四坊大宮町)で、元染物工場を借りて工場として創業。元々はがいしなどの陶器製品を製造する町工場であった。主力商品はセラミックスコンデンサーで、世界随一のシェアを占める。その他にも、セラミックフィルタ高周波部品、センサー部品も強い。いずれも世界的に圧倒的なシェアを持つ。原材料からの一貫生産に特徴がある。村田製作所は積層セラミックコンデンサーでトップの地位を走るが、「にじみ出し戦略」と呼ぶ周辺分野の企業とのアライアンス、M&Aを進めており、ここ数年は周辺の部品に領域を拡大している。2017年、M&Aでソニーから電池事業を買収した[2]。さらに自動車エネルギー(電池事業)、ヘルスケアなどの注力市場やIoTなどの新規市場に対して研究開発(R&D)を促進して事業拡大を図るため、2020年12月には横浜市みなとみらい地区47街区)に新たな研究開発拠点となる「みなとみらいイノベーションセンター」を開設[3][4]。同拠点には「エンジニアの卵が生まれるきっかけの場」をコンセプトとした、子供たちが科学を楽しく学べる体験施設「Mulabo!(ムラーボ!)」も併設される[4]

会社としては1950年12月23日の設立だが、村田昭は生産を始める前に、火を使う仕事なので(火の神様である)愛宕神社へお参りした。これを記念として後に村田製作所の創業記念日は10月15日と決められている[5]

2000年代以降は新聞・テレビ広告にも力を入れ、「村田製作所は何をセイサクしているんだろう」という出だしで始まるテレビコマーシャルや、村田“科学少年少女”製作所といったテーマで展開される新聞広告など、企業イメージ向上に努めている。特に当社の技術を集めたムラタセイサク君というロボットが注目を集めている。2014年に会社ロゴを変更[6]

以前はお盆と正月に集中的にテレビコマーシャルを放映していたが、これは社員が帰省した際、「村田製作所」という社名から、町工場に勤めているものと勘違いされることが多かったということを踏まえてのものであった。また、採用活動のPRも目的としている。

特徴

  • 高い海外売上比率 海外売上比率は92.2%である(2015年)。売上高1兆円以上の企業でトップの海外売上高比率である。
  • 高い営業利益率 2016年2月1日時点での最新の数字で営業利益率は24.8%である。工場を多く所有する製造業としては非常に高い数字(製造業の平均は約5%)である。
  • 高シェア製品 多くの高シェア製品を有する。
    • 積層セラミックコンデンサ 世界シェア35% 世界一位
    • SAWフィルタ 世界シェア45% 世界一位
    • wi-fiモジュール 世界シェア60% 世界一位
    • EMIフィルタ 世界シェア35% 世界一位
    • ショックセンサ 世界シェア95% 世界一位
  • 高い新製品率 売上高における新製品の割合が40%である。

主な製品

スポンサー提供番組

テレビCM

  • 2010年、2011年放映のテレビCMは3パターンあり、いずれもIC基盤の上に青い被り物をした男性が居るものとなっている。
  • ナレーターは緒川たまきがつとめている[7]

ロボット製作

自社の技術や製品を生かしたロボット製作も進めている。

ムラタセイサク君

ムラタセイサク君(不倒停止中)
(CEATEC JAPAN 2005)

ムラタセイサク君(ムラタセイサクくん)とは、自転車に乗ったロボットで、倒れることもなく前にも後ろにも自力で進め止まれる機能を持つ。1990年に開発された自立走行ロボットを元に、ジャイロセンサなどムラタの技術を集めて2005年に発表された[8]

ムラタセイコちゃん

その後の過程で周りからの要望を受け一輪走行技術の開発に成功したことや、内外からムラタセイサク君の女の子バージョンはないのかと言う声が上がったことなどを受け、2008年9月23日に一輪車走行を行う女の子キャラクターの一輪車ロボ「ムラタセイコちゃん」が発表された。ムラタセイコちゃんは若いスタッフを中心に開発し、デザインも若い女性社員が担当した[9]。「ムラタセイサク君の父方の年下のいとこ」という設定になっている。

ムラタセイサク君TypeECO

2010年に発表したムラタセイサク君より省電力で環境性能を向上させたモデル[10]

村田製作所チアリーディング部

CEATEC JAPAN 2014にて

2014年9月25日に発表されたチアリーディングロボット10体。京都大学松野研究室との共同開発でボールに乗ってバランスを取りながら10体が落ちたり、ぶつかることなく演技をする[11][12][13][14]。テーマソングの『チア・チア』はやくしまるえつこが歌っている。

  • 大きさは1体当たり36cm(ボール含む)で1.5kg。目・頬・手はLEDで発光する。乗っているボールは中空の金属製で、表面はゴム加工されている。重さは約500グラム[15]
  • ジャイロセンサー:3個搭載
  • ワイヤレスセンサーネットワーク:超音波位置計測技術。超音波と赤外線を送受信して音と光の受信の時間差を計算し、個々の位置を把握し制御している。
  • コンデンサー
  • インダクター
  • フィルター
  • フェライトビーズ
  • 水晶振動子
  • マジックストラップ(RFIDタグの商品名)[16]

研究拠点

みなとみらいイノベーションセンター(2020年12月開業)

日本国内に5つの研究開発拠点を設けている[17]。当社公式サイト内「拠点一覧」も参照。

関連会社

国内関連会社

海外関連会社

  • Peregrine Semiconductor Corp.(アメリカ合衆国)
  • Murata Electronics North America, Inc.(アメリカ合衆国)
  • Murata Electronics Trading Mexico,S.A. de C.V.(メキシコ
  • Murata World Comercial Ltda.(ブラジル
  • SyChip,L.L.C.(アメリカ合衆国)
  • Murata Power Solution, Inc.(アメリカ合衆国)
  • Murata Power Solution(Toronto) ULC(カナダ
  • Murata (China) Investment Co.,Ltd.(中華人民共和国
  • Beijing Murata Electronics Co., Ltd.(中華人民共和国・北京
  • Wuxi Murata Electronics Co.,Ltd.(中華人民共和国・無錫)
  • Shenzhen Murata Technology Co.,Ltd.(中華人民共和国・深圳
  • Murata Electronics Trading(Tianjin)Co.,Ltd.(中華人民共和国・天津
  • Murata Electronics Trading(Shanghai)Co.,Ltd.(中華人民共和国・上海
  • Murata Electronics trading(Shenzhen)Co.,Ltd.(中華人民共和国・深圳)
  • Murata Company Limited(香港
  • Hong Kong Murata Electronics Company Limited(香港)
  • Taiwan Murata Electronics Co., Ltd.(台湾
  • Korea Murata Electronics Company, Limited(大韓民国
  • SyChip Electronic Technology(Shanghai)Ltd.(中華人民共和国・上海)
  • Murata Power Solutions(Shanghai)Co.,Ltd.(中華人民共和国・上海)
  • Guangzhou Murata Power Solutions Limited(中華人民共和国・広州
  • Murata Electronics(thailand),Ltd.(タイ王国Lamphun
  • Murata Electronics(Malaysia) Sdn.Bhd.(マレーシア Batu Gajah
  • Murata Electronics Singapore(Pte.)Ltd.(シンガポール
  • Thai Murata Electronics Trading,Ltd.(タイ王国)
  • Murata Electronics Philipincs inc.(フィリピン
  • Murata Electronics(Malaysia)Sdn.Bhd.Kuala Lumpir office(マレーシア)
  • Murata Electronics(Malaysia)Sdn.Bhd.Penang office(マレーシア)
  • Murata Electronics(India)Private Limited(インド
  • Murata Electronics(Vietnam)Co.,Ltd.(ベトナム
  • Murata Electronics Europe B.V.(オランダ
  • Murata Electronics Europe B.V. Helsinki Office(フィンランド
  • Murata Electronics Oy(フィンランド)
  • Murata Electronics(Netherlands)B.V.(オランダ)
  • Murata Electronics(Netherlands)B.V. Stokholm Office(スウェーデンストックホルム
  • Murata Electronics(Netherlands)B.V. Barcelona Office(スペイン
  • Murata Electronics(UK)Limited(イギリス
  • Murata Electronik GmbH(ドイツ
  • Murata Electronik GmbH Budapest Office(ハンガリー
  • Murata Electroniqus SAS(フランス
  • Murata Integrated Passive Solutions S.A.(フランス)
  • Murata Elektronik GmbH, Opfikon Branch,Switzerland(スイス
  • Murata Elettronica S.p.A.(イタリア
  • Murata Power Solutions(Milton Keynes)Limited(イギリス)
  • Murata Power Solution(Celab)Limited(イギリス)

過去の関連会社

  • 電気音響株式会社…1982年9月、村田製作所が55%の株式を取得し傘下に収めた。1989年4月、村田製作所本体に吸収合併され消滅。
  • 株式会社ナナオ(現・EIZO)… 1968年に村田製作所創業家により三菱電機の白黒テレビのOEM生産を目的として設立された[18]。両社間に資本関係はないものの、当社出身者が社長を務めており、また村田家が大株主であるなどといった人的関係が存在する[19]
  • 株式会社ムラタアクティブパートナー…2018年4月1日、村田製作所本体に吸収合併され消滅[20]

歴代社長

氏名 在任期間 出身校
1 村田昭 1950年 - 1991年 京都市立第一商業学校(現・京都市立西京高校
2 村田泰隆 1991年 - 2007年 ニューヨーク大学数理統計学科
3 村田恒夫 2007年 - 2020年 同志社大学経済学部[21]
4 中島規巨 2020年 - 同志社大学工学部[22]

脚注

  1. ^ a b コーポレートガバナンス報告書 2021年2月2日閲覧
  2. ^ 「村田製作所、旧ソニーのリチウムイオン電池工場を公開 175億円かけ事業買収」 日本経済新聞ニュースサイト(2019年8月28日)2019年11月30日閲覧
  3. ^ 村田製作所 新たな研究開発拠点「みなとみらいイノベーションセンター」を横浜みなとみらい21地区に設立 村田製作所(2017年11月29日)2019年11月30日閲覧
  4. ^ a b 関東最大の研究開発拠点「みなとみらいイノベーションセンター」を開業 村田製作所(2020年12月15日)2020年12月20日閲覧
  5. ^ 村田製作所 沿革(2019年11月30日閲覧)
  6. ^ ロゴマーク変更のお知らせ 村田製作所(2014年4月1日)2019年11月30日閲覧
  7. ^ テレビCM - 村田製作所[リンク切れ]2011年12月31日閲覧
  8. ^ http://www.murata.co.jp/news/2005/050929.pdf
  9. ^ 特設サイト[リンク切れ]の開発者インタビューより。
  10. ^ ムラタセイサク君®TypeECOとは(2019年11月30日閲覧)
  11. ^ (全録)村田製作所会見 新型ロボット10体がダンスパフォーマンスyoutube(2019年11月30日閲覧)
  12. ^ 新作ロボ「チア部」息ピッタリ 村田製が開発[リンク切れ]京都新聞
  13. ^ 最新ロボット「村田製作所チアリーディング部」開発発表 村田製作所(2014年9月25日)2019年11月30日閲覧
  14. ^ 村田製作所チアリーディング部 村田製作所(2019年11月30日閲覧)
  15. ^ 10体の玉乗りロボット「村田製作所チアリーダー部」発表 PC Watch(2014年9月25日)2019年11月30日閲覧
  16. ^ End to Endトレーサビリティを実現する超小型RFIDタグ(マジックストラップⓇ) 村田製作所(2019年11月30日閲覧)
  17. ^ 株式会社村田製作所 - みなとみらい特集 CBRE(2018年6月26日)2020年12月20日閲覧
  18. ^ 電子部品工業における子会社・分社化および海外展開 :1980年代までの村田製作所の場合” (PDF). 2017年4月24日閲覧。
  19. ^ 当社株式の大量取得行為への対応方針(買収防衛策)に関するお知らせ” (PDF). EIZO株式会社 (2016年5月9日). 2017年4月24日閲覧。
  20. ^ 連結子会社の吸収合併に関するお知らせ
  21. ^ 巻頭言”. 技術広報誌metamorphosis18号. 村田製作所 (2014年5月1日). 2021年1月3日閲覧。
  22. ^ “村田製作所 新社長に中島氏、村田氏は会長専念”. オートメーション新聞 ウェブ版 (株式会社アペルザ). (2020年3月18日). https://www.automation-news.jp/2020/03/47803/ 2021年1月3日閲覧。 

外部リンク